Side:海馬
貴様は確か斎王琢磨だったか?
世界でも屈指の占い師だったと記憶しているが…何用だ?
悪いが俺は、占いなどと言うオカルト的な物は一切信用していないが…
「いえ…此度のデュエルアカデミアの修学旅行――何か大きな事が起きます故に伝えておこうかと。
もっとも、貴方が直接手を下すような事態にはならないと思いますが、一応の忠告と言うか報告をと思いまして。」
ふん…下らん。
アカデミアの修学旅行なら俺が目を付けたデュエリストも来ると言う事だろう?
ならば何が起きようとも問題にすらならん。
貴様もオカルト的な事に時間を割く余裕があるのなら、アカデミアのデュエリストとして研鑽を積むことを優先しろ。
「此れは耳に痛い言葉…肝に銘じておきましょう…では…」
ふん…良く分からん奴だ。
だが、だからこそ奴の言う事が只の戯言ではないとも思える…ふむ。
――ピッ
「モクバ。」
『なに、兄様?』
今すぐ遊戯に連絡を取れ。
近いうちに、童実野町で何かが起きるから用心しておけとな。
『わかったよ兄様!すぐに伝えておく!』
「頼むぞ。」
くくく…だが、何が起きようと、遊戯が関与し、更にアカデミアの精鋭が出張れば如何と言う事はないわ!
そしてその経験はデュエリストの経験にもなる。
何を企んでいるかは知らんが、お前の策略も所詮は奴らを成長させるための糧にしかならん。
其れを身をもって知るが良い、斎王琢磨よ!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX85
『修学旅行で伝説と!?』
Side:はやて
いよいよ待ちに待った修学旅行や〜〜。
船でアカデミアの外に出るなんて、ずいぶん久しぶりな感じやな〜〜。
それに、アカデミアの修学旅行は全学年共同やから、剣山君と岬ちゃんも一緒で賑やかや♪
修学旅行は賑やかでナンボやからね。
「で、此れで本屋ちゃんの攻撃力は1000ポイントアップ!究極恐獣に攻撃〜〜!!」
――バッガァァアン!!
「のわぁぁ!!」
剣山:LP1900→1500
「更に本屋ちゃんが装備した『ジャンク・アタック』の効果で、究極恐獣の攻撃力の半分――1500ポイントのダメージを受けてもらうぜ〜!」
「だぁぁ!やられたザウルス〜〜!!」
剣山:LP1500→0
「速攻魔法『リミッター解除』!コイツでリニアブラストスパイダーの攻撃力は更に倍になる!!」
TM-X00リニアブラストスパイダー:ATK7800→15600(パワーボンド+モーターチューン+リミッター解除)
「ハッハッハ!その攻撃が仇になったな!速攻魔法『デーモンとの駆け引き』!
私の場のレベル8モンスターが墓地に送られたとき、デッキか手札から最強の屍龍が降臨する!現れよ『バーサーク・デッド・ドラゴン』!!」
『キシャァァァ!!』
バーサーク・デッド・ドラゴン:ATK3500
で、移動の船の上でデュエルが行われるのは当然やな。
てか相変わらず裕奈は強いな〜〜。
これで、麗華ちゃんに雪乃ちゃん、岬ちゃんにマックに剣山君の5人抜きや無いの。
修学旅行でテンション上がって、それがそのままタクティクスアップに繋がってるみたいやね。
店長とエヴァちゃんも絶好調や。
まぁ、私や準かて似たようなもんやけどね?
さて、そろそろ着く頃やないの?…見えてきたで、童実野埠頭が!
「おぉ!来た来た〜〜!デュエリストの聖地、童実野町!テンション上がるなってのが無理だよなぁ!!」
「少し落ち着いたらジュウダイ?慌てなくても町は逃げないわヨ?」
「町に到着した後は自由行動だ…少し落ち着け。」
なはは…まぁ、盛り上がるのも無理ないやろ?
私等デュエリストにとって、伝説のバトルシティの舞台になった童実野町はホンマモンの『聖地』やからなぁ?
マックと準とて、内心はめっちゃ楽しみにしてるやろ?
「まぁ、其れはそうだが…」
「否定はしないワ。」
「ならいいじゃん。修学旅行は全力で楽しむものだよ?
寧ろ楽しんだ者勝ち!楽しまなきゃ損!楽しまなきゃ負け!つーか楽しまなきゃダメ!つ〜事でテンション上げて行こうぜ!!」
「せや!其れに到着してイキナリの自由行動や!此れで楽しまずになんとすんねん!!」
イキナリの自由行動はフリーダム過ぎやと思うけどな。
でもだからこそ色んな所に行けるってもんやろ?
「其れに、若しかしたら超有名人に会えるかも知れねーじゃん?そしたらラッキーってね♪」
「おぉ!確かにそれもあるかもだよな!!」
会えるかなぁ?会えたら楽しいなぁ♪
そんなハプニングもあるかも知れへんのが、有名な場所への修学旅行や。
さて、到着や!
――――――
Side:裕奈
つ〜事で童実野町に到着〜〜!
船で1時間――やっぱアカデミア島って、童実野町から結構離れた場所にあるよね?
「そうだな……と言うか、何であんな絶海の孤島にデュエルアカデミアを創設したんだ?」
「知らねー…社長のやることは一般人には理解出来ねーって。」
「敢えて言うなら『創設したのが社長だから』としか言いようが無いんと違う?」
「無茶苦茶な物言いだが、妙に納得してしまうな…」
納得するでしょ?てかそれ以外に納得しようがねーでしょ?
『社長だから!』…便利なセリフだわ此れ。
さてと、取り敢えず何処行こうか?
どうせ自由行動も、毎度のメンツで――って言いたいけど、其れだと流石に多過ぎだよね?
適当に分かれようか?
「其れが良いと思うワ。まぁ、私はレイカとユキノと一緒に回る心算だったから、問題ないわヨ。」
「そして、丸藤坊やと剣山坊やもこっち……女の子だけだと不安だからボディガードをお願いするわね…♪」
だから雪乃んは普通に誘えっての…あ〜あ、翔君も剣山も顔がオーバーヒートしてるじゃない。
「まあ、雪乃さんですので…ですがこれならバランスもとれているでしょう?」
「バランス…確かにそうやな。
女子3人に男子2人、2年生4人と1年生1人やからね。」
言われてみりゃそうだね。
私とはやてと十代と準に岬で、そっちがマックに委員長に雪乃んに翔君と剣山だからね。
異論なし、此れで回ろっか?
な〜〜んか雪乃んの色香に中てられたそっちの男子2人は、宜しくね?
「まぁ、適当に回っているうちに正気を取り戻すでしょう…」
「だと良いんだけどね…」
取り敢えず楽しもうぜ!
んじゃ、また夜ね〜〜!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
で、行きたい所は夫々あるわけで、そこは公平にどこから行くかはじゃんけんで決めました!
くそう、まさか岬が私以上のじゃんけんマスターだったとはやられたぜ。
てなわけで、先ずは岬のリクエストで海馬ランドで目一杯遊んだ!
フリーデュエルスペースで色んな人とデュエルもしたし、ゲームコーナーではガンコンシューティングでパーフェクト出してやったぜい!
場内では、バトルシティ決勝戦の映像とかも流れてて楽しかったわね〜〜。
んで、2番目は私のリクエストでKC本社の見学。
入り口で申請すれば社内は自由に見て回れるって事だったから、結構楽しかったな〜〜。
流石に技術開発室とかは見れなかったし、社長には会えなかったけどさ。
…まぁ、会社の入り口のみならず、エントランスにまでブルーアイズの銅像があるのは流石は社長ってとこだよね。
で、3番目は十代のリクエストなんだけど…何処に行くのよ?
「直ぐに分かるって…俺が来たかったのは此処だ!」
「おい、十代此処は!」
「『亀のゲーム屋』…初代デュエルキングの実家やないの!」
まさかここを選ぶとは…てかアポなしで大丈夫なわけ?
「いや姉御、普通に客として入るなら問題ないんじゃねぇ?」
「まぁ、其れはそうかもしれないけどさ…」
大体遊戯が居るかどうかは分からねーでしょ?いれば儲けもんだけど…
――キィ…
「何か用かな?あ…君達は。」
へ?
「うそ、マジで…!?」
「こらめっちゃラッキーや…!」
「来てみるものだな…」
「な?来てみて良かっただろ?」
「こいつは、感激だぜ…!!」
伝説の初代デュエルキング、武藤遊戯…さん。
まさかマジで会えるとは思わなかったよ!!…って、私等の事知ってるの?
「うん、海馬君から聞いてるよ――とても有望なアカデミアの生徒だってね。
十代君と万丈目君、はやてちゃんと…帽子の君は…」
「お、オレはジャッカル岬って言います!裕奈の姉御の妹分です!以後お見知りおきを!!」
「岬ちゃんだね?うん、君達とははじめましてだね。」
「「「はじめまして!」」」
「そして…君とは如何言うべきかな裕奈ちゃん?」
「へ?私っすか?」
「僕からしたら『久しぶり』って言うことになるんだけど…君は僕に会うのは多分初めてだよね?」
多分も何も初めてですけど?
遊戯…さんとは直接会ったことなんてない筈だけど…
「別に敬称は無くてもいいよ?僕も君達と同じ、1人のデュエリストに過ぎないからね。
…やっぱり初めてなんだ…ごめんね変な事言って。まぁ、僕が言ったことはいずれ分かる時がくるよ。」
「さようですか…なら深くは聞かねーです。」
正直意味わからない部分はあるけど、超有名人に会えたって事で良しとしておくぜ。
「ふっふっふっふっふ…貴様等に付いて来た甲斐があったぞ…」
「何で俺まで付きあわにゃならんのだ…」
!!この声は…エヴァちゃん!?
「それに店長じゃないか!!」
「は〜っはっは!貴様等に付いて来た甲斐があったわ!
よもや伝説のデュエルキング、武藤遊戯に会えるとはな!!デュエリスト冥利に尽きるというものだ!
ついては…武藤遊戯よ――サインをくれ。」
――ドガシャァァァァン!!
待てコラ、エヴァちゃん!
尊大不遜に登場しといてやることがサインのお願いって如何よ!?
しかもバッチリ色紙まで用意してるし!!
「有名デュエリストのサイン収集は私の趣味なんだから良いだろう?」
「まぁ、サイン位なら構わないよ?」
「本当か!ならば2枚頼む!
1枚には『札屋・吉良へ』と入れてくれるか?そしてもう1枚には『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルへ』と入れてくれ!!」
「良いよ……はいどうぞ。」
「くぅぅ…これは一生モノの宝を手に入れた!!
ほれ、吉良よこっちは額に入れて店に飾っておけ!寧ろ家宝にしろ家宝に!!」
「…まぁ、ありがたくもらうが…相変わらず強引だなお前は…」
其れがエヴァちゃんクオリティだからね。
遊戯も普通にサインに応じるあたり器がでかいねこりゃ……はやてもそう思わねー?ってあり?
「遊戯さん、私のレイジングハートにもサインしてや〜〜。」
『Please.』
「遊戯さん、俺のデッキケースにもサインして下さい!!」
「オレの帽子にも!!」
「俺のデュエルディスクにもお願いできますか?」
アンタ等全員かよ!!
つーか、普通にレイハ起動するなはやて!自ら求めんなレイハ!そんで普通にサインすんな遊戯!
ぶっちゃけ準まで流れに乗っかったのが裕奈ちゃん的には予想外だぜ!!
「まぁ、此処は貰っておくべきだろう?次に会う事があるかどうかも分からんしな。」
「其れはそうかも知れねーけどさ……まぁ、そうだよね。」
じゃあさ、私は――このデッキホルダーベルトにサインしてもらっていいかな?
「良いよ……はいOK。
ところでアカデミアは修学旅行か何かなのかな?午前中もアカデミアの生徒の子達が来たんだけど…」
うん、修学旅行っすよ?
ちょっと色々ありましてね〜〜、行き先決定デュエルで私が勝って、で行き先決定権を譲渡した十代が此処を選んだのよ。
「そうだったんだ。
まったく爺ちゃんは、さっき来た金髪の外国人の子と薄紫の髪の子と眼鏡の子に年甲斐もなくヤル気出して付いてっちゃうんだから…
店番を任された僕の身にもなってほしいよ。」
「薄紫の髪って…雪乃んだよね如何考えても…老人まで落とすとは恐るべし…」
「流石は雪乃ちゃんやで…」
遊戯の爺ちゃんが雪乃んの色香で昇天しねーと良いんだけどね…其れは天運に任せるしかねーか。
「ところで、君達はこの後予定とかあるの?
もしよければ、僕が童実野町を案内しようか?どうせ店は暇だから『Close』の表札だして鍵をかければ問題ないしね。」
「良いのか遊戯?まぁ、嬢ちゃんや坊主達は――うちのエヴァも喜ぶだろうが…」
「構わないよ。それに、次代のデュエリストには僕も興味があるからね。」
ふぅん?私等に興味あるって?
嬉しい事言ってくれるじゃん……なら、町を案内の前に私等とデュエルしようぜ!
ぶっちゃけて言うとさ、折角会えたんだからデュエルしたい気持ちが抑えらんねーのよ?
勿論、私だけじゃなくてはやても十代も準も岬も――多分エヴァちゃんもそうだと思うぜ?
「そうなの?」
「「「「「勿論!!」」」」」
「そうか……分かったよ――受けて立つぜそのデュエル!!」
!!口調が変わった?デュエルモードって事ですか!!
「驚かせたかな?僕自身が意識したわけじゃないんだが、何時の頃からか、デェエルをする時には口調が『もう1人の僕』みたいになってね。
だけど、僕が僕であることが変わるわけじゃない…誰から来るんだ?誰から来ても構わないぜ!」
く〜〜…流石は伝説の初代デュエルキング――デュエルモードになるとデュエリストのオーラが半端ないね!
バトルシティのDVDでもデュエルする時はこんな感じになってたしね!
「ふん、貴様等には悪いが私が一番手でやらせてもらうぞ!まずは私が相手だ武藤遊戯!!」
「エヴァンジェリンか…お前のデュエリストとしての腕を見せてもらうぜ!!」
あ〜〜、エヴァちゃんずっこい!
つっても此れは名乗りが速い順か〜〜…ま、頑張れ〜〜。
「ふ、見ているが良い!行くぞ!」
「楽しいデュエルにしよう!」
「「デュエル!!」」
遊戯:LP4000
エヴァンジェリン:LP4000
こりゃ思いがけず凄い事になったね〜〜。
この修学旅行は一生モンの思い出になりそうだよ!!
「先攻は貰うぜ!僕のターン!…『サイレント・ソードマンLV3』を攻撃表示で召喚!」
サイレント・ソードマンLV3:ATK1000
「カードを1枚セットしてターンエンド!」
しかも遊戯のデュエルが生で見れて、しかも対戦できるんだからさ!
さぁて、始まったデュエルはどうなるかな?遊戯もエヴァちゃんも頑張れ〜〜〜!!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
|