Side:裕奈


 手に汗握る卒業デュエルからあっという間に1週間。
 私等も1年次の終了式が終って、只今春休み真っ最中〜〜!

 「つっても、やっぱし殆どの生徒は帰郷してるから、結局何時もの面子が残ってんだけどね〜。」

 「まぁ、えぇやろ?何時もの面子が一番落ち着くモンやで?」


 まぁね。
 場所も毎度お馴染みの店長の店だし。

 てか、やっぱし仲間と気兼ねなく過ごせる溜まり場的なとこって必要だよね?
 店長の店ってばマジピッタリなんだよね〜。

 対戦用のストラクとか置いてあるから結構楽しめるし、何より店長とエヴァちゃんが強いし。


 「まぁ、好きなように使ってくれ――カードやデュエルアイテムも購入してくれると嬉しいがな。」

 「欲しい物や新商品が出たらね〜♪」

 でもって、今は仲間内での『ストラクプチ大会』の真っ最中で決勝戦!
 決勝カードは十代vs準のライバル対決!

 そろそろデュエルも佳境だね……どっちも頑張れ〜!!












  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX63
 『しばし休息の時♪』











 十代:LP1200
 ダーク・ブレイズ・ドラゴン:ATK2400(墓地蘇生効果)
 ヘルカイザー・ドラゴン:ATK2400(再召喚)


 万丈目:LP1300
 雷帝ザボルグ:ATK2400
 氷帝メビウス:ATK2400




 十代が選んだのが蘇生コンボメインのドラゴンデッキで、準が選んだのが所謂帝デッキ。
 どっちも一歩も譲らないんだよね〜。

 因みに私は光属性デッキで、初戦ではやての水デッキに負けちまいました……残念!


 ま、そんな事は良いとして――この局面を如何見る?


 「せやなぁ…帝の展開とアドバンス召喚時の効果でペースを握ってるのは準やけど…」

 「十代坊やも墓地蘇生で得られる効果を最大限に使って対抗しているわ……ふふ、素敵よ2人とも…♪」

 「…(汗)…ま、まぁ実力は五分五分ですので、どちらが勝ってもおかしくありませんよ?」

 「やっぱ予想はつかねーよね。」

 そんだけ実力伯仲って事だろうけど…


 「俺のターン!魔法カード『死者蘇生』、コイツで墓地の『フェルグラントドラゴン』を特殊召喚するぜ!」
 フェルグラントドラゴン:ATK2800


 「フェルグラントドラゴンの効果発動!
  墓地から蘇生した時、俺の墓地のモンスター1体を選択し、選択したモンスターのレベル×200ポイント攻撃力がアップするぜ!
  俺が選択するのは、レベル8のダークストーム・ドラゴン!攻撃力は1600ポイントアップするぜ!」
 
 『ゴォォォォォォ…!』
 フェルグラントドラゴン:ATK2800→4400



 出たよフェルグラントの蘇生コンボ!
 一度アドバンス召喚しないと蘇生はできないんだけど、その分爆発的に強化されっからねコイツは…!


 「行くぜ万丈目!フェルグラントドラゴンで、雷帝ザボルグに攻撃!『シャイニングブラスター』!」

 「そうはさせん!トラップ発動『炸裂装甲』!此れでフェルグラントを破壊する!」

 「甘いぜ!永続トラップ『王宮のお触れ』!コイツで全ての罠は効力を失うぜ!」

 「此処でそのカードを…!」

 「これで『炸裂装甲』はその力を失って、フェルグラントを破壊する事は出来ないぜ!行っけーーー!!!」



 ――ドゴォォォォン!!



 「ぐぁぁぁぁ!!」
 万丈目:LP1300→0


 決着〜〜!
 今回は十代の勝ちだね、最後まで温存してた王宮のお触れが効いたねこりゃ。


 「此れで1勝1敗だな万丈目!」

 「あぁ……だが、何れ完全決着をつけてやるぞ十代!」

 「へへ、楽しみにしてるぜ次のデュエル!」


 「漢の友情やなぁ…」

 「だね〜〜♪」

 前世じゃ見れない光景だったから新鮮だね。
 どうよ、ストラクチャーデッキでの対戦も面白いっしょ?


 「あぁ、新鮮だな。
  自分で組んだデッキではない分、扱いが難しい点もあるが、逆に其れが勉強にもなる。」

 「同じようなデッキでも、差異があるので楽しめますね。」

 「でしょ?しかもこのストラクって店長のお手製だから、市販の構築済みと違って魂入ってるわけよ!」

 「しかも新しいカードが出ると、デッキも追加&改造されるから飽きがこないんや♪」


 そう言う事。
 色んなデッキ使うのも楽しいし、自分のデュエルタクティクスの向上にも繋がるからね。

 「にしても――今更ながら、私等って結構奇縁だよね?」

 「……せやなぁ。」

 「「「「奇縁?」」」」

 「どう言う事、裕奈さん?」


 ん〜?
 だってさ考えてもみてよ、そもそも私とはやては転生者で、前世ではまるっきり関係も何もなかったんだよ?
 つーか、生きてた世界が違うしね。

 其れがホントに偶然に出会って、一緒に暮らすことになって…


 「そんで、アカデミアの入学実技試験や。
  あの時、もしも目覚ましが壊れてなかったら、私と裕奈は余裕もって試験会場に着いてたからなぁ?
  そしたら十代とはあそこで出会うこともなかったし、そもそもレッド寮に入る事もなかったんやないかな?」

 「逆に言うと、俺も電車が止まらなきゃ余裕で着いてたからな…確かにはやて達とはあそこでは会わなかったかも知れないぜ。」


 でしょ?
 もしそうなってたら、この面子も揃わなかったかもだよ?

 雪乃んと委員長だって、私とはやてがレッドだったから定期考査の実技でデュエルする事になった訳だから。


 「確かにそうですね…」

 「人の縁もミステリアスなものね…♪」

 「正に合縁奇縁、出会いは神の生業とはよく言ったものやな。」

 「言えているな。
  そう言えば、クロノス先生との関係も中々に不思議じゃないか――特にお前達レッド生は。」


 だね。
 最初は嫌味でいや〜な先生だったから、私もはやても反発しまくりだったからね〜。

 けど実力は間違いなく教師の中ではダントツだったでしょ?
 だから、その力は認めてたわけよ。

 「其れに、ヴァンパイアのオバハンとのデュエルの時に最後までデュエルしてたしね。」

 「まぁ、あのデュエルがクロノス先生の大きなターニングポイントやったんやろうな。
  人形から元に戻って以来、レッドでも差別せんで教え導くようになったからね。
  と言うよりも、アレを機に本来のクロノス先生に戻った言う所やろうね。」


 其れがピッタリだよね。
 今じゃ特徴的な喋り方とキャラも有って、レッドやイエローでも人気の先生だしね。

 「それでもエリート(笑)が根絶できねーってのは少しアレだけど…」

 「長い事ブルー以外のクラスを見下していた連中だ…早々には治らないだろうな。
  序でに言うと、新学期に入学してくる『持ち上がり組』には更に多く居ると見て良いだろうな…残念ながら。」

 「あら…それじゃあ、そんな困った坊やは私が教育してあげようかしら……うふふふふ…♪」

 「「「「「……」」」」」(汗)

 「おぉ、頼むぜ雪乃!」

 「任せなさい、十代坊や…♪」


 十代や、そして雪乃んや…。
 教育すんのはかまわねーけど『何かに目覚めた』ような人だけは作らねーでください…割とマジで!


 『粉砕!玉砕!!大喝采ーー!!!わ〜〜っはっはっはっはっは!
  粉砕!玉砕!!大喝采ーー!!!わ〜〜っはっはっはっはっは!
  粉砕!玉砕!!大喝采ーー!!!わ〜〜っはっはっはっはっは!
  粉砕!玉砕!!大喝采ーー!!!わ〜〜っはっはっはっはっは!』



 「「「「「「!!?」」」」」」

 「あ、ゴメン私の携帯だわ。」

 「なんちゅう着ボイスやねん…」

 
 いや〜、この間KCの携帯用サイトで見つけて、折角だから♪

 「はい、もしもし………お母さん!!」

 久しぶり〜〜、如何したの?
 うん、うん……は?アメリカアカデミアで特別講師?

 …スイマセン今初めて聞いたんですけど?

 『言ってなかったけ?』って待てコラ、娘にはちゃんと伝えておこうぜ?
 いや『エへ♪』じゃなくて、そもそも似合わないからね38歳――サーセン口が過ぎました。

 でも、如何したのマジで?
 うん、うん……え、留学生?
 アメリカアカデミアから、新学期に合わせて。

 女子1人に男子2人。
 女子と男子の1人は私等と同い年ね?

 うん、うん……そりゃ皆強いよ。
 はやては勿論、前に言った十代に準、それに翔君なんてカイザーが認めるレベルだよ?

 え?それなら問題ない?
 どゆこと?



 ………其れはマジですかマイマザー。
 いや、普通に驚くから其れ。

 分った、皆――つっても何時もつるんでる皆だけにしとくけどね。

 うん、分ってる。
 はやて?……大丈夫、仲良くやってるから。

 うん、うん……分ってるって、それじゃあね。








 ――――――








 Side:はやて


 裕奈の電話の相手は夕子さんみたいやね?
 なんや裕奈が驚いてたみたいやけど……ちょお留学生とか聞こえたなぁ?


 「分ってるって、それじゃあね。」

 「終った?夕子さんなんやて?」

 てか裕奈は何に驚いてたん?


 「うん、聞こえたと思うけど、私のお母さんプロでありながらアメリカアカデミアで特別講師もしてたんだって。
  でね?新学期からアメリカアカデミアの留学生が3人来るんだって。」

 「留学生か……」

 「どんな奴が来るのか楽しみだぜ!」


 其れは確かに楽しみや。
 けど、驚いたんはそれだけやないやろ?


 「まぁね――女子1人に男子2人で、女子と男子の1人は私等と同じ学年なんだけど…」

 「もう1人が驚きの原因やね?」

 「正解――つーか驚くでしょ?
  そのもう1人の男子って……プロデュエリストの『エド・フェニックス』だって。」

 「「「「「「!!!」」」」」」


 え、エド・フェニックスやと!?
 そら裕奈や無くても驚くわ!

 プロデビュー以来、負けたデュエルはたった1度いうデュエリストや無いの!


 「そ、そのエド。
  唯一の黒星つけたのはお母さんだけど、あとでキッチリリベンジ果たしてるし、目下50連勝中。
  そのエドが、アメリカアカデミアの留学生として、このアカデミアに来るって。」

 「そっか……そら楽しみやなぁ?」

 いざデュエルになったら格やなにやら関係無し言うても、やっぱプロと聞いたら燃えるのはデュエリストの性や。
 特に十代は、私等以上に『ワクワク』してるんとちがう?


 「へへ…勿論!
  エド・フェニックス……俺と同じHERO使いのプロデュエリスト――ワクワクするじゃないか!
  一度デュエルしたいと思ってたんだけど、若しかしたらその願いが叶うかもしれないぜ!」

 「やる時は頑張ってねアニキ!」

 「おう!」


 やっぱりワクワクやな♪

 「エドは分ったけど、他の2人の事は?」

 「女子が『レジー・マッケンジー』で男子が『デイビット・ラブ』って名前以外なにも。
  多分『後は会ってのお楽しみ』ってとこなんだと思うよ?」

 「さよか。」

 まぁ、そっちの方が楽しみも増えるしな。


 やけど、留学生か〜〜……ホンマに楽しみや。
 新1年生もドナイな子が入ってくるか、楽しみやしね――特に外部入学組の子が。

 新学期、2年生になっても新しい刺激には事欠かへんね。

 せやけど…

 「プロでも留学生でも新1年生でも……負ける気ないやろ?」

 「「「「「「勿論!!」」」」」」


 当然やな!
 2年生になっても、此れまでどおり突っ走って行こか!!


 「言われなくても私は常に全力疾走だぜ!」

 「其れは俺も同じだ。」

 「いつ何時だって全力全壊だぜ!!」

 「僕だって!!」

 「全力尽くすが礼儀ですからね。」

 「それに、全力じゃないと満足は出来ないでしょう……?」


 そや!
 デュエルは全力でや!!

 「ほな、2年次も全力全壊や!!」

 「「「「「「お〜〜〜〜!!!!!!」」」」」」



 「元気な奴等だなマッタク。」

 「良いじゃないかエヴァ、若さの特権だ。」


 ま、そう言う事や♪








 ――――――








 Side:海馬


 「へ〜〜…皆、特にこの4人は強そうだ。
  アカデミア計画も上手く行ってるみたいだね海馬君、アカデミアの卒業生がプロに行ったみたいだし。」

 「当然だ。」

 質の高いデュエリストを育てるのがアカデミアの目的だからな。
 しかし、お前の目に留まったという事は、その4人――遊城十代、万丈目準、明石裕奈、八神はやては本物だな。

 尤も、俺も奴等のデュエルをアカデミアからの記録映像で見て本物とは思ったが。
 だが、お前もそう思うとなると……矢張り楽しみだな――遊戯よ。


 「うん――次世代のデュエリスト…僕も楽しみだ。
  この子達とデュエル出来るようになる日が待ち遠しくて仕方ないよ。」

 「そうだな。」

 時に…貴様、性格が『もう1人の遊戯』に近くなって居ないか?


 「海馬君もそう思う?
  この間城之内君にも言われたんだ……僕自身は意識したわけじゃないんだけど…」

 「あの凡骨も気付くとは相当だな……まぁ、そっちの方がデュエルキングとしては良いだろう。」

 初代デュエルキングの伝説は今尚色褪せていないようだからな。
 だが、遊戯よ何れは俺が貴様を倒すと言う事は忘れるなよ?

 更に、アカデミアの卒業生もお前に挑む奴はいるだろう――何時までキングを護れるか楽しみだ。


 「楽しみにしてるよ海馬君。
  けど、僕だってやる以上は負けない……君にも、そして十代君達にもね。」

 「ふ…そう来なくてはな!!」

 ククク…実に楽しみだ。
 新学期からはアメリカからの留学生も来る。

 そいつ等と戦い、更なる高みに来い。


 そして挑んでくるが良い、俺達にな!
 尤もその時は返り討ちにしてやるがな!


 くく……はははは…わ〜〜ッハッハッハッハ!!!













   To Be Continued… 






 *登場カード補足