Side:はやて
修学旅行も終わって早数日。
矢張りと言うかなんというか、アカデミア島は事件とハプニングに満ちとるなぁ?…まぁ、毎日が刺激的と思えば、其れは其れで悪くないと思えるけどな?
「其れはそうかも知んねーけど、幾ら何でも立て続けに色々起きすぎでしょ?
全部デュエルで何とかなる事だったし、デュエルする事が出来たから文句はねーんだけど、こんだけ色々起きまくったら流石に身が持たねーっすよ?」
「まぁ、それはそうやな…」
戻ってきてからの約2週間で結構色んな事が起きてくれたからなぁ?
デュエリストを呪ってる人形がデュエル仕掛けてきたり、結社のクイズマニアがデュエル挑んで来たり、色々あったからなぁ?
まぁ、私的には、遊戯さんにサインして貰ったレイジングハートが『黒・魔・導』と『黒・魔・導・爆・裂・破』を使えるようになってた事やけどね?
「あぁ〜〜…アレには私も驚いたよ?
何で遊戯のサイン貰っただけで、エースモンスターの必殺技使えるようになんのよ?…流石はレイハって言うべきかも知んねーけど。」
「まぁ、レイジングハートは超高性能デバイスやからなぁ?此れくらいは、ある意味で朝飯前なのかも知れへん。」
大体こんな所やな。
それ以上の事件言うたら、裕奈と一線越えた位やろうか……おっとこれは秘密やったな。
「秘密とか言いながら思いっきり口に出てるよはやて……つーか言うなぁ!!
ジュースと間違えて飲んだお酒で、お互いに色々アレでナニな状態になっちゃってたけど――兎に角、口外厳禁!!」
「え〜〜?本契約までしてる仲やから今更やん。」
裕奈は私の旦那やしね。
「其れを言われたら、はやては私の嫁だけどさ…」
ならえぇやろ?――より深い仲になった言う事で。
まぁ、其れは其れで、他の事もデュエルで何とかなったから問題は無いんやけど、斎王が形を潜めてるのは不気味やなぁ?
結社は相変わらずの活動を続けとるのに、そのトップが姿を現さない……経験則的に、何か企んでるのは間違いないやろな。
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX92
『白の浸食〜堕落〜』
Side:三沢
光の結社の動きは、日に日に、少しずつだが確実に大きくなっているな。
ブルーの生徒は略全てが結社に取り込まれてしまっているし、イエローも取り込まれていないのは俺を含めて数人しかいない。
唯一誰も取り込まれていないのはレッド寮だけか。
或は結社も、レッドを見下して手を出していないだけなのか……いずれにしても、近い内に俺に結社からの刺客が向けられることは間違いない筈だ。
其れに備えて、デッキを更に強化しておかないとな!
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と、そう思って意気込んでいたんだが、数日経っても俺には只の1人も刺客が来ることは無かった。
いや、結社からの刺客は其れなりに来ていた――だが、その相手は裕奈君、はやて君、十代に万丈目ばかりで俺の出番は0!
翔達は『良いデュエルが見れた』って喜んでいたが…俺はそうも言ってられない。
結社が力のあるデュエリストを集めているのならば、それから漏れている俺は力が無いのか…?
いや!そんな筈はない!!
俺は入学試験で1番の成績でアカデミアに入学したんだ……やろうと思えば今直ぐにだってブルーに昇格する事が出来る。
そんな俺を歯牙にもかけないなど……甘く見るなよ光の結社!!
俺の最高のデッキで、お前達と戦ってやる!!
「奴等に完勝するには、このカードとこのカードで………を使えば――の上で此れが…!!」
まだ此れじゃあ足りない!!
もっともっと突き詰めていかないと最強にして究極のデッキは出来上がらない――結社の誰が相手でも勝てるデッキを作らなければ俺は!!
待っていろ光の結社!
お前達に俺の力を……三沢大地の実力を教えてやるからな!!
――3日後
で、出来た!!遂に完成した、俺が考えうる最強にして究極のデッキが!!
此れならば誰にも負けない!このデッキならたとえ十代や万丈目が相手だって勝つ事が出来る!!
よし、早速このデッキで結社に!!
「ん?」
部屋のドアの前に何か…
『デッキ構築も結構だけど、ちゃんと飯食え。取り敢えずおにぎりと漬物を置いとくから必ず食べるように!By裕奈&はやて』
裕奈君とはやて君……そう言えば、デッキ構築に夢中になって、碌に食事も摂っていなかったな。
此処までしてもらったんだ、アイツ等に俺の力を知らしめねば申し訳が立たないな。
必ず俺の力を認めさせてやる!!
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来たぞブルー寮――今は光の結社の本拠地の様になっているけれどな。
此処がこうなったせいで、万丈目や麗華君なんかはレッド寮を間借りしてるくらいだからね。
さてと…
「たのもーーー!ラーイエローの三沢大地だ!!!
光の結社、お前達に今この場でのデュエルを申し込む!!」
結社の人間なら相手は誰でも良い!今すぐ俺とデュエルをしろ!!
「おやおや…まさか乗り込んでくる者が居るとは……
デュエルする事は構わないが、敗北した場合――君は我ら光の結社の軍門に下る事になるが、それでも構わないと?」
「斎王…!」
最近姿を見なかったが、今日は居るのか?…ある意味好都合だな。
斎王、俺とデュエルをしろ!もしも俺が負けた場合は、お前達の仲間にでもなんでもなってやる!!
「ほう?…良い覚悟ですが、私が自ら手を下すと言うのも面白くない。
…ふむ…では、光の結社が誇るデュエリストとデュエルをしていただこうか!!出番ですよ、デイビッド君!」
「ほう?Meの出番カ?Youの直々の指名とは責任重大だナ。」
デイビッド・ラブ…お前が相手だと?
指名したにも拘らず、それを別の奴の下請けに出すなんて……俺をバカにしているのか斎王!!
「いえ…ですが、彼は既に私と同じくらいに強くなっているデュエリストです。
彼とのデュエルで、我等光の結社の強さと言うモノを実感していただけると思いますがね…」
「…良いだろう…そう言う事ならやってやる!
俺が3日間かけて作り上げたこのデッキで、先ずはお前から倒してやるぞデイビッド・ラブ!」
「クク…果たして出来るかナ?楽しみダ。」
舐めるな!行くぞ!!
「「デュエル!!」」
三沢:LP4000
デイビッド:LP4000
「先攻は貰う!俺のターン!…俺は『ハイドロゲドン』を攻撃表示で召喚!」
ハイドロゲドン:ATK1600
カードを2枚セットしてターンエンド。
「Meのターン!手札からマジックカード『トレード・イン』を発動!
手札の『The big SATURN』を墓地に送リ、Meは新たにカードを2枚ドローする……ふ、良い引きだナ。
更にMeはマジックカード『死者蘇生』を発動!さぁ、甦レ『The big SATURN』!!」
『ゴォォォォォガ!』
The big SATURN:ATK2800
蘇生コンボで行き成りSATURNか……だが、それが俺にとってはありがたい!
トラップカード『リリースサモン・レベルハーフ』!!
相手がモンスターの召喚、特殊召喚に成功した時に発動できる!
そのモンスターをリリースし、リリースしたモンスターの半分のレベルを持つモンスターをデッキか手札から特殊召喚する!
「この効果でリリースしたSATURNのレベルは8!
よって、俺はデッキからレベル4のモンスターを特殊召喚する!!来い、2体目の『ハイドロゲドン』!!」
ハイドロゲドン:ATK1600
「…やってくれるナ…Meは『オートコマンダー』を守備表示で召喚。」
オートコマンダー:DEF1800
「カードを1枚セットしてターンエンド。」
巧く機能してくれたな、このデッキに組み込んだギミックが。
俺が辿り着いた最強のデッキ……其れは相手の行動を尽く潰すデッキ!
相手のして来た事を、その都度潰していけば、何れ打つ手がなくなり、戦う事が出来なくなるからね。
徹底的にメタりまくれば、勝利は自ずと転がり込んでくる!!
「俺のターン!『オキシゲドン』を召喚!!」
オキシゲドン:ATK1800
更に魔法カード『ボンディングH2O』を発動!
ハイドロゲドン2体とオキシゲドンをリリースし、現れろ『ウォーター・ドラゴン』!!
『キシャァァァアァァ!!』
ウォーター・ドラゴン:ATK2800
「…やるナ三沢…ならばMeもトラップ発動『リビングデッドの呼び声』!此れで墓地のSATURNを呼び戻すゼ!」
The big SATURN:ATK2800
またしてもSATURNを呼び戻すか……成程、確かに簡単に勝てる相手じゃないみたいだ。
だが、俺の力はマダマダこんなモノじゃない!俺の実力と言うモノを、嫌と言うほど味わわせてやる!!
――――――
Side:裕奈
「はぁ!?三沢が1人で結社に乗り込んだぁ!?」
『俺も偶然見かけただけなんだけど、三沢先輩がブルー寮の方に全力でダッシュしてたんだ。
三沢先輩が簡単にやられるとは思わないけど、ちょっと気になったから姉御に教えといた方が良いと思って…』
ナイス判断だぜ岬!
直ぐに行くから其処で待ってて!!
「はやて!」
「言われるまでもないわ!
てか、1人で乗り込むなんて何考えとるんや三沢君は!!得体の知れない連中やから、仕掛ける時は2人以上で言うとったのに!!」
本気で如何したってのよ?
三沢がそう簡単に負けるとは思えないけど、すっごく嫌な予感がバリバリするのよね……此れ急いだ方が良いかも。
『お急ぎならお任せ!『旅の鏡』で速攻転送よ♪』
「ナイスやシャマル!!」
「マジで便利っすねその魔法は!!」
此れなら岬の所まで一瞬で着くし、更に其処からブルー寮にだってあっと言う間だっぜ!!
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つ〜事で、辿り着いたぜブルー寮のエントランス!
途中で準と十代とも合流したけど……多分、岬や剣山が連絡入れたんだろうね。よくやったぜ岬、流石は私の妹分!
「姉御に褒められると嬉しいぜ♪」
マジでよくやってくれたよ。
さてと、エントランスでは、予想通り三沢がデュエル中――相手はデイビットか。
三沢:LP3400
リトマスの死の剣士:ATK3000
ウォーター・ドラゴン:ATK2800
デイビッド:LP1800
The big SATURN:ATK2800
マキナマズルズ:ATK2900
状況的には三沢が押してる感じか。
だけどデイビッドのデッキは、一撃の大爆発がある機械族……下手したら一撃で喰われるわよ?
「ククク…楽しいデュエルだったが、そろそろ終わりのようだナ。
MeはSATURNの効果を発動!手札を1枚捨て、ライフを1000ポイント払う事でSATURNは最終形態へと進化し攻撃力が1000ポイントアップする!!」
『グオォォォォ!!』
The big SATURN:ATK2800→3800
デイビッド:LP1800→800
「更にマジックカード『リミッター解除』!
此れでMeのフィールドの機械族モンスターは、攻撃力が2倍になるゼ!」
The big SATURN:ATK3800→7600
マキナマズルズ:ATK2900→5800
ま、拙い!!
超強化されたSATURNの一発が通れば三沢のライフは0じゃん!!
一応、三沢にはリバースカードがあるけど…
「此れで終わりだ三沢!SATURNで、ウォーター・ドラゴンに攻撃!!『end of COSMOS』!!」
「させない!リバースカードオー……………」
三沢!?…なんで、如何してリバースカードを発動しねーの!?
この攻撃を喰らったらアンタは負けちゃうのに!!
――ドガァァァァァァン
三沢:LP3400→0
そんな…三沢が負けるなんて。
なんでよ…如何してリバースカードを発動しなかったのよ!!
「…自分自身に負けたな。」
「エド?」
来てたんだ…………て、自分に負けたって如何いう事よ?
「三沢には妙なエリート意識が有ったんだろうな。
其れ故に、自分の所に斎王からの刺客が来ない事に焦っていたんじゃないのか?『相手にされていない』ってね。
其れに焦って、行動を先走った……だけならまだしも、最後の最後で思ってしまたんだろうな『結社に入らなければ誰にも認められない』と。
…実際にはそんなことは無いのに、変な焦りのせいで、自ら勝利を手放したんだろうな。」
「そんな……」
違うでしょ三沢!
デュエルってのは、誰かに認めてもらう事が目的じゃなくて、自分のデッキを信じて最高のデュエルをする事でしょ?
認める認めないの評価は、後から付いて来るモノでしょうが!!
其れなのに、自ら評価を求めて如何するのよ…
「………如何とでも言ってくれ。
認められたいと思って何が悪い!俺は、俺を認めてくれる場所に行くだけだ!!」
「待ちや、三沢君!
私等だって、三沢君の実力は認めとるよ?わざわざ結社に入らなくてもえぇやん!!」
「五月蝿い!!俺はもっと多くの人に認められたいんだ!!
其れこそ世界中の人に!!俺は、誰よりも優れたデュエリストとして評価されなければダメなんだ!!」
三沢……此れは完全に結社に落ちたね――――この大馬鹿野郎!!
適当に刺客を沈めたら、アンタも入れたチームを組んで、結社に総攻撃掛ける予定だったのに、先走って軍門に下りやがって!!
「…しゃーない…此れは予定変更やな――明日香ちゃんだけよのうて、三沢君の奪還も新たに追加やで。」
「はやて……」
仕方ねーか……落ちたのは残念だけど、必ず救い出してやるからね三沢!
それと…
「斎王…!」
ひっさびさに姿みたけど、何してたんだろうコイツ?
三沢を手中に収めてご満悦って感じね―――若しかして、此れを見越して三沢の下にだけ刺客を送ってこなかったっての?
だとしたら、アンタはスゲェよ……最高に最悪だぜ!
三沢の心の奥底にあった、ほんの小さな不安を此処まで利用したんだからさ……だからこそぜってー許さねぇぜ!!
覚悟しとけよ斎王…アンタの事は、この私が――レッドの彗星、明石裕奈が必ずぶっ倒してやるかんね!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
マキナマズルズ
レベル8 地属性
機械族・効果
このカードは墓地からの特殊召喚は出来ない。
相手モンスターを戦闘で破壊するたびに、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。
自分フィールド上に、このカード以外の機械族モンスターが表側表示で存在する場合、このカードは相手モンスター全てに攻撃出来る。
ATK2900 DEF2400
オートコマンダー
レベル4 地属性
機械族・効果
このカードはカード効果によっては破壊されない。
ATK1300 DEF1800
リリースサモン・レベルハーフ
カウンター罠
相手がモンスターの召喚、特殊召喚に成功した時に発動できる。
そのモンスターをリリースし、デッキか手札から、リリースしたモンスターの半分のレベル(小数点切り捨て)のモンスターを1体選択して特殊召喚する。
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