Side:クロノス


軟弱軟弱軟弱!脆弱にして、貧弱としか言いようがないの~ネ!!敢えて言うの~ネ、カスであると!!


「偉そうに……我等は、魔王軍の兵士であるぞ!!」

「魔王軍の兵士であって~も、実力がその程度ならば、とるに足らないの~ネ!寧ろ、デュエルの基本から、勉強し直して来なさいってレベルなの~ネ。」

古代の機械巨人で攻撃するの~ネ!!アルティメットパウンド!!


『ウオォォォォォォォ!!……トッテオキダゼ!
 ドラドラドラドラドラドラドラドラドララララァァァァァァ!!モウイッチョウ!!ドォォリャァァァァァァァァァァァ……オトコハパンチィ!!!』


――バキメキガスガス、ドカバキゴスゴス、バキドカメリメリメリィィィィィィィ!!!



此れは予想外の馬乗りからのタコ殴りなの~ネ!?……相手の青年は無事です~ノ?


「あ、あひる……」
太陽の戦士:LP2200→0


……全然大丈夫じゃないの~ネ……まぁ、此れは魔王に加担した事への罰として受け入れるの~ネ。


其れにして~も、明石遊奈を乗っ取っている存在が呼び出した邪神……凄まじいまでの闇の力を感じるの~ネ。
アナタな~ら大丈夫でしょうが、くれぐれも油断だけは禁物なの~ネ、セニョール・エヴァンジェリン――邪神なんかに、絶対に負けてはならないの~ネ!











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX170
『此れが姫の屍龍コンボだ!』











エヴァンジェリン:LP3100
ゾンビ・マスター:ATK1800


魔王:LP3900
邪神-イレイザー:ATK2000



Side:エヴァンジェリン


く……抹消者の名を冠する邪神……確かに一筋縄で行く相手ではないだろうが――どこかに必ず弱点は存在する筈だ、無敵などは有り得んからな。


「ククククク、邪神に弱点など存在せぬ!
 まぁ、イレイザーの弱点は攻守の値が安定しない事に弱点があるとも言えるが故に、今の攻撃力は2000…少し頑張れば倒せるレベルであろう?
 私はカードを1枚セットしてターンエンドだ。」
邪神-イレイザー:ATK2000→3000


そう言いながらイレイザーの攻撃力は3000まで上昇させるとは、本気で根性悪いな貴様は!!……さて、如何したモノだろうな……?
まぁ良い、強力なモンスターを如何に攻略するかもまた、デュエルの醍醐味と言えるからな?――行くぞ、私のターン!!



ほう?このカードが手札に在る状態で、コイツを引き当てるとは……私のデッキも、中々に『魅せる』事が好きらしいな?
まぁ、コイツを入れているのは私なりの拘りでもあるが、ある意味でこの局面に於いては、良い働きをしてくれるかもしれん………ならば!!

「私は墓地の馬頭鬼の効果を発動!墓地のこのカードをゲームから除外し、アンデッド1体を再びフィールドに呼び戻す!!
 蘇れ、荒廃した庭園の王『カース・オブ・ヴァンパイア』!!」

『オォォォォォォ!!』
カース・オブ・ヴァンパイア:ATK2000



邪神-イレイザー:ATK3000→4000



そして、ゾンビ・マスターとカース・オブ・ヴァンパイアの2体をリリース!!
さぁ、荒れ狂え!!その破壊衝動と、闘争本能が満足するまで暴虐の限りを尽くすが良い!!出でよ『バーサーカー・デス・ドラゴン』!!!


『ギシャァァァァァァァァァァァァァ!!!』
バーサーカー・デス・ドラゴン:ATK2900


邪神-イレイザー:ATK4000→3000



「ほう?ゾンビ・マスターの効果を使わなかったのは、イレイザーの攻撃力と、己の手札消費を抑える意味もあったと言う訳か。
 ……しかし、此れは全く予想外だったよエヴァンジェリン。闇属性とは言え、そのモンスターはアンデッド族ではなく、ドラゴン族ではないか。
 アンデッドデッキだとばかり思っていたのだが、そうでもないようだな?」

「解せぬか?……まぁ、貴様には解せんだろうな。最強レベルのデュエリストの身体を借り、強いカードに頼る貴様ではな。
 デュエリストには、何が有ってもデッキに組み込みたい『お気に入り』と言うモノが存在する――私の場合は、此のドラゴンが正に其の一枚だった訳だ。
 加えて此のドラゴンは、私のデッキのエースとも深い関わりがあるのでな。」

「ふむ……では、そのお気に入りの力を見せて頂こうか?」


望むところだ!
今は未だ、攻撃力は邪神の方が上だが、私は此処でトラップ発動!!『クリムゾンヘッドの叫び』!!
発動ターンのみ、私のフィールド上の闇属性モンスターの攻撃力は、墓地のアンデッドモンスター1体につき200ポイントアップし貫通効果を得る!

私の墓地のアンデッド族は3体!よって、攻撃力は600ポイントアップ!!
そして、フィールド上のカードが減少した事で、邪神の攻撃力は1000ポイントダウンする!!


バーサーカー・デス・ドラゴン:ATK2900→3500
邪神-イレイザー:ATK3000→2000


「馬鹿な……!!」

「安定しない攻撃力が仇となったな?
 バトルだ!バーサーカー・デス・ドラゴンで、邪神-イレイザーに攻撃!!『暴虐の黒炎』!!!」

「……そうはさせん!リバースカードオープン、永続トラップ『拷問車輪』
 このカードで、バーサーカー・デス・ドラゴンの攻撃を封じ、私のターンのスタンバイフェイズ毎に、お前に500ポイントのダメージを与える!!」


流石に簡単には通らんか。
だが、そのカードは遊奈のデッキには入って居なかったカードだ……先のダークチューナーと言い、多少はカスタマイズしていると言う事か。

攻撃できんのでは仕方ない。カードを1枚セットしてターンエンドだ。


バーサーカー・デス・ドラゴン:ATK3500→2900
邪神-イレイザー:ATK2000→3000



「私のターン!!」


エヴァンジェリン:LP3100→2600


『マックス・ウォリアー』を召喚!!」
マックス・ウォリアー:ATK1800
邪神-イレイザー:ATK3000→4000



「如何やら、このデュエルは此処までのようだなエヴァンジェリンよ?
 邪神の攻撃がバーサーカー・デス・ドラゴンを粉砕すれば、その後のマックス・ウォリアーの追撃でお前のライフは尽きる……此れでお終いだ!!」


確かにそうかも知れんが、果たしてそう簡単に行くかな?
デュエルとは、思わぬ展開が待って居るモノだぞ――其れこそ、貴様の矮小な考えでは思いも付かないような事が起きるモノなのだ!!


「ほざけ……私の勝利は絶対だ!!
 邪神-イレイザーで、バーサーカー・デス・ドラゴンに攻撃!!『ダイジェスティブ・ブレス』!!!」


――ドゴォォォォォォォォォォォォ!!!


エヴァンジェリン:LP2600→1500
邪神-イレイザー:ATK4000→2000




く……だが、暴虐の龍の闘争本能は、例え肉体が朽ちようとも衰えぬ!!
リバースカードオープン、速攻魔法『デーモンとの駆け引き』!!
私のフィールド上のレベル8以上のモンスターがフィールドを離れた場合に発動!!地獄の奥底から、狂気の屍龍を呼び覚ます!!
出でよ『バーサーク・デッド・ドラゴン』!!


『グガァァァァァァァァァァァ!!!』
バーサーク・デッド・ドラゴン:ATK3500


「な……此れは。」

「バーサーク・デッド・ドラゴン………アンデッド最強の攻撃力を誇る屍龍だ。
 そしてこの屍龍は、貴様に葬られたバーサーカー・デス・ドラゴンの成れの果て――フレーバーテキストに記された『肉体が朽ちても闘争本能だけで生き
 続ける』と言う下りの結果が、このバーサーク・デッド・ドラゴンであるのだ!!!」

バーサーカー・デス・ドラゴンから、バーサーク・デッド・ドラゴンへの死を超えた進化……まぁ、私の拘りとでも思ってくれれば良い。
だが、これでは追撃は出来んだろう?……如何する?


「………カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
邪神-イレイザー:ATK2000→3000


ならば今度は私の番だ!!私のターン!!――――此れは!!……如何やら、勝利の女神は私に微笑む事にしたらしい。

行くぞ!バーサーク・デッド・ドラゴンで、邪神-イレイザーに攻撃!!『フェイル・デッド・ブレス』!!!


――ドゴォォォォォォォォォォォォン!!


魔王:LP3900→3400

「ぐぬ、邪神を倒すとは流石だな……だが、邪神は簡単には死なぬ!!
 邪神-イレイザーがフィールドを離れた時、フィールド上のカードを全て墓地に送り、この効果で墓地に送ったカード1枚につき300ポイントのダメージを
 相手に与える!!」

「なんだとぉ!?」
エヴァンジェリン:LP1500→600


「更に、墓地に送られた私のカードは『トリック・ギフト』。伏せ状態のこのカードが墓地に送られた時、デッキからカードを2枚ドロー出来る!!
 さて……フィールドが空の貴様では、もう何も出来まい?次の私のターンで、攻撃力600以上のモンスターを召喚して攻撃すれば其れでお終いだ!!」


確かに状況は私にとって圧倒的に不利だろうが――其れは如何かな?


「なに?」

「感謝するぞ、邪神のおかげでこのカードを発動する事が出来るからな!手札から速攻魔法『デーモンとの盟約』を発動!
 私のフィールド上のバーサーク・デッド・ドラゴン、またはレベル10以上のモンスターがフィールドを離れた場合に発動できる!!
 私のデッキ、または手札から、屍龍の皇帝を呼び出す!!――現れろ、死の世界の絶対支配者『バーサーク・デッド・エンペラー・ドラゴン』!!」

『ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
バーサーク・デッド・エンペラー・ドラゴン:ATK4000


「んな……そんな馬鹿な!!」


狂乱の龍は、死してなお生き続け、そしていつの日か死の世界の支配者となって居た……バーサーカー・デス・ドラゴンの歩んだ道だと言う事さ。


まぁ、其れは其れとしてだ……覚悟は出来ているな貴様?

明石遊奈の身体を乗っ取り、あまつさえその力に頼って此れだけの事をし腐ったのだ――半殺しで済むと思うなよ、雑魚が!!


「!!!」

「バーサーク・デッド・エンペラー・ドラゴンで、プレイヤーにダイレクトアタック!!『炎滅のダークエクストリーム』!!」

『ガァァァァァァァァァァァァァ……シャァァァァァァァァァ!!!』


――ゴォォォォォォォォォォォォ!!!



「ぐ……馬鹿な……邪神が神以外に敗れる等、そんな事は……そんな事、有り得ない!!あり得る筈がないんだぁ!!!!」
魔王:LP3400→0


ふん、精々吠えてろクズが!!!
如何やら、デュエルの腕に関しては私の方が上だったようだが……って、なんだとぉ!?



――シュゥゥゥゥゥ……



馬鹿な……何故明石遊奈ごと消え去る!?
始まりの魔法使いの魂だけが消え去るのではないのか!?……まさか、私は明石遊奈を――


――PiPiPiPiPiPi!!!


む?此れは……PADか――誰だ?


『おーいエヴァ、聞こえるか~~~!!』

「遊城十代!?……良く聞こえているが、何かあったのか?」

『おぉ、やっと繋がったぜ!!……まぁ、取り急ぎ情報だけな。
 如何やら魔王には偽物ってか『複製』が存在してるらしいんだ――少し前に、剣山がそいつを打っ倒したからな。――一応警戒して居てくれ!!』


複製と言う事は、私が葬ったのはクローンだと言う事か……確かに、さっきの奴は乗っ取られたと言う事を差し引いてもレベルが高くはなかったらな。
そして、クローン故に敗北して消えたと言う事か…


だが其れは其れとしても、奴が複製であると言う事は黒幕であろう本体は別の場所に居る訳だな?――其れは、何とも滅する甲斐があると言うモノだ!



しかし、自ら前線には出ずに、クローン技術で兵力を確保か……見下げ果てたクズだな始まりの魔法使いよ!!
だが、貴様が何を企もうとも其れが成就する事はないと知れ!!

貴様の矮小な野望など、次代を担うデュエリスト達が粉砕してくれる!!――皮肉にも貴様が乗っ取った明石遊奈の親友にして好敵手達がな!!


八神はやて、遊城十代、万丈目準……奴等が束になって掛かれば邪神とて恐れる存在ではない……精々、次代のデュエリストに葬られるが良い!!



敢えて言おう!!『お前は……生きていてはいけない存在なんだ!!』とな!!








――――――








Side:万丈目


マッタク持って酷いモノだな……此れで8個目か、魔王軍に滅ぼされた街は――!!
此れまで立ち寄った街々は、軒並み魔王軍の襲撃によって壊滅していたが、まさか精霊世界でもトップ3に入ると聞いた大きさの街が壊滅していたとは…!

其れだけ魔王の暴走は凄まじいと言う事か……外道め。

貴様は必ず、此の俺が滅してくれる!!――俺の魂の半身である『光と闇の竜』と共にな!!



「おら、大人しくしやがれ!!!――抵抗しなけりゃ痛い事はしないぜぇ?」

「魔王様は完璧主義でな……一つの取りこぼしもお許しにはならない……故に、貴様には生贄になって貰うぞ、小娘よ!!」

「そんな……いや……死にたくない……死にたくないよ!!誰か、誰か助けてよぉ!!!」



だが、如何やら其れを成す前に厄介事が起きてしまったようだが、此れを見過ごす事は出来んな……出でよ『フェルグラントドラゴン』!!


フェルグラントドラゴン:ATK2800


――ドゴォォォォォォォォォォォン!!



「いでおらばぁぁあ!?」

「砲撃!?……何処からだ!!?」


此処だ屑共が……外道悪党その物の所業、今し方見せて貰った――だが、か弱い女性相手に此れだけの事をしたのだ……覚悟は良いな貴様等?


魔王との前哨戦だ、俺のドラゴンの前にひれ伏すが良い!!














 To Be Continued… 






*登場カード補足




デーモンとの盟約
速攻魔法
自分フィールド上の「バーサーク・デッド・ドラゴン」またはレベル10以上のモンスターが墓地へ送られた場合に発動できる。
自分のデッキまたは手札から「バーサーク・デッド・エンペラー・ドラゴン」を特殊召喚する事が出来る。



クリムゾンヘッドの叫び
通常罠
エンドフェイズまで、自分フィールド上に表側表示で存在する闇属性モンスターの攻撃力は、自分の墓地のアンデッド族モンスター1体につき200ポイント
アップし、相手の守備モンスターを攻撃した場合、攻撃力が守備力を上回って居れば、その数値分の戦闘ダメージを相手に与える。



トリック・ギフト
通常罠
伏せ状態のこのカードがカード効果によって墓地に送られた場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。