Side:十代


魔王の正体が、まさか裕奈だったとは……そんな結果は考えても居なかったぜ。

でも、平気で精霊世界の住民を蹂躙するような奴が遊奈かと言われると、其れは絶対に否だぜ――遊奈はこんな事をするような奴じゃないからな!!
って事は、アレは遊奈であって遊奈じゃない――マルタンを乗っ取ってた『始まりの魔法使い』みたいなのに、乗っ取られてる可能性がでかいぜ。

けど、だからこその剣山出撃だ!
剣山だったら、相手がどんな奴であっても心を惑わされる事は無いだろうから、魔王の相手としてはピッタリかもしれない――任せるぜ剣山!!


「大船に乗ったつもりで居てくれドン、アニキ!
 遊奈先輩に憑りついてるであろう、此のクソッ垂れをぶちのめして、遊奈先輩を元に戻して見せるザウルス!!」

「それと、この間連絡とった時にはやてが言ってた『ダークシンクロモンスター』には気を付けろよ?どんな能力を持ってるか、分からないからな!!」

「分かってるドン!けど、相手が誰だろうと、俺の恐竜さん達が蹴散らしてやるドン!!」


その意気だぜ剣山!!
お前の恐竜パワーで、遊奈を元に戻してやってくれ!!――お前ならきっとできる筈だからな……信じてるぜ、剣山!!











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX166
『暗黒の同調者――邪神』











Side:剣山


兄貴に任された以上、このデュエルは絶対に負ける事は出来ないドン!!
其れ以前に、アニキと同じくらい尊敬できる遊奈先輩が、こんな凶行を行ってるって言うのは黙ってみてられないザウルスから、俺が目を覚ましてやるド
ン!!恐竜さんの力を持ってすれば、遊奈先輩の目を覚ます事だって出来る筈ザウルス!!


「良い威勢だが……その程度の闘気ならば、寧ろ心地良い位だぞ、ティラノ剣山。
 だが、その程度の闘気で、私を倒そうなどとは笑止千万だ――所詮、恐竜使いでしかない貴様では、私を倒す事など出来ぬわ、古の蜥蜴風情が。」

「おぉっと、恐竜さんを甘く見ると痛い目を見るドン?
 恐竜さんは、太古の地球を一億五千年もの間支配して来た、太古の強者――その力を侮ったら、火傷じゃ済まない痛手を被るドン!!」

「ククク……其れは楽しみだが、口では如何とでも言えるからなぁ?
 力を示したいのならば、デュエルで私を倒して見せるが良い――まぁ、貴様程度では私を倒す事など出来んだろうがな。」


其れは、勝ってから言うセリフドン!
俺だって、お前なんかに負けてやる心算は無いドン――思い切り、俺の持つ力の全てをお前にぶつけてやるザウルス!!


「精々、威勢だけで終わらぬ事だ……せめて、美味なる前菜となってくれることを願おうか。」

「俺が前菜かどうかは、やってみなくちゃ分からないザウルス!!!行くドン、魔王!!」

「良かろう、存分にかかってくるが良い!!」


「「デュエル!!」」


剣山:LP4000
魔王:LP4000



先攻は貰うドン!!俺のターン!!

「俺は『アサルト・ディノニクス』を攻撃表示で召喚するザウスル!」
アサルト・ディノニクス:ATK1800


カードを2枚セットして、ターンエンド!


「私のターン。手札から魔法カード『調律』を発動。
 デッキから『シンクロン』と名の付くチューナー1体を選択して手札に加えたのち、デッキをシャッフルしてデッキトップのカード1枚を墓地に送る。
 私はこの効果で、デッキから『ジャンク・シンクロン』を墓地に送り、その後デッキトップのカードを1枚墓地に送る。
 更に、魔法カード『エンジェル・バトン』を発動し。デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。
 この効果で2枚ドローし、その後手札の『ボルト・ヘッジホッグ』を墓地に送る。」


此れは、遊奈先輩お得意の『高速シンクロ』のコンボその物ドン!……コイツ、只乗っ取ってるだけじゃなくて、遊奈先輩のデュエルタクティクスまでコピ
ーしてるって言うザウルスか!?ふざけた奴ドン!!


「私は、チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!そしてその効果で、墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』を守備表示で特殊召喚する。」
ジャンク・シンクロン:ATK1300
ボルト・ヘッジホッグ:DEF800


「レベル2のボルト・ヘッジホッグに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング。
 集いし星が、黒き力を呼び起こす。闇へ誘う道となれ!シンクロ召喚、出でよ『ジャンク・ウォリアー』!!」

『トゥアァァァァァァ!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2300



来たザウルスな、遊奈先輩の斬り込み隊長『ジャンク・ウォリアー』!
けど、遊奈先輩が使ってたのと比べると、青紫だった部分が真っ黒になってるドン……魔王の闇に曝された影響かも知れないザウルスな。

「行き成りジャンク・ウォリアーとは、遊奈先輩に憑りついてるだけの事は有るドン。
 でも甘いザウルス!遊奈先輩だったら、このジャンク・ウォリアーの攻撃力を最低でも3100ポイントまで上昇させて召喚して来るドン!!
 そもそも何で、フィールド上にレベル2以下のモンスターを並べず、ジャンク・ウォリアーを召喚するドン?それじゃあ、真価は発揮できないザウルス!」

「ククク……勘違いをするな。此れはプレイミスではなく、貴様にも見せ場をやろうと思っただけの事。
 元々の攻撃力のジャンク・ウォリアーならば、レベル4以下のモンスターであっても、カード効果での強化で簡単に攻撃力を超えられるからな?」

「見せ場をくれるとは、随分と優しいザウルスな?
 けど、その余裕と慢心が、お前を敗北に導くって事を覚えて居た方が良いドン!!」

「精々吠えて居ろ、筋肉馬鹿が。
 ジャンク・ウォリアーで、アサルト・ディノニクスに攻撃!『スクラップ・フィスト』!!」


ヘッ、余裕こいてる割には戦術が単純ザウルス!
トラップ発動『ジュラシック・プラウド』!このカードの効果で、このターンのみ俺のフィールド上の恐竜族モンスターは1度だけ破壊されないザウルス!


「モンスター守護のカードか……だが、ダメージは受けて貰う。」


剣山:LP4000→3500


確かにこのカードじゃ戦闘ダメージは回避不可能だが、俺が戦闘ダメージを受けた事で更なるトラップが発動するドン!
トラップカード『ジュラシック・カウンター』

俺の恐竜が戦闘を行う事で、俺が戦闘ダメージを受けた時、デッキからレベル4以下の恐竜族モンスター1体を特殊召喚するザウルス!!
出番ドン『猛進する剣角獣』


猛進する剣角獣:ATK1400


「ふむ……思った以上にやるな?
 尤も、最低でも其れ位でなくては、前菜にすらならんがな――カードを1枚セットして、ターンエンドだ。」

「俺のターン!!!」

今度はこっちの番ザウルス!
俺は、アサルト・ディノニクスと、猛進する剣角獣の2体をリリースし、『超電導恐獣』をアドバンス召喚するドン!!


『グオォォォォォォォォォォオオォォオォ!!!!』
超電導恐獣:ATK3300



「な……こうも手も無く、攻撃力3300の上級モンスターだと!?」

「何を驚いてるドン?アニキや遊奈先輩なら、此れ位の事は簡単にやってのけるザウルス!
 其れに、アニキに任された以上、このデュエルは全力でブチかますだけドン!!行くドン、魔王!!超電導恐獣で、ジャンク・ウォリアーに攻撃!!」

この一撃で、目を覚ましてくれドン遊奈先輩!!ブチかませ『超電導ボディアタック』!!


――ドガァァァァァァァァァァッァアァン!!


魔王:LP4000→3000

「ぐおわぁぁぁぁぁ!!……く、やってくれたな!!!」


……此れじゃあだめザウルスか。
如何やら、遊奈先輩を助け出すには、魔王のライフを0にする必要があるみたいドン――なら、其れを成すだけドン!カードを1枚セットしてターンエンド。


「私のターン。リバースカードオープン、永続トラップ『リミット・リバース』
 このカードの効果で、私の墓地の攻撃力1000以下のモンスター1体を特殊召喚する。……出でよ、『DT-カオス・インフィニティ』!」

『ギギャギャギャギャギャ!』
DT-カオス・インフィニティ:ATK0



此れがダークチューナー……調律の効果で墓地送りになったカードは此れだったって事ザウルスか!!
見た目が不気味なだけじゃなく、トンでもないレベルの闇の力を感じるドン――攻撃力は0でも油断できないザウルスな。


「更に、私のフィールド上のチューナーが存在する時、墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』は特殊召喚出来る!」
ボルト・ヘッジホッグDEF800


此れは、まさか噂に聞いた『ダークシンクロ』の下準備完了って言う事ザウルス!?――何て言うか、空気が一気に重くなってきたドン。

けど、ダークシンクロモンスターと邪神の能力は分からないけど、仮に邪神が遊奈先輩のオベリスク級の攻撃力を有していたとしても、俺のリバースカー
ドは恐竜族モンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップする速攻魔法『ジュラシック・パワード』。

此れを発動すれば、超電導恐獣の攻撃力は4300!返り討ちに出来るドン!


「覚悟は良いな?私は、レベル2のボルト・ヘッジホッグに、レベル12のカオス・インフィニティをダークチューニング!!」


――キュゴォォォォォ……バチィ!!


此れは……白い星が、素材モンスターに埋め込まれ、其処から黒い星が生まれて素材モンスターを包み込んだ!?
チューナーと非チューナーが力を合わせるシンクロとは違い、ダークシンクロはダークチューナーが、素材モンスターを食いつぶすって事ザウルスか…!


「集いし闇が、世界を恐怖で埋め尽くす。闇を誘う道となれ!ダークシンクロ、蹴散らせ『邪神-ドレッド・ルート』!!」

『グガァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
邪神-ドレッド・ルート:ATK4000



!!此れが邪神――何て言う、闇の力を持ったモンスターザウルスか!?……此れは、遊奈先輩の神に勝るとも劣らないドン――!!


「邪神の力、その身で味わうが良い……邪神-ドレッド・ルートで、超電導恐獣に攻撃!『フィアーズ・ノックダウン』!!」

「そうは行かないドン!リバースカードオープン、速攻魔法『ジュラシック・パワード』
 このカードの効果で、超電導恐獣の攻撃力を1000ポイントアップするザウルス!!此れで超電導恐獣の攻撃力は4300!返り討ちドン!!」

「……其れは如何かな?」



――ドゴォォォォォォォォォン!!!



剣山:LP3500→1650



んな!?そんな馬鹿な……攻撃力4300になった超電導恐獣が破壊され、俺も大ダメージを受けるなんて――一体何が起こったザウルス!?


「クククク……クハハハハ……ハァ~ッハッハッハッハッハ!!此れが、此れこそが『恐怖の根源』!
 邪神-ドレッド・ルートが存在する限り、フィールドは恐怖に支配され、相手フィールド上のモンスターの攻守力は半分に成るのだ!!
 つまり、超電導恐獣は、リバースカードで強化したところで、攻撃力は2150ポイントしかなかったという訳だ――邪神の攻撃には、到底耐えられぬ!
 まぁ、狙いは悪くなかったが相手が悪かったな――貴様では私には矢張り勝つ事は出来ない様だからな!!」


ステータスの半減効果!!――確かにそいつはきつい事この上ないドン……特に、俺みたいな攻撃型には、有り難くない効果ザウルス!!!


でも負けないドン!!

俺の闘気と、恐竜さん達の力は恐怖をも超えるザウルス!!


絶対にあきらめない――そして、最後に勝つのは俺ドン!!邪神だろうとなんだろうと、俺の前に立ち塞がるなら、其れを砕いて進むのみザウルス!!


「ならば精々足掻け、ティラノ剣山――御託が御託のまま、終わらないようにな。」


その言葉、熨斗を付けて返してやるドン!!
このデュエル、絶対に勝って見せるザウルス!――兄貴の期待に応える為、遊奈先輩を取り戻す為……何よりも、俺の誇りに懸けて絶対にザウルス!


俺の恐竜は恐怖では怯まない……其れを教えてやるドン、魔王!!!









――――――








Side:遊奈


あふ……良く寝た~~~~~!……じゃなくて、何処だ此処?
辺り一面何もない、漆黒の空間――なんつーか、この上なく分かり易い『闇の空間』その物って感じっすね……居るだけで、気が滅入りそうだってのよ。

外の様子を見る事は出来ないみたいだし、多分テンプレ的に、此れは私が自力で出る事は不可能って感じ?
となると、外部からの助けを待つしかないと……多分そう言う事なんだろうね。

なら、その時までは待つしかないか――ま、アンタが助けに来てくれるだろう事は信じてるから、待ってるぜはやて?
助けが来るその時まで、私は大人しくしてた方が良いかもね……ま、デッキ調整位は出来るかも知れないけどさ――にしても、何だってこんな事に…?

一体、現実世界ではどんな事が起こってるのかしら?……其れを知りたい所では、あるわね――














 To Be Continued… 






*登場カード補足




ジュラシック・パワード
速攻魔法
自分フィールド上の恐竜族モンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力は、エンドフェイズまで1000ポイントアップする。



ジュラシック・プラウド
通常罠
このカードを発動したターンのエンドフェイズまで、自分フィールド上の恐竜族モンスターは1ターンに1度だけ破壊されない。



ジュラシック・カウンター
通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在する恐竜族モンスターが戦闘を行う事で、自分が戦闘ダメージを受けた場合に発動できる。
デッキからレベル4以下の恐竜族モンスター1体を選択して特殊召喚する。