Side:十代


何だよ、あのモンスターは!?
ダークシンクロモンスター『邪神-ドレッド・ルート』……相手フィールド上のモンスターのステータスを半分にするなんて、反則ギリギリの効果だろ此れ!

剣山のデッキの最強クラスの恐竜が、一撃でやられるとはトンでもねぇ相手だぜ。


「くくく……此れから先、どんなモンスターを出そうとも、ドレッド・ルートを超える事は出来ん。
 まぁ、攻撃力8100以上のモンスターを召喚出来れば、ドレッド・ルートを倒す事が出来るかも知れんが、其れは現実には有り得んだろうからな?邪神
 が降臨したその時に、このデュエルの結果は決まったようなものだ。」

「結果は決まった?……冗談も程々にしておくザウスル!!
 俺のライフは、まだ残ってるドン!!だったら、まだデュエルは終わりじゃねぇ……何よりも此処で諦めたら、アニキの弟分を名乗れないザウスル!!
 アニキだったら、この状況でも、デュエルを楽しんで絶対に邪神を攻略するドン!!だったら俺だって、この邪神を攻略してやるドン!!」


おぉ、良く言ったぜ剣山!!其れでこそ、俺の弟分だぜ!!
確かに邪神はトンでもないモンスターだけど、『絶対攻略不可能な無敵モンスターは存在しない』からな?……絶対に攻略に糸口は有る筈だ!!

だから、諦めるな剣山!!
お前と、お前の恐竜達なら邪神にだって立ち向かえる筈だ!!――思いっきりやっちまえ!!


「言われるまでも無いドン!!俺と、俺の恐竜さん達の活躍を、其処で見ててくれドン、アニキ!!」


おう!見せて貰うぜ剣山!!デュエルは、まだまだここからだぜ!!











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX167
『Potential energy of a dinosaur』











剣山:LP1650



魔王:LP3000
邪神-ドレッド・ルート:ATK4000




Side:剣山


と、啖呵を切った手前、諦める心算は無いザウルスが、ステータスが半分にされる効果って言うのは、割と有り難くないのが正直な所ドン……果たして、
どうしたもんザウルスかな――?


「私はカードを1枚セットして、ターンエンドだ。」


でもだからって、彼是考えるのは、俺の性に合ってないドン!!!
此処はスカッと、デュエルで邪神をぶっ倒して、遊奈先輩を助け出す事が先決ドン!!――行くドン、俺のターン!!


邪神は、俺のカード効果では破壊されない……でも、あくまでも破壊されないだけで、効果その物を受け付けない訳じゃないザウルスから、其処にきっと
邪神攻略の鍵が有る筈ザウスル。

効果を受けるなら、バウンスすりゃ脅威は取り除けるザウルスからな……なら、このターンはお前に任せるドン!!

「俺は『ハイパーハンマーヘッド』を攻撃表示で召喚するザウルス!!」


ハイパーハンマーヘッド:1500→750


「邪神の前に、そんな矮小なモンスターを攻撃表示だと?……気でも違ったかお前?」


へへ、俺は正気ドン!!
確かに、邪神の効果でハイパーハンマーヘッドの攻撃力は半分になるザウルスが、敢えて攻撃表示で出したのには勿論意味があるドン!!

俺は手札から装備魔法『ジュラシック・ソウル』を発動し、ハイパーハンマーヘッドに装備するザウルス!!
このカードを装備した恐竜族モンスターは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されず、戦闘を行う事によって発生する俺への戦闘ダメージは0になるドン!

更に、ハイパーハンマーヘッドの戦闘で破壊されなかったモンスターは、ダメージステップ後に持ち主の手札に戻るザウルス!!

幾ら邪神が、効果破壊耐性を有してるとは言え、破壊じゃない効果は無効に出来ないドン!!――バウンス効果だって、御多分に漏れないザウルス!


「ほう?只の脳筋かと思ったが、中々知恵も回るようだな?
 或はこれも、遊城十代と言う稀代のデュエリストの弟分となったが故に開花した、お前の隠れた才能か――どちらにせよ、倒し甲斐が有ると言うモノ。」


十代のアニキだけじゃねぇ、はやて先輩に万丈目先輩に丸藤先輩、天上院先輩にその他多くの先輩達と、仲間達……アカデミアに来たからこそ、俺は
成長する事が出来たドン!!そして、俺が成長できたのは、遊奈先輩だって無関係じゃないザウルス!!

中坊の頃までは、見向きもしなかった低レベルモンスター、低攻撃力モンスターの効果的な使い方を教えてくれて、おまけに毎日はやて先輩と、あんな
に美味い飯を食わせて貰って……本気で感激したドン!!

だから、余計に遊奈先輩に憑りついてるお前を許す事は出来ねぇ!!先ずは、その邪魔な邪神からご退場願うドン!!

「バトル!ハイパーハンマーヘッドで、邪神-ドレッド・ルートに攻撃!!『ハンマーヘッドバッド』!!」

「悪くない戦術だが、甘い。トラップ発動『平民への圧迫』
 発動ターンのみ、フィールド上に存在するレベル4以下のモンスターは攻撃する事が出来ない。これで、貴様の目論見も露と消えたなティラノ剣山?」


コイツ……でも、このハイパーハンマーヘッドが居る限りは、簡単に攻撃は出来ないドン。
俺は、カードを2枚セットしてターンエンドザウルス!!


「私のターン!!………此れは此れは、此処でこのカードを引くとは、私もトコトン運に恵まれているらしい。
 手札より速攻魔法『サイクロン』を発動!このカードの効果で、装備魔法『ジュラシック・ソウル』を破壊する!!」


んな!?此処でそのカードを!?
憑りついてる分際で、遊奈先輩のドロー力まで得て居るザウルスか!?………此れは、余裕ぶっこいて勝てる相手じゃなさそうザウルス。


「此れで、貴様の防御コンボは崩れた。
 闇に沈めティラノ剣山!!!邪神-ドレッド・ルートで、ハイパーハンマーヘッドに攻撃!『フィアーズ・ノックダウン』!!!」

「く……トラップ発動『恐竜の遺伝子』
 俺のフィールド上の恐竜が攻撃対象になった時、自分フィールド上の恐竜族モンスターをリリースして、相手モンスターの攻撃を無効にするドン!
 そして、其の後で、俺の墓地から恐竜族モンスター1体を特殊召喚するザウルス!!」

俺は、攻撃対象になったハイパーハンマーヘッドをリリースして邪神の攻撃を無効にし、其の後で墓地の『超電導恐獣』を特殊召喚するドン!!!


『ガオォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
超電導恐獣:ATK3300→1650


「くくく……まだ足掻くか?其れも良かろう――ターンエンドだ。」

「俺のターン!!」

!!此れは……このカードなら、行けるかもしれないドン!!
行くドン魔王!!俺は手札から、魔法カード『ジュラシック・フュージョン』を発動!!
自分のフィールドまたは墓地から、融合素材となるモンスターをゲームから除外し、恐竜族の融合モンスターを融合召喚するザウルス!!


「なに?」

「俺は、フィールドの超電導恐獣と、墓地のアサルトディノニクスとハイパーハンマーヘッド、猛進する剣角獣の4体の恐竜をゲームから除外して融合!
 太古の息吹が、今此処に蘇る!古代の支配者よ、その力を奮え!融合召喚『超獣-ブラキオレイドス』!!」

『ゴガオアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
超獣-ブラキオレイドス:ATK4000→2000



「4体融合……レベル11で攻撃力4000の恐竜か。
 確かに強力だろうが、その攻撃力も邪神の前では半減――攻撃表示で出したのは、この上ないミスだったな?……所詮は腰巾着の脳筋か………」


ヘッ……確かに邪神の効果で、俺の最強恐竜の攻守も半分になっちまうが、俺が何も考えないで攻撃表示でコイツを出したと思ってるドン?
だとしたら、遊奈先輩に憑りついててもお前のレベル自体は大した事なさそうドン。

もしも遊奈先輩だったら、この状況でも慢心せずに、俺の戦術を読んで来る筈ザウルスからな!!

俺はカードを1枚セットしてターンエンドザウルス!!!


「小生意気な……ならば、このターンで貴様を叩き潰してやろう!!私のターン!!
 手札から、永続魔法カード『邪神の進化』を発動!このカードが存在する限り、私のフィールド上の邪神の攻撃力は1000ポイントアップし、相手のカ
 ード効果の対象に成らん……今、邪神は正に最強の存在となったのだ!!」

『ゴガァァァァァァァァァァァァァァァァッァ!』
邪神-ドレッド・ルート:ATK4000→5000(対象効果無効)


「終わりだ!邪神-ドレッド・ルートで、超獣-ブレキオレイドスに攻撃!『フィアーズ・ノックダウン』!!砕け散れブラキオレイドス!!」


そうは行かないドン!!トラップ発動『古生代の正々堂々』を発動!!
俺のフィールド上に恐竜族モンスターが存在する場合発動できるこのカードは、エンドフェイズまで恐竜以外のモンスターの効果を無効にして、攻撃力を
500ポイントダウンさせるザウルス!!

これにより、ブラキオレイドスの攻撃力が復活するドン!!


超獣-ブラキオレイドス:ATK2000→4000
邪神-ドレッド・ルート:ATK5000→4500(効果無効)




「此処までとは……恐れ入ったが、既に邪神は攻撃を開始している!!その攻撃を止める事は出来ん!!
 其れに、如何に攻撃力が戻っても、攻撃力は邪神の方が上!!!――其処で朽ち果てろ、ブラキオレイドスよ!!!」


――ガキィィィン!!!


「なに!?ブラキオレイドスが健在だと!?」


ブラキオレイドスは、ある意味で有名だから、隠すのには苦労したが、苦労した甲斐はあったみたいザウルス。

俺は、アンタの支配から遊奈先輩を助けるために、この世界に来てるんだからな――中途半端な事は出来ないドン!!


其れに、ブラキオレイドスは、俺の闘士が形になった最強のモンスター、恐怖では超えられないザウルス!!
リバースカードオープン、速攻魔法『ジュラシックパワー・オーバードライブ』!!エンドフェイズまで俺の恐竜の攻撃力は2倍になるドン!!!


『グオガァァァァァァァァァッァァァァァァァァァ!!!』
超獣-ブラキオレイドス:ATK4000→8000


「こ、攻撃力8000だとぉ!?」

「此れが俺と恐竜さんの絆の結晶ドン!!思い切りブチかますドン、ブラキオレイドス!!
 ――此れで決めるドン……!ブラキオレイドスの反撃!!『ジュラシック・バースト・エクストリーム』!!」


――キュゴォォォォッォォォ……ドゴォォォォォォォォォォォン!!!


「そんな……まさか――!!」
魔王:LP3000→0


どんな強力なモンスターであっても、絶対無敵なモンスターは存在しない――これも、遊奈先輩から教わったことドン。
確かに、邪神の効果は強烈無比だったが、俺の闘気と恐竜さんの戦闘本能は恐怖すら超えるザウルス!――このデュエルは、俺の勝ちザウルス!!








――――――








Side:十代


スッゲェェェェェェェェェ!!!!本気で、スゲェよ剣山!!まさか、邪神をぶっ倒しちまうとは……恐竜使い最強の名は伊達じゃないぜ!!!


「そうドン?……其れだけストレートに褒められると、流石に照れるドン。」

「そう言うなよ、俺だって見ててワクワクしたからさ。
 其れに、お前が勝ったていう事は、遊奈が元に戻るって言う事だからな?――よくぞやってくれたぜ、剣山!!」



『ククク……まさか、この邪神が恐竜如きにやられるとは思っても居ませんでした――流石は、遊城十代の弟分と言ったところか?…実に素晴らしい!』


!?

これは、この光学モニターに映ってるのは遊奈?
だけど、遊奈は此処にいるし――若しかして録画映像?俺達が勝ったら自動再生するような感じの――其れなら、ある程度の説明はつくけど……


『残念ながら、この映像は録画ではなくライブだ――だが、貴様等に屈した其れもまた、私である事に違いはない。
 貴様等が倒したのは、私の複製――クローンと言うやつだ…その程度の相手ならば、苦戦はしないだろう?――精々私に辿り着くまで足掻くと良い。
 必死に足掻く者が踊るダンス程滑稽な物は無いからなぁ?……精々、私を楽しませてみせるが良い。』



テメェ……上等だぜクソッタレ!
だけど、覚悟しとけよな魔王?俺達が、アンタの本体に辿り着いたらその時は――思いっきり叩きのめしてやるぜ!!

絶対に負けられねえ!遊奈を助け出す為にも、何が有ろうと絶対にな!!――誰が相手だろうと、俺は絶対に屈さないけどな!!!



でも、もしも邪神が、遊奈の『神』みたいに3体存在してるとしたら――如何にも、面倒な事になるのは間違いないだろうけど、其れが何だってんだ!!!
何が有っても遊奈は助け出す!!――その意思は絶対に止まらねぇからな!!


――コピーは剣山が吹っ飛ばしたからな?……今度は、アンタの番だぜ『遊奈を乗っ取ったクソッタレ』よぉ!!


何処にいるかは分からねぇが……見つけ出したその時は、俺の持てる力の全てをもってフルボッコにしてやるから覚悟しとけよな?……やってやるぜ!



だから、もう少しだけ待っててくれ遊奈……絶対に助け出してやるからな!!












 To Be Continued… 






*登場カード補足




ジュラシック・フュージョン
通常魔法
自分のフィールド上または墓地から融合素材となるモンスターをゲームから除外し、エクストラデッキから恐竜族の融合モンスターを特殊召喚する。
この特殊召喚は融合召喚とする。



ジュラシックパワー・オーバードライブ
速攻魔法
このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する 全ての恐竜族モンスターは、ターン終了時まで攻撃力が倍になる。 こ
のターンのエンドフェイズ時、 この効果を受けたモンスターを全て破壊する。



ジュラシック・ソウル
装備魔法
恐竜族モンスターにのみ装備可能。
装備モンスターは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されず、装備モンスターが戦闘を行う事によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。



邪神の進化
永続魔法
このカードが表側表示で存在する限り、自分フィールド上に表側表示で存在する「邪神」と名の付くモンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、相手の
カード効果の対象にならない。



恐竜の遺伝子
通常罠
自分フィールド上の恐竜族モンスターが攻撃対象になった場合に発動できる。
自分フィールド上の恐竜族モンスター1体をリリースし相手モンスターの攻撃を無効にし、その後、自分の墓地から恐竜族モンスター1体を選択して、自分
フィールド上に特殊召喚する。



古生代の正々堂々
通常罠
自分フィールド上に恐竜族モンスターが表側表示で存在する場合にのみ発動できる。
エンドフェイズまで、恐竜族以外のモンスターの効果は無効になり、攻撃力は500ポイントダウンする。



平民への圧迫
通常罠
このカードを発動したターン、フィールド上に表側表示で存在するレベル4以下のモンスターは攻撃できない。