Side:遊奈


ただいま卒業デュエルの真っ只中なんだけど、矢張りと言うか予想通りと言うか、在校生で私とはやてと十代の相手になる奴は居ねーわね、うん。
準は此処には居ないけど、だからと言って準が在校生に負けるとは思えないし……本気で私等は現アカデミア最強って所みたいね。

「だから此の子達が優秀だって言っても、極めて楽勝だった訳なんだけどね?」

「弱い訳やないんやけど、もう一皮剥けんと、デュエリストとしては大成できへんやろね。」

「強くなったら、またデュエルしたいけどな♪」



まぁね。
でも問題は、そう言う事じゃなくて………



「あらぁ?……これでお終いなの?……この程度じゃ、まだ燃え足りないわよ?……もっと、私を熱くさせてくれないかしら?」

「此れにて終焉です!」


雪乃んに魅了殺された生徒と、委員長に焼き殺された生徒の多さなんだよね~~?なんだ、此の消し炭と、鼻血垂らしてKOされた屍の山は……
ま、取り敢えず卒業デュエルは盛り上がってるみたいだけど――


――ズン!!


「「「!!!」」」


如何やら、此のままデュエルを楽しむって事は出来そうにない事態が起こったみたいね?
今感じたのは、紛れもない『闇の気配』って事は、あの全身タイツの変態オヤジが現れたと考えても間違いじゃない筈…見過ごす事はできねーわ。

だけど、アンタの好きにはさせねーからね!












遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX205
『蠢く闇、そして仕掛けられた罠』











てな訳で、準とも合流してアカデミア島を周ってる訳なんだけど……何て言うか、人が減ってる感じがしない?
卒業デュエルは、あちこちで行われていた筈だから、どこかで卒業生vs在校生のデュエルが見れる筈なのに、今の今まで其れに出会っていないっ
て言うのは幾ら何でも不自然極まりねーでしょ此れ!!



「確かに、不自然と言う他はないだろうが……だとしたら、アカデミアの生徒は何処に行ったんだ?」

「分からへんけど……あのグラサンオヤジが何かしくさったんは間違いないやろ?……てか、それ以外に考えられる事はあらへんからね。」

「あの野郎、好き勝手やりやがって!!絶対に許さねぇ!!」



だよね。――あのグラサンオヤジは、マジで滅殺上等だっての!!
とは言え、何か情報が欲しい所だけど……



「姉御、此処に居たのか!!探したぜ!!」

「岬!如何したの!?」

行き成り藪の中から頼れる妹分の岬参上!!――って言うか、なんか焦ってるみたいだけど?何かあったの?



「あったなんてもんじゃねぇよ!!
 あの全身タイツグラサンオヤジが現れて、次々とアカデミアの生徒にデュエルを仕掛けて、そんでもって心の隙を突いて闇に引き摺り込んでる!
 俺はスピリットの加護で難を逃れられたけど、剣山までもが闇に引き摺り込まれちまった……あの野郎、本気だぜ姉御!!」



其れはまた……やってくれるじゃねーのグラサンオヤジが!!
そっちがその気なら、トコトンまで相手になってやろうじゃない――其れこそ、アンタが完全に消えるまで、徹底的に!!文字通りに全力全壊で!
必要なら、神と邪神を使ってでも、アンタをぶっ倒してやるわ!!!



――ブルーアイズの攻撃!雑魚モンスター撃破ぁ!!



「……此れは、新作着ボイスか~~~?」



あぁ、私の携帯だわ。
メールが来たみたいだけど、差出人は――斎王琢磨!?

え~と……


『此度の異変に付いて話したい事が有るので、19:00までに、童実野町の海馬コーポレーションビル前にこられたし。』


か。……さて、如何する?



「斎王からやと?……まぁ、あの子安ボイスやったら、占いやら何やらで、今回の事も何か掴んどるのかも知れへんから、行って損は無いかもな。」

「でも、如何やって行くんだよ?モーターボートで行くにしても、アカデミア島から童実野町までは結構時間かかるぜ?」

「いや、店長の店から行けばいいんじゃね?
 確か店長の店って、童実野町の店舗と繋がってた筈でしょ?エヴァちゃんが、そうしたって言ってたし。」

「考えれば考える程、あの店も謎だらけの店だな……品揃えは良いし、デュエルディスクの修理も出来るから言う事は無いのだが……」



まぁ、今更だからねぇ?――でもそうと決まれば善は急げ!店長の店に突撃よーーーー!!!



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・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



で、来た訳なんだけど……



「マジックカード『パワー・ボンド』
 これで手札の『TM-1ランチャースパイダー』3体を強化融合!現れろ『TM-X00リニアブラストスパイダー』!」

『ゴォォォォォォォォン!!』
TM-X00リニアブラストスパイダー:3100→6200



「手札から魔法カード『融合』発動!手札の『バーサーク・デッド・ドラゴン』3体を融合!来い『バーサーク・デッド・アルティメット・ドラゴン』!」

『ガァァァァァァァァァァァァ!!』
バーサーク・デッド・アルティメット・ドラゴン:ATK5250



「「攻撃!!」」


――ドガァァァァァァァン!!!


「「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
ミスターT×2:LP4000→0



店長とエヴァちゃんが、全身タイツグラサンオヤジと絶賛デュエル中……つっても瞬殺したみたいだけどね。――取り敢えず店長とエヴァちゃんは無
事だったんだね!!



「おぉ、貴様等か!
 ふん、私と吉良が、この程度の有象無象に負ける筈がなかろう?人の心の闇を増幅させて闇に落とす事が出来るようだが、そんなモノは私には
 効かぬし、吉良は己の闇を飼いならしているので効果は無い。」

「そう言うこった……んで、如何した?」



いや、斎王からメールが入って、童実野町に行かなきゃならないから、店長の店使わせて貰おうと思ってさ?
此処って、童実野町に繋がってんでしょ?



「そう言う事か……なら行きな。店舗の一番奥の扉が童実野町の店と繋がってるからな。
 お前さん達なら大丈夫だともうが……くれぐれも気をつけてな?アカデミアだけがこんな状況になってる訳じゃないかもしれないからな?」

「気をつけてな、姉御!!」


あり?岬は一緒にこないの?



「俺は此処に残って、店長達と一緒に戦うぜ!!
 な~に、大丈夫だって!俺にはスピリットの加護が有るから、闇に呑まれる事は無いし、店長達と一緒なら負ける事は無いと思うからよ!!」

「……分かった、くれぐれも気をつけてね岬!!」

「応!任せときな姉御!!」



マッタク、頼りになる妹分だわ――それじゃあ、行くわよ童実野町に!!








――――――








Side:はやて


んで、童実野町に到着した訳なんやけど………此れは、マッタク持って人の気配がせんなぁ?……如何やら、店長の予想は的中したみたいや。
消え取るのはアカデミアの生徒だけやなく、世界中の人達が消え取るんや……正直、冗談やないでホンマに!!



「伝説の街も、此れではゴーストタウンだな……」

「マジでそうだぜ……だけど今は、海馬コーポレーションまで行かないと!!――指定の時間まであと15分だぜ?」

「此処から歩いて海馬コーポレーション本社ビルに15分で辿り着くのは無理だけど、如何する?」



この際やから、住人が消えた事を利用して、此のタクシーを拝借するしかないやろ?幸いキーは付いたままやから、動かす事は出来るからなぁ?
此れ使って、海馬コーポレーション本社まで爆走すんで!!



「え?運転できるのかはやて?」

「前世では、バッチリ免許持ちやから無問題やで十代!タクシーの運転位は朝飯前やで!!!」

「だが今は無免許……いや、言うだけ野暮か……ならば頼むぞはやて!」



よっしゃ、任せとき!!フルスロットで爆走すんで!!



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んでもって、正味10分も経たずに海馬コーポレーション本社前に到着!!だ~れも居らん道路って言うのは、気兼ねなしに飛ばす事が出来て快
適やったなぁ~~~♪



「ゴメン、もう少し安全運転でお願い……」

「どれだけデンジャラスな運転をすれば気が済むんだお前は?……正直、何回か死を覚悟したぞ。」

「はやてスゲェ!!」


あはは……久しぶり過ぎて、要らん位にテンションが上がってたみたいやな。
まぁ、目的地には到着した訳やし、斎王も既に来とるみたいやからね?――さて、アンタは何を知っとるのか、其れを包み隠さずに話して貰うで!



「無論その心算だ。
 だが、その前に皆のデッキを見せてくれ――知らない内に、闇に感染してる可能性は0じゃないからね。――うん、大丈夫みたいだね。」

「まぁ、私等は大丈夫やろ?全身タイツグラサンオヤジとは、今日はデュエルしとらんからね――で、話したい事って、なんや?」

「其れは……取り敢えず中に入ってからにしようか?――今やこのビルも無人だから、入るのは問題ないし、立ち話もなんだからね。」


そう言う事ならかめへんけど……な~~んか引っ掛かるなぁ?……何やろう、ちょお嫌な予感がすんで此れ……



「だよね、漠然としてるから何とも言えねーけどさ。」

「だが、行かない訳には行くまい……何か起きたら、その時はその時だ。」


やな……今は進むだけや。







で、到着したのは最上階のエントランス――こないなとこまで来る必要があったんか斎王?てか、普通に考えたら1階のカフェで充分やんか!!



「此処でなくてはならなかったのだよ――此処まで来れば、君達は逃げる事が出来ない訳だからね。」

「何ですって?」

「如何言う事だ、斎王!!」

「お前、まさか……!!」

「察しの通りだ、私は彼等に加担する存在だよ!!
 君達を此処に呼び寄せたのは、アカデミアから君達を引き剥がし、そして倒す為――そして、君達はまんまと私の策に嵌ってくれたと言う訳だ。」



斎王アンタ!!
アンタが占った未来……嘘は藤原で、裏切りはアンタやったて事かい!!……冗談にしても性質が悪すぎやで!!



「冗談ではなく本気だ――此処で君達4人を倒し、私は私の望みをかなえる!!」

「この腐れ子安が……やったら、先ずは私が相手になったるわ!!」

なんで、あの全身タイツグラサンオヤジの軍門に下ったのかは分からへんけど、私等の前に立ち塞がるっちゅうなら、其れは砕いて進むのみや!
私等にデュエルを売った以上、覚悟は出来とるやろな斎王!!



「覚悟などとうに決めている!!さぁ、始めようか!!」

「己のしてしまった事を後悔させてやんで!!」

ほな、行こうか!!


「「デュエル!!」」


はやて:LP4000
斎王:LP4000



斎王、アンタが私等4人を倒す事は出来へんで?――最初の相手である、私で終わりにしてやる心算やからな……精々お祈りでもしとくんやな!















 To Be Continued… 






*登場カード補足