Side:斎王


 「アカデミアの4強、愚者と皇帝と魔術師と女教皇…見逃せる相手ではないな。」


 当然だな…その4人は恐らくエドが見出したデュエリスト。
 破滅の光などには負けない心を持ったデュエリストのはずだ。


 「そして、愚者に付き従う力と、女教皇に従う星……確かめる必要があるか…」


 精々返り討ちにならないようにな。
 尤も、私が勝ったところで、力と星が此方に靡く事は無いと思うがね…

 とは言え、破滅の光の力も無視は出来ない。
 会う事は叶わないだろうが、力と星よ…用心はしておいてくれ…!












  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX83
 『白の侵食〜拒絶〜』












 Side:岬


 「く〜〜〜〜!やっぱ姉御は最高にカッコイイぜ!
  今日のデュエルも相手の戦術を受けきった上での完全勝利…カッコよすぎだろ!」

 はやて先輩達もマジで強すぎだからな。
 アカデミアに来て良かったぜ…お前もそう思うだろ剣山?


 「勿論!アニキは当然として、丸藤先輩に万丈目先輩、強いデュエリストが沢山居るドン!
  デュエリストとして成長するにはもってこいの場所ザウルス!」


 だよな!
 でも、だからこそ光の結社とか言う奴等の侵略紛いの行為は見過ごせねぇ。
 そもそも真っ白なあの制服は正直言ってダサすぎる!
 白が全く居ないのってレッドだけじゃねぇ?


 「ドン……と言うか今のレッドは本当に最下級クラスドン?
  アニキに裕奈先輩にはやて先輩の『レッド3強』に、略入りびたりの万丈目先輩と丸藤先輩。
  藤原先輩に原先輩に、留学生のレジー先輩……アカデミアの精鋭が殆どレッドに集まってるザウルス…」

 「マジでそうなんだよなぁ…あそこでデュエルしてるだけで強くなれるつっても過言じゃねぇ。」

 実際にオレとお前も入学当初よりも強くなってるの実感できるしな。


 「ならばその実力、是非見せていただきたい。」

 「「!!!」」


 誰だお前!?何時の間に…


 「失礼、驚かせましたね。
  私の名は斎王琢磨――光の結社の総帥、と言えばお分かり頂けるかな?」

 「光の結社の総帥!?」

 「お前が…!!」

 胡散クセェ奴だな…つーかどっから来たんだ?
 今日の定時船は、マダ来てねぇし…どうやって来たんだお前?


 「独自のルートがあるとだけ言っておきましょう。」

 「ますます怪しいが…つーか、お前アカデミアを如何する心算なんだ?
  洗脳紛いの怪しい事しやがって!アカデミアを乗っ取る心算かよ!?」

 「新興宗教の侵攻はお呼びじゃないドン!」

 「此れは心外…私は占いが導き出した『近い内に起こる破滅』を防ぐ為にその対抗手段を持つ者を集めているに過ぎない。
  そして――それには君達2人もまた入っている。」


 オレと剣山がターゲットだと!?
 上等だよ、デュエルってんなら受けて発つ!勿論リアルファイトでも構わねぇけどな!!


 「是非ともデュエルでお願いしたい。」

 「おう、勿論だぜ?」

 「此処はデュエルアカデミア…物事の白黒はデュエルで決着付けるドン!!」


 尤も街中で会ってたらフルボッコ確定だけどな。
 まぁ、デュエルでってんなら、尚の事手加減しねぇ!

 で?お前1人か?まさか、お前1人でオレ等2人を相手にするつもりじゃねぇだろ?
 つーかソレなら舐めすぎだぜ?


 「無論…特に帽子の君は、以前に此方のメンバーを倒しているからね…君は私が相手になろう!」

 「総帥自らかよ…上等だオラぁ!!」


 剣山は今し方現れた奴の方を頼むぜ!


 「任せるザウルス!総帥を潰せば結社もそこで終りドン!!」

 「やってやるぜ結社!!!」


 ぶっ潰す!!行くぜ!!


 「「デュエル!!」」


 岬:LP4000
 斎王:LP4000




 「「デュエル!!」」


 剣山:LP4000
 結社メンバーA:LP4000



 姉御達が出るまでもねぇ、此処でオレ等が止めてやるぜ!!!








 ――――――








 Side:はやて


 あぁ、もう何だって襲撃は何時だって突然なんや!!シャマルがサーチしてくれてなかったら見逃してたで!
 てか、どうやって来たねん斎王琢磨!!


 「ソレは分かんねーけど、剣山君と岬がデュエルしてんでしょ!?
  しかも岬が斎王の相手とか……放っておけるかっての!!」

 「剣山は多分大丈夫だろうけど…結社のトップが相手の岬は少し危ないかもだぜ!」


 まぁ、簡単にやられる子やないけど、それでも心配はするて。
 見えてきたで!


 「岬〜〜〜!!」

 「剣山ーーー!!」


 「姉御!!」

 「アニキ!!」



 うわぁ…結構デュエル進んでるなぁ?
 剣山君の方は…うん、此れは如何見ても勝ち確定やね。


 剣山:LP3500
 暴虐恐獣−イビルジョー:ATK3900


 結社メンバーA:LP2000
 起動砦のギア・ゴーレム:DEF2200



 やけど、岬ちゃんの方は…



 岬:LP2700
 火之迦具土:ATK3200
 八岐大蛇:ATK3000
 ヤマトヒメ:ATK2900
 魂の修練上(フィールド魔法)


 斎王:LP2300
 アルカナフォースW−THE EMPEROR:DEF1400
 アルカナフォースT−THE MAGICIAN:ATK2200




 モンスター的には岬ちゃん絶対有利やけど、相手が結社のトップ言う事を考えると楽観は出来へんな。


 「岬!」

 「なに、任せとけって姉御!オレがコイツをブッ倒して全部終わりにしてやるからさ!」

 「…OK、やっちゃいな!!」

 「おうよ!!」


 「負けるなよ剣山!絶対勝て!」

 「おう!勿論その心算ザウルス!!」


 お、先に動くのは剣山君やね。
 最強クラスの恐竜従えて、ドナイにトドメを刺すんやろ?


 「俺はイビルジョーに、装備魔法『ジュラシック・ブラスターレーザー』を装備!
  装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、貫通効果を得るドン!!」

 『ガァァァァァァァァ!!!』
 暴虐恐獣−イビルジョー:ATK3900→4400(貫通効果)



 「バトル!イビルジョーで、ギア・ゴーレムに攻撃!『バイオレンスクラッシャー』!!」

 「と、トラップ発動『強制脱出装置』!これでソイツは…!」

 「無駄ドン!イビルジョーはバトルフェイズ中に限り、一切の罠効果を受けないザウルス!
  つまり、お前のトラップは効果が無効になり、イビルジョーの牙はそのポンコツを噛み砕くドン!!」


 ――バキィィィィ!!!!


 「そんなぁぁぁぁぁ!!!」
 結社メンバーA:LP2000→0


 うん!見事な勝利や!
 これで後は岬ちゃんが勝つだけやけど…


 「私のターン!」

 「ドローフェイズ前に、火之迦具土の効果で、手札を全て捨ててもらうぜ!」

 「勿論…3枚の手札を全て捨て、そしてドローフェイズでドロー!」


 私のハンドレスなら兎も角、そうでないデッキで手札1枚で此れだけのモンスターを相手にするのは至難の業や。
 やけど…なんや、滅茶苦茶嫌な予感がするで…


 「運命は誰にも変えられない!私は2体のモンスターをリリースし…現れろ『アルカナフォース]Z−THE STER』!」

 『&%$><*』
 アルカナフォース]Z−THE STER:ATK2700


 攻撃力2700の7ツ星モンスター!!
 せやけど此れだけやったら、岬ちゃんのモンスターは倒せへん…効果狙いやろか?


 「THE STERの効果!召喚時に正位置か逆位置によってその効果を得る!
  正位置の効果は、このカードと戦闘を行う相手モンスターの攻守を0にする。
  逆位置の場合は、戦闘を行う場合、このカードの攻守は0になり攻撃表示となる!」


 !!アカン、これで正位置の効果が出てしもたら!!


 「ソレを決定付けるのは君だ…さぁ、止めたまえ!」

 「ウダウダ考えるのは性にあわねぇ…ストップだ!!」



 ――カチ、カチ、カチ……ギュゥゥゥン…!!!



 「止まったのは正位置!よって正位置の効果を得る!
  コレにて終りだ!THE STERで、火之迦具土を攻撃!『スターダスト・ブレイカー』!!」

 火之迦具土:ATK3200→0


 待てこら、なに私の親友の究極技のパクリ技つこてるねん!
 ブレイカーを謳うなら、もっとこう、弩派手に集束してから放たんかい!


 「だね…あんな攻撃が『ブレイカー』を名乗るなんておこがましいけど…岬!!」

 「あっちゃ〜〜…此処でそんな奴が来るとはな…わりぃ、姉御…オレの負けみたいだぜ…」


 ――バガァァァン!!!



 岬:LP2700→0



 …負けてしもた…岬ちゃん…


 「ハハハハハ!私の勝ちだね…如何だったかな?」

 「あぁ、アンタは強いぜ斎王…尊敬に値するぜ…けど、次は負けないからな!」

 「なに!?」


 あれ?白の侵食を受けてへん?
 なんでや!?


 「へへ、実はな…ちょっと恥ずかしいけど此れ見ろよ。」

 「ちょ、岬!なに制服の胸元開けて……って、何これ?梵字?」

 「おう!オレさ、ガキの頃に雷の直撃食らったことがあるんだよ。
  普通だったらお陀仏だけど、爺ちゃんがくれたお守りに入ってた梵字の小型レリーフが金属製でさ…電気がそっちに逃げて助かったんだ。
  けど、その代わりオレの身体にはその梵字が『焼印』みたいに残っちまった。
  此れは一生消えないらしいけど、そのお蔭で、オレは常に不動明王様に護られてる!
  変な外的要素にやられやしねぇって!!」


 驚きの真実やね…でも、白の侵食を退けた言う事は、その護りは本物や。


 「凄いお守りだね〜〜…一生涯大事にしなきゃダメだぜ?」

 「おう!」


 此れは流石に意外やったろうな斎王も。
 目的は達せられなかったみたいやなぁ?ドナイする?今度は私等相手にデュエルするか?


 「…止めておこう…今日のところは退くとする。
  だが、此れでは終わらない…近い内に、また再びまみえる日が来る…その時を待っていると良い。」


 勝った方が捨てゼリフ言うのも斬新やね。
 けど、来るなら来いやで!私等は絶対に白には屈さへんからな!!








 ――――――








 Side:裕奈


 で、斎王の襲撃から3日後。
 この3日間、結社から何もなかったのは逆に不気味だよね…


 「確かにな…天上院君達も特に動いた感じはないし、新たにメンバーが増えている感じでもないからな。」

 「このまま収束するなら別に良いんだけどね…」

 ソレは先ず無いっしょ?
 だからこそ不気味な感じがすんだけどさ。


 「それで〜は、今日の授業を始めるの〜ネ。」


 と、クロノス先生参上!
 今日も楽しい授業を期待してるぜ先生〜〜!


 「任せるの〜ネ♪ですが、授業の前に転校生を紹介するの〜ネ。
  皆、新しいお友達と仲良くするの〜ネ♪」


 私等は小学生かい?
 つーか、こんな時期に転校生って…妙な感じだよね…


 「せやなぁ……ってちょぉ待って!!」

 「マジかよ!!」

 「嘘だろう…!」

 「ありえねぇ…!」

 なんで、どうしてアンタが転校生で!!


 「斎王琢磨です…何卒宜しく…」


 斎王…!
 近い内に現れるって、こう言う事かよ…!

 総帥自らアカデミアに『生徒』として乗り込んでくるって事は、ガチで動き始めたって事よね?


 「やな…此れは、白の動きが今までよりも激しくなるで…」

 「だろうな…」


 今までよりも…だったら何だっての!
 何がどうなろうと負ける私等じゃないでしょ?
 寧ろ直々に生徒として居座ってくれるなら好都合!時期見てブッ飛ばしてやっぜ!!


 どんな謀略考えてるか知らないけど、アカデミアは絶対に落とさせないからね!!



 最悪の場合は『神』の力で全てを吹き飛ばしてやるわよ!!
 覚悟しなさいよ…光の結社、斎王琢磨!!

















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 ジュラシック・レーザーブラスター
 装備魔法
 このカードは恐竜族モンスターにのみ装備できる。
 装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、相手の守備モンスターを攻撃した場合、
 攻撃力が守備力を超えていればその数値分の戦闘ダメージを相手に与える。