Side:万丈目
十代の一撃が炸裂し、辺りは眩い閃光に包まれた!――マッタク持って、加減と言う物を知らんのかアイツは?
いや、ある意味でデュエルに於ける加減を覚えたら、其れは十代じゃないような気がするんだが……兎に角、此れだけのエネルギーの放出は――!
「確かに凄まじいけど、多分――って言うか間違いなく十代は勝ってるで!!
元より、十代は勝つ気で出て行ったんやで?……この程度の爆発で、如何にかなる魂やないやろ?」
「思い切り否定したい所なのだが、お前が言うとそう言う事があるかも知れないと思ってしまうのが、微妙に恐ろしいんだが……確かに十代が、此の
程度で、くたばるとは思えん……閃光が晴れたら、其れこそ無事な姿を俺達の前に現す筈だ――デュエルに勝った状態でな。」
「まぁ、十代が負ける相手やなかったからなぁ……十代の勝利は揺るがんちゅうことやな?」
有体に言えばな――そろそろ閃光も落ち着いてきたようだが……
「俺の勝ちだな、ブロン!!」
「よ、よもやこんな所で負けるとは……!!うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「……今は眠れ……お前の無念は、俺が魔王に直接届けてやる!!」
勝ったのは十代か…まぁ、予想通りだったけどな。
如何に暗黒界の起点となるモンスターであっても、十代の天性のデュエルセンスを超える事は出来なかったか……尤も、そうでなくては面白くない!
俺が勝つその時まで、誰にも負けてくれるなよ、遊城十代――――!!!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX161
『暗黒界撃滅!そして魔王の影』
Side:十代
――ドゴォォォォォォォォォォォン!!!
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!」
ブロン:LP3100→0
いぃよっしゃーーーーーーーーー!俺の勝ちだ!!!
「ば、馬鹿な……な、なぜダメージを0に出来る『暗黒界の魔獣パプル』の効果が手札から発動出来なかったのだ……?
このカードを手札から捨てる事で、ダイレクトアタックによるダメージを0に出来た筈なのに……何故だ?……何故効果が発動出来なかった!!」
「其れは、ダークネス・ドライバーの効果だぜ。
ダークネス・ドライバーは、自身を融合召喚する際に使用した魔法カードによって、異なる効果を発動する風変わりな融合モンスターなのさ。
『融合』で召喚した場合は戦闘では破壊されず、『ダーク・フュージョン』か『ダーク・コーリング』で召喚した場合はバトルフィズ中のみカード効果を受
けない!――そして『超融合』で召喚した場合、このカードが攻撃宣言をした場合、相手はダメージステップ終了までカード効果を発動出来ない!
この効果で、お前は手札から『パプル』の効果を発動する事が出来なかったんだ。」
「そんな……馬鹿な……超融合がこれ程までのモンスターを生み出すとは……その力を我が物に出来なかったのが悔やまれる。
だが……それでも、果たして貴様等が魔王に勝てるかどうかは分からんぞ……奴は、闇の軍勢を率い、見た事も無い『黒いカード』を使っていた。」
黒いカードだって?何なんだよそのカードは!?
「ククク……自分の目で確かめるが良い、そして恐怖しろ。
私も遠目に見ただけだが、其れでもアレの力の凄まじさは嫌でも分かってしまった……アレに挑むには真面な精神を持った状態では不可能よ…恐
怖を乗り越える為には、自らも狂わねば精神が耐えられぬのだからな――奴と出会った時、貴様等がどうなるか……地獄の淵で見て居てやる。」
――シュゥゥゥゥゥン!!!
消えちまったか……だけど決まってるだろブロン、相手が誰だろうと、俺達は変わらない!
魔王ってのがどれ程の奴かは知らないけど、敵として立ちはだかるならぶっ倒すだけだし、何より遊奈を探し出すって目的だってあるんだぜ?自分を
見失った状態じゃ、其れが出来る筈ないだろ?俺達は、俺達のままで居るさ。
「十代、やったな!見事なデュエルだったぞ。」
「まさか相手フィールドも巻き込む融合とは、正に『超融合』やな!!」
万丈目、はやて!其れに皆!あぁ、勝ったぜ!!
マジでスゲェよ『超融合』のカードは!特に俺の融合HERO達との相性は抜群に良いし、相手がリビデとかで蘇生させたモンスターの除去も出来るし、
何よりも融合が得意な俺にはピッタリのカードだぜ!
「ホンマ、十代が持つために生まれてきたカードやね。
其れは目出度いんやけど……取り敢えず、此処から生きて出る事考えよか?――ブロンが負けた事で、暗黒界の皆さん殺る気満々やから。」
――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
「コイツは、俺でも分かるほどにスゲェ殺気だなぁ……如何すんだよ此れ?」
「話し合いが出来る相手やないから、此処はもう強行突破しかないやろ?
そんな訳で、アインス&なのはちゃん召喚!!思い切りぶっぱなしたってや!!」
『其れじゃあ行きましょうかアインスさん!』
インフェルニティ・ウィッチ-なのは:ATK2500
『あぁ、派手に吹き飛ばすとしよう。』
煉獄騎 リインフォース・アインス:ATK2700
え?なのはとアインス?……って事は若しかしなくても……
『咎人達に滅びの光を。星よ集え、全てを貫く光となれ。撃ち抜け閃光!』
『此れが私の全力全壊!!!』
『『スターライトブレイカーーーーーー!!』』
――キィィィィン……ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
やっぱり、ダブルスターライトブレイカーだよなぁ!
うわ、今の一撃で砦の西側が跡形もなく吹き飛んだ……やっぱり、なのはとアインスはスゲェぜ!!!
「ふ……此れで満足や!」
「言ってる場合か!今のを合図に、暗黒界共が一斉に襲い掛かって来たぞ!!
お前の事だから、正面突破を楽にする為の事だったのだろうが、幾ら何でも派手にやり過ぎだ……まぁ良い、来い『破壊龍 アレクサンダー』!」
『ガオォォォォォォォォ!!』
破壊龍 アレクサンダー:ATK3000
んでもって、襲ってくるなら払うだけだ!頼むぜ、『E・HERO ネオス』!『E・HERO ジ・アース』!!
『任せておけ!!』
E・HERO ネオス:ATK2500
『邪魔はさせん……!』
E・HERO ジ・アース:ATK2500
頼むぜ2人とも!
先ずは強行突破で、砦を脱出だ!!!
――――――
Side:はやて
んでもって、大乱闘の末に砦を脱出や。まぁ、あんまりにも相手が多いんで、最後は私がラグナロクで薙ぎ払ったんはご愛敬やな。
そんでもって、現在はユウナの街なんやけど、超融合のカードが十代の手に――本来の持ち主の手に渡った事で、暗黒界がカード完成の為に生贄
にした人達の魂が戻って来て、復活したみたいやね……どんな世界やねん此処は。
まぁ、其れは其れで目出度いとして――
「ほなら、何でも良いんやけど、魔王の事を教えてくれるか?それと『明石遊奈』って言うユウナにそっくりな女のこの事を、知ってたらでえぇから。」
「私に良く似た『明石遊奈』の事は、残念ながら知らないけど、人伝に聞いた魔王の事なら教えられるよ。
魔王を名乗る奴は、漆黒の甲冑に身を包んで、顔を仮面で覆ってるんだけど体格はあまり大きくない…精々160半ばくらいだろうって聞いてるわ。
だけど、そのデュエルの腕前は凄まじく、誰も見た事のない『黒いカード』から、トンでもないモンスターを呼び出して居たって……
それと、特徴的な外見として髪型が左右非対称だったみたいよ?向かって左側の髪の方が長かった……そんな話も聞いてるわ。」
遊奈の事は期待しとらんかったけど、魔王に付いては色々情報が拾えたなぁ?
外見からは男女の判別は出来ないみたいで、謎の黒いカードを使い、左右非対称の特徴的な髪型をしている……か、少なくとも一筋縄で行く相手や
無さそうや――挑む場合には、相応の準備をしとかなあかんやろな。
まぁ、こんだけ分かれば十分や、ありがとなユウナ!
「ありがとうは、私達の方だよはやて、十代――彼方達のおかげで、街の皆は戻ってこれたし、私も死なずに済んだ。
彼方達には感謝してもしきれないよ――彼方達の道中に精霊の加護が有らん事を祈ってるわ……お友達の事、探し出してあげてね?」
「勿論や!私等はその為に来たんやからな!!」
「ふふ、そうだったわね……其れじゃあねはやて、頑張ってね?」
アンタもなユウナ。
さてと、遊奈捜索の再開なんやけど………こんだけの大人数で動くいうのはあんまし良くないやろ?
そんな訳で、このチームを細分化しようと思うんやけど如何やろうか?細分化すれば、捜索の手も多くなるし、大所帯で移動する事も無いやろ?
連絡は、PADで取ればいいだけやし、どやろか?
「確かに、この人数で動くのは巧くない――どうしても目立つからな。
其れに、捜索を効率的に行う為にも、チームを細分化するメリットは充分にある――此処は細分化して再編成すべきだろう。」
流石はオブライエン、傭兵だけあって、私の考えを的確に見抜いて皆に伝えてくれたか――此れは高額の報酬を出して良いレベルやな!!!
「異論はないぞ?俺達の目的は遊奈を見つけ出し、その上でアカデミアに帰還する事だからな――だが、どのように細分化する心算だ?」
え~~っと、先ずはオブライエンとジムとヨハンやろ?
で、十代と剣山君と翔君、準と三沢君、天上院兄妹、そんでもって私と岬ちゃんや、バランス的にも丁度良いやろ此れで?
「見事過ぎる戦力配分だな……」
「流石は元部隊長!!やっぱはやてはスゲェぜ!!!」
まぁ、此の手の事にはなれとるからね。
ほな、此処で皆とはいったんお別れや……何かあったら即時PDAに連絡を入れるように!其れだけは絶対に護ってくれるな!?
「勿論だぜはやて!!!」
「その程度は心得ているからね。」
ほな、改めてこのメンバーで遊奈を捜索や!!頼むで皆!!!
「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」
必ず見つけ出して、そんでアカデミアに連れ帰るで遊奈!!
大事な人を喪うのは一度でいい……大事な仲間を失うような思いは、二度としたくあらへんからね。
――――――
No Side
精霊世界のある場所にて…………
「この程度か……だが存外楽しめたぞ?
が、其れも此処までだ!!私のターン!!私は『―――――』に『――――――』を『???チューニング』!!!」
漆黒の鎧を身に纏い、仮面で顔を隠した謎の人物――魔王が、今正に一つの集落を撃滅せんとしていた。
当然、村の最強たるデュエリストが抵抗の意思を見せ、そしてデュエルとなったのだが、魔王の進行を止めるには至らなかった……そう言う事だろう。
「死と闇が重なる時、恐怖の根源が闇より目覚める……喰らい尽くせ闇よ!――???シンクロ!出でよ『闇邪神 ドレット・ルート』!!
叩きのめせ、『フィアーズ・ノックダウン』!!恐怖の前には、誰も何も出来ぬ!!」
――バガァァァァァァァァァッァァァァァァァン!!!
そして呼び出された不気味なモンスターの一撃が炸裂してゲームエンド。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁっぁぁぁ!!」
LP0
「この魔王に盾突こうとは愚かな……精々冥界への旅路を楽しむが良い!!
クククククク………クハハハハハハ……ハ~ッハッハッハッハッハ!!!!」
如何やら魔王は、着実に精霊世界の支配を進めているようだ。
だが、もしもこの場にはやてが居たら気付いたかも知れない。
対戦相手の攻撃によって破損した魔王の仮面から、特徴的な『右眉の傷痕』が少しばかり、顔を覗かせていたという事に…………………
To Be Continued… 
*登場カード補足
暗黒界の魔獣パプル
レベル2 闇属性
悪魔族・効果
自分が直接攻撃によってダメージを受ける場合に発動できる。
手札のこのカードを墓地に捨て、受ける戦闘ダメージを0にする。
ATK400 DEF1000
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