Side:裕奈


 うん、まぁある程度予想はしてたよ?
 炎属性が火山で、風属性が風力発電用の巨大風車だったからね。

 「けどさ、地属性だからって此れはあんまりじゃない?」

 「まぁ、確かに地属性って感じだよな…」


 感心すんな十代!
 こんな採石場の巨大岩石群の前で如何しろってのよ?


 『取り敢えずその辺の鶴嘴で手当たり次第岩を割るしか無いんじゃね?

 『ソレが一番だろうね。


 朝倉、ユベル…マジで?
 他に方法無いすかね本屋ちゃん?


 『え〜と…あ、無いですね♪


 ジーザス、神様アンタ私等の事嫌いですか?(泣)
 …こうなりゃ開き直りよ!十代、鶴嘴で片っ端から岩割るわよ!
 手当たり次第砕いてきゃ、何時かは地属性のネオスペーシアンに辿り着くわよ!!


 「おぉ!やってやるぜ!!」


 ぜ〜〜〜ったい見つけるから覚悟しとけよ!!












  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX75
 『白の侵食〜未遂〜』












 Side:万丈目


 「誰かと思えば貴様か…デイビット・ラブ。」

 「くくく、予想外の訪問だったカ?」


 まぁ、正直に言うとな。
 何の用だ?随分と大勢で来てくれたが……と言うか白い制服など有ったか?


 「ククク、こいつ等は全員Meに負けて『光の結社』の軍門に下った連中サ。
  マンジョウメ、今日はYouを光の結社に引き込むために態々来てやったのサ。」

 「光の結社だと?」

 何だソレは?
 悪いが妙な遊びに付き合う気は毛頭無い、そんな下らん事を言いに来たのならさっさと帰れ。


 「下らない?果たしてそうかナ?……此処に居るのは結社のホンの一握りダ。
  既にブルーの7割はMe達の軍門に下っている、イエローも時間の問題だ……レッドに興味は無いがナ。」

 「…自慢気なところ悪いが、後ろに居る連中よりレッドの奴等の方が強いぞ…多分。」

 いや、確実にか?
 そもそも、そいつ等は全員俺に、十代に、裕奈に、はやてに負けた連中だと思ったが?
 ホンの一握りの実力者は居なくもない様だが……良くて一流半では話にならん。


 「良く見ているじゃないかマンジョウメ……だからこそYouなのサ。
  Youを取り込めばMe達の勢力は更に力を増す……その力をMe達に貸せマンジョウメ。」

 「断る。無意味に群れる連中に興味は無い。
  俺には互いに高め合える仲間が居ればそれで良い。」

 「切磋琢磨カ?ククク…本当にソレで良いのカ?
  他を圧倒する力を持ちたいとは思わないか?結社に来ればその力、簡単に手に入るぞ?」


 ふん、ならば尚の事願い下げだ。
 他の誰かから与えられた力に何の価値がある?
 確かに誰よりも強いデュエリストにはなりたいと思うが、1番は己の力でもぎ取る物だ。

 ソレを他者から与えられた力に頼るなど馬鹿も休み休み言え。


 「デイビット、口で言うより体験させた方が早いと思うぜぇ?
  白の力を得た俺とデュエルすれば、ドレだけこの力が凄いか理解できるってモンだ。」

 「確かに言えているかも知れないナ。」


 お前は…地上目の取巻きだったな?
 確か………………スマン名前を思い出せん、モブAで良いか?


 「良くねぇよ!」

 「モブっぽいと思ったが本当にモブだったのカ…」

 「待てコラ!お前までソレ言ったら元も子もないぜ!!」


 いや、実際モブだろう?
 誰が何と言おうとモブだろう?異論は聞くが無視する。


 「ソレ意味ねぇよ!!
  んのヤロウ舐めやがって!デュエルしろ万丈目!白の力を得た俺の腕を見せてやる!!」

 「まぁ、デュエルなら受けてやるが……余り調子に乗るなよ三下が…!」

 「テメェ…俺が勝ったら結社に引き込む!そんでテメェは俺の舎弟だからな!!」


 ふん、やってみるが良い――出来るモノならな!
 表に出ろ、寮の室内じゃデュエルをするには狭すぎる。


 「良いぜ…けちょんけちょんにしてやる!」


 さてと場所は…此処で良いか?
 ん?…はやて、こんな所で如何した?


 「あ、準!丁度良かったわ〜〜。
  実は牛のえぇのが手に入ったから今夜のメニューをローストビーフにしよ思て、そんで今日の晩御飯のお誘いに来たんよ♪」

 「そうか……ならありがたく御呼ばれするとしよう。
  せめて此れからやるデュエルが良い前菜になると良いんだがな。」

 「なんや、デュエル?ほな、観戦させて貰おかな♪」


 お前が観戦しているなら、尚の事こんな奴には負けられん。
 好敵手の前で無様なデュエルは出来んからな。
 準備は良いかモブ!


 「モブじゃねぇ!!!!くっそ、目に物見せてやる!」

 「「デュエル!!」」


 万丈目:LP4000
 モブA:LP4000



 先攻は俺が貰う!ドロー!!
 『プラズマ・ドラグーン』を攻撃表示で召喚。


 プラズマ・ドラグーン:ATK2000


 先攻ターンは攻撃出来ん、カードを2枚伏せてターンエンド。


 「俺のターン!目に物見せてやるぜ!
  俺は『絶対侵略者ノーネーム』を攻撃表示で召喚!!」
 絶対侵略者ノーネーム:ATK3000


 !?
 レベル8で攻撃力3000のモンスターをリリースも無しで通常召喚だと?


 「ノーネームは相手フィールド上のモンスターが攻撃表示モンスターの場合のみリリース無しで通常召喚できる。
  お前もパワーデッキだろうが、上級展開の速さなら俺の方が上だ!
  バトル!ノーネームで、プラズマ・ドラグーンを攻撃!『侵略の波動』!!」


 ――バガァァン!!


 万丈目:LP4000→3000



 吠えるだけの事は有るか…だが甘い!
 トラップ発動、『龍の霊脈』
 俺のドラゴンが戦闘で破壊されたとき、デッキからレベル4以下のドラゴン1体を特殊召喚する。
 来い『ウィッシュ・ドラゴン』


 ウィッシュ・ドラゴン:DEF100


 「更にトラップカード『不死の竜』
  此れで破壊された『プラズマ・ドラグーン』を墓地より呼び戻す。」
 プラズマ・ドラグーン:ATK2000


 「一気に2体のモンスターだと?ちぃ、カードを1枚伏せてターンエンド。」

 「俺のターン!」

 ウィッシュ・ドラゴンの効果発動。
 このカードをリリースし、攻守100のドラゴン・トークンを2体呼び出す。


 ウィッシュ・ドラゴン:DEF100
       ↓
 ドラゴン・トークン:ATK/DEF100(×2)


 そしてこの2体のトークンとプラズマ・ドラグーンの計3体のドラゴンをリリースし、現れろ『破壊龍 アレクサンダー』!!


 『ウオォォォォ…!』
 破壊龍 アレクサンダー:ATK3000



 アレクサンダーの効果発動!
 ドラゴン族モンスター3体をリリースしてこのカードをアドバンス召喚した時、相手フィールド上のカードを全て破壊する!
 そして、この効果に対して相手はカード効果を発動できん!


 「な!?うそだろぉぉ!?」

 「此れで貴様のフィールドはがら空きだ!
  アレクサンダーのダイレクトアタックを受けるが良い!粉砕しろ『デッドスクライド』!!」


 ――ゴォォォ!!


 「ぐぎゃぁぁぁ!!」
 噛ませ犬:LP4000→1000


 他愛も無いな。
 カードを1枚伏せてターンエンド。


 「未だだ…俺のターン!!…へっへっへ、どうやらこのデュエルの流れは、まだ俺にあるみたいだぜ!
  俺はお前のアレクサンダーをリリースし、『侵略竜 インヴェイド』をアドバンス召喚!!!」
 侵略竜 インヴェイド:ATK2500


 俺のモンスターを…特殊アドバンス召喚モンスターか。
 攻撃力2500…ライフは500残るが…


 「ブッ潰れろ!インヴェイドで万丈目にダイレクトアタック!『インベイダーバースト』!!」


 貴様なんぞにこれ以上のライフはやらん!
 トラップ発動『舞い降りる竜』
 此れで手札の『仮面竜』を守備表示で特殊召喚する。


 仮面竜:DEF1100


 「ソレが如何した!攻撃続行!仮面竜粉砕!!」

 「仮面竜の効果!戦闘で破壊されたとき、デッキから攻撃力1500以下のドラゴンを特殊召喚出来る。
  俺が呼び出すのは『ハードアームドドラゴン』!」
 ハードアームドドラゴン:DEF800


 「…モンスターが途切れねえか。ターンエンド!」

 「俺のターン!」

 良し、最高の引きだ。
 手札から魔法カード『命削りの宝札』を発動。
 次の俺のターンに全ての手札を失う代わりに、デッキからカードを5枚ドローする!
 更に魔法カード『クロス・ソウル』!此れで貴様のモンスターをリリースできる!!


 「俺のモンスターを!!…まさか!!」

 「そのまさかだ!貴様のモンスターとハードアームドをリリースし、光と闇の狭間より現れろ!光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)!!」

 『グオォォォォォォォ!!!』
 光と闇の竜:ATK2800


 「ら、ライトアンドダークネス…!!」

 「クロス・ソウルを発動したターンは攻撃出来ん。カードを2枚伏せてターンエンド。」

 「俺のターン!!
  吹き飛ばしてやるぜ!魔法カード『ブラック・ホール』!此れでモンスターを全破壊だ!!」


 そうはさせん!
 光と闇の効果!攻守を500下げる事でカード効果の発動を無効にする!!


 光と闇の竜:ATK2800→2300


 「く、だが手はある!墓地のインヴェイドの効果!俺のフィールドにモンスターが存在しない時に墓地から蘇る!」

 「だがその効果も無効になる。」
 光と闇の竜:ATK2300→1800


 「そうくるよな?だがこの効果に発動制限は無い!再びインヴェイドの効果!!」

 「そう来たか…」
 光と闇の竜:ATK1800→1300


 「更に効果発動!!」

 光と闇の竜:ATK1300→800


 ついに限界まで下がったか。
 此れではもう無効効果は発動できんが…


 「此れでカード効果は無効にされねぇ!
  魔法カード『侵略融合インベイドフュージョン』を発動!
  俺のフィールドか墓地から融合素材モンスターを除外して『侵略』の融合モンスターを特殊召喚する!
  俺は墓地のインヴェイドとノーネームをゲームから除外して融合!こいや『侵略の暴虐皇』!!」

 『うがぁぁぁぁ!!』
 侵略の暴虐皇:ATK3000



 此処で攻撃力3000か。
 光と闇を破壊して優位に立つ…心算だろうが果たして如何だろうな?


 「へ、粋がるなよ?暴虐皇で光と闇に攻撃!『侵略と暴虐の魔弾』!」

 「…矢張り浅いな!速攻魔法『禁じられた聖杯』
  フィールド上のモンスター1体の効果を無効にし、攻撃力を400ポイントアップする。
  このカードの対象は当然『光と闇の竜』!!」

 『カァァァァ!!!』
 光と闇の竜:ATK800→3200(効果無効)



 「な、攻撃力3200だと!?」

 「それだけでは終らん!トラップカード『ドラゴン・インパクト』
  ドラゴンの攻撃力を2倍にする!そして禁じられた聖杯で効果を無効にされている光と闇はこの効果を無効にはできん!」

 此れで光と闇の竜の攻撃力は倍化!
 どうやら終るのは貴様の方のようだな!!


 『キシャァァァ…!』
 光と闇の竜:ATK3200→6400



 侵略者を光の波動で打ち崩せ!!『シャイニング・ブレス』!!


 ――バガシャァァア!!


 「たわばぁぁぁぁぁ!!!」
 三下:LP1000→0


 ふん、粋がった割には大した事は無かったな?
 確かに多少は以前より強くなったようだが、その程度では俺には及ばん…与えられた力などこの程度だ。


 「…どうやらYouを取り込むのは難しそうだ…良いだろう、此処は出なおすぜマンジョウメ。
  だが、覚えておけ…Me達は不滅…必ず取り込んでやるからな…!!」

 「好きにしろ…だが、この程度なら何人来ようが俺の敵では無いと知るんだな。」

 「せや、もっと言うなら私等の敵やあらへんからな!」


 つまりそう言う事だ。
 俺達を取り込みたいなら、せめて剣山や岬クラスのデュエリストを連れて来い。
 三流の三下では相手にならん。


 「覚えておく……精々一時の勝利に酔っているんだナ。」

 「酔わん…が、貴様等には負けんという事は肝に銘じておけ。」

 何時でも来るといい…全て粉砕してやるからな!!








 ――――――








 Side:十代


 「よっしゃーーー!見つけたぜ、地属性のネオスペーシアン!!」

 「お〜〜…良かったね十代。」


 おう!…って、大丈夫か裕奈?
 流石に疲れたか?


 「ハハハ…燃え尽きたよ、真っ白だよ…我が人生一片の悔いは…多分まだ大量に有るだろうなぁ…」

 「お〜〜い…」

 大丈夫か此れ?
 確りしろ裕奈!!


 「無理…女子高生にこの力仕事は堪えるっての…ゴメン少し寝るわ…」

 「おい、裕奈!!」

 「Zzz…」


 寝るの早!!
 まぁ、俺の仲間探しに協力してくれてるからなぁ…疲れてんだな。

 俺も疲れてきたし丁度良いか。
 少しばっかり昼寝して、そんでネオスペーシアン探索を再開するか。

 ユベル、何か有ったら教えてくれよ?


 『ソレは勿論。安心して休んでいいよ十代。


 んじゃ、お言葉に甘えて…お休みなさい……Zzz















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 侵略の暴虐皇
 レベル8    闇属性
 悪魔族/融合・効果
 「侵略」と名の付くモンスター2体
 このカードは融合召喚でしか特殊召喚出来ない。
 このカードは1ターンに2度まで破壊されない。
 ATK3000    DEF3000



 絶対侵略者ノーネーム
 レベル8    闇属性
 悪魔族・効果
 相手フィールド上に存在するモンスターが表側攻撃表示のモンスターのみの場合このカードはリリース無しで通常召喚できる。
 ATK3000    DEF1200



 侵略竜 インヴェイド
 レベル7    闇属性
 ドラゴン族・効果
 このカードは相手モンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
 又自分フィールド上にモンスターが存在しない時、墓地のこのカードを特殊召喚出来る。
 ATK2500    DEF1000



 侵略融合インベイドフュージョン
 通常魔法
 自分のフィールドまたは墓地から融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを除外し
 「侵略」と名の付いた融合モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する。
 この特殊召喚は融合召喚扱いとする。



 龍の霊脈
 通常罠
 自分フィールド上のドラゴン族モンスターが戦闘で破壊されたときに発動できる。
 デッキからレベル4以下のドラゴン族モンスター1体を選択して特殊召喚する。



 ドラゴン・インパクト
 通常罠
 自分の場のドラゴン族モンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力を倍にする。
 エンドフェイズ、このカードの対象になったモンスターを手札に戻す。