Side:遊奈


店長の店の大型モニターで、カイザーのデュエルを観戦しようって事になったんだけど……今回の相手が、まさかお母さんだとは思わなかったよ!!
まぁ、カイザーとしてはリベンジしておきたい相手だから、分からなくはないんだけど、チャンピオンへの挑戦権獲得間近のこのタイミングで再選を申し
込むとは思ってなかったっての。

此処で勝てば其れで良しだけど、負けたらチャンピオンへの挑戦権獲得は白紙に戻る可能性もあるから、オール・オア・ナッシングのデュエルって事
だよね此れは。

私としては、お母さんにもカイザーにも負けて欲しくないのが本音だけど……此処は、お母さんよりもカイザーの応援に回らせて貰うわ!!


お母さんの事は、勿論大好きだし、デュエリストとして尊敬もしてるけど、アカデミアの先輩である最強のカイザーを、此処は応援したい気分なの!!
カイザーは、私達の同期のデュエリストにとって、憧れであり、目標だったから、最強の帝王には常に最強の座に居て欲しい訳よ?…我儘だけどさ。


お母さんは強いから、簡単に勝つ事は出来ないと思うけど、今のカイザーなら勝てない相手じゃないと思うから、全力でやっちゃってくださいな!!


頑張れカイザー……今のプロデュエリストの世界に於いて、アンタが間違いなくナンバー1だよ!!












遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX199
『此れがヘルカイザー流のデュエル』











亮:LP4000
サイバー・ダーク・ホーン:ATK2800(ヘル・ドラゴン装備)


夕子:LP4000




Side:亮


「行き成り攻撃力2800……レベル8モンスターに匹敵する攻撃力のモンスターを、こうも簡単に出してくるとは流石ね亮君。
 前に戦った時も感じたけど、君は根っからの攻撃型……其れを踏まえると、攻撃特化のサイバー・ダークこそが君に最も合ってるデッキなのかも。」



其れに付いては否定できんな。
サイバー・ダークは、サイバー・エンドと同じ位に俺の手に馴染む……其れこそ、元々俺の為に作り出されたデッキなのではないかと思ってしまう位
にな。

まぁ、此のサイバー・ダーク・ホーンは、ほんの小手調べに過ぎん。貴女は、この程度で如何にかなる程度のデュエリストではないのだから。
俺はカードを2枚セットしてターンエンドだ。



「私のターン!!…よし!!
 相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、『バイス・ドラゴン』は特殊召喚出来る!但し、攻守の値は半分になってしまうけれどね。」
バイス・ドラゴン:ATK2000→1000


「でもって、チューナーモンスター『ダーク・リゾネーター』を召喚するわ!」
ダーク・リゾネーター:ATK1300



流石に遊奈の母親だけあって、展開が早いな?……こうも簡単に、レベル8シンクロの下準備を整えて来るとは……此れも彼女の実力ゆえか!!
そして、レベル8ならば!!!



「私は、レベル5のバイス・ドラゴンに、レベル3のダーク・リゾネーターをチューニング!!
 漆黒の闇を裂き、天地を焼き尽くす絶対なる支配者よ!万物を葬滅しその猛威を揮え!シンクロ召喚、我が魂『天魔龍 レッド・デーモン』!!」

『バオォォォォォォォォォォォォ!!』
天魔龍 レッド・デーモン:ATK3000




矢張り来たか、レッド・デーモン!!
だが其れで良い……レッド・デーモンを倒した上で勝利してこそ、俺のリベンジは成し得たと言っても過言ではない。正に相手にとって不足なしだ。



「君のサイバー・ダークは、共通効果として戦闘で破壊される場合に、装備したドラゴンを身代わりに出来る。
 一見するとなんて事ない効果だけど、残ったサイバー・ダークは融合の素材や、上級モンスター召喚の為のリリースになったりと使いようは多い。
 だけど、身代わりの効果はあくまでも戦闘破壊の場合だけで、効果破壊には適用できない。だから、レッド・デーモンの獄炎で焼き尽くすわ。
 行きなさい、レッド・デーモン!サイバー・ダーク・ホーンを焼き尽くせ!『クリムゾン・キル・バーン』!」



矢張りそう来たか。
前回のデュエルでも、レッド・デーモンの効果でモンスターを破壊され、そして自身の効果で強化された一撃を喰らって俺は負けた……だが、今回は
そうは行かん!
リバースカードオープン、永続トラップ『特殊攻撃禁止フィールド』
このカードが存在する限り、互いのモンスターはカード効果では破壊されない!よって、レッド・デーモンの効果でモンスターを破壊する事は出来ん!



「流石に簡単にはやらせてくれないわね亮君?
 サイバー・ダークの弱点を補うカードで、レッド・デーモンの効果を躱すとは見事よ……1年前の君よりも、今の君はずっとずっと強くなってるね。」

「其れも貴女に敗北したが故だ。あの敗北が無ければ、俺はサイバー・ダークと出会う事も、俺の真のデュエルを完成させる事も無かっただろう。
 全ては、貴女に負けたが故の事……だから、俺はこのデュエルに勝って、俺を成長させる切っ掛けをくれた貴女への恩返しとする!!」

「嬉しい事を言ってくれるわね亮君?
 私にリベンジデュエルを挑んで来たデュエリストは今までにも居たけど、其処までストレートな思いをぶつけて来たのは君が初めてよ。
 なら私も、其れに全力で応えるのが礼儀……バトル!レッド・デーモンで、サイバー・ダーク・ホーンに攻撃!『アブソリュート・ヘル・フォース』!」

『バオォォォォォォォォ!!』



――ドゴォォォォォン!!



亮:LP4000→3800



く……だが、サイバー・ダーク・ホーンは装備したドラゴンを身代わりにする事で戦闘破壊を回避できる!!


サイバー・ダーク・ホーン:ATK2800→800



「……やっぱりその効果は、地味に厄介ね?…カードを2枚セットしてターンエンド。」

「俺のターン!!……今度は此方から行かせて貰う!『サイバー・ダーク・キール』を攻撃表示で召喚!
 そして、その効果で墓地の『ヘル・ドラゴン』を装備する!」
サイバー・ダーク・キール:ATK800→2800(ヘル・ドラゴン装備)



更に魔法カード『高速機械組み立てマシン』を発動!
ライフを1000ポイント払い、デッキから融合素材となるモンスターを墓地に送り、機械族の融合モンスターを融合召喚する!!
俺は、デッキから3体の『サイバー・ドラゴン』を墓地に送り、『サイバー・エンド・ドラゴン』を特殊融合召喚!!


『ガァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
サイバー・エンド・ドラゴン:ATK4000
亮:LP3800→2800




「サイバー・エンド・ドラゴン……君のデッキを象徴する、最強の機械竜!其れをこうもあっさりと呼び出してくるとは、本当に見事だわ。」

「お褒めに預かり光栄だ。
 尤も、高速機械組み立てマシンの効果で呼び出されたモンスターの効果は無効になり、エンドフェイズに墓地に送られてしまうがな。
 だが、これでレッド・デーモンを倒す事の出来るモンスターが俺のフィールドに顕現した……このデュエル、勝つのは俺だ!勝利は渡さない!!!
 バトル!サイバー・エンド・ドラゴンで、天魔龍 レッド・デーモンに攻撃!『エターナル・エヴォリューション・バースト』!!



――ガバァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
夕子:LP4000→3000



未だだ……サイバー・ダーク・キールで、プレイヤーにダイレクトアタック!!



「その攻撃は通さないよ亮君!手札の『バトルフェーダー』の効果を発動!
 相手モンスターのダイレクトアタック時に、このカードを手札から特殊召喚して、バトルフェイズを強制的に終了させる!!」
バトルフェーダー:DEF0


そうやすやすとやらせてはくれないか。
ならば俺は、メインフェイズ2で、速攻魔法『融合解除』を発動し、サイバー・エンド・ドラゴンを3体の『サイバー・ドラゴン』に分離する。



サイバー・エンド・ドラゴン:ATK4000
         

サイバー・ドラゴン:ATK2100(×3)




「融合解除……成程、此れなら高速機械組み立てマシンのデメリットも回避できると言う訳か……其処まで計算しているとは、本当に凄いわ亮君。
 この1年で、君のデュエルスケールは何倍にも跳ね上がったみたいね。」

「ただ只管に勝利を求め、高みを目指していたからな。
 サイバー・ダーク・ホーンを守備表示に変更し、カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
サイバー・ダーク・ホーン:ATK800→DEF800



「私のターン!!トラップ発動『ロスト・スター・ディセント』
 このカードの効果で、墓地のレッド・デーモンの効果を無効にし、レベルを1つ下げ、守備力を0にして表示形式の変更を不能にして守備表示で特殊
 召喚するわ!」
天魔龍 レッド・デーモン:DEF2000→0   Lv8→7(ロスト・スター・ディセント効果)



レッド・デーモンを蘇生させたか……さて、何が来る?



「そしてチューナーモンスター『フォース・リゾネーター』を召喚!」
フォース・リゾネーター:DEF500


「レベル7となったレッド・デーモンに、レベル2のフォース・リゾネーターをチューニング!!
 破壊の魔龍よ、深淵の力をその身に宿し、万物を睥睨せよ!シクロ召喚、燃やし尽くせ『天魔龍 レッド・デーモン・アシェル』!!」

『ガァァッァアァァァァァァァァァァァァァ!!』
天魔龍 レッド・デーモン・アシェル:ATK3200



此れは、レッド・デーモンの進化形だと!?……此の迫力は、レッド・デーモン以上だな。



「バトル!レッド・デーモン・アシェルで、サイバー・ダーク・キールに攻撃!『アブソリュート・ストロング・フォース』!!」



――バキィィィィィィィィィィィィ!!



亮:LP2800→2400
サイバー・ダーク・キール:ATK2800→800



く……此れは可成り効いたな……しかし、彼女の攻撃が此処で終わるとは思えん……!!



「レッド・デーモン・アシェルが、相手に戦闘ダメージを与えた時、デッキか手札から、レベル3以下のチューナー1体を選択して特殊召喚出来る。
 私はこの効果で、デッキからチューナーモンスター『バリア・リゾネーター』を特殊召喚するわ。」
バリア・リゾネーター:DEF800


「そして此処で、リバースカードオープン!トラップカード『緊急同調』!このカードの効果で、バトルフェイズ中にモンスターをシンクロ召喚する!
 行くわよ亮君…レベル9のレッド・デーモン・アシェルに、レベル1のバリア・リゾネーターをチューニング!
 天を統べる魔龍の王よ、その力を解き放ち、万物を蹂躙せよ!シンクロ召喚、世界を覆い尽くせ『天魔龍 レッド・デーモン・ゼブルン』!!」

『バオォォォォォォォォォォォォオォ!!』
天魔龍 レッド・デーモン・ゼブルン:ATK3500


此処で更なる力を秘めたレッド・デーモン!!……此れが貴女の全力と言う事か明石夕子!!……よもやこれ程とはな。



「此れが私の全力全壊って言うのかな?……だけど、このターンで終わりだよ亮君。
 君の残りライフは2400だけど、レッド・デーモン・ゼブルンがサイバー・ダーク・キールを攻撃する事で発生する戦闘ダメージは2700だからね。
 バトル!レッド・デーモン・ゼブルンで、サイバー・ダーク・キールに攻撃!『アブソリュート・デストロイ・フォース』!!」



だが、その攻撃は通さん!!トラップ発動『パワー・ウォール』!!
デッキからカードを1枚墓地に送り、1枚につき100ポイントのダメージを軽減する!俺はデッキから27枚のカードを墓地に送り、2700ポイントの戦
闘ダメージを0にする!!



「そう来たか……なら私も、レッド・デーモン・ゼブルンの効果を発動。
 相手モンスターを戦闘で破壊した場合、相手フィールド上に存在する表側表示モンスターを全て墓地に送る!これで君のフィールドは壊滅よ。」

「そう来たか……此れは大分追い詰められたな。」

「君の目は全くそう言ってないのが恐ろしいんだけどね……カードを1枚セットしてターンエンド。」


俺のターン!!手札から魔法カード『墓穴の掟』を発動
このカードの効果で、このターンのエンドフェイズまで、俺の墓地のカードは全てモンスターカードとして扱われる。

そして、マジックカード『パワー・ボンド』!其れにチェーンして『サイバネティック・フュージョン・サポート』
ライフを半分支払い、墓地のモンスターをゲームから除外して融合素材とする!!



亮:LP2800→1400



俺は、墓地のサイバー・ダーク・ホーン、サイバー・ダーク・エッジ、サイバー、ダーク・キールの3体をゲームから除外してパワー・ボンド強化融合!!
サイバー・ダークの門が開く時、其処にかつてない力が舞い降りる!融合召喚、現れよ『鎧黒竜 サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴン』!!


『ガァァァァァァァァァァアァァァァァァッァア!!』
鎧黒竜 サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴン:ATK1000



「パワー・ボンドの効果で、サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンの攻撃力は倍になる!」
鎧黒竜 サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴン:ATK1000→2000


更に、サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンは融合召喚に成功した時、自分の墓地またはエクストラデッキのドラゴン族モンスター1体を選択して装備
する。
但し、エクストラデッキから選択する場合に限り、エクストラデッキのモンスターをドラゴン族として扱う事が出来る!
そして、サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンの攻撃力は装備したモンスターの攻撃力分アップする。
俺はこの効果で、エクストラデッキのサイバー・エンド・ドラゴンをドラゴン族として、サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンに装備する!!



鎧黒竜 サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴン:ATK2000→6000(サイバー・エンド・ドラゴン装備)



更に、サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンは、俺の墓地のモンスターカード1枚につき、攻撃力が100ポイントアップする。
墓穴の掟の効果で、俺の墓地のカードが全てモンスターカードとなっている今、俺の墓地のカード総数は35枚!よって攻撃力は9500!!!



『ガァァァァァァァッァ!!』
鎧黒竜 サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴン:ATK4000→9500



「攻撃力9500!!」

「これでラストターンだ!
 鎧黒竜 サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンで、天魔龍 レッド・デーモン・ゼブルンに攻撃!『ハイパー・ダークネス・バスター』!!」

「そうはさせないわ!トラップ発動『次元幽閉』!!このカードの効果で、サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンを除外するわ!!」



其のカードを伏せていたのか……流石だな。
だが、サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンの効果は貴女の予想の上を行く!

「鎧黒竜 サイバー・ダーク・インパクト・ドラゴンは、1ターンに1度だけ相手のカード効果を受けない!
 よって、貴女の発動した次元幽閉はその効果を果たす事は出来ない!!――故に、これで終わりだ!此れが俺の、全力全壊だぁぁぁぁぁ!!」



――ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!



「くあぁぁ……きゃぁぁぁぁっぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!」
夕子:LP3000→0



俺の勝ちだな……1年前の雪辱、果たさせて貰ったぞ。



「お見事だよ亮君……私の完敗だね。
 今の君は、1年前の君とは比べ物にならない程に強い……たった1年で、此処まで成長して来るとは驚いたと同時に、嬉しくも有るわね。
 君みたいな、デュエリストが居るのならプロリーグも当分は安泰だろうからね――改めて礼を言うよ亮君!最高のデュエルを楽しませて貰ったわ。」



礼を言うのは俺の方だ。
この高みに辿り着けたのは、さっきも言ったが貴女のおかげだからな。



「そう?……なら、此れからの君の活躍を期待しているわ。
 機会が有れば、何時の日かまたデュエルをしましょう?……成績は此れでイーブンだから、決着をつけないとだからね。」

「あぁ、その時が来たらばな。」

ともあれ、俺は此れからも更なる高みを目指すだけだ……何れこの世界に足を踏み入れて来るであろう、最強の4人の後輩と戦う為にもな。
待っているぞ、遊奈、はやて、十代、万丈目……お前達がこの世界にやってくるその日を!!











 To Be Continued… 






*登場カード補足




天魔龍 レッド・デーモン・アシェル
レベル9    闇属性
ドラゴン族・シンクロ/効果
「レッド・デーモン」シンクロモンスター+チューナー1体
このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、デッキか手札から、レベル3以下のチューナー1体を選択して特殊召喚する。
このカードは、相手のカード効果の対象にならない。
ATK3300    DEF3000



天魔龍 レッド・デーモン・ゼブルン
レベル10    闇属性
ドラゴン族・シンクロ/効果
「レッド・デーモン」シンクロモンスター+チューナー1体
このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、ダメージステップ終了後に、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て墓地に送
る。
自分の墓地に、チューナーとシンクロモンスターが合計5体以上存在する時、このカードは相手のカード効果を受けない。
ATK3500    DEF3200



高速機械組み立てマシン
通常魔法
ライフを1000ポイント払って発動する。
自分のデッキから、融合モンスターによって決められた融合素材を墓地に送り、エクストラデッキから機械族の融合モンスターを特殊召喚する。(この
特殊召喚は融合召喚とする。)
この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効となり、エンドフェイズに墓地に送られる。



特殊攻撃禁止フィールド
永続罠
このカードが表側表示で存在する限り、互いのモンスターはカード効果では破壊されない。