Side:はやて
さてと、戦力分散をして、私は岬ちゃんと一緒に精霊世界を歩き回っとるんやけど、全く持って魔王に関する有力な情報がないって如何言う事や!!
まぁ、魔王って言うとこから一筋縄で行かん相手って言うのは想像できるけど、其れに関する情報が極端に少ないって如何言う事やねんーー!!!
こちとら遊奈を助け出すためにも、どんな情報だって欲しいんやけど、あんまりにもざっぱな情報は逆にお断りや……ガセネタも有るやろうしな。
「まぁ、焦らず行こうぜ、はやて先輩!
この世界に姉御が居るのは間違いねぇんだ……怪しい奴を、見つけたら、見つけた端から撃滅していけば、何れは黒幕に大当たりだ…そうだろ?」
「其れもそうやな岬ちゃん――良い事言うやないの!!」
せや、来る端から敵対勢力を叩きのめしていけば、何れは黒幕に大当たりやからな。
そんで、黒幕倒して遊奈を取り戻して、最高のハッピーエンドを演出しようやないか!!……こんな所で立ち止まる事は出来へんからな!!
「言われるまでも無いぜはやて先輩!」
「ふふふ、精々頼りにしとるで!!」
何処の誰かは知らんけど、アンタの事は倒させて貰うで魔王!!精霊世界の秩序を乱す魔王は、そろそろ眠る時やで!!
ま、取り敢えず今は、大陸鉄道で、ゆったりと魔法世界を楽しむ事にしよかな。――此処なら、何が異常が有れば直ぐに分かるからね。
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX162
『情報収集、魔王の正体は?』
んで、次の街に立ち寄って、魔王の情報を集めようと思ったんやけど、思いのほか反応がなかったて言うのは、正直凹むわ…割とマジで。
誰もが誰も情報を持ってる訳じゃないし、その記憶その物に蓋をした人が居るって事なんやろうけどな……
せやけど、此れじゃあ骨折損のくたびれもうけや!!……せめて、魔王の最低限の能力値とかデッキが分かると良いんやけど、其れも難しいやろ?
本気で魔王に関する情報が欲しいで此れは!!爪の先の垢ほどの情報でも良いから、誰か私と岬ちゃんにネタを提供したってー!!
「無駄な抵抗は止めな……あの街から逃げ伸びた奴等を捕らえろって命令でな。」
「魔王様の命令は絶対だ。無駄な抵抗は止めろ……」
「いやだ!お姉ちゃんに近付くな!!」
……何か聞こえたな岬ちゃん?
「聞こえましたね、八神先輩。」
「のっぴきならない状況な気がするんやけど、此れは如何したもんやと思う?」
「取り敢えず、襲われてる方を助けるのが上策じゃないっすか先輩?」
ま、そうやろな。
気付いておきながら、無視して何て言うのは、最低のクズのやる事やし、襲っとると思しき方が『魔王の命令』って言うとったのも見逃せへんからな。
んで、声のした方に来てみれば、2体の『バトルフットボーラー』が男の子と女の人を襲おうとしとる……てか、攻撃力1000のクセに偉っそうやな~!
「抵抗しなけりゃ何もしねぇってんだろうが!大人しく捕まんな!!」
「そう言われて大人しく捕まる奴なんて居らへんて。
其れ以前に、その人達を捕らえて何する心算や?……出来れば、説明してくれると有り難いなぁ、魔王の部下さん?」
「!!だ、誰だ!?」
誰だと聞かれりゃ、答えたるわ。
デュエルアカデミア四天王一人、無手札の鬼神こと八神はやてと――
「デュエルアカデミア、ラーイエローのトップ3が1人、明石遊奈の妹分にしてスピリットグラスパーこと、ジャッカル岬だ!」
「だから何だ?邪魔立てするなら容赦はせんぞ?」
そう言う事は、自分と相手の力量差を理解したうえで言うもんやで下っ端君?
攻撃力1000のアンタ等が、私等に勝てると思てんの?…ショートケーキにはちみつとガムシロップとリンディ茶ぶっかけたくらい甘いわドアホッタレ!
頼むで『煉獄龍 オーガ・ドラグーン』!!
『グオォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
煉獄龍 オーガ・ドラグーン:ATK3000
「出番だぜ『八俣大蛇』!!」
『キシャァァァァァァアァッァァァ!!』
八俣大蛇:ATK2600
「「はいぃぃぃぃぃぃ!?」」
オーガ・ドラグーンと八俣大蛇、私と岬ちゃんのエースドラゴンや。攻撃力1000程度じゃ相手にならへんよ。――さて、如何する?
「分が悪すぎるが、魔王様の命令は絶対!」
「邪魔立てするなら排除するのみだ!!」
そっか、其れは残念やで……悪いけど、私等は敵対する相手に情け掛けてやるほどお人好しやないで!!
ってか、少しは人の話を聞く態度位見せろやボケナスがぁ!思いっきり焼き尽くしたれオーガ・ドラグーン!『インフェルニティ・カオス・バースト』!
「ったく、人の話は聞けよな……まぁ、魔王の事は其処の姉弟に聞くとするけどよぉ。
だが、俺は降りかかる火の粉は払う主義なんで撃滅させて貰うぜ!やれ、八俣大蛇!『屍山血河』!!」
――キィィィィィィン……ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!
でもって、倒されても大した花火にもならへんかったからね。
さてと、大丈夫やったかアンタ等は?怪我とかしてへん?
「あ、ありがとうございます……大丈夫です。」
「た、助かった……ありがとう、お姉ちゃんたち。」
いやいや、人として当然の事をしただけや。無視してもうたら絶対に後悔したからな。
んで、アイツ等の話から察するに、魔王の手から逃れて来たんやろうけど――どんな事でも良いんや、魔王に付いて知ってる事を教えてくれへん?
「え?其れ位なら構いませんが、其れを知って如何するのですか?」
「魔王ってのを叩きのめしたろうと思ってな……まあ、友達の捜索の序でになるんやけどな。
どんな事でもえぇんや、知ってる事が有ったら教えてくれへんかな?」
「魔王を叩きのめすって、そんなの無理だよ!アイツはすっごく強いんだ!
此れまで、何人もの戦士が魔王を倒そうと挑み、そして虚しく命を散らせて行ったか分からないんだぞ!?そんな奴に挑むって、正気かよアンタ!」
至って正気やで少年。
相手が誰であろうとも、私は生憎と止まる事は知らへんのや……魔王は、この手でぶちのめしてなんぼやからな……本気でぶちのめしたるで!!
「分かりました……お話ししましょう。」
「お姉ちゃん!?」
「大丈夫ですよイオリ。此の方達だったら、その目的を或は果たせるかも知れません――彼女達の魂はとても強いですからね。」
「お姉ちゃん……分かった。」
「では……お話ししましょう、私の知っている魔王の事を全て……
ですが、対価と言う訳ではないのですが、如何か魔王を倒してください……」
言われんでもその心算や!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「―――と言う訳です。私が知っているのは此れ位ですね。」
ん~~~~……思ったよりも有力情報は無いみたいやな。
出て来たキーワードは、全部ユウナから聞いた魔王の通りやからね……他に何かないかなぁ?
「他にですか?……そう言えば、逃亡中に聞いた話なのですけれど、魔王の素顔には大きな傷跡があるらしいみたいですよ?」
「大きな傷跡?」
「はい。
丁度、右の眉の辺りに大きな切り傷の跡があったって言う話を耳にしました。」
んな、右の眉毛の辺りに大きな切り傷の跡って、嘘やろ!?
ユウナから教えて貰った魔王の特徴に其れを加えたら………まさか、アンタが魔王なんか!?……だとしたら、如何してこんな暴挙を行っとるん!?
あくまでも可能性の範疇やけど、今までに得られた情報を統括すると、これ以外の答えは私には思いつかへん。
違って居て欲しいって思うけど――若しかして、魔王はアンタなんか?……遊奈――――――!!!
――――――
Side:ジム
俺とオブライエンとヨハンは、精霊世界を探索中に『絶対防御将軍』がリーダーとして活動してる一団と出会った――魔王への抵抗勢力だな。
まぁ、残念ながら魔王の事も遊奈の事も、其処では分からず仕舞いだったけどな。
だが、運がいいのか悪いのか、俺達が街から出発した直後に、その街は魔王の襲撃を受けてしまった。
戻った時には、既に手遅れだった――ついさっきまで生きていた人達の魂は、虚しくも霧散してしまった!!魔王の軍勢によって!!
絶対防御将軍も、最後まで抵抗したけど、魔王の猛攻を止める事は出来なかったか……でも、その魂は俺達が受け継ぐぜ、絶対防御将軍!!!
「…………」
そして、襲撃して来た一団の中から現れた、黒甲冑に身を包んだ人物……アイツが魔王か!!
「制圧に成功したか……流石は我が部下たちだ……褒めて遣わす。」
「お褒めに預かり、恐悦至極でございます、魔王様。」
「ふ……私は、精霊世界の王となる存在だからな。」
――カパッ………
「「「!!!!」」」
な……ウソだろう、此れは!?
「嘘じゃないぞジム……アレは、あの顔は!!」
「ジョークだとしても笑えねぇぜ此れは……」
仮面を外した、魔王の素顔を見たその時の衝撃は、多分一生忘れる事は出来ないだろうな――本気で、其れ位に衝撃的な事だったんだから。
だって、仮面の下から現れたのは、俺達が探していた、明石遊奈の顔だったんだからな――
To Be Continued… 
*登場カード補足
|