Side:はやて


今度の拡張パックから新種族が追加されるみたいやな?…確か『サイキック族』やったっけ?
ライフを削って効果を発動する諸刃の剣の種族……まぁ、専用のライフゲインカードも来るやろけど、此れはおもろい事になりそやな?


「だね〜〜…此処に来て新しい種族ってのは正直ワクワクでしょ?
 まだ完全には明らかになってない部分があるけど、間違いなくサイキック族の登場は、デュエルに大きな影響を与えると思うよ?」

「まぁ、そうやろな。」

マダマダ未知の部分があるから何とも言えへんけど、デュエル界に新たな風を呼び込む事だけは間違いないやろ?
これからドンドンカードも充実してくやろし、ひょっとしたらサイキック族は台風の目になるかも知れへんで?


「そうなったらそうなったで面白いじゃん?……って結構凝ってるよはやて?此れ位で痛くない?」

「あ〜〜…えぇ気持ちや〜〜…裕奈はマッサージの達人やな〜〜♪」

プロのマッサージ師かて此処までの癒しは出せへんやろな〜〜。
ホンマに裕奈のマッサージは全身が解れるわ〜〜〜…お返しに今度は私が裕奈をマッサージしたろか?


「良いの?んじゃ、お願いしようかな〜〜?」

「まぁ、胸部マッサージやけどね?」

「ゴメン、やっぱ今のなし。」


なはは、冗談やて、ちゃんと普通のマッサージをするから安心してや。
そう言えば、裕奈聞いたか?……鮫島校長が出張から帰って来るらしいで?


「マジで?…ぶっちゃけ鮫島のおっちゃんよりも、クロノス先生が校長代理勤めてた方が良いと思うんだけど…」

「私もそう思うで…」

てか、一体何の出張で、何処で何して来たんやろか鮫島校長は?












遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX94
『ジェネックス開幕!!』












『と言う訳で、私は今ここにワールドデュエルカップ『ジェネックス』の開催を宣言します!』


で、早速講堂で臨時の集会が開かれたんやけど……何やねんジェネックスって?
アカデミア島全土を舞台とした一大デュエルイベント……まぁ、バトルシティのアカデミア版いうところやね。

出場者は特製のメダルを身に着けて、デュエルの勝者は敗者のメダルを奪う事が出来て、所持メダルが0になったデュエリストは失格となって離脱か…

此れやと単純計算で、先ずは初日に参加者の半分が脱落するいう事やな?


「だろうな…このルールならば確かにジェネックス初日に、参加者が半分にまで削られるだろう。」

「まぁ、逆に分かり易いけどな…要するに強い奴が勝って先に進めるって事だろ?」


間違いやあらへんね。
せやけどデュエルに絶対はないやろ?……誰も予想してなかった大番狂わせだって起きる可能性はゼロやない。


其れを踏まえると、このジェネックスは結構荒れた大会になるかもしれへんね。

せやけど、何で鮫島校長は1か月近くアカデミアを留守にしとったんやろか?


『さて、このジェネックスの参加者はアカデミアの生徒諸君だけではない。
 私は世界中を回り、各国のプロデュエリストや強豪デュエリストにもジェネックスへの参加を要請して来ました。
 ジェネックスはアカデミア島を舞台にした、プロとアマが入り乱れる一大デュエルイベントなのです!!』



「プロデュエリスト!!それに出場要請する為に出張して……って其れも電子メールとかで出場依頼すれば良くない?
 或は国際電話でとか……わざわざ出向く意味って何かある?」

「ないやろなぁ……実は出場要請は序で、世界旅行とプロデュエリストのサイン集めが目的やったりしてな?」

「ほう…プロデュエリストのサインか……もし本当に持っているのならば奪ってやるとするか…」

「うおわ!?エヴァちゃん何時の間に!!」


ホンマに何時の間に!?マッタク気配感じへんかったよ!?


「くくく…私を誰だと思っている、真祖の吸血鬼だぞ?お前達に気取られないように近づくなど造作もない事だ。
 しかし、出張の真の理由とやらは兎も角、あのハゲも中々愉快な事を考えてくれるではないか?
 プロデュエリストを交えてのデュエル大会など、其れだけでアカデミア生徒には良い経験になるだろう?勝っても負けてもな。
 其れにプロとデュエル出来るとなればモチベーションも上がり…或は大化けする奴もいるかも知れん。
 くくく……順当勝ちや大番狂わせが入り乱れる荒れた大会になるだろうが、果たして誰が優勝するのだろうなぁ?」


…少なくとも白い奴等だけでない事は確かやろ?
まぁ、当然私も優勝狙いに行くし、誰が相手でも負ける気はないけどなぁ?


「へ〜〜〜?そりゃ私にも勝つって事?させーねーよ!優勝はこの裕奈ちゃんが頂くぜ!!」

「おぉっと!優勝は俺が貰うぜ!!」

「抜かせ、勝つのは俺だ……誰にも優勝は渡さん。」

「僕だって負けないからね!」

「デュエルとなったら、例え姉御が相手でも…姉御が相手だからこそ手加減はしねぇ!優勝はオレがもらう!!」

「アニキも先輩達も全部倒して、優勝は俺が貰うドン!!」


言うまでもなく、皆やる気やなぁ?まぁ、此れだけの大デュエル大会やったら燃えん方が嘘やろ?
麗華ちゃんと雪乃ちゃんもやる気満々やしなぁ?……まぁ、雪乃ちゃんのやる気はお約束的にアレでナニな部分があるんやけどね。


「其れ位のやる気を出してもらわねばな張合いがない。
 大会には私と吉良の奴も出場するからな?……簡単に優勝出来るとは思わぬ事だ。」

「簡単に優勝出来るなんて思てへんよ……こんだけのメンツに加えてプロや世界の強豪が集まるんやからなぁ?」

そんだけの強敵と激戦繰り広げて、その激戦を制して最終的に優勝するのが楽しいんやないの♪
楽〜〜〜に優勝出来るような大会なんてこっちから願い下げやで?


「右に同じ〜〜く。
 デュエルってのは相手が強ければ強いほど楽しいもんでしょ?簡単に勝てるようなデュエリスト未満とのデュエルなんて楽しめねっすよ?」

「やっぱデュエルは楽しまなきゃダメだろ?
 つーか早くデュエルしてぇ!プロに世界の強豪、ワクワクするじゃないか!」

やれやれ…相変わらずだね十代は…

良いじゃないかユベル…デュエリストとしては正しい反応だろう?

其れに十代さんだけじゃなくて、皆さんデュエリストの闘気全開って感じですから。


せやね、ユベルにアインスに本屋ちゃん。
兎に角デュエルは強敵との戦いを楽しんでナンボやろ?エヴァちゃんかてそうやろ?


「当然だ!腑抜けた馬鹿とのデュエルなど楽しむ事も出来んわ!
 と言うか明石裕奈、丁度良い機会だ!何時ぞやの借りをこの大会中に返してくれる!!」

「私に勝てると思ってんの?返り討ちにしてやんぜエヴァちゃん!!」


お〜〜〜…火花散っとるなぁ。
前にデュエルした時には裕奈が勝っとるからなぁ?…まぁ、裕奈をギリギリまで追い込んだエヴァちゃんの実力は侮れへんけどな。


『大会は明日のAM10:00から開始します。アカデミアの諸君の活躍を期待していますよ。』


大会は明日の10時からか……こら今日は授業が終わったらデッキの確認と調整やな。
ジェネックス…外部からどんなデュエリストが来るか楽しみや!








――――――








Side:裕奈


でもって翌日!
只今AM9:50!あと10分でジェネックス開催だね!やる気は充分元気も充実!元気は最強!!

デッキの確認と調整も済んでるし、なんつ〜か遊戯の直筆サイン入りのデッキホルダーベルト使ってるだけで負ける気がしないね!

行くぜ、スターダスト、オシリス、エフェ、朝倉、本屋ちゃん!優勝かっさらうよ!!


『グオォォォォ…!!』

『ガァァァ!!』


うん、勝とうねゆーな!

私等の強さみせてやるさね!!

行きましょうゆーなさん!


皆も気合充実だね!
まぁ、オシリスはよっぽどの事ないと出番はないと思うけど『デッキに入れておけ』って本人が言うから入れてあるんだけどさ。

……此れってオシリスの力が必要になるような事態が起きるって事?…んな事は起きてほしくねーんだけどね…
ま、今は其れは良いや。

はやては先に行ってるから、私も出動すっかね!


――ガチャ


って、扉を開けたらマック?
どしたの?若しかして行き成り私にデュエル申込みに来た?…其れなら受けて立つぜ?


「違うわよユーナ…もうすぐ大会が始まるけど、斎王が埠頭の方に行くのを見たのヨ。
 外部からの出場者はヘリか船でアカデミア島に来るでしょうから、若しかしたらプロに接触する心算じゃないかと思っテ…」

「マジか?プロ引き込まれでもしたら面倒極まりねーよ!」

行こうマック!
斎王が何考えてるかは知らねーけど、プロとか引き込まれてたまるかっての!!


「えぇ、行きましょウ!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

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・・・・・・

・・・



つ〜事で埠頭到着!!
十代と翔君と剣山も来てたんだ…其れから岬に……三沢も。

デュエルは…すでに始まってるみてーね。
てか誰だアレ?プロデュエリストだとしたら見た事ない顔なんだけど?


「セレブ・オージーン、プロじゃないけどヨーロッパでは強豪デュエリストとして知られているワ。」


そうなんだ…


「余は魔法カード『チャージ』を発動し、『サテライト・キャノン』の攻撃力を2000ポイント上昇させる!」
サテライト・キャノン:ATK0→2000


「更に速攻魔法『リミッター解除』を発動し、攻撃力を倍にする!」
サテライト・キャノン:ATK2000→4000


1ターン目から攻撃力4000かよ!
って、アレ?先攻はオージーンからだったんだよね?先攻1ターン目でリミッター解除って意味なくね?


「更に余は魔法カード『時の女神の悪戯』を発動し、次の余のターンのバトルフェイズに移行する!!」


待てコラ、何だその反則コンボは!!
相手に何もさせねーで先攻1Killなんて委員長の超火力焼き殺しコンボ以外見た事ねーんだけど!?


「ふふふ…実に見事なコンボですが、運命は既に決まっている。
 オージーン王子、彼方がサテライト・キャノンの召喚に成功した時に私が発動した『運命の介在』の効果を此処で使わせてもらう。
 運命の介在は相手がモンスターを召喚した時に手札から墓地に送って発動できるカード。
 そして、私はこのデュエル中に1度だけ、相手ターンに手札の通常魔法カードを発動できる。
 私はこの効果で手札の通常魔法『エース・オブ・ソード』を発動!
 相手モンスター1体を選択して発動!このカードは発動時、正位置か逆位置かがランダムに決定され、夫々の位置表示で異なる効果を発動する。
 正位置の場合、選択したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与え、逆位置の場合は私が選択したモンスターの攻撃力分のダメージを受ける!」


つ〜事は、正位置だろうと逆位置だろうと、兎に角このターンでデュエルが終わるって事ね?


「そういう事になる。正位置なら斎王の勝利で、逆位置ならばオージーンの勝利と言う事だな。」

「いや、態々解説しなくて良いからね三沢…」

其れ位言われなくても分かるし。
つーか、アンタ白い制服は死ぬほど似合ってねーわね…って其れは良いか。

さてと、正位置と逆位置…カードはどっちに止まるかな?



――カチ、カチ……カチンッ



止まったのは…正位置!!


「カードが示した運命は正位置の運命!
 よって、オージーン王子、彼方にはサテライト・キャノンの攻撃力――4000ポイントのダメージを受けてもらう!!」

「な、なんだとぉぉ?ぐあぁぁぁぁぁ!!!」
オージーン:LP4000→0



うっわ〜〜…先攻1Killを止めての1Kill返しかよ……やっぱ斎王は侮れないデュエリスト見たいっすね。
あらら、あまりの結果に翔君と剣山がドン引きしてるっての。


「私の勝ちですね王子…では約束通り…」

「うむ…斎王琢磨、彼方ならばこれを渡すに値する者だ。」


へ?なんか渡した?てか、今の会話から察するに斎王とオージーンは元々繋がってたって事?
でもって今のデュエルは、今渡した正体不明の何かを渡す相手として斎王が相応しいかを調べる為ってか?



…何かスゲー脱力…其れってつまり、私等が何とか白の浸食防ごうとしても意味なかったって事だよねぇ?
一体どれだけのデュエリストを配下に置いてるのよ斎王は?

若しかしたら、ジェネックス出場のプロデュエリストと強豪デュエリストの何人かは既に白に浸食されてるのかも…

もしそうだとしたら見逃せねーわ。
これ以上アカデミアを白には浸食せねーっつーの!


ジェネックス…どうやらはやてとエヴァちゃんが言った通り相当『荒れた』大会に成る事は間違いねーわね…














 To Be Continued… 






*登場カード補足



チャージ
通常魔法
自分フィールド上の「サテライト・キャノン」が表側表示で存在する場合に発動する事ができる。
そのモンスター全ての攻撃力は2000ポイントアップする。



時の女神の悪戯
通常魔法
相手のターンをスキップして、自分のターンのバトルフェイズとする。



運命の介在
通常魔法
このカードは相手ターンのみ発動する事ができる。
相手フィールド上のモンスターが召喚に成功した時、このカードを手札から墓地へ送る。
自分はこのデュエル中に1度だけ相手のターンに手札の通常魔法カード1枚を発動出来る。



エース・オブ・ソード
通常魔法
フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。 コイントスを1回行う。
●表:選択したモンスター1体の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
●裏:自分は選択したモンスター1体の攻撃力分のダメージを受ける。