Side:はやて


こう言っちゃなんやけど、三幻魔事件の黒幕の影丸爺ちゃんと、光の結社事件の(乗っ取られてたとは言え)黒幕である斎王が、こうして現れるとは、思
ってもみなかったで、正直な所。

まぁ、影丸爺ちゃんに関して言えば、アカデミアの大きなイベントの時には来賓で来てくれてたからアレやけど、アンタはホンマに予想外過ぎるで斎王?
トラゴエディアの支配から解放されたのは間違いないやろから、危険はないって思えるんやけどね。



「で、何しに来たの影丸爺ちゃんと斎王は?」

「……ハイライトの消えた瞳で見られながら、抑揚のない言葉で何かを聞かれると言うのは、思ってた以上に怖い物が有るな此れは。
 だが、私達の目的を話さない訳には行かないから、聞いてくれるかな?」



是非もないで斎王。アンタ等は、いまさら何を目的に此処に現れたんや?其れを聞かせて貰おうやないか。
そして、アンタ等がアカデミアに現れたって言うのは、あのヘンテコデュエリストの出現及び、アカデミアで起こってる異変と全く無関係やない筈やしね。

単刀直入に聞くで……このアカデミア島で、一体何が起きてるん?何が起きてしまったんや?

せめて、其れ位は教えてくれるやろ?影丸爺ちゃん、そして斎王!!











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX188
『謎の決闘者ミスターT』










「何が起きてるかと言う事をハッキリと言う事は出来ない。残念ながらね。
 だが、私も元々は占い師の端くれ……絶対の結果ではないが、アカデミアの未来を占った結果、3回中2回も『死神』のカードが出たのが気になったん
 だよ……そう遠くない未来に、トンでもない事が起きるのではないかと思ってね。」

「其れを伝えておきたかったんじゃよ。
 斎王君は兎も角、ワシはもうデュエルの出来る身体ではないのでね……せめて、君達のサポートをと思っての。」



ハッキリとしないとは言え、アカデミアの異常事態は何となく、感覚で気付いたって事やろな。
加えて、斎王の占いの結果、3回の内の2回が最悪の結果を示して見せたって言うのも、その予感を後押ししたのは間違いないやろうからね。



「もっと言うなら、2枚の『死神』の他に出た1枚が『月』のカードだった事も気になっているんだ。
 タロットカードの『月』が暗示するのは、嘘や裏切り、そして未知の世界への恐怖と言ったモノだからね……何か、心当たりがあるんじゃないのか?」

「裏切りは分からんが、嘘は『藤原優介』の名を騙る誰かだろう。裏切りは……俺達の仲間の誰かが、一時的にこの異変の中心にいる何かに操られて
 しまう可能性を示唆しているのかも知れん。」

「流石に、準は鋭いなぁ?私もおなじ意見やね。
 でもって未知の世界への恐怖は、恐らく私と遊奈の前に現れた正体不明のデュエリストやろ。アレは、如何考えても人間やない存在やったからな。」





「マッタク持ってその通りだ。矢張り大したモノだよ、君達はね。」





「「「「「「!!!」」」」」」



この声は……また現れたな、胡散臭さMAXの謎のデュエリスト!!



「はやて、コイツがさっき言ってた……」

「あぁ、正体不明のデュエリストや。
 おいコラ、私にブッ飛ばされて何処かに行ったかと思ったら、またこうして目の前に現れるとかアンタは何がしたいんや?其れ以前に、アンタ何モン?」

「私の目的は話す事は出来んな。
 だが、名を名乗らなかったのは些か無礼極まりなかった――とは言え、私を示す明確な名は無いので、そうだな……真実を知る者として、トゥルーマ
 ン、差し詰め『ミスターT』とでも名乗っておこう。」



何がミスターTや……ふざけた奴やでホンマに。
んで、そのミスターTが、今度は一体どんなご用件でいらっしゃったんやろうかな?悪いけど、私等暇やないから、友達の居ない寂しいおじさんの話相手
になってあげる事は出来へんのやけどねぇ?



「要件か……簡単な事だ。
 私は、遊城十代、万丈目準、八神はやて、そして明石遊奈、君達を倒しに来たのだ。君達の様なデュエリストは、野望の為には些か邪魔なのでね。」

「だから倒しに来たってか?分かり易いじゃないか。
 でも、俺達に簡単に勝てるとは思わない方が良いぜ?結局の所、魔王も其れで失敗したんだからな!」

「ククク……其れも承知しているよ。
 だから私は、君達を纏めて相手にするなどと言う愚かな事はせずに、1人ずつ確実に倒していくとしよう。堅実な一手こそが、目的達成の近道だ。」



その意見に関しては同意したるけど、タイマンやったら勝てるて思てるの?現に私に負けたのに?
其れでもやるって言うなら、もう一度相手になったるで?……ただし、今度は煉獄の炎で二度と現れる事が出来んように焼き尽くすけどな!!



「待て、此処は俺がやるぞはやて。」

「準?」

「お前は先刻デュエルをしたばかりだからな……コイツ相手に2連戦する事も無かろう。
 其れに、コイツがどの程度の腕の持ち主であるのかは、俺も知っておきたい所だからな――構わないだろう?」



うんまぁ、準の言う事も一理あるな。
確かに相手の実力が如何程かって言うのは知っといて損はないから……OK、此処は任せるで準!!!最強ドラゴンマスターの力を見せたれや!!



「言われるまでもない。
 行くぞミスターT!貴様の相手は、此の俺だ!!」

「稀代のドラゴンマスターか……相手にとって不足なし。先ずは貴様から葬ってやろう。」

「ほざけ。大概その手のセリフは負けフラグだ。――行くぞ!」



「「デュエル!!」」


万丈目:LP4000
ミスターT:LP4000




アカデミアで最も重いデッキを使う準の、重さを感じさせない超絶パワーデュエルをその身で知るが良いで?
ドラゴンと言う、神聖にして最強の種族を手足の如く操る準の実力を、目ん玉かっぽじってよく見とかんかコラァ!!!








――――――








Side:万丈目


コイツが、はやての言っていた謎のデュエリストか……確かに、怪しさだけならセブンスターズをも凌駕しているだろうな、間違いなく。
だが、誰が相手だろうともやる以上は勝つだけだ。俺のデュエルに退くと言う言葉は無いからな。己の全力をもって、貴様を叩きのめすだけの事だ!!

先攻は貰うぞ、俺のターン!!

俺は『巨竜の聖騎士』を攻撃表示で召喚!



巨竜の聖騎士:ATK1700



巨竜の聖騎士の召喚、特殊召喚に成功した時、手札かデッキから、レベル7または8のドラゴンをこのカードに装備できる。
そして、ドラゴンを装備したこのカードは、他のモンスターの効果を受けん。

俺は、デッキから『フェルグラントドラゴン』をこのカードに装備。
更に魔法カード『トレード・イン』を発動。手札からレベル8のバーニング・ドラゴンを墓地に送ってカードを2枚ドロー!

カードを2枚セットしてターンエンドだ。



「私のターン。『ダブル・コストン』を召喚。」
ダブル・コストン:ATK1750


「更に魔法カード『二重召喚』
 このカードの効果で、私はこのターン、もう一度モンスターを通常召喚出来る。
 そして、ダブル・コストンは、闇属性モンスターをアドバンス召喚する場合、1体で2体分のリリースとなる!私は、ダブル・コストンをリリースし、現れよ
 『The Big SATURN』!!」

『ゴォォォォォォォォォォォォ!!』
The Big SATURN:ATK2800




!!!SATURNだと!?
プラネットの1枚を……そうか、デイビットのデッキからSATURNを持ち出したのは、貴様だったのかミスターT!!トンでもない外道な所業だな其れは!



「心外だな。彼ではこのカードを使い熟す事が出来ていなかったから、私が正しく使ってやろうと思ってね。」

「貴様……!!」

確かにデイビットはデュエリストとしては二流かもしれないが、だからと言ってデッキのエースカードを奪い取って良い道理はない!!
デッキのエースカードは、言うなればデュエリストにとっての魂の半身!!其れを奪い取って、更に己の手駒として使うとは……腐ってるぞ貴様はな!



「腐っているとしてどうする?」

「腐敗がこれ以上進行しない様に、消毒するまでだ!」

「成程な……だが、其れも無駄だ!負けるのは貴様なのだからな、万丈目準!!
 バトル!!The Big SATURNで、巨竜の聖騎士に攻撃!!粉砕せよ『アンガー・ハンマー』!!!」



――ドゴォォォォォォォォォォン!!



万丈目:LP4000→2900
「く……だが、只では起きん!!トラップ発動『魂の綱』
 俺のフィールド上のモンスターが破壊された時、ライフを1000ポイント払って、デッキからレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する!!
 巨竜の聖騎士の魂は、新たな竜に受け継がれる!!出でよ『ウィッシュ・ドラゴン』!!」


万丈目:LP2900→1900
ウィッシュ・ドラゴン:ATK700



「そう簡単にはいかないか……流石はアカデミアの四天王を名乗るだけの事はある。
 私はカードを3枚セットしてターンエンドだ。」



ならばエンドフェイズにトラップ発動、『不死の竜』
このカードの効果で、墓地のドラゴン1体を特殊召喚する!!蘇れ『バーニング・ドラゴン』!!



『グオォォォォォォォォォォォォォォ!!』
バーニング・ドラゴン:ATK2500




そして、バーニング・ドラゴンの召喚・特殊召喚に成功した時、フィールド上の全ての魔法と罠を破壊する!!纏めて吹き飛ぶと良い!!



――バガァァァン!!



「ぐぬ!!」

「俺がバーニング・ドラゴンを墓地に送った事を警戒すべきだったな。此れで貴様の戦術は破壊させて貰ったぜ。行くぞ、俺のターン!!」

手札から魔法カード『復活の福音』を発動!
墓地から、レベル7または8のドラゴン1体を特殊召喚する!福音に導かれ、今此処に復活せよ『フェルグラントドラゴン』!!


『グガァァァァァァァァァァァァッァ!』
フェルグラントドラゴン:ATK2800



フェルグラントドラゴンの効果発動!
このカードが墓地から特殊召喚した場合、自分の墓地のモンスター1体を選択!このカードの攻撃力は選択したモンスターのレベル×200ポイントアッ
プする!
俺は巨竜の聖騎士を選択!
そして、巨竜の聖騎士のレベルは4!よって、フェルグラントドラゴンの攻撃力は800ポイントアップするぜ!!



フェルグラントドラゴン:ATK2800→360



更にウィッシュ・ドラゴンの効果発動。
このカードをリリースして、俺のフィールド上に2体の『ドラゴン・トークン』を俺のフィールド上に呼び出す!



ウィッシュ・ドラゴン:DEF100
       ↓
ドラゴン・トークン:DEF100(×2)



そして、この2体のドラゴン・トークンをリリースし、現れよ『光と闇の竜』!!



『グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
光と闇の竜:ATK2800




「な!!僅か1ターンで、レベル8のドラゴン族モンスターが3体も揃っただと!?」

「別に驚く事じゃない。って言うか、準なら此れ位は普通に余裕。」

「此れが万丈目だからな!!派手にブチかましちまえ!!」



言われるまでもない!!
行くぞ、ミスターT!!フェルグラントドラゴンで、The Big SATURNに攻撃!!吹き飛ばせ『シャイニング・ブラスター』!!!



――ドガァァァァァアン!!



ミスターT:LP4000→3200

「ぐぬぅ……だが、The Big SATURNの効果で2800ポイントのダメージが発生する!!此れで貴様はお終いだぞ万丈目。」

「其れが如何した!
 貴様が効果を発動したその瞬間に、光と闇の竜の効果が発動する!攻撃力500ポイントと引き換えに、あらゆる効果を無効にしてしまう効果がな!!
 この効果により、SATURNの効果は無効に終わる!!」



光と闇の竜:ATK2800→2300



此れで貴様を護るモンスターは居ない!
バーニング・ドラゴンでダイレクトアタック!『バーニング・ブレス』



――ボオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!



「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミスターT:LP3200→700



「これで終わりだ!光と闇の竜で、プレイヤーにダイレクトアタック!!黒き洗礼の前に沈め……『ダーク・バプティズム』!!

『グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』



――ドガバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアァン!!!




「馬鹿な!!……まさか、此れだけの力を持って居るとは!!……計画の練り直しが必要だな。」
ミスターT:LP700→0



――シュゥゥゥン………




って、消えただと!?
こんな芸当を、こうも簡単にやって見せるとは、矢張りはやての言う通り、人間でない事は間違いなさそうだ……マッタク、厄介な事が起きてくれたな。


何れにしても奴が要注意人物なのは間違いないだろう。
そして、何れまた俺達の前に姿を現す筈だからな……今まで以上に警戒やら何やらをしておく必要がありそうだ。――アカデミアの平穏を護る為にな!

俺達の世界を、貴様の好きにさせてなるものか……お前の思惑は、全て叩き潰してやるぜミスターT。アカデミア四天王が直々にな!!
















 To Be Continued… 






*登場カード補足