Side:裕奈
如何よ朝倉、光の結社について何か分った?
『あんまし有力な情報はないさね。
精々、組織のトップが『斎王琢磨』って占い師だって事位しか分らないね。
まぁ、この斎王については色々分った事も有るけど…なんでこんな結社を作ったのかが謎だわ。』
さいですか…朝倉でも調べ切れないとなると相当だね。
つーか目的が今一良く分らなくね?
アカデミアの生徒を配下において如何しようってのよ?
幾ら強い奴を引き入れても、それだけで世界を席巻は出来ないでしょ?
「せやな…やけど、或いはアカデミアの生徒を配下にしてるのはホンマの目的を隠すためかも知れへん。
派手な囮で、本来の目的から目を逸らさせるのはある意味で基本の戦術やしね。」
「成程ね。」
でもそうなると本来の目的って一体なんなわけ?
よく分らねーけど、絶対碌なもんじゃないよね?
斎王琢磨――稀代の占い師。
アンタは何がしたいのよマジで!?
まぁ、アンタが何を企ててようともアタシ等は負けないけどね…!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX82
『デッキ破壊は不許可』
「光の結社の黒幕が斎王だって!?そんな馬鹿な…!」
「信頼できる情報筋からや…信憑性は高いで?」
でもって、エドにその事を話したら吃驚仰天!
斎王ってエドの友達だったんだ…
「何故斎王が…?彼はあんな非人道的な方法は取らないはずだが…」
でも事実だよ?
超腕の良いジャーナリストに調べてもらった事だから先ず間違いないしね。
「だが、だとしたら何で斎王は、僕にジャパンアカデミアの実力者を探し出すように…?
或いは、これから先にある未来を見通したのか…?」
「ソレは本人に聞くのが一番だね。
まぁ、何か良からん事を考えてるようだったら、その時は沈めるだけだし!」
まぁ、後はオイオイその都度対応していくしかないと思う。
今は私等が自分に出来る事を精一杯するのが正解なんじゃね?
「せやね、絡んできたらその都度潰して正気に戻すのが一番やろ?そっちの方が面倒も無いわ。」
「中々にバイオレンスだな君も…だが、確かに効果的な方法であるかも知れないな。
だが、これまでの事を考えると、君達や十代と万丈目の前に結社の刺客が送り込まれてくる可能性は0じゃない。
精々気をつけておいたほうが良い……まぁ、君達が簡単に負けるとは思えないけどな。」
勿論、誰が来ようと負けないぜ?
光の結社とか訳わかんねーのに負けられるかっての!!
「ふ、頼もしいな。」
「まぁ、任しとき♪」
時にエドは如何するの?
エドの所にも刺客が来る可能性ってあるんじゃない?
「来たら返り討ちにするだけだが……僕は斎王に事の真意を問わなきゃならない。
もしも善からぬ事をやっていると言うなら、僕は友として斎王を止めなくちゃいけないからな。」
なる……まぁ、エドなら心配は無いか。
私等は私等で用心するとすっかね〜〜…
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・・・
て、思ってたその日に速攻で来たよ刺客が!!
アレか?まさか、斎王ってば占い師の超能力とかで私等の会話盗聴でもしてるわけ!?
ぶっちゃけそうとしか思えない程の対応の速さじゃねこれ!?
「まぁ、そうとしか思えへんな…しかも狙いは十代か…」
「おまけに奴はプロデュエリストだったな…」
「プロまで結社に取り込んでるとかドンだけだってのよ…」
まぁ狙いが狙いだけに、十代は既にやる気十分のデュエルモードだけどね。
デュエルモード十代なら負ける事は先ず無いけど……なんだろうアイツ、スッゴク嫌な予感がすんだけど…気のせいかね?
「気のせいやないで?私も滅茶苦茶嫌な予感がするわ…」
「俺もだ。何なんだ?この言いようのない不気味さは…」
私だけじゃなかったか…白の侵食って感じだけじゃねーのよね。
ちょっと調べてくれる朝倉?
『お任せ!速攻で調べるから待ってな!え〜と…プロデュエリスト『エックス』と…』
頼むよ?兎に角不気味だからね〜……特に見た目が!
「「確かに。」」
「それじゃあ始めましょうか?」
「おう!負けないぜ!!」
「「デュエル!!」」
十代:LP4000
エックス:LP4000
あ〜〜…朝倉の解析が終る前に始まっちまったよ…
まぁ、デュエル中には判明するだろうけど…取り敢えず用心だけはしときなよ十代…!
――――――
Side:はやて
てな訳で白の刺客と十代のデュエルやけど、裕奈の言う通り、なんとも不気味な感じやな。
デュエリスト言うよりも怪しい研究員の方がピッタリやろ…
「では、先攻は私が貰いましょう。ドロー…手札から永続魔法『墓守の使い魔』を発動!
モンスターを守備表示でセットし、カードを2枚伏せてターンを終了。」
墓守の使い魔…又微妙なカードを出してきたなぁ?
デッキトップ1枚のコストで、攻撃型の十代が攻撃を躊躇するとは思えへんけど?
「俺のターン!マジックカード『エレメント・ドロー』を発動!手札の『ウェイブマン』を捨てて2枚ドロー!
更にウェイブマンの効果で、デッキから『融合』を手札に加えるぜ!」
「おぉ、流石は融合マスター!速攻だね!」
「融合という戦術で十代を上回るのは、かの武藤遊戯でも難しいんじゃないか?」
かもな。
他のデュエルタクティクスでは及ばなくとも、『融合』の一点やったら、十代の右に出るデュエリストは居らへんて。
「全力で行くぜ!マジックカード『融合』!手札のオーシャンとフォレストマンを融合!
大地と海をその身に宿す奇跡の地球にE・HEROが降臨する!融合召喚、現れろ『E・HERO ジ・アース』!」
『初手から私か…全力だな十代!』
E・HERO ジ・アース:ATK2500
「へへ、まぁな!更に『アース・コンタクト』を発動し、デッキから『E・HERO ネオス』を特殊召喚するぜ!」
『速攻で決めようじゃないか十代!』
E・HERO ネオス:ATK2500
うっわ〜〜…イキナリ2大エースを揃えて来たわ…いや、ハンドレスの私が言う事やないけど。
普通ならこれでペース掴んで押し切れるとこやけど…
「バトルだ!ジ・アースでセットモンスターを攻撃!『アース・インパクト』!!」
「ふふふ…来ましたね?リバースカードダブルオープン!永続トラップ『無敵結界』!永続トラップ『挑発行為』!
『無敵結界』が存在する限り、互いのモンスターは戦闘では破壊されません。
そして『挑発行為』が存在する限り、相手モンスターは全て攻撃表示になり、必ず攻撃しなくてはならない!
加えて君が攻撃したカードはこれだ!」
侵食蛆:DEF0
!!あのモンスターは…まさか!!
『分ったよアイツの事!エックスの戦術は…『デッキ破壊』だって!!』
「「「デッキ破壊!!」」」
侵食蛆とのコンボで気付いたけど、やっぱりか…!
アカン、デッキ破壊のフィールドが出来上がってしもた…!
「墓守の使い魔の効果で、君はアースの攻撃時にデッキからカードを1枚墓地に送った。
更に、侵食蛆が戦闘を行った場合、相手のデッキトップからカードを3枚墓地に送る。
これで君は計4枚のカードを墓地に送る事になるが、挑発行為の効果でネオスもまた攻撃しなければならない!」
「なに!?」
く…更に4枚…これで8枚のカードが墓地に…!
十代のデッキは残り22枚…!!
十代:デッキ22
「く、カードを1枚セットしてターンエンド。」
「私のターン!カードを1枚セットしてターンエンド。」
ターンを流して十代のデッキ切れを狙うつもりか…セコイ奴やなマッタク…!
『そのせいでプロの世界でも評価は最悪みたいさね…『誰も戦いたがらないデュエリスト』だってさ。』
「そりゃ当然でしょ?デッキはデュエリストの魂の半身――ソレを破壊されるなんて良い気分じゃねぇって。」
「ホンマやな…」
十代もや〜〜な気分やろうけど、けど十代やったらこの程度は跳ね返せるはずや!
「俺のターン!……へへ、お前のデッキ破壊は如何やら俺に流れをくれたみたいだぜ!
お前のデッキ破壊コンボで墓地に送られた『ネクロ・ダークマン』の効果で、手札の『E・HERO エッジマン』をリリース無しで召喚するぜ!」
『ウオォォォ!!』
E・HERO エッジマン:ATK2600
此処でエッジマン!
貫通効果のあるエッジマンなら、攻撃してもダメージを与えられるから行ける!
最短、次のターンで行ける!
「次のターンは無いぜ!トラップ発動『エレメント・ドライブ』!
俺の場のE・HERO1体は、エンドフェイズまで俺の場のE・HERO1体につき攻撃力を500ポイントアップする!
俺の場のE・HEROは3体!よって1500ポイントの攻撃力をエッジマンに上乗せするぜ!!」
『オォォォォォ!』
E・HERO エッジマン:ATK2600→4100
攻撃力4100!
侵食蛆の守備力は0やから、此れが通れば十代の勝ちや!!
「バトル!エッジマンで、侵食蛆に攻撃!『パワーエッジ・アタック』!!」
十代:デッキ22→21
「ソレは無理です!トラップ発動『強制脱出装置』!これでエッジマンには手札に戻ってもらいます!」
此処でそのカードを!!
あかん、また無駄な攻撃で十代のデッキが…!!
十代:デッキ21→13
「くっそーーー!ターンエンド!!」
「私のターン!モンスターを伏せてターンエンドです。」
「またかよ!俺のターン!!」
此れは迷う所やな…セットモンスターはリバース効果の可能性が高い上に恐らくはデッキ破壊の効果である可能性が高い…
「デッキからカード1枚を墓地に送り、ネオスでセットモンスターに攻撃!頼むぞネオス!『ラス・オブ・ネオス』!!」
十代:デッキ:13→12
セットモンスターは…『ニードル・ワーム』!?…さ、最悪や…
「ニードルの効果で、デッキトップからカードを5枚墓地に捨てていただきましょう。」
「うげ…ま、マジでヤバイかも…」
十代:デッキ12→7
更に無駄な攻撃で4枚も…
十代:デッキ7→3
あ、アカン…次の十代のターンが事実上のラストターンや…!
次で何とかせんとヤバイどころか負けてまう…
「ターンエンド…」
「私のターン!ターンエンド!さて、万策尽きたのでは?」
「如何だろうな?デュエルは最後まで分らないぜ?俺のターン!………!!」
!十代のあの顔は…!!
「あぁ、引いたな。この局面を打開できるカードを!」
「流石は十代!全力全壊、ブチかませ!!」
「おう!行くぜエックス!俺は『N ライトニングワイバーン』を召喚!」
『姑息な手を使う…成敗してやろうじゃないか、十代!!』
N ライトニングワイバーン:ATK1000
新たなネオスペーシアン!
此れは期待出来そうや。
「ライトニングワイバーンの効果発動!
1ターンに1度、墓地のカード1枚をゲームから除外し、除外したカードの種類によって異なる効果を発動する。
俺は墓地の『E・HERO ウェイブマン』を除外!
そしてモンスターを除外した場合の効果は…『相手フィールド上に表側表示で存在するカードを2枚まで破壊する』効果!
これで『侵食蛆』と『墓守の使い魔』を破壊するぜ!!」
「なんですとぉ!?」
――バリィィン!!
お見事。
その2枚を破壊すればもうデッキ破壊は出来へん。
決まったな…
「更に魔法カード『メテオ・ドライブ』!このターン、俺のモンスターは貫通効果を得るぜ!
此れで決まりだ!ネオス、ジ・アース、ライトニングワイバーンで、ニードル・ワームに攻撃!
喰らえ、E・HEROとネオスペーシアンの合体攻撃!『ネオスペース・エレメント・スパーク』!!!」
『『『でりゃぁぁぁぁぁ!!』』』
――ドガァァァァン!!!!
「むごわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
エックス:LP4000→0(OVER KILL)
はい、一撃必殺のオーバーキルで決着や。
残りデッキがギリギリになっても、十代とカードとの絆は断ち切れへんかったね♪
「よっしゃーーーー!!俺達の勝ちだな!」
「そ、そんな馬鹿な…。」
「デッキ破壊なんてセコイ戦術を使うからだ…デュエリストならば己の魂を入れたデッキを作ってみろ。」
「勝率重視のデッキじゃ、その内カード達から見放されて終わりだからね?」
「今回の負けを教訓に、もう一度デュエルの原点を考えてみるんやな。」
ホンマ、プロ言うてもピンキリやね。
エドや裕奈のママさん見たいなデュエリストも居れば、こんなのも居る…ある意味広い世界や。
ま、ソレはソレとして…光の結社は、次はどんな手を打ってくるやろか?
過去に一部隊を指揮していた経験から言うと、そろそろ黒幕が出張ってくる頃やと思うんやけどなぁ…
――――――
Side:斎王
「ふん…エックスが負けたか…」
当然の結果だろう…エドが見出したデュエリストがむざむざ負ける筈も無い…
「まぁ良い…そろそろ頃合だ…直に乗り込むのも良いかもしれないなぁ?」
ふ、それは自殺行為だな。
お前が…お前達がエドやエドの見出したデュエリストに勝つ事など出来ない。
私はそう信じている…
《…くくく…まぁ、今表に出てる奴くらいは倒してもらわねば…俺が本格的に表に出れんからな?》
お前もだ『トラゴエディア』。
お前が表に出ても、必ず倒される。
僅かな干渉能力で、違法製造した『プラネット』をばら撒いたみたいだが…ソレも結局は無駄だ。
《無駄かどうかは何れ分る…俺が復活したその時にな…》
分るだろうな…無駄だったと言う事が!
…最早自我を表に出す事も難しいか…
頼むぞエド、そして強きデュエリストよ…『私』を止めてくれ…!!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
侵食蛆
レベル1 闇属性
昆虫族・効果
このカードが戦闘を行った場合、相手はデッキの上からカードを3枚墓地に送る。
ATK0 DEF0
メテオ・ドライブ
通常魔法
このターン、自分のモンスターが相手の守備モンスターを攻撃した場合、攻撃力が守備力を超えていれば、その数値分の戦闘ダメージを相手に与える。
エレメント・ドライブ
通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力は、エンドフェイズまで自分フィールド上に表側表示で存在する『E・HERO』
と名の付くモンスターの数×500ポイントアップする。
無敵結界
永続罠
このカードが表側表示で存在する限り、互いのモンスターは戦闘では破壊されない。
挑発行為
永続罠
このカードが表側表示で存在する限り、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターは全て攻撃表示になる。
また、相手はバトルフェイズを必ず行わなくてはならず、攻撃表示のモンスターは必ず攻撃しなくてなならない。