Side:亮


貴様とのデュエルは中々に楽しめたが、其れも此れで終わりだ!
手札から、マジックカード『パワー・ボンド』を発動!この効果で、手札のサイバー・ドラゴン3体を強化融合し、俺の最強モンスターを降臨させる!!

「これが、サイバー流の極意……現れよ『サイバー・エンド・ドラゴン』!!」

『ギシャァァァァアッァァァァァァァッァッァアッァァァァァ!!!』
サイバー・エンド・ドラゴン:ATK4000→8000




「こ、攻撃力8000ですってぇ!?
 だ、だけど私のモンスターは守備表示……幾ら攻撃力が高くても、私にダメージは……」

「通らないと思っているのか?
 生憎だが、サイバー・エンド・ドラゴンには貫通効果が備わっている故に、貴様が守備表示モンスターを並べていた所で大した障害にはならん!!
 此れで終わりだ……サイバー・エンド・ドラゴンで、守護神エクゾードに攻撃!――粉砕せよ『エターナル・エヴォリューション・バースト』!!!」



――キィィィィィン……ドガァァァァァァァァァァァァァァアッァァァァァァッァアッァァァッァァアッァァアァァァン!!!



「あ…あ……あ………いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
どこかで見た事のある眼鏡腐女子:LP2000→0



所詮はこの程度か……出直してくるが良い。
とは言え、今のデュエルで此のデッキの完成度は確信できたのでな……そろそろ彼女にリベンジデュエルを挑んでも良い頃合いかも知れないな。












遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX198
『ヘルカイザー亮、驀進する!』











「調子は良さそうだな亮?
 プロリーグに上がってきた当初とは違って、今やヒールのヘルカイザーが板についてきた感じだが……アカデミア時代よりも実力は上だろうな。」



エドか……其れについては否定はせん。
アカデミア時代の俺は、何よりも相手をリスペクトする事に重きを置き、己が楽しむと言う事と、勝利への貪欲さを疎かにしていたのは否めないさ。同
時に、其れがカイザーとしてのあるべき姿だと思っていたからな。

だが今の俺は違う!!
デュエルを楽しみ、そしてリスペクトの精神は忘れずに勝利をもぎ取る――そのデュエルが、漸く形になって来たのでな。ソロソロ、彼女にリベンジマ
ッチを挑んでも良いんではないかと思っている。



「彼女と言うと……明石夕子か!?」

「その通りだ……俺の連勝を止め、そして地獄に落ちるきっかけとなったデュエリストである明石夕子には、リベンジを果たさねば成るまい。」

結果論から言うのならば、彼女のお蔭で俺は俺のサイバー流を開眼するに至ったのだが、矢張り負けっぱなしと言うのは些か性に合わないのでな。
キッチリと勝って清算してやる心算だ。



「如何にも君らしいな亮――まぁ、今の君に勝つのは僕だって難しそうだからな……精々無様な負けだけはしてくれるなよ?」

「其処でストレートに『頑張れ』と言わない辺りがお前らしいなエド――時に、其れは其れとして、俺は個人的にお前に頼みたい事が有るんだが…」

「僕に頼みたい事だって?まぁ、あまり変な物でなければ受けるのも吝かじゃないが……お前、若しかして物凄くトンデモナイ事を考えて居ないか?
 そうじゃなかったら、態々僕に頼み事なんてしないだろう?」



流石に勘が良いな?
今の俺の成績ならば、近い内に俺達が所属するリーグのチャンピオンに挑戦する事が出来る。――無論そうなったら俺は勝つが、俺が勝って王者
になった暁には、今現在存在しているプロリーグでの統一王者決定戦を行おうかと考えて居るのだ。
幾多有るプロリーグの頂点に存在する王者の中で、一体誰が一番強いのかを決定する――面白いとは思わないか?



「……確かにな。
 リーグ毎の王者は居るが、その中で誰が一番強いのかと言う事はファンも知りたがってる事だろうからね――OK、そう言う事なら協力しよう。
 尤も、其れも明石夕子とのリベンジ戦と、チャンピオン戦に勝たなければ消えてしまう話だけれどな。」

「其れについては大丈夫だろう。
 現王者と明石夕子の実力を比べれば、彼女の方が遥かに上なのは明白……にも拘らず、彼女が王者に挑戦しないのは単純に『活きの良い若い
 子達とデュエルする方が楽しい』からだそうだ。
 つまり、彼女に勝つ事が出来れば、王者の座を奪取するなど容易いと言うモノ……俺の『真サイバー流』ならば、其れが出来ると確信している。」

何よりも、彼女は俺の更なる成長を望んで、俺の連勝を止めたのだ。
ならば、地獄の果てで掴み取り、そして昇華させた俺のデュエルで勝って見せるのが、彼女に対する礼着と言うモノだからな――この『真サイバー流
』デッキで、今度こそ貴女に勝って見せよう、明石夕子!!








――――――








Side:夕子


ふぅん?亮君が、次の対戦相手に私を指名して来たんだ?ま、今の彼の成績ならリーグの運営側に対戦相手を希望する事も出来るからね。
寧ろ私としては、思ったよりも遅かったって言う感じかな~?サイバー流の裏デッキを手にしたその時にリベンジマッチを挑んでくるとばかり思ってた
から、漸くって感じだわ。

でも、寧ろ今の方が良いかもね?
今の亮君のデッキは、サイバー流でも裏サイバー流でもない、亮君自身が開拓した『ヘルカイザー流』とも言うべき独自のデッキだから、戦うのがと
ても楽しみなのが否定できない。

「今度は、前みたいにはいかないでしょうね……其れこそ一皮むけた後のエド君以来の強敵かも知れないけど、私だって負ける心算は無いわ。
 何れにしても、楽しいデュエルになるのは間違いないだろうから全力で行きましょうか。ねぇ、レッド・デーモン?」

『グルルルルルルルルルル……』



やる気は充分って感じね?ふふ、私も貴方の事は言えない位にやる気十分だけれどね♪

でも、実際に亮君がドレだけ強くなってるのかは予想が出来ないから、どんなデュエルになるのかはマッタク持って分からない――数多のデュエル
コメンテーターでも予想は出来ないんじゃないかしら?

でもまぁ、君が見つけた君だけのデュエル道を見せてもうらわよ亮君!








――――――








Side:亮


遂に来たかこの日が……1年前の敗北を清算するこの日が!!



『Ladies&Gentleman!遂に、遂にこの日がやってまいりました!!
 現在無敵の連勝街道を突っ走るヘルカイザー亮と、ルーキーの11連勝を阻み続けるルーキーキラーである明石夕子の直接対決が!!
 ヘルカイザー亮も明石夕子に連勝を10で止められ、其処からは精彩を欠き苦難の時を過ごしただけに、このデュエルはリベンジマッチと言える!
 果たしてヘルカイザー亮はリベンジを果たすのか!其れとも明石夕子が、ヘルカイザーをも打ち破るのか!!マッタク持って予想が立たない訳で
 ありますが、今回のデュエルは如何見ますか、解説の城之内克也さん?』

『あぁ?難しい事は良く分からねぇが、どっちも全力でやるだけのこったろ?
 デュエルに細かい事は要らねぇ!デッキに魂乗せて、其れをぶつけ合うだけだからよ!!だからどっちも頑張れ!最高のデュエルをしろよな!』




……まさか、解説に伝説のデュエリストが来ているとは予想外だったが、ならば俄然やる気も出て来ると言うモノだ。



「1年ぶりだね亮君。
 この1年で、君がドレだけ強くなったのか、そして君だけのデュエル道がどれ程のモノだったのか、見せて貰うよ?」

「ならばその期待には応えよう――貴女のお蔭で俺は強くなれたのだからな。
 その恩を返す為にも、俺は俺の全力を持ってして貴女を倒す!!それが、デュエリストとしての最大の恩返しだからな!!」

「その意気や良し!――見せて貰うわ、君の強さを!」

「見せてやる、俺が見つけた真のサイバー流の力を!」



「「デュエル!!」」


亮:LP4000
夕子:LP4000




「先攻は貰うよ亮君!私は『ブラッド・ヴォルス』を攻撃表示で召喚!!」
ブラッド・ヴォルス:ATK1900


「カードを一枚セットしでターンエンド!!」


「俺のターン!!
 どんな策略が有るのかは話分からないが、此処は攻めあるのみ!」

見せてやるぞ、俺の真サイバー流と言うモノをな!!
何よりも負けっぱなしと言うのは性に合わないのでな――このデュエルは勝たせて貰うぞ、明石夕子!!俺のターン!!

「手札から永続魔法、『星蝕の墓場』を発動!このカードが存在する限り、俺の墓地のモンスターレベルは1つ下がる!
 更に魔法カード『エンジェル・バトン』を発動し手札を入れ替える!!
 そして『サイバー・ダーク・ホーン』を召喚!!」

『ギギギギギッギギイイギギギギ!』
サイバー・ダーク・ホーン:ATK800




サイバー・ダーク・ホーンの召喚に成功した時、自分の墓地からレベル3以下のドラゴン族モンスターを選択して装備する!!
俺は、星蝕の墓場の効果で、レベル3となったヘル・ドラゴンを装備!此れによりサイバー・ダーク・ホーンの攻撃力は2800!!



サイバー・ダーク・ホーン:ATK800→2800(ヘル・ドラゴン装備)



俺が見つけ出した、俺だけのデュエル――真のサイバー流のデュエルを、味わって貰うぞ、明石夕子!!











 To Be Continued… 






*登場カード補足




星蝕の墓場
永続魔法
このカードが表側表示で存在する限り、自分の墓地のモンスターのレベルは1つ下がる。