亮:LP700
 サイバー・エンド・ドラゴン:ATK4000


 翔:LP700
 ソリッドロイドα:ATK2600




 Side:亮


 俺と翔のライフは残り僅か。
 互いに機械族のデッキと言う事を考えれば、このデュエルもあと数ターンと言う所だろう。

 一撃の爆発力、其れが機械族の大きな特徴だからな。
 其の爆発力の前では700程度のライフは無いに等しい。

 ……ふ、翔、お前は間違いなく俺のアカデミアの3年間において、吹雪と肩を並べる強敵だ。
 だが、だからこそ俺はお前に勝ちたい。

 お前も俺に勝ちたいだろう、翔。

 「俺のターン!」

 デュエルの終焉は近いが…互いに全てを出し尽くそうじゃないか!
 行くぞ翔!サイバー・エンドでソリッドロイドαに攻撃!『エターナル・エヴォリューション・バーストォ』!!












  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX62
 『It's Great Duel!』











 此れが通れば翔のライフは0になる。
 だが、お前はそう簡単にやられはしないだろう?


 「そうはさせないよ!トラップカード『ガード・ブロック』
  僕への戦闘ダメージを0にして、カードを1枚ドローする!」

 「矢張り防御カードだったか…俺の攻撃をかわしてドローするとは見事な戦術だ。」

 「けど、αは戦闘破壊されちゃうけどね。」


 確かにそうだが、アルファが消えた事で新たなソリッドを呼ぶ事ができるだろう?
 …となると此れか…?考える事は似通うものだな…

 「カードを2枚伏せてターンエンド。」

 「僕のターン!…僕は墓地の『ストライクロイド』『ステルスロイドU』『ターボロイド』の3体のロイドを除外!
  変形合体!チェンジソリッドβ!出でよ『ソリッドロイドβ』!!」

 『オォォォォ!!』
 ソリッドロイドβ:ATK2500



 矢張り定石通りにβか。
 αからのβは単純だが強力なコンボ――コンボの研鑽を積みながらも基本は疎かにしていないな。


 「ソリッドロイドβは、特殊召喚時相手モンスター1体を破壊する!
  僕が破壊するのは当然『サイバー・エンド・ドラゴン』!!」


 当然そう来るか…スマナイ、サイバー・エンド…


 「此れでカイザーの場はがら空きだね!ソリッドロイドβでダイレクトアタック!『ソリッド・カッター』!!」

 「悪いが、まだ終りじゃない。トラップ発動『ガード・ブロック』
  戦闘ダメージを0にしてカードを1枚ドローする。」

 「カイザーも其のカードを…」

 「ふ、矢張り俺達は兄弟だな翔。
  違いは有れど、好みや考え方と言うのはどこか似通う部分があるらしい。」

 俺もお前も機械族をメインにしたデッキだったりとな。


 「そう、かもね…カードを1枚伏せてターンエンド。」


 だが、似ていても違うのが兄弟だ。
 サイバーとロイド、同じ機械族でも違いが有るようにな。

 「俺のターン。手札から、魔法カード『ダブルサイバー・チャージ』を発動。
  手札とデッキから『サイバー』を1体ずつ墓地に送り、デッキから魔法カード1枚を選択して手札に加える。」

 俺は手札とデッキから1体ずつ『サイバー・ドラゴン』を墓地に送り、デッキからこの魔法カードを手札に加える。
 俺が手札に加えた魔法カードは……『パワー・ボンド』!

 此れが何を意味するか分るな翔?


 「カイザーの最強戦術…パワー・ボンドを使った『強化サイバー・エンド』…!
  だけどサイバー・エンドは既に墓地に送られているし、3体のサイバー・ドラゴンも墓地に居るよ?」

 「あぁ、分っている――だが其れで良い。
  忘れた訳じゃないだろう?サイバー・エンドのもう1つの姿を…」

 そしてこのカードを。


 「サイバー・エンドの?……まさか!!」

 「気付いたか?3体のサイバー・ドラゴンは墓地に眠っていようとも問題ない!
  速攻魔法『サイバネティック・フュージョン・サポート』
  ライフを半分払い、このターン墓地のモンスターを除外して融合素材とできる!」
 亮:LP700→350


 そして魔法カード『パワー・ボンド』
 サイバネティック・フュージョンサポートの効果で墓地の3体のサイバー・ドラゴンを除外して融合!
 最強の機械龍よ、秘められし力を解き放った姿で降臨せよ!融合召喚『サイバー・エンド・フォース・ドラゴン』!!


 『ギシャァァァァァァァ!!!』
 サイバー・エンド・フォース・ドラゴン:ATK4000



 「サイバー・エンド・フォース…!そうだ、このモンスターが…!」

 「そうだ。サイバー・エンドがパワー・ボンドによって力を解放したのが、このサイバー・エンド・フォース・ドラゴン。
  攻撃力はサイバー・エンドと同じ4000だが、パワー・ボンドで召喚された事により、攻撃力は倍になる!」

 『ギャオォォッォォ!!』
 サイバー・エンド・フォース・ドラゴン:ATK4000→8000



 此れが受けきれるか翔!
 サイバー・エンド・フォース・ドラゴンで、ソリッドロイドβに攻撃!『エターナル・エヴォリューション・バーストΩ』


 「マダマダやられないよ!トラップ発動『ソリッドバリアー』
  このターン、ソリッドが戦闘を行うことによって発生する僕への戦闘ダメージを0にする!」


 ――バガァァアン!!


 βは倒したが、翔は無傷か……此処まで食い下がってくるとはな。
 ターンエンド。


 「エンドフェイズにパワー・ボンドのダメージがカイザーを直撃するよ?」

 「承知。トラップカード『ダメージ・ポラリライザー』。此れで効果ダメージを0にして互いにカードを1枚ドローする。」

 「…流石だね…」


 パワー・ボンドを使う以上はデメリットを如何に回避するかも考えておかないとな。
 さぁ、お前のターンだ。


 「僕のターン!魔法カード『異次元からの埋葬』を発動し、除外されている『ストライクロイド』『ステルスロイドU』『ターボロイド』を墓地に戻す。
  そして墓地に戻したこの3体のロイドと、ソリッドロイドαとソリッドロイドβの計5体をゲームから除外する!」

 「5体も除外だと!?」

 「チェンジソリッド究極合体!出でよ『究極ソリッドロイド・キャノンブレード』!!」

 『オォォォオォォ!!』
 究極ソリッドロイド・キャノンブレード:ATK3000



 究極ソリッドロイド…!
 其の名が示すとおり、究極のソリッド……まさか召喚して来るとは…!


 「キャノンブレードの特殊召喚に成功した時、僕はデッキか手札から『ロイド』1体を特殊召喚出来る。
  僕はキャノンブレードの効果で、デッキから『グラップラーロイド』を特殊召喚する!」
 グラップラーロイド:ATK2000


 「更にキャノンブレードの特殊召喚に成功したターン、僕が受ける効果ダメージと戦闘ダメージは夫々1度だけ0になる。」

 「ダメージを0に……成程、お前の手札にも既にそのカードが有ったか…」

 「さっきのダメージ・ポラリライザーでドローできたんだ――行くよ!
  グラップラーロイドは、フィールド上では種族を戦士族として扱う!」
 グラップラーロイド:機械→戦士


 種族書き換え効果…来るか、翔の切り札が!


 「魔法カード『パワー・ボンド』!戦士族となったグラップラーロイドとキャノンブレードを強化融合!
  現れろ、究極合体――『真ソリッドロイド・ヴァルキリオン』!!」

 『ゴォォォォォ!!』
 真ソリッドロイド・ヴァルキリオン:ATK?



 真ソリッドロイド・ヴァルキリオンだと!?
 此れは一体…


 「真ソリッドはパワー・ボンドでしか特殊召喚出来ないモンスター。
  其の攻撃力は、融合素材モンスターの攻撃力の和だから5000だけど…」

 「パワー・ボンドにより倍加する…」


 真ソリッドロイド・ヴァルキリオン:ATK?→5000→10000



 …面白い、お前もパワー・ボンドでのみ召喚出来るモンスターを用意していたか!


 「真ソリッドの特殊召喚に成功した時、僕はデッキから魔法カード1枚を手札に加えられる。
  僕はデッキから『究極の選択』を手札に加える!」

 「究極の選択!!」

 其のカードは…!!


 「魔法カード『究極の選択』を発動!
  互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚選択して手札に加え、選択したカード以外のカードを全て墓地に送る!
  そしてこのカードを発動した場合、次の僕のターンまでドローフェイズはスキップされる!」


 究極の完全決着カード…!
 このカードを発動したターンはバトルフェイズが行えないが、次の俺のターンで翔を倒せなかった場合俺の勝利は無くなる。

 そんなカードを使ってくるとは…


 完全決着のための3枚…何を選ぶか?
 1枚は『リミッター解除』で決まりだが、残りの2枚は………此れだな。

 「俺はこの3枚を選択し、残りを墓地に送る。」

 「僕もこの3枚を選ぶ…そしてカードを3枚セットしてターンエンド!」


 究極ソリッドの効果でパワー・ボンドのダメージも0か…

 此れが正真正銘のラストターン!

 「俺のターン!!」

 ドローフェイズはスキップされ、メインフェイズに移行!
 このターンで決着を付けるぞ翔!


 「望むところだよカイザー!」

 「行くぞ!速攻魔法『リミッター解除』!機械族モンスターの攻撃力を倍にする!」
 サイバー・エンド・フォース・ドラゴン:ATK8000→16000


 ラストバトル!
 サイバー・エンド・フォース・ドラゴンで、真ソリッドロイド・ヴァルキリオンに攻撃!『エターナル・エヴォリューション・バーストΩ』!!


 「させないよ!速攻魔法『リミッター解除』!これで真ソリッドの攻撃力を倍加する!」
 真ソリッドロイド・ヴァルキリオン:ATK10000→20000


 矢張り選んだのは其れか!
 だが、俺は其の上を行く!

 「速攻魔法『決闘融合−バトル・フュージョン』
  俺の融合モンスターが戦闘を行う場合、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力を自分のモンスターに加える!
  此れにより、サイバー・エンド・フォースにお前の真ソリッドの攻撃力20000が上乗せされる!」
 サイバー・エンド・フォース・ドラゴン:ATK16000→36000


 「やっぱり考える事は同じだねカイザー!僕も速攻魔法『決闘融合−バトル・フュージョン』
  これで真ソリッドは更にパワーアップする!」
 真ソリッドロイド・ヴァルキリオン:ATK20000→56000


 お前も其のカードを…!!
 だが未だだ!此れが俺の切り札!

 「速攻魔法『サイバー・ライジング』!俺の場の『サイバー』全ての攻撃力を2倍にする!!
  此れにより、サイバー・エンド・フォース・ドラゴンの攻撃力は更に2倍になる!」

 『カァァァァアァァ!!』
 サイバー・エンド・フォース・ドラゴン:ATK36000→72000



 「…流石はカイザー…お兄さんだね、本当に強い――正にパーフェクトだよ。」

 「翔…」

 パーフェクトか…だが、其れはある意味俺のアカデミアでの限界。
 吹雪が行方不明になってから、俺と肩を並べるデュエリストは居なかった。
 切磋琢磨できる仲間が居なかった…。

 俺とデュエルすることで成長した生徒は居るだろうが…俺自身の成長は殆ど無かった。
 パーフェクト、カイザー…其れゆえの限界。

 だが翔、俺は最後の最後で少しだけ成長できた…礼を言う。


 「お兄さん…」

 「お前や、そして十代や裕奈達にはマダマダ無限の成長の可能性が残っている。
  アカデミアで限界まで強くなれ、俺はプロの荒波に揉まれながら更に上を目指す!」

 だから、お前も先ずはアカデミアで可能な限り強くなれ。
 そして何時の日かプロになって、俺を超えて見せろ!


 「うん!勿論!!」

 「良い返事だ……さぁ、最後の1枚を発動しろ翔――其れが切り札なんだろう?」

 「うん……本当に此れが最後!
  トラップカード『デッド・ペイン』――相手モンスターを破壊して、相手に1000ポイントのダメージを与える。
  僕が此れで破壊するのは、サイバー・エンド・フォース・ドラゴン!!


 そう来たか…本当に、楽しいデュエルだった。
 だが、残念だったな翔!

 「サイバー・エンド・フォースは、攻撃力を1000ポイント下げる事で破壊を無効にできる!
  其の効果を使って『デッド・ペイン』の破壊効果を無効にする!」
 サイバー・エンド・フォース・ドラゴン:ATK72000→71000


 「そんな…!」

 「此れでお前が狙っていた効果は無くなり、バトルは続行される……」



 ――ドガァァァァァン!!



 …真ソリッドロイド・ヴァルキリオン撃破…!



 翔:LP700→0
 「……やっぱりお兄さんは強いや…負けちゃったね…」

 「そうだな…だが良いデュエルだった。
  アカデミアのラストデュエルで、最高のデュエルをさせてもらった…ありがとう翔。」

 「そんな…!僕のほうこそ…僕と本気のデュエルをしてくれてありがとう、お兄さん…!」


 あぁ、良いデュエルだった。
 …どうやら、大多数がお前の力を認めているらしいぞ翔?


 「へ?」


 「翔〜〜!!」

 「「翔君〜〜!!」」

 「見事なデュエルだったぞ丸藤翔!」


 「アニキ、裕奈さんとはやてさんに万丈目君!?それにレッドの皆も…!!」


 今のデュエルに感動して客席からか……マッタク、だが其れが良い。
 お前達が居れば、アカデミアはきっと大丈夫と思えるからな。

 本当に最高のデュエルができた…思い残す事無く卒業できそうだ。








 ――――――








 Side:裕奈


 「スッゲーよ翔君!負けちゃったけどカイザーと互角のデュエル…魂が震えたぜ!」

 「ホンマ、見事なデュエルやった!…私等にまで秘密の隠し玉やなんてニクイことしてくれるわ♪」


 そうそう、真ソリッド!!
 マジで興奮した!最高だよもう!


 「ホントにスゲーよ翔!く〜〜〜、やっぱりデュエルはこうじゃないとな!」

 「あぁ、手に汗握る好デュエルだったぞ?」


 「皆…うん、ありがとう!!!」


 ホント、良くやったよ翔君は。
 それから、カイザーもお疲れ様。

 「どうよ?アカデミアのラストデュエル、満足できた?」

 「充分すぎるほどにな。
  アカデミアのラストデュエルで、こんな最高のデュエルができるとは、俺は幸せ者だ。」


 なら良かった。
 私等も楽しませてもらったからね。


 「お前達も何時の日かプロに上がって来い…そして、大舞台でデュエルをしよう!」

 「おぉ、勿論だぜ!」

 「やるからには、カイザー相手でも負けんがな!」


 ま、いつか挑ませてもらうぜ!

 けど今は…はやて!


 「やな!ほなら、胴上げや!
  カイザーの卒業を祝して!そして翔君の健闘を称えて2人纏めてイクで!」

 「今のデュエルで感動した奴は即刻参加!ほら、駆け足!!」

 うんうん、一部のエリート気取りブルー以外は全員来たね!
 じゃあ、行くぜ!!

 せ〜〜〜の…!



 「「「「「「「「「「ワッショイ、ワッショイ!!」」」」」」」」」」


 「まさか最後の最後でこんな事をされるとはな…だが悪くない。翔は如何だ?」

 「ちょっと恥ずかしいけど嫌じゃないよ。」


 なら良いじゃん!
 其れドンドン行くよ〜〜、20回は宙に舞わせるぜ!!

 「それ!」

 「「「「「「「「「「ワッショイ、ワッショイ!!」」」」」」」」」」


 私もはやても、十代も準も…そして翔君も、いつかアンタを越えるぜカイザー!




 けど、今は…卒業おめでとうカイザー。
 プロリーグでも活躍期待してるよ!














   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 ダブルサイバー・チャージ
 通常魔法
 自分のデッキと手札から「サイバー」と名の付く機械族モンスターを1体ずつを選択して墓地に送る。
 その後自分のデッキから、魔法カード1枚を選択して手札に加える。



 究極の選択
 通常魔法
 このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
 このカードを発動した場合、次の自分のターンまで互いのドローフェイズをスキップする。
 互いのプレイヤーは自分のデッキからカードを3枚選択して手札に加える。
 その後、デッキの残りのカードを全て墓地に送る。



 サイバー・ライジング
 速攻魔法
 自分フィールド上に表側表示で存在する「サイバー」と名のつく機械族モンスターの攻撃力を2倍にする。
 エンドフェイズ、この効果を受けたモンスターをすべて破壊してゲームから除外する。



 決闘融合−バトル・フュージョン
 速攻魔法
 自分フィールド上に存在する融合モンスターが戦闘を行う場合、そのダメージステップ時に発動する事ができる。
 その自分のモンスターの攻撃力は、ダメージステップ終了時まで戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の数値分アップする。



 ソリッドバリアー
 通常罠
 発動ターン自分フィールド上の「ソリッドロイド」と名の付くモンスターが戦闘を行うことで発生する自分の戦闘ダメージは0になる。



 デッド・ペイン
 通常罠
 相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する。
 その後相手に1000ポイントのダメージを与える。