Side:クロノス


さてと、覚悟は出来てるの~ネ?


「う、嘘だろぉ!?
 攻撃反応型のトラップが全く効かない攻撃力3000のモンスターが3体に、更に戦闘破壊したモンスターの効果を無効にする攻撃力2000て、幾ら何で
 もあり得ねぇ!!どんだけ、重量級のデッキを使い熟してんだ、アンタはぁ!?」

「私のデッキ『暗黒の中世』は、デッキのモンスターの総数の内、約半分に当たる9体が上級モンスターで構成されているの~ネ。
 普通に考えれば、そんな超重量級デッキは回転が悪く、手札でカードが腐ってしまうところなの~ネ。
 です~が、私はその弱点を克服するコンボを見つけ出して、速攻で最上級モンスターを呼び出すコンボを確立しました~ノ!此れに勝てるの~ネ?」

「冗談じゃねぇ……リリース軽減のフィールドのせいで、よりアンタには有利な状況になってるじゃねぇか……俺のモンスターじゃ、太刀打ちできねぇぜ。」


ならば、此れで沈むの~ネ!!
古代の機械巨人で、マシュマロンに攻撃~~!『ア~ルティメットパウンド』!!!


――ドゴバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!


「この俺がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
サンド・ギャンブラー:LP1400→0


此れで10人抜きなの~ネ!

さぁ、次の相手は誰です~ノ?私に倒されたい奴から、掛かってくると良いの~ネ!!返り討ちにしてやります~ノ!!!


「調子に乗るな白塗りが……今度は、私が相手だ!!」

「次なる相手は、レベル6の『半漁獣フィッシャー・ビースト』……初の上級モンスターとは、相手にとって不足はないの~ネ!」

上級モンスターが、どれ程のデュエルの腕前を持っているのか、この私が見極めてあげるの~ネ!!全力で、掛かって来なさい~ノ!!!!











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX169
『抹消者の名を持つ邪神』











Side:エヴァンジェリン


うむ、クロノスの方は瞬殺の山を築いているようだな?……私とコイツのデュエルが始まる前に10人抜きとは恐れ入る。
まぁ、其れだけ奴の腕前が優れていると言う事だろうが、其れだけに私が貴様に屈する事は出来んな、始まりの魔法使いよ?……貴様に屈したら、クロ
ノスから託された、思いも何もかもが無駄になってしまうのでな。

「貴様は此処で滅する!!行くぞ、私のターン!!
 私は『ゴブリンゾンビ』を守備表示で召喚する!」

『ギィ…』
ゴブリンゾンビ:DEF1050



カードを1枚セットしてターンエンドだ。


「私のターン!……手札を1枚捨て、チューナーモンスター『クイック・シンクロン』を守備表示で特殊召喚する!」
クイック・シンクロン:DEF1400


「更に、『チューニング・サポーター』を守備表示で召喚!!」
チューニング・サポーター:DEF300


此れは、速攻でシンクロの準備を整えて来たか。
確か、チューニング・サポーターはシンクロ素材となる時、レベルを2に出来るモンスターだった筈……狙いは、レベル6か7のシンクロモンスターか!

この速攻シンクロは、伊達に明石遊奈を乗っ取ったと言う訳でもないようだな……?


「チューニング・サポーターは、シンクロ素材となる時、レベル2のモンスターとして扱う事が出来る!!
 行くぞ、レベル2となったチューニング・サポーターに、レベル5のクイック・シンクロンをチューニング!!
 集いし邪念が、忘我の戦士を闇に導く。闇へ誘う道となれ!シンクロ召喚、吠えろ『ジャンク・バーサーカー』!!!」

『ゴガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
ジャンク・バーサーカー:ATK2700



レベル7のジャンク・バーサーカーで来たか!
2700の攻撃力に加え、相手モンスターの弱体化と、守備モンスターを問答無用で斬り捨てる効果を併せ持った、ジャンク・シンクロン指定のシンクロモン
スターでは、最強と言っても過言ではない奴が来るとはな……相手にとって不足はない、来るが良い!!


「ジャンク・バーサーカーで、ゴブリンゾンビに攻撃!
 そして、この瞬間にジャンク・バーサーカーの効果発動!守備モンスターを攻撃した場合、ダメージ計算を行わずにそのモンスターを破壊する!
 尤も、守備力1050の雑魚では、ジャンク・バーサーカーの敵ではないがな。」

「ふ、確かに其の通りだが、ゴブリンゾンビは破壊される事が仕事だったのだ……このカードの為にな!
 トラップ発動『血の渇き』!私のフィールド上のモンスターが戦闘、或は効果で破壊された場合、デッキからレベル4以下のアンデッド族モンスター1体
 を選択して特殊召喚する!出でよ『ゾンビ・マスター』!!」

『イヒヒヒヒヒヒ!!』
ゾンビ・マスター:ATK1800



更に、ゴブリンゾンビの効果発動!
このカードがフィールドから墓地に送られた場合、デッキから守備力1200以下のアンデッド族モンスター1体を選択して手札に加える。
私はデッキから『カース・オブ・ヴァンパイア』を手札に加えるとしよう。


「ほう?中々良いコンボだな……流石は我が娘と言った所か。
 私はカードを2枚セットしてターンエンドだ。」


貴様に娘呼ばわりされると、悪寒が走るわボケナスが。
二度と私を娘などと言うなよ?……次に言ったらその時は、その腹掻っ捌いて臓物を引き摺り出してくれる!……まぁ、その身体は明石遊奈の物だから
言ってもやらんけどな。

だが、其れと同様の物を、デュエルで与えてくれる!!私のターン!!

「私は、ゾンビ・マスターの効果発動!手札の『馬頭鬼』を墓地に送り、墓地の『ゴブリンゾンビ』を特殊召喚する!」
ゴブリンゾンビ:ATK1100


そして、ゴブリンゾンビをリリースし『カース・オブ・ヴァンパイア』を攻撃表示でアドバンス召喚!!


『コォォォォォォォォォ……!!』
カース・オブ・ヴァンパイア:ATK2000



そして、この瞬間にゴブリンゾンビの効果発動!デッキから『ヴァンパイア・ドラゴン』を手札に加えるぞ!!


「ふむ……何とも無駄のないコンボだな?
 ゾンビ・マスターのコストに馬頭鬼を使う事で、馬頭鬼の効果を発動しやすくし、蘇生させたゴブリンゾンビをリリースして上級モンスターをアドバンス召喚
 する事で、更なるアンデッドをサーチするか……素晴らしい物だ。
 だが、カース・オブ・ヴァンパイアの攻撃力は2000――ジャンク・バーサーカーには700ポイントほど足りないようだが?」

「ふ、そう慌てるな、私の本番は此処からだ。
 私は手札から、装備魔法『ブラッディ・フォース』を発動しカース・オブ・ヴァンパイアに装備!装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップする!
 更に、このカードを装備したモンスターが、ヴァンパイアと名の付くアンデッド族モンスターだった場合、装備モンスターの攻撃力は、相手のモンスターを
 戦闘で破壊する度に300ポイントアップする!!」

『フゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………!』
カース・オブ・ヴァンパイア:ATK2000→2800



「な、こうも簡単にジャンク・バーサーカーの攻撃力を超えて来るとは……!!」


ふん、そう驚く事でもあるまい?デュエルとは、1枚のカードが状況をひっくり返す事は珍しくなかろう。
其れ以前に、貴様に乗っ取られていない明石遊奈であれば、此れ位は普通にして見せるだろうよ――手段の違いはあるであろうがな。

大体にして、簡単に攻撃力を超えられた程度で驚くなど、其れでは貴様のレベルの低さを露呈するだけだぞ?
攻撃力を超えられて驚くなら、吉良やクロノスの様な機械族のデッキでリミッター解除したモンスターの攻撃力を超えられた時にするが良い!!

「バトルだ!カース・オブ・ヴァンパイアで、ジャンク・バーサーカーに攻撃!『シャープス・ネイル・ブロー』!!」


――ズバァァァァァ!!


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
魔王:LP4000→3900


この瞬間、装備魔法『ブラッディ・フォース』の追加効果が発動し、カース・オブ・ヴァンパイアの攻撃力は300ポイントアップする!!


カース・オブ・ヴァンパイア:ATK2800→3100


更に追撃だ!ゾンビ・マスターでダイレクトアック!!


「其れは通さん!!トラップカード『ガード・ブロック』
 このカードの効果で、戦闘ダメージを0にし、デッキからカードを1枚ドローする!!」


――カキィィィン!!


む……幾ら何でも、流石に大ダメージは受けんか……まぁ、1800ものダメージを受けては洒落に成らんだろうからな。
私はカードを1枚セットしてターンエンドだ。


「では、エンドフェイズに速攻魔法『終焉の焔』を発動。
 私のフィールド上に、レベル1で攻守0の『黒焔トークン』を2体、守備表示で特殊召喚する。」
黒焔トークン(星1・闇・悪魔):DEF0(×2)


此処でトークンモンスターか……狙いは、上級モンスターのアドバンス召喚か、或は上級のシンクロか――何れにしても楽観は出来んな。


「私のターン!手札から、魔法カード『エンジェル・バトン』を発動!
 デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる――私は2枚ドローし、このカードを捨てるとしよう。」


む?何やら意味ありげだが、一体何のカードを捨てたのだ?


「では、今し方捨てたカードの正体を明らかにするとしよう!
 私のフィールド上に、チューナーでないレベル2以下のモンスターが表側表示で存在する場合、今し方墓地に捨てたこのモンスターは特殊召喚出来る。
 絶望の先駆けとして現れるが良い、『DT-ナイトメア・フォース』!!」

『ギヒヒッヒヒヒヒヒヒ!!』
DT-ナイトメア・フォース:ATK0


レベル12?最高レベルのチューナーだと?
普通に考えれば、シンクロなど出来ぬのだが……まさか!!!


「そのまさかだよ……この力の前にひれ伏すが良い!!
 私は、レベル1の黒焔トークン2体に、レベル12のDT-ナイトメア・フォースをダークチューニング!!」


――ギュゴォォォォォォォォォォォ!!!


矢張りダークチューニングか!!
八神はやて達から聞いてはいたが、実際に目にすると凄まじいものが有るな?……よもや、黒い星が暗黒の進化を促すとはな――


「集いし呪怨の思いが、闇への門を切り開く――闇と誘う道となれ!!ダークシンクロ、滅ぼせ『邪神-イレイザー』!!」

『ゴガァァァァアァァァァァァ!!!』
邪神-イレイザー:ATK?



そして現れたるは邪神!!――何という、闇の力を内包しておるのだこのカードは!?……少なくとも、人間が持っていて良い物ではないぞ此れは!?



「予想以上に驚いてくれたようだね?――だが、驚くのはまだ早い
 イレイザーの攻撃力は、このカード以外のフィールド上のカード1枚につき1000ポイントアップする!!
 今し方フィールド上に存在するカードは、合計で4枚!よって、邪神の攻撃力は4000ポイントとなる!!」

「攻撃力4000だとぉ!?」

そんなモノが、こうも簡単に出てくるとか、明石遊奈の身体を乗っ取ったのみならず、そのデュエリストレベルまでコピーしてると言うのか――!?


「バトルだ!『邪神-イレイザー』で、カース・オブ・ヴァンパイアに攻撃!!『ダイジェスティブ・ブレス』!!」


――ドゴォォォォォォォォォォォン!!!



「ぬわぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
エヴァンジェリン:LP4000→3100


邪神-イレイザー:ATK4000→2000


攻撃力3100となったカース・オブ・ヴァンパイアが、一撃で葬り去られるとは――抹消者の名を持つ邪神と言う存在……一筋縄では行かんようだな…!


だが、負けんぞ?
邪神だろうとなんだろうと、倒して見せる――それが、貴様の解放に繋がるのだろうからな、明石遊奈よ!!!



そして思い知れ、始まりの魔法使いよ……我がアンデッド軍団は、簡単には朽ちぬと言う事をな!!

如何に邪神であっても、死を超越したアンデッドの領域に立ち入る事は出来ないと、その身をもって知るが良い!!






――喰らわせて貰うぞ、邪神-イレイザーよ!!











 To Be Continued… 






*登場カード補足




ブラッディ・フォース
装備魔法
装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップする。
このカードを装備したモンスターが「ヴァンパイア」と名の付くモンスターだった場合、更に以下の効果を発動する。
●装備モンスターが、相手モンスターを戦闘で破壊する度に、装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。



血の渇き
通常罠
自分フィールド上のモンスターが戦闘またはカード効果で破壊された時に発動する事ができる。
自分のデッキからレベル4以下のアンデッド族モンスターを1体選択して特殊召喚する。