Side:???


 くっくっく…舞い戻ったぞ『デュエルアカデミア』!
 何処のドイツか知らんが、良い情報を俺様に寄越してくれたぜ!


 『三幻魔』…神にも匹敵する超強力カード!
 そんな凄いカードなら、真のエリートたる俺様こそが持つに相応しい。

 その封印を解くのに必要なのが七星門の鍵…

 其れを手に入れる方法と密航の手段、更にはセキュリティ突破のジャミング装置まで送ってくるとは気前が良い。
 三幻魔のカード、必ず頂くぜ!


 そしてその時こそ、俺をコケにした遊城十代と万丈目準にリベンジできるんだ!

 其れさえ手に入れれば俺様は世界最強のデュエリストになれる!
 首を洗って待ってろよ十代、万丈目!











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX54
 『エリート(笑)再襲来』











 Side:裕奈


 十代がアムナエル――大徳寺先生に勝った後で、明日香、三沢、カイザーの3人を助けて…皆無事だった。
 気絶してたけど身体に異常は無いって事だから大丈夫でしょ?

 現に一晩寝たら全然平気で目覚ましてたし。


 「鮎川先生も大丈夫言うてたし、シャマルのメディカルチェックでも異常は無かったからな。」

 「本当に気絶させただけだったんだ…。」

 「せやな。まぁ、其れは其れとして…まだ、ホンマに安全とは言えへんよね…」

 「まぁね。」

 大徳寺先生も『黒幕が居る』って言ってたから油断は禁物だけど。
 まぁ、鍵は校長のおっちゃんに戻したし、箱も厳重なセキュリティ掛けてたみたいだから黒幕とやらも簡単には手出しできねんじゃね?

 「おまけにシャマルと朝倉が包囲網張ってるし、よしんば盗み出しても此処は絶海の孤島だぜ?」

 「怪しい船には上空のなのはちゃんからきっつい一発がお見舞いされるしなぁ♪」


 そうそう♪
 大体その攻撃は一般人には見えないから、船の事故で済むし〜。

 諸手を挙げて安全〜…とは言えないけど、出来るだけの事はしてあるから過剰に心配する事もないでしょ?
 いざとなったらデュエルで決着付ければいいだけだしね。


 「まぁ、そうなっても負けへんけどな!」

 「当然でしょ!!」

 ぶっちゃけ盗人風情には負ける気がしねー。


 『はやてちゃん!!

 「シャマル?ドナイした?」

 「な〜〜にそんなに慌ててるの?」

 まさか泥棒さんが出たとか言わないよね?


 『そのまさかだよ裕奈!

 「朝倉…マジで!?」

 「学園のセキュリティは?作動してへんの!?」

 『如何やらセキュリティを突破するジャミング装置使ってたみたいなの。
  今はシグナムとザフィーラが犯人を追ってるわ。



 あの2人から逃げる事は出来ねーと思うけど…一体誰よこんな事したのは!
 黒幕って奴か!?


 「或いはそれに手引きされた誰かか…兎に角緊急事態や!
  シャマルと和美ちゃんはそのまま犯人の足取りを追跡、なのはちゃんとフェイトちゃんはシグナム達と犯人そのものを追ってや!
  アインスは準に、ツヴァイは十代に連絡!アギトはセキュリティ警報を作動させたって!」

 『『『『『『『『『『了解!』』』』』』』』』』


 さっすがはやて、指示が的確だね。
 んじゃ、本屋ちゃんは店長とエヴァちゃんに連絡宜しく!
 あの2人に手伝ってもらえば早いと思うし!


 『分りました!


 おっし…そんじゃあ私等も行こうかはやて!


 「当然や!厄介事起こすアホンダラには天誅喰らわしたる!!」

 「取り合えず覚悟しときなよ、盗人!」

 いざ突撃〜〜〜!!!








 ――――――








 Side:はやて


 「しかし、セキュリティシステムをジャミングするとは用意の良い奴だ。」

 「マッタク持ってね!迷惑極まりねーけど。」


 ホンマやね。
 てかドンだけ足速いねんあの犯人!

 シグナムとザフィーラが巧く誘導して埠頭には近寄らせへんけど追いつく事もできんなぁ?
 ま、追い付けのうても、見失わなければ問題なしやけどな。


 「けど追いつかないと捕まえられないぜ?」

 「そら『追いかけてる人間しか居なかったら』やろ?
  既に包囲網は完成しとる、後は其処に追い込むだけや!」

 そんな訳で、上空の高町一尉と追跡中のシグナム一尉――包囲網に追い込むための攻撃を許可します!
 うま〜〜く、待機中の店長の所に誘導してや!


 『『了解!』』


 進行方向に攻撃してけば進路を変える事も出来る。
 …よしよし、えぇ感じに誘導しとるな♪




 ヨッシャ見えた!

 「店長!!」

 「そいつが盗人の下手人よ!!」




 「おし、任せろ!!」



 ふっふっふ、進路制限受けてたら真っ直ぐ店長に向かうしかないやろ!
 如何やら突き飛ばして行く心算みたいやけど……そう巧く行くかなぁ?


 「ちっ…どけよおっさん!!」

 「だが断る!…そして俺はおっさんではなぁぁい!」


 ――ガシィィ!!


 「ぬおぉぉりゃぁぁ!!!」

 「ぶへっ!?」


 決まった見事な一本背負い!
 そのまま押さえつけといて!!


 「任せろぉ!!」


 さて、此れでもう逃げられへんで!
 その顔拝ませてもらおか、コソ泥さん?


 「くっそぉぉ!放せ…コノ!!」

 「そう言われて放す訳ねーでしょ、覚悟しなっさい!!」


 お〜〜、一気に行ったな裕奈。


 さてと…一体誰やねん、鍵盗むなんてアホな事してくれたんは………って、マテヤコラ。

 何で、アンタが此処におんねん!
 てかよりによってアンタかい!!


 「「エリート(笑)!!」」

 「地上目!!」


 「…誰だっけ?」


 まぁ、十代が覚えてないのはデフォやな。


 「地上目君…又彼方なの?」

 「密航でもしたのか?…懲りない奴だな。」


 お、カイザーに明日香ちゃん…三沢君に麗華ちゃんと雪乃ちゃんも来てくれたか。
 クロノス先生と玲子先生は言わずもがなやね。


 「僕も居るよ?」

 「分てるよ、翔君もご苦労様や。」

 さてと…取り合えずアカデミア主要メンバーが揃った所で、なしてこないな事したかキリキリ吐いてもらおか?
 言うとくけど『黙秘権』何てあらへんからね?

 自分の今の立場よ〜〜〜〜く考えて抵抗するか大人しく自白するか選びや。


 「フン、知れたこと……三幻魔を俺様のものにする為に決まってるだろ?
  かの三幻神にも匹敵する超強力カードと聞いたら黙ってられん――そんなカードはこの俺様が使ってこそ輝くんだからな。」

 「アホか貴様は。」


 ――ドゲシッ


 エヴァちゃん?…見事な反応やな〜〜。


 「強いカードを使って勝てば満足かえぇ?
  そんな考えだから、貴様は本当に強い相手に勝てぬのだ、其れくらいも分らんのか三流以下のクズが!
  いや、お前如き比較するにもゴミやクズに失礼極まりない!
  そもそも、三幻魔がどれほど強力なカードか知らんが、如何に強力であろうとも扱う者がヘボでは糞の役にも立たん。
  先ずはその根本から根性を叩き直して来い、デュエリスト未満の下衆が!」


 「…言いたい放題やな〜〜。おまけに厚底サンダルの踵で頭踏みつけ攻撃つきかい…

 「でも全部事実だし。アレはアレで似合ってるから良いんじゃね?


 事実やな確かに。
 てか、如何考えてもこのアホ垂れは『黒幕』の手引きで来たんやよね?


 「だろうな…コイツを使うとは何を考えているのか理解に苦しむ…」

 「え?適当に馬鹿で扱いやすそうだからじゃないのか?」

 「十代、アンタ割りとナチュラルに毒吐くよね…」


 意外とな。
 で、コイツはドナイしてくれようか?

 って、なに震えとるん?


 「えぇいやかましい!黙っていれば俺様を馬鹿にしやがって!
  特に貴様、この金髪幼女!俺様を足蹴にした挙句踏みつけるとは良い度胸だな!
  この超エリート最強デュエリストである地上目瞬様に、それだけの無礼を働いて只で済むと思うな!!」


 ほ〜〜…店長の拘束外して吠えるとは中々やるなぁ?
 やけど精神的には全然成長してないやん。
 こないなこと言うてるけど、ドナイするエヴァちゃん?


 「ふん、言うまでもない――ならばデュエルで相手になってやろうか三下未満。
  もしお前が私に勝つ事が出来たら、鍵の事は好きにしろ、序でに私のデッキもくれてやる。」

 「なに!本当か!!」

 「私は意味のない嘘は吐かん主義だ。さて、如何する?」

 「ふん、貴様のような幼女の相手を断る理由等ない!格の違いを見せてやる!」


 …なんかトントン拍子に進んドルけど…まぁ、此れは此れでえぇかな?


 「良いんじゃね?エヴァちゃん強いし、あのエリート(笑)程度楽勝でしょ?」

 「そやな。」

 「ちょちょちょ待つの〜ネ!あの子〜は本当に強いの〜ネ?鍵を奪われた〜ら、只ではすみません〜〜の!」

 「大丈夫だって。少なくともエヴァちゃんは私や準と同レベルの腕前だから。」

 「…ふむ…それなら問題ないの〜ネ♪」


 そう言う事や。
 …始まるみたいやで?



 「俺様を舐めた事を後悔させてやるぞガキが!」

 「精々吠えろ。掛かってくるが良いぼーや。」


 「「デュエル!!」」


 エヴァ:LP4000
 地上目:LP4000



 「先攻はもらう!俺様のターン!…モンスターを裏守備でセットしターンエンドだ!」


 先攻はエリート(笑)から。
 モンスターを裏守備でお終い…リクルーターやろか?
 エヴァちゃんは如何出る?


 「私のターン!…『ダブル・コストン』を召喚!」
 ダブル・コストン:ATK1750


 ダブルリリースモンスター!
 ちゅうことは、手札には攻撃無効カードか蘇生系カード、で闇属性の上級モンスターがある言うことやな。


 「カードを1枚セットしてターンエンドだ。」

 「ふ、何だこの守備モンスターが怖いのか?弱虫な奴だぜ!」


 んな分けないやろアホ。
 裏守備なんてリバースかリクルーターの二択やん、此処は慎重になっただけやろ。


 「目に物見せてやるぜ!俺のターン!
  俺はセットモンスターをリリースし『アームド・ドラゴンLV5』をアドバンス召喚!」
 アームド・ドラゴンLV5:ATK2400


 「更に魔法カード『レベルアップ!』を発動!
  Lv5を墓地に送り、デッキから『アームド・ドラゴンLV7』を特殊召喚するぜ!」
 アームド・ドラゴンLV7:ATK2800


 「そしてこのLV7をリリースして『アームド・ドラゴンLV10』を特殊召喚!」
 『オォオォォォ!』
 アームド・ドラゴンLV10:ATK3000



 此れは…1ターンでアームドを最高レベルにまで進化させよった!
 其れなりに腕は上がってる言う事やろか?

 それでもエヴァちゃんが負けるのが全然想像できへんけど…


 「LV10の効果発動!手札を1枚捨て、相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する!」


 ――バガァァン!!


 エヴァちゃんのフィールドが!
 やけど焦りは見えへんなぁ?……此れくらいは予想してた言う感じやね。


 「バトル!アームド・ドラゴンLV10でダイレクトアタック『アームド・ビッグ・パニッシャー』!」


 攻撃力3000のダイレクト…ライフ満タンやなかったら一撃やったかも知れへん。
 やけどライフは初期値から減ってない…1000ポイントだけ残ったはずや!


 「ふん…思ったよりはやるようだな。」
 エヴァ:LP4000→1000


 「当然だ!俺様は最強のエリートなのだからな!ターンエンド!」


 の割には腕前がヘッポコやけどな。
 ほな、一気に行ってまおか?


 「そうだな、この程度には時間を掛けるのも馬鹿らしい……私のターン!
  永続トラップ『リビングデッドの呼び声』発動!墓地の『ダブル・コストン』を蘇生させる。」
 ダブル・コストン:ATK1750


 やっぱり蘇生系カード持ってたんやね。
 やったら、やってまえエヴァちゃん!


 「言われるまでもないわ!私はダブル・コストンをリリースし『ヴァンパイア・クィーン』をアドバンス召喚!」
 『うふふふふ…』
 ヴァンパイア・クィーン:ATK2500


 「次いでフィールド魔法『屍者の聖域』を発動!
  このカードが存在する限り、私のアンデッドモンスターの攻撃力は全て500ポイントアップし相手のカード効果の対象になん!!」
 ヴァンパイア・クィーン:ATK2500→3000


 レベル8のヴァンパイア!
 しかも、フィールド魔法で強化されてLV10と攻撃力は互角や。

 「…このデュエル、エヴァちゃんの勝ちや。」

 「だね、この布陣は手札に間違いなく『アレ』が有るって!」


 見せてもらおか!


 「行くぞぼーや、バトルだ!
  ヴァンパイア・クィーンでアームド・ドラゴンLV10に攻撃!『ダークネス・イリュージョン』!」

 「な!?相打ち狙いだと!!」


 確かに攻撃力は互角やから互いのモンスターは共に戦闘破壊されてまう。
 やけど、エヴァちゃんの狙いはその先や!


 「此れで私達のモンスターは互いに消滅したわけだが…お前を護るモンスターはもう居ないな?」

 「なにぃ?貴様こそモンスターは全滅だろう!それでどうする気だ!」

 「ふ、ならば教えてやろう!速攻魔法『デーモンとの駆け引き』
  私のフィールド上のレベル8以上のモンスターが墓地に送られた場合に発動できる!
  デッキ又は手札から『バーサーク・デッド・ドラゴン』1体を特殊召喚する!」

 「バーサーク・デッド・ドラゴンだとぉ!?」

 「くくく…此れで終焉だよぼーや。
  我がデッキより現れよ、深き冥獄に蠢く屍龍よ!出でよ『バーサーク・デッド・ドラゴン』!」
 『ガァァァァァァァァ!!』
 バーサーク・デッド・ドラゴン:ATK3500→4000



 来たな、エヴァちゃんのメインデッキ最強の屍龍!
 アンデッド族やからフィールド魔法で強化されて攻撃力は4000!

 エリート(笑)のフィールドにカードは無い!
 トドメや!!


 「残念だったな、所詮貴様はこの程度か……暇つぶしにもならん。
  バーサーク・デッド・ドラゴンでダイレクトアタック!朽ち果てろ『フェイル・デッド・ブラスト』!」
 『ゴァァァァァァ!!』


 ――ドォォォォン!!


 「ぐはぁぁ!!馬鹿な…この俺様がこんなロリガキにぃぃぃ!!」
 地上目:LP4000→0


 …お粗末様や。
 終ってみればエヴァちゃんの思惑通り言うとこやろね。

 「さて、ほなら鍵返してもらおか?」

 負けたんやから当然やろな?


 「く…くっそう…!」

 「強いカードだけでは勝てへんよ…ドナイなカードも其れを生かすも殺すもデュエリストの腕や。」

 「デュエリストの質が低かったらどんなカードも力は出せねーって事…分ったら精進しなって。」


 鍵置いて帰れば大事にはせぇへんよ?
 このまま大人しく…


 ――キィィィン…


 「「「「!?」」」」

 「な!?オイ此れは一体…か、鍵が!!」


 行き成り鍵が光って…どういう事や!
 ってエリート(笑)!


 「ぐ…引っ張るなこらーーーーー!!」


 鍵に引き摺られてる!?
 …驚いてる場合や無い!追うで!!








 ――――――








 Side:裕奈


 おぉ、エリート(笑)よ、鍵に連れられ何処へ行く?
 つーか人1人引っ張るとかドンだけの力よアレは!!


 「なんて言うか殆どロストロギアやな…」

 「お前の前世での未確認遺失物だったか?…妙に的を射ているかも知れん。」


 マジでね!


 「く!この……や、やっと止まったか!!」


 止まったか!
 な〜〜んか随分開けた場所に出たけど……此処は何よ?


 ――グン


 「な!七星門の鍵が!!」

 「浮かんで光ってる!?」


 ちょ、如何言う事よ?
 この場所に一体何が………

 !!

 「まさか…此処に『三幻魔』が封印されてるっての…?」

 「その可能性は否定できへんかもな…」


 マジかよ…!
 結局は黒幕の思惑通りって事か…ふざけんな!



 ――ゴゴゴゴゴゴゴ…



 「此れは…」

 『如何やら七星門の鍵が開いたようだね…


 ユベル…如何やら其れで間違いねーみたいだね。


 つー事は黒幕とやらも来るって事か……上等だぜ!


 来るなら来いって!
 謀略めぐらした事を後悔させてやるから!


 ――ゴゴゴゴゴゴゴ…


 「…なんか地面から出て来たみたいや。」

 「アレは…生体ポッドか?…誰が入っているんだ?」


 間違いなく黒幕――ラスボスでしょ!
 せこせこ下らない策めぐらして……覚悟しなよ、この野郎!!

 アンタの野望は全部砕いてやっからね!!















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 屍者の聖域
 フィールド魔法
 自分フィールド上に表側表示で存在するアンデッド族モンスターは攻撃力が500ポイントアップする。
 また、このカードが表側で存在する限り、自分フィールド上のアンデッド族モンスターは相手の効果の対象にならない。