Side:亮


「……如何やら、魔王に挑んだ奴は負けたらしいな?此れは……アモン・ガラムか?
 恐らくは、勝てると踏んで魔王に挑んだのだろうが、結果は完璧なまでの返り討ちとは、何とも情けないと言うか、滑稽な結果に終わった物だな?
 エクゾディアでの勝利を狙ったようだが、其れは全て読まれての完全敗北とは、実に見事な三流の咬ませ犬だった!精々賛辞を送ってやるから感謝しろ。」


行き成り如何したエヴァンジェリン?
まるで魔王のデュエルを見て居たようなモノ言いだが……まさかとは思うが、お前には見えていたのか?



「あぁ、見えていたよ?
 遠隔魔法の応用で、音声こそ拾う事は出来んが、映像は詳細に見る事が出来る故、魔王が誰と戦ったのかくらいは、把握する事が出来た、其れだけだ。」



遠隔魔法とは恐れ入るな?……恐らく遠隔限界はあるのだろうが、遠く離れた物事を見る事が出来ると言うのは、大きなアドバンテージとなる事も多いだろう
が、その能力の悪用だけはするなよ?

その能力を使えば、相手の手札のピーピングなど訳のない事だからな?



「其れについては大丈夫だ。
 デュエルに於けるイカサマと言うモノが、如何に恥ずべきものであるかと言う事は、吉良の奴から嫌と言う程教え込まれたからな。」



あの店長に……ならば心配ないだろう。


だが、其れは兎も角として、魔王のアジトには、魔王を護る為の幹部が居る筈だから、そいつ等を倒しつつ魔王を目指さねばならんか……まぁ、何とかなる。
此れだけのデュエリストが集まっているのならば、魔王の幹部とておそるるに足らんからな――さて、攻略開始と行こうか。











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX174
『帝王組の進撃が止まる筈がない!』











さて、魔王まで直通で行くとは思って居なかったが、アジトの1階エントランスでは確りと幹部が守護についていたか。



「貴様等、何者だ?
 此処は魔王様の活動の拠点となる城!何人たりとも、この城に土足で踏み込む事は許さん!!と言うか、賊は死すべし!!生きては返さんぞ!!!」



ヤレヤレ、只のヒステリックだな、ガーディアン・バオウ?
生きて返さぬと言うのならば、如何する心算だ?



「決まっている!貴様等を全員デュエルで打ち倒して、その後に八つ裂きにして次元の裂け目に放り込んでくれる!!
 魔王様には及ばないが、幹部の一人である私のデュエリストレベルは、魔王軍の中でも最高クラス――貴様等を纏めて葬り去ってくれるわ!!」



ふ、中々に吼えるな?
だが、デュエルで道が開けると言うのならば容易い事だ――魔王との前哨戦として、貴様で肩慣らしをすると言うのも、また一興だ。



「ちょっと待つの~ネ、このデュエル~は、私が引き受けるの~ネ。」

「クロノス教諭?」

「貴方はカイザー、帝王なの~ネ。
 その帝王が、幹部とは言え魔王の部下風情に出張る必要はありません~ノ。帝王は帝王らし~く、魔王との戦いまで~は、剣を抜くべきではないの~ネ。」

「ふむ、一理あるなクロノスよ?
 確かに、ラスボス前の雑魚ボス風情に、最強のカイザーが出張るまでも有るまいよ。」

「まぁ、このチームなら誰が出ようとも、アレに負ける事は無いだろうから、結果は決まり切っているけれどね。」



エヴァンジェリンにエドまで……まぁ、クロノス教諭の実力は筋金入りだし、カミューラとのデュエル以降は己を鍛え直し、日々腕を磨いているらしいから、任せ
てしまっても問題は無いか。

では、此処は貴方に任せますよクロノス教諭。
魔王の幹部と息巻いているソイツに、デュエルアカデミアの実技担当最高責任者の実力と言うモノを、タップリと叩き込んでやって下さい。



「任せるの~ネ!そう言う訳~で、貴方の相手は、この私なの~ネ!」

「誰が相手だろうと同じ事……魔王様の下には辿り着かせんぞ!!貴様等の運命は此処までだ!!」



「「デュエル!!」」



クロノス:LP4000
ガーディアン・バオウ:LP4000




ん?そう言えば、アモンはどうやって魔王に挑むに至ったんだ?
此処に乗り込んだと言う事は、コイツ等とデュエルしなくてはならない筈だが――まさかとは思うが、外壁や屋根裏を通って魔王の玉座に辿り着いたのか?

其れならば、確かに魔王までショートカット出来るが、何と言うか微妙にセコイな……単身故に仕方のない事なのかも知れんがな。



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「私ーは、装備魔法『古代の機械戦車』を『古代の機械巨人』に装備。
 此れによ~り、古代の機械巨人の攻撃力~は、600ポイントアップするの~ね!!」
古代の機械巨人:ATK3300→3900(古代の機械城+古代の機械戦車効果)


「更~に、速攻魔法『リミッター解除』を発動し、古代の機械巨人の攻撃力は倍になるの~ネ!!」

『ゴォォォォォォォォォォォォォン!!』
古代の機械巨人:ATK3900→7800(リミッター解除)


「こここ、攻撃力7800だとぉ!?」

「其れだけではないの~ネ!古代の機械巨人~は、貫通効果と、攻撃時に相手の魔法と罠を封殺する効果があるの~ネ。
 何やらカードを伏せていたみたいです~が、そんなモノは、私のデッキの前で~は、何の役にも立たないと言う事を、その身をもって知ると良いの~ネ!!
 古代の機械巨人で、インヴェルズ・グレズに攻撃!!『アルティメット・パウンド』なの~ネ!!!」

『ゴガァァアッァァン!!』



――ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!



「馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ガーディアン・バオウ:LP2900→0



大体予想はしていたが、矢張りクロノス教諭の勝利か。
速攻で上級モンスターを呼び出す戦術は見事だったが、技を駆使して力で攻めるクロノス教諭のデッキには遠く及ばなかったと言うところだろうな。

だが、魔王の幹部であってもこの程度か?――だとしたら、魔王に辿り着くのは、思いのほか簡単かもしれんな。



「わ、私を倒したからと言って良い気になるなよ?
 魔王様をお守りする幹部は後二人存在する……その二人は私よりも強い……簡単に突破できるとは、思わない事だな……精々、残る幹部にやられろ!!
 貴様等では、魔王様に勝つ事は出来んのだからな!!くははははははははっははははははは!!」



――シュゥゥゥゥゥゥン



敗北して消滅したか……が、幹部は後二人居ると言っていたな?
と言う事は、魔王の玉座に辿り着くまでに、最低でも2回のデュエルが必要と言う訳か……だが、そう来なくては面白くもなんともない。

玉座までの、残り2階も制圧してやるとしよう。













――第2階層



次なる間で、俺達を待ち構えていたのは『カオス・ソーサラー』だった。

此処はエヴァンジェリンが出張ったのだが、何と言うか完全なまでに圧倒的なデュエルだな?

巻き返しを図って、儀式から『天界王シナト』を呼び出したカオス・ソーサラーだったが、その攻撃が仇となって、エヴァンジェリンのデッキ最強の屍龍が、地獄
の底から現れたのだからな。



バーサク・デッド・ドラゴン:ATK3500



「私のターン!手札から魔法カード『ネクロマンシー』を発動。
 貴様の墓地のモンスターを可能な限り、眠りから呼び起こして貴様のフィールド上に特殊召喚する!!」



豊穣のアルテミス:DEF1700
天空聖者メルティウス:DEF1200
智天使ハーヴェスト:DEF1000
救済のレイヤード:DEF1500




「バーサーク・デッド・ドラゴンは、バトルフェイズ中に相手モンスター全てに攻撃出来る!
 先ずは、ネクロマンシーの効果で呼び出した4体の雑魚を撃滅してくれるわ!!蹴散らしてしまえ、我が最強の僕たる屍龍よ!!」



――ドゴォォォォォォォォォォン



「ネクロマンシーの効果で特殊召喚されたモンスターが破壊された場合、貴様がコントロールしていモンスターの攻撃力は600ポイントダウンする。
 私がネクロマンシーで蘇らせたモンスターは4体!よって、天界王シナトの攻撃力2400ポイントダウンする!」

「何だとぉ!?」
天界王シナト:ATK3300→700


「此れで終いだ!バーサーク・デッド・ドラゴンで、天界王シナトに攻撃!!『フェイルデッド・ブレス』!!」

『キシャァァァァァァァアァァ!!』



――ドゴガァァァァッァァァァァァァァッァァァン!!




「イッテレボガア!?」
カオス・ソーサラー:LP2200→0



そして、最強の屍龍の効果を最大限に生かしての、完全勝利と来たか……お前とも、何れデュエルをしてみたいものだなエヴァンジェリンよ?



「何時でも受けて立つぞカイザー亮。
 貴様ほどのデュエリストが相手ならば、さぞかし楽しいデュエルになるだろうからな。」

「あぁ、俺もお前とのデュエルならば楽しめそうだ。」

まぁ、機会が有れば本気のデュエルと行こうじゃないか?――俺の機械龍と、お前の屍龍のどちらが上かを比べるのも、また悪くはないだろうからな。









――第3階層



次なる階層……魔王の玉座前の最後の階層――相手は『異星の最終戦士』だったが……此れは言うまでも無くエドの圧勝だな。


エド:LP3500
D-HERO The Onslaught Jupiter:ATK3750


異星の最終戦士:LP3000
ゲート・ガーディアン:ATK3750



「僕は、手札から速攻魔法『サイクロン』を発動し、フィールド魔法『幽獄の時計塔』を破壊!
 そして、幽獄の時計塔が破壊された時、時計塔に幽閉されていたD-HEROが呼び起こされる!Come on『D-HERO ドレッドガイ』!!」

『ウガァァァァァァァ!!』
D-HERO ドレッドガイ:ATK?




「幽獄の時計塔の効果で特殊召喚されたドレッドガイの効果により、墓地から2体のD-HEROを呼び戻す!
 Come on!『D-HERO デストラクションガイ』『D-HERO ダッシュガイ』!!」
D-HERO デストラクションガイ:ATK3000
D-HERO ダッシュガイ:ATK2100



「そして、ドレッドガイの攻撃力は、ドレッドガイ以外のD-HEROの攻撃力の合計値分アップする!よって攻撃力は5100!!
 更に、Onslaught Jupiterの攻撃力は、フィールド上の最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力と同じ数値になる――つまり、Jupiterの攻撃力も5100だ!」

『ムガァァァァァアァァァッァア!!』
D-HERO ドレッドガイ:ATK?→5100


『コハァァァァァァァァ……!』
D-HERO The Onslaught Jupiter:ATK3750→5100




「これがラストターンだ!D-HERO ドレッドガイで、ゲート・ガーディアンに攻撃!『プレデター・オブ・ドレッドノート』!!」



――バガァァァァァン!!



「グハァ!!」
異星の最終戦士:3000→1650



「そして此れで終わりだ!Onslaught Jupiterでダイレクトアタック!『ジェノサイドミ―ティア』!!」

『コオォォォォォォォォォォ……ダアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』



――キュイィィィィィィ……ゴガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアァ!!!




「こ、此のままでは終わらんぞーーーーー!!」
異星の最終戦士:LP1650→0



いや、終わっているからな?
エドを相手にゲート・ガーディアンを呼び出した事は褒めてやるが、其れも最強のD-HEROの前では塵芥に過ぎなかった……只それだけの事だな。



「クフフフ……まさか私が負けるとは、見事な腕前だ。
 だが、貴様等であっても、魔王様に勝つ事は出来んぞ?……魔王様の最強の邪神を超える事など不可能だからな?……精々、魔王様相手に足掻け。」



――シュゥゥゥン



消えたか……だが、どんな相手が立ち塞がろうとも、俺は止まらぬ。――魔王もまた、俺の手で止めて見せる……カイザーの名に誓ってな。



「まぁ、貴様ならば早々負ける事は無いと思うが、相手は遊奈を乗っ取った外道だ……心して行けよ?」

「あぁ、分かっている。」

そして、此処が最上層である魔王の玉座……この扉の向こうには魔王が居ると言う事だ――では、行くぞ!!



――ギィィィィィィ……




「くくく……よく来たな、カイザー亮よ。
 我が娘をはじめとした取り巻きが居た様だが、まさか取り巻き連中が三幹部を倒してくれると言うのは予想外だったが、まぁ其れもまた座興に過ぎん。
 本番は、此れから始まる私とお前のデュエル……そうだろう?」

「否定はせんが、何時までその自信が続くか見ものだな?」

俺は負けん。貴様様を打ち倒し、そして遊奈を救い出して見せる!

何よりも、貴様が行ってきた凶行と蛮行を見過ごす事など到底出来んのでな?……このデュエル、俺はヘルカイザーとなって貴様を裁く!!覚悟は良いな?



「精々、私を楽しませろ丸藤亮。」

「貴様は此処で滅するぞ、始まりの魔法使いよ――!」



「「デュエル!!」」



亮:LP4000
魔王:LP4000




真サイバー流の力、存分に味わわせてくれる!!
そして、その力を味わいつつ後悔するが良い――遊奈の身体を、俺達の仲間を、己が復活する為の憑代にしてしまったと言う事をな!!












 To Be Continued… 






*登場カード補足