吹雪:LP4000
真紅眼の黒角竜:ATK2900

ダークネス(藤原優介):LP3000




Side:遊奈


流石は吹雪兄ちゃん、真紅眼の力を駆使してダークネスもとい、藤原に対して先手を取ったわね?
ダメージは1000ポイントだったけど、デュエルは先ず主導権を握るのが大事だから、先手を取る事が出来たってのは、其のままアドバンテージ
に繋がる事だと言っても過言じゃないわ!

だけど、其れだけに、暗黒ワカメもとい藤原が簡単にやられるとは思えないのよね?
場合によってはトンでもない闇の力を使ってくる可能性だって、決してゼロじゃない――寧ろ、使ってきて当然って思うべきだろうから、ホンキで
半端ねぇっての。



「なぜ君がそうなってしまったのかを聞く心算は毛頭ないが、君が間違った道を進もうとしているのならば、僕は君の友として、君を止める!!」

「お前に出来るのか吹雪?……お前には無理だよ、絶対にな。」



にゃろう、偉そうに言ってくれんじゃない?
悪いけど、今の吹雪さんに勝つのは簡単じゃねーわよ?真紅眼にとことんこだわった吹雪さんのデッキは、最強クラスのデッキになってるしね。

取り敢えず、余程の事が無い限り、吹雪兄ちゃんが負けるなんて言う事は有り得ねーっての!

だから遠慮は要らねぇ!思い切りブチかましちまえ吹雪さん!!!










遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX214
『吹き荒れるは、黒紅のブリザード』











Side:吹雪


ある程度は予想していたけど、本当に君がダークネスだったんだな藤原。
嘗ての友にしてライバルが、こんな形で僕の前に立ち塞がるとは、正直な事を言うと悲しくて仕方ないよ――君とはもっと、違う形でデュエルを
したいと思っていただけにね。



「俺が闇の力に手を出さなければ、そんな未来もあったかもしれないとでも言う心算か吹雪?バカバカしいな。
 今更お前と友達ごっこをする心算などサラサラない、闇の生贄にしてやるよ――お前も、ダークネスの力の片鱗を受け継いでるが、真なるダ
 ークネスに勝つ事は出来んさ。」

「其れは如何かな?ダークネスとしてなら君には勝てないかもしれないが、天上院吹雪としてなら全く無いとは言い切れないよ?
 仮にこのデュエルで僕が負ける事になっても、アカデミア四天王が、頼れる後輩達が君を倒してくれるからね、不安要素は何もないさ!!」

だからこそ、デュエルに集中できるように気合を入れていくだけだ!!僕はカードを1枚セットしてターンエンド!!



「あくまでも戦うか……其れも良いだろう。――俺のターン!先ずは手札から『サイクロン』を発動し、小賢しい『くず鉄のかかし』を破壊する。
 そして『クリアー・ジェノサイド』を攻撃表示で召喚!!」
クリアー・ジェノサイド:ATK1700



矢張りくず鉄のかかしを処理して来たか……そして、新たなクリアー・モンスターはどんな効果を持っているんだ?



「クリアー・ジェノサイドは無属性だから、クリアー・ワールドのネガティブエフェクトも発動しない。
 そして、クリアー・ワールドが存在する時、クリアー・ジェノサイドは相手にダイレクトアタックする事が出来る!」

「攻撃力1700で、しかも攻撃力を下げる等の制限も無しにダイレクトアタック可能なモンスター…4ツ星モンスターとしては、破格の能力だね。」

「この程度で驚くなよ吹雪?コイツは未だ、クリアー・ワールドの尖兵に過ぎないんだからな。
 行くぞ!クリアー・ジェノサイドで、吹雪にダイレクトアタック!『クリアー・アトミック』!!」



そうは行かない!リバースカードオープン!トラップカード『ハーフorストップ』
相手の攻撃宣言時、攻撃モンスターの攻撃力をエンドフェイズまで半分にして攻撃を続行するか、其れとも攻撃を中止するか、そのどちらかを
相手に選ばせる!
さぁ藤原、君は半減した攻撃力で攻撃するか、其れとも攻撃を中止するか、何方を選ぶ!



「選ぶまでもない、攻撃力を半分にしてダイレクトアタックだ!」
クリアー・ジェノサイド:ATK1700→850


吹雪:LP4000→3150



く……矢張り攻撃して来たか――君ならば、絶対にそうすると思っていたよ藤原!
君は、以前から兎に角攻撃出来る時には攻撃するデュエリストだったからね!そのお蔭で、僕は新たな仲間を呼ぶ事が出来る!
僕がダイレクトアタックによって戦闘ダメージを受けた時、手札の『エンシェント・レッドアイズ』を攻撃表示で特殊召喚出来る!


エンシェント・レッドアイズ:ATK1400


「俺が攻撃する事は読んでいたと言う訳か……少しだけ、認識を修正しておこう吹雪。
 ダークネスとしては中途半端だが、デュエリストとしてのお前は、俺が知っているモノよりも、ずっと強くなっているとな。」

「其れは僕一人で強くなった訳じゃないからね?
 亮も居たし、明日香も居た、そして遊奈ちゃんにはやてちゃん、十代君に万丈目君のアカデミア四天王って言う最強の後輩達が居たからこそ
 僕はデュエリストとして成長する事が出来たんだ!
 さっきの言葉を返す訳じゃないが、此れだけのデュエリストと共に成長した僕と、ダークネスの力に溺れている君ではデュエリストとしての質に
 大きな差がある!今の君じゃ、僕に勝つ事は出来ないぞ藤原!」

「其れは如何だろうなぁ?クリアー・ジェノサイドが相手に戦闘ダメージを与えた時、相手フィールド上のモンスター1体を破壊出来る!
 俺はコイツで、お前の『真紅眼の黒角竜』を破壊する!!」



――ズガァァァァァアァン!!!



ダイレクトアタック効果に加えて、戦闘ダメージをトリガーにモンスター破壊効果とは、普通だったら上級モンスターでもオカシクないな。
だが、真紅眼の黒角竜が相手の効果によって破壊された事で、手札の『真紅眼の遡刻竜』を守備表示で特殊召喚して効果発動!


真紅眼の遡刻竜:DEF1600


僕のフィールド上の「レッドアイズ」モンスターが戦闘又は相手のカード効果によって破壊された時に、手札のこのカードを特殊召喚し、破壊され
たモンスターを可能な限り、破壊された時の表示形式で僕のフィールド上に呼び戻す!
蘇れ『真紅眼の黒角竜』!!


『グオォォォォォォォォォォ!!!』
真紅眼の黒角竜:ATK2100



真紅眼の黒角竜の効果で、黒角竜の攻撃力は800ポイントアップする!!


真紅眼の黒角竜:ATK2100→2900


「ダメージを受けてなお、3体のモンスターを従えるか……流石だな吹雪?尤も、其れ位じゃないと闇への生贄にはなり得ないけどな!!
 俺はメインフェイズ2で魔法カード『水晶の宝札』を発動。クリアー・ワールドが存在する場合、デッキからカードを2枚ドローする。
 そして、カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
クリアー・ジェノサイド:ATK850→1700



僕のターン!……此れは良いカードを引いたね。
僕は手札から魔法カード『レッドアイズ・エクスチェンジレート』を発動!僕のフィールド上の『レッドアイズ』モンスター1体に付き、カードを1枚
ドローする!
僕のフィールド上の『レッドアイズ』は合計3体!よって、カードを3枚ドローする!!



「手札0枚の状況から、一気に手札を増やして来たか……運の良い奴だ。」

「運が良い?違うね、引きが良いのさ。
 其れに、此れ位の引きの良さは、アカデミアでは寧ろ当たり前かな?十代君なんかは、本当に奇跡としか言えないようなドローをするからね。
 だが、このデュエルに於けるデュエルの女神様は、如何やら僕に微笑んでくれてるみたいだ――最高のカードを引き当てる事が出来たよ!」

手札から魔法カード『融合』を発動!
僕のフィールド上の『真紅眼の黒角竜』『エンシェント・レッドアイズ』『真紅眼の遡刻竜』の3体のレッドアイズドラゴンを融合!!
……折角だから、此処は遊奈ちゃんやはやてちゃんのシンクロ召喚みたいに、口上を言ってみようかな?

「黒き魂が集う時、其れは真紅の輝きを齎す引き金となる!今こそ飛び立て!融合召喚真紅眼の究極龍(レッドアイズ・オメガドラゴン)!!」

『グオォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
真紅眼の究極龍:ATK4000




「此処で、攻撃力4000の融合モンスターだと!?」



真紅眼の究極龍の攻撃力は4000……君のクリアー・ジェノサイドを戦闘で破壊しても、発生する戦闘ダメージは2300で、君のライフを0には
出来ないが、真紅眼の究極龍が、相手モンスターを戦闘で破壊して墓地に送った場合、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与
える効果がある!

そうなれば、戦闘ダメージと効果ダメージで、君が受けるダメージの合計は3150ポイント!
此れで終わりだ藤原!最強のレッドアイズの一撃で目を覚ましてくれ!!
真紅眼の究極龍で、クリアー・ジェノサイドに攻撃!!『ダーク・オメガ・フレア』!!



「此処までとは予想外だったが、残念だったな?リバースカードオープン!トラップカード『透明な守護者』
 俺のクリアーモンスターへの攻撃を無効にし、更にデッキからクリアーモンスター1体を特殊召喚する!来い『クリアー・レイジ・ゴーレム』!」
クリアー・レイジ・ゴーレム:DEF1800



攻撃を躱して、上級モンスター召喚の為のリリースを揃えたか……果たしてどんなモンスターを召喚して来るんだ?此れまでの事を考えると、ト
ンでもないモンスターが来そうな気がするんだが……

取り敢えず、僕はカードを1枚セットしてターンエンドだ。



「俺のターン!
 吹雪、このターンでお前に絶望を与えてやる!
 俺は、クリアー・ジェノサイドとクリアー・レイジ・ゴーレムの2体をリリースし最強のクリアーモンスターを呼び出す!!
 2体のクリアーモンスターの魂を糧として現れよ、透明な世界の支配者にして絶対の存在!『クリアー・バイス・ドラゴン』!!!」

『グガァァァァァァァァァァァアァァァァァァ!!!』
クリアー・バイス・ドラゴン:ATK?




2体のモンスターをリリースして現れたのは、レベル8の最上級モンスターである『クリアー・バイス・ドラゴン』だけど、攻撃力は不明じゃないか?
何らかの効果を備えているんだろうけど、逆に言うならその効果を無効にされたら、貧弱なステータスを曝す結果になる訳だけど……



「クリアー・バイス・ドラゴンは、相手モンスターを攻撃する時、自身の攻撃力を攻撃対象にしたモンスターの攻撃力を倍にした数値にする!
 このターンに攻撃対象と出来るモンスターは『真紅眼の究極龍』――よって、クリアー・バイス・ドラゴンの攻撃力は8000となる!!」

『ガァァァァァァァァァァァアッァアッァアァ!!』
クリアー・バイス・ドラゴン:ATK0→8000




攻撃力8000だってぇ!!



「クリアー・バイス・ドラゴンは、戦う相手が強ければ強い程その力を増す、最強のドラゴンだ!
 真紅眼の究極龍は強力だが、其れだけに、クリアー・バイス・ドラゴンもまた強化される!!そして、此のターンでお前のライフを0に出来る!
 此れで終わりだ吹雪!クリアー・バイス・ドラゴンで、真紅眼の究極龍に攻撃!『クリアー・マリシャス・ストリーム』!!」

「そうはさせるか!
 トラップ発動『ガード・ブロック』!僕が受ける戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする!!」

「足掻くか……だが、此れでお前の最強モンスターは葬り去った!
 そして、この先どんなモンスターを召喚したところで、クリアー・バイス・ドラゴンは其れを上回る!お前の勝ちの可能性は無いんだよ吹雪!」



勝ちの可能性は無いだって?馬鹿な事を言うもんじゃないぞ藤原!
デュエルに絶対は存在しない!圧倒的な不利な状況からでも、逆転するのがデュエルの醍醐味――そんな事すら忘れてしまったのか藤原!

だとしたら、僕は悲しいぞ。
僕と君とカイザーは、夫々が親友兼ライバルとして切磋琢磨して、アカデミアを牽引していくと思っていたのに、君程のデュエリストがダークネス
等と言う下らない力に魅入られてしまったと言うのはな!!



「くだらない力だと?違うぞ吹雪、俺はダークネスの力を得て、最強のデュエリストになったのさ!!」

「そんな力が最強だって?……馬鹿も休み休み言え藤原!
 ダークネスの力は確かに強力だが、其れは所詮は上辺だけの力に過ぎない!!――其れを教えてやるぞ藤原!!」

「出来るモノならやってみろ吹雪!!」



言われなくてもやってやるさ!
僕の魂と、真紅眼の黒炎で君の目を覚まさせてやる!

ダークネスとしては中途半端かも知れないけれど、デュエリストとしては僕の方が絶対に上だからね――覚悟は出来てるだろう藤原!!
僕の真紅眼が、君のクリアー・ワールドを打ち倒して君を倒す!――年貢の納め時だぞ、藤原!!











 To Be Continued… 






*登場カード補足




クリアー・バイス・ドラゴン
レベル8    無属性
ドラゴン・効果
このカードが相手モンスターに攻撃する場合、ダメージ計算時のみこのカードの攻撃力は攻撃対象モンスターの攻撃力の倍になる。
このカードが相手によって破壊される場合、 代わりに自分の手札を1枚捨てる事ができる。
ATK?    DEF0



クリアー・ジェノサイド
レベル4    無属性
悪魔族・効果
自分フィールド上に「クリアー・ワールド」が表側表示で存在する場合、このカードは相手に直接攻撃出来る。
このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合、相手フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。
ATK1700    DEF1200



クリアー・レイジ・ゴーレム
レベル4    無属性
岩石族・効果
このカードが相手プレイヤーに直接攻撃を与えた時、 相手の手札1枚につき300ポイントのダメージを相手ライフに与える。
ATK1600    DEF1800



レッドアイズ・エクスチェンジレート
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する「レッドアイズ」モンスター1体に付き、デッキからカードを1枚ドローする、



水晶の宝札
通常魔法
「クリアー・ワールド」が自分フィールド上に表側表示で存在する場合に発動できる。
デッキからカードを2枚ドローする。



透明な守護者
通常罠
自分フィールド上の「クリアー」モンスターが攻撃対象になった時に発動出来る。
その攻撃を無効にし、デッキからレベル4以下の「クリアー」モンスター1体を選択して特殊召喚する。