Side:亮


ぐ……まさか、3体目の邪神がこれ程の力を秘めていたとは、マッタク持って予想外だったとしか言いようがない。

僅か1ポイントではあるが、どんなモンスターであっても、其れこそ神をも超えるパワーを持った『青眼の究極竜』であっても超える事の出来ない絶対的な1
ポイントの壁……一度フィールドに現れれば、文字通りのフィールドの支配者となるであろう凶神…



「カイザーと言えども、最強の邪神を超える事は出来なかったようだな?そして、貴様が超えられぬのなら、この邪神を脅かす者など何処にも存在せん!!
 この無敵の力を持ってして、精霊世界も現実世界も支配してくれる!!
 さぁ、敗者は消えるが良い!!!」



消える?……そうか、この世界でのデュエルの敗北は己の存在の抹消だったな?……だが、俺は消えんぞ魔王?



「な、何故消えぬ!!
 敗北者には、死あるのみ!!其れがこの世界のルール……私の定めたルールだ!!それに、反するなどと言う事が!!」

「……もしやと思っていたが、この世界での敗者の末路は、貴様が決めたルールだったか魔王よ?
 ならば俺は消えんぞ?……俺は現実世界から来た人間故に、貴様が設定した『精霊世界でのみ有効になるルール』の外に居る存在なのだからな…!」

「貴様……!!」



敗北はしたが、得られた情報は貴重な物だった故に、この敗北は無駄ではないだろう。

何れは俺をも超えるであろう、現アカデミアの最強のデュエリスト達に、最強の邪神の伝える事が出来るのだからな?……精々楽しみにしておくが良い。


アイツ等ならば、必ずやお前を倒し、そして遊奈を解放してくれるだろうからな――











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX177
『神の力を継ぐ決闘者達』











「其処までほざくか……ならば、そいつ等に伝えるが良い――私は『最果ての宮殿』で待っているとな。」

「ククク……良いだろう、伝えておいてやる。
 だが、其れを教えた事を貴様は後悔すると言っておくぞ魔王よ?――その最果ての宮殿とやらで、貴様の命運は尽きるのだ、十代達の手によってな!」

何よりも、アイツ等ならば、アバターの攻略法だって見つける筈だからな。


それに、実際にデュエルをしてみて分かった――如何に貴様が強力なカードを使ったところで、本物の遊奈の足元にも及ばないと言う事がな。
所詮は強力なカードに頼った愚者……其れでは、はやて、十代、万丈目と言ったデュエリストに勝つ事など、土台無理だと言う事だ。

だが、精々誇ると良いぞ?貴様の生涯最後の勝利は、この俺から得たのだからな。



「貴様……良いだろう。
 私を倒しに来るなどと言う愚者は、一匹たりとも逃さずに撃滅して八つ裂きにしてくれる!!――精々、私の居城に乗り込んでくるが良いわ!!」



――シュゥゥゥゥゥゥン……



消えた?……転移魔法と言うやつか。
と言う事は、既に奴は『最果ての宮殿』なる場所に到着しているだろうな……ならばまずは、その事をはやて達に伝えねば――



――グラリ……


「!?」

そう思って立ち上がろうとしたのだが……な、足に力が入らない?……此れは、若しかして……



「如何したカイザー?大丈夫か!?」

「く……情けないが、邪神の毒気に当てられたようだな……身体に力が入らん。
 消滅こそ免れたが、ごっそりとデュエルエナジーを抜き取られてしまった感じだ……此れは、暫く動く事はままならんかも知れんな……」

仕方ない、スマナイがPDAで十代達に連絡を入れて、此処に来るように伝えて貰っても良いかエド?
邪神の事と、魔王の居場所をアイツ等に伝えておかねばならんのでな――遊奈を魔王から解放し、そして魔王を完全に滅ぼす為にも、必要な情報だろう?



「まぁ、確かに其の通りだな。
 だが、其れを聞いたらきっと十代達は、直ぐに『最果ての宮殿』とやらに突貫するんじゃないのか?
 僕から見ても、遊奈とはやてと十代と万丈目は、4人全員が揃って居てこそと言う感じだったから、その中の誰が欠けても、きっとダメなんだろうと思うし、
 あの4人はとても強い絆で結ばれているだろうからね。」



強い絆で結ばれた…か。確かにそうかも知れんな。
アイツ等は親友である前にライバルであり、ライバルである前に親友であると言う、一見矛盾しているようにも見える関係を構築しているようだからな……


だが、だからこそ安心できる。

俺は失敗してしまったが、お前達ならば必ず魔王を打ち倒して、遊奈を奪還できると信じているからな?――カイザーからの折り紙付きだ。








――――――








時は少し巻き戻って、カイザーと魔王がデュエルを始めた頃――



Side:十代


行くぜ!俺は手札から、魔法カード『ラス・オブ・ネオス』を発動!
俺のフィールド上の『E・HERO ネオス』をデッキに戻し、フィールド上のカードを全て破壊するぜ!!!



――バガァァァァァァァァァァァァン!!



「い、一撃でフィールドががら空きになっただとぉ!?」

「まだまだ、こんなもんじゃないぜ!手札から魔法カード『ミラクル・フュージョン』を発動!
 墓地の『フォレストマン』と『オーシャン』をゲームから除外して特殊融合!!出番だぜ『E・HERO ジ・アース』!!」

さて、行くか!
E・HERO ジ・アース:ATK2500



バトルだ!ジ・アースで、プレイヤーにダイレクトアタック!『アース・インパクト』!!!



――ドガァァァァァァァァァァァァァァァッァァァァン!!!



「たわらばわぁ!!!」
モンク・ファイター:LP1200→0



いよっしゃー!!俺の勝ちだ!!!
約束通り、此れで5人抜き達成だぜ店長さん?――そのカード、貰えるよな?



「見事だ……男に二言はねぇ、持って行きな。」



よっしゃ!『破潰神 オベリスク』ゲット!!
万丈目が『天竜神 オシリス』を既に手を入れてるから、残る最強の太陽神『陽神竜 ラー』を手に入れる事が出来れば、遊奈の三幻神はコンプリートだぜ!



「あぁ、その通りだな。だが……今回は流石に予想外だったな?
 この世界の『ユウナ』の下に神が散らばった可能性が有ったとは言え、まさか店名が『ユウナ』の飲み屋に神のカードが有るとは思わなかったぞ……」

「それは、確かに予想外だったよな……
 だけど、結果的に神のカードはゲットできたんだから、結果良ければ全て良しって言う事で納得しとこうぜ?それに、5人抜きのデュエルも楽しかったからな♪

「お前と言うやつは……だが、そう思っておくのが正解なのだろうな。
 だが、俺が『オシリス』を、お前が『オベリスク』をゲットしたと言うのならば、最強の『ラー』ははやてが入手しているのかも知れないぞ?あくまで推測だがな。



ラーははやてが?………確かにそうかも知れないぜ。
でも、そうなら俺達とはやて達が合流すれば、三幻神が全て揃うかもしれないって事だよな?なら、三幻神の力を結集すれば、遊奈を救い出す事だって出
来る筈だ!!!万丈目もそう思うだろ?



「その可能性は高いだろうな。
 だが、何れにしても遊奈は取り戻す。――アイツほどのデュエリストが、魔王の憑代になって居る等と言う事は、見過ごす事が出来ないからな。」

「あぁ、勿論だぜ!!」

丁度、エドからPDAにメールが来て『今直ぐ地図に記した場所に来てくれ』って言う事だったからな――へへ、燃えて来たぜ!!!




待ってろよ遊奈、必ずお前の事を助け出してやるからな!!








――――――








上記の十代達とほぼ同時刻



Side:はやて


「さてと、大分頑張ったみたいやけど此れでお終いみたいやな魔王軍の下っ端?
 魔王軍て言う時点で撃滅確定なんやけど、こんだけ好き勝手し腐ったんや……覚悟は出来てるやろな?

此れで終いや!!
煉獄騎 リインフォース・アインスで、プレイヤーにダイレクトアタック!!手加減なしで、いてこましたれやアインス!!!



御意に!……遊びは終わりだ!泣け、叫べ!!そして……死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!



――ザシュ、ザシュ、ザシュ、ザシュ、ザシュ、ザシュ、ザシュ、ザシュ……バガァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



「このままではおわらんぜぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
名前表記すら不要と思われる魔王軍下っ端:LP1500→0



私の勝ちやな?
精々、夜天の空に浮かぶ月を見るたび思い出すと良いわ、私と言うデュエリストの事をな。――で、大丈夫か貴女は?



「た、助かりました。
 あの、私『ユウナ・ビサイドレイン』て言います。助けて頂いてありがとうございました。」

「!?」

無事なのは何よりやけど、まさか此処でユウナに出会うとは……此れは幾ら何でも予想外の不意打ちにも程があるやろ!!!
顔も髪型も違う上に、目は蒼と翠のオッドアイやから遊奈とは似ても似つかへんのやけど、ユウナの名を冠していると言う事は――



「あの、お礼って言う訳じゃないんですけど、このカードを持って行ってください。
 このカードには途轍もない力が秘められていますけど、私では其れを引き出す事は出来ない――だけど、貴女ならばきっと此れを使い熟せる筈です!」



もっていたか神のカード!
しかも、此れは最強の太陽神『ラー』のカード……相当な力を持ってるカードやけど、ユウナやったから拒絶反応は無く、手にする事が出来たんやろうな。

正直な事を言うなら、私が神のカードを手にするってうこと自体が烏滸がましい事かも知れへんけど、遊奈の三幻神は回収せなアカンからね?

「ほな、有り難く貰っておくで♪」

其れこそ精霊世界に散らばった神のカードが、魔王の手に渡ったなんて言う事は、笑う事すら出来へんからな。

其れを考えると、ユウナちゃんはファインプレーやで?
神のカードを今の今まで護り抜いて、私の手に渡してくれたんやからな?……ホンマに、おおきにやで。

最強の神『陽神竜 ラー』を手に入れる事が出来たんは、予想外のラッキーやったからね――これで、魔王の邪神に対抗する神を全て入手できたで!!



――Pipipi!



良いタイミングでカイザーからの連絡もきたし――此れは、若しかしたら最終決戦が近いのかも知れへんね。



そうやったら、あと少しだけ待っててや遊奈?――必ず助け出して見せるさかいな!!
















 To Be Continued… 






*登場カード補足