Side:十代


信じて待つのも信頼の証とは言っても、中がどうなってるのか分からないって言うのは、やっぱり焦りが募るよな?
はやての事だから、どんな事が有っても巧くやるだろうけど、其れでも心配をするって言う俺は、ヤッパリ甘い考えの持ち主なのかな?


まさか……そんな筈がないだろう?
 確かに戦場に於いては、非常の決断をせねばならない時もあるが、仲間の命を迷わずに斬り捨てられるようになったら、お終いだろう。
 どんな状況であっても、常に仲間の事を考えて行動できる者にこそ未来への道が開けると言う物だからな。


シグナム………そうか、そうだよな。
仲間なんだから、其れを信じないで如何しろって言うんだ!!――はやてなら、絶対大丈夫な筈だぜ!!ユベルも護衛に付いてる訳だからな!!!

例えどんな事態に遭遇したって、必ずそれを乗りきる事が出来る筈だぜ!!


砦の中で何が起きてるのかは分からないけど、生きて戻って来てくれよはやて、ユベル――!!










遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX158
『ユベル~十代の守護者の力~』











ユベル:LP4000
ズール」LP4000





Side:はやて



そんな訳で始まった、ユベルとズールのデュエル。――こう言ったら身も蓋もないけど、如何足掻いてもユベルの敗北だけは想像が出来へんわ此れ。
十代のパートナーの精霊やから、デュエリストレベルも中々に高いのやろうけど、ユベルの力は其れだけに留まる感じやないからね?

取り敢えずデュエルでその力を見せて貰うで!!


「先攻は貰うよ?僕のターン!僕は『ナイトメア・ハウザー』を攻撃表示で召喚!!」

『ムゥゥゥゥン!!』
ナイトメア・ハウザー:ATK0



な!!攻撃力0のモンスターを攻撃表示やと!?相手の攻撃を誘うにしても、余りにも露骨すぎんでこれは!?
――相手が此れに乗って来てくれるとは、思えへんのやけど、秘策があるんやろねユベルには……そうやなかったらこんな事はしない筈やしな?

時に、ユベルの声が何時もみたいな微エコーやない気がするんやけど?


「今は精霊体じゃなくて、実体化しているからじゃないかな?僕はカードを1枚セットしてターンエンドだ。」


成程、そう言う事か~~。納得したわ。
さてと、攻撃力0を曝したユベルに対し、ズールは如何出て来るんやろ?


「攻撃力0のモンスターを攻撃表示だと?愚かな、叩き潰してくれる!!私のターン!
 私は手札から魔法カード『融合』を発動し、手札の『ゼラの戦士』と『デーモン・ソルジャー』を融合する。出でよ『魔王 ゼラディス』!!」

『ムオォォォォォ!!!』
魔王 ゼラディス:ATK2800



行き成り融合を使っての上級モンスターを召喚か~?まぁ、中々やと思うけど、融合マスターである十代のデュエルをぎょーさん見とるから、この程度
の融合戦術やと、驚く気にもならへんのよね……十代やったら此処から更に2体目、3体目の融合モンスター展開するからなぁ。


「何を企んでいるかは知らんが、ゼラディスは1ターンに1度だけカード効果では破壊されず、相手モンスターを破壊した場合に続けて攻撃出来る攻撃
 的なモンスターだ。この2つの効果で、貴様のライフはこのターンで尽きると言う訳だな!!
 バトル!魔王 ゼラディスで、ナイトメア・ハウザーに攻撃!『邪舞魔神』!!」


――バガァァァァァァァァァァン!!!


真面に喰らった!?大丈夫なんか、ユベル!!


「此れ位は何て言う事は無いさ。」
ユベル:LP4000


「な!貴様、如何してライフが減っていない!!!」

「簡単な事だよ、ナイトメア・ハウザーが攻撃される事によって発生する、僕への戦闘ダメージは0になる。
 そして、ナイトメア・ハウザーは、己を破壊した相手に悪夢を見せ、その攻撃力を0にする能力も備わって居るのさ。」

「なんだと!?」
魔王 ゼラディス:ATK2800→0


「更にトラップ発動『ゼロ・アサルト』
 僕のフィールド上のモンスターが相手によって破壊された時、デッキから攻撃力0のモンスターを特殊召喚する。
 この効果で僕が呼び出すのは、攻撃力0の『ヘル・マスタング』だ。」

『フン……』
ヘル・マスタング:ATK0



又しても攻撃力0………若しかして、ユベルのデッキは効果主体の低攻撃力デッキなんやろか?
扱いは難しい分、使いこなせれば最強クラスのデッキやけど、敢えてそんなデッキを使うと言う事は、相当に腕に自信があるって言う事なんやろね?

何にしても、このデュエルは買って貰わなあかんから、頑張ってやユベル!!








――――――








Side:ユベル


さてと、此処から如何料理してやるのが良いかなコイツは?――ふふ、なのはみたいに全力全壊で吹き飛ばすのも良いかも知れないね。


「く……私はカードを1枚伏せ、此れでターンエンドだ。」


それじゃあ、行かせて貰おうかな?僕のターン!
僕は、手札から速攻魔法『手札断殺』を発動。互いのプレイヤーは、手札を2枚捨て、その後デッキからカードを2枚ドローする。


「手札の入れ替えか……手札が悪かったのか?」

「其れは如何だろうね?……まぁ、君には此処で消えて貰うけれどね。
 僕はヘル・マスタングの効果を発動!このカードをリリースする事で、このターンに1度だけ手札からトラップカードを発動できる。」

「手札からトラップだと!?」

「どこぞの箒頭が『インチキ効果も大概にしろぉ!』って言うてるでぇ~~~~♪」


時々思うんだけど、君は一体どんな電波を受信してるんだいはやて?
しかも、如何言う訳かその『箒頭』のイメージが確りと思い浮かぶのが謎で仕方ないよ……まぁ、はやても特異な存在だから、此れ位はアリかな?


っと、改めて、僕がヘル・マスタングの効果で発動するカードは、永続トラップ『リミット・リバース』
このカードの効果で、僕は墓地から僕自身のカード――『ユベル』を特殊召喚する


ユベル:ATK0


「うおぉぉぉう!?ユベルが2人になった!?」

「分かり易いリアクションをありがとうはやて。だけど此れは布石に過ぎないんだよ。
 僕は、速攻魔法『ダブル・サイクロン』を発動!この効果で、リミット・リバースと、君の伏せカードを破壊させて貰う!!!」

「な!リミット・リバースが破壊されたら、折角呼び出したユベルも破壊されてまうで!?」


其れで良いのさ……僕が、僕自身の効果以外で破壊された時、第一の封印が解かれる。
僕が自身の自壊効果以外で破壊された時、デッキまたは手札から第一の封印が解かれた僕自身である『ユベル-Das Ritter der Dunkelheit』
特殊召喚する!!!


ユベル-Das Ritter der Dunkelheit:ATK0


「此れは、ユベルの下半身がドラゴンの身体になった、闇の龍戦士!!――攻撃力は0でも、その力は凄まじい感じがするで?」


流石ははやて、僕の第2形態の能力を感じ取っていたか……確かにこのカードは相当な力を秘めて居る。
第一の封印が解かれた僕が戦闘を行う事によって発生する僕へのダメージは0になる。
更に、1ターンに1度、相手モンスターを装備カードとしてこのカードに装備できる。
そして、第2形態となった僕は、この効果で装備したモンスターの攻撃力分だけ、自身の攻撃力をアップさせる――魔王 ゼラディスは頂くよ。


「相手モンスターを吸収だと!?そんな事が!!」


ユベル-Das Ritter der Dunkelheit:ATK0→2800(魔王 ゼラディス装備)


可能なのさ、第一の封印が解かれた僕ならばね。そして、此れでダメ押しだ。僕は手札から速攻魔法『ダークネス・ノーリミッター』を発動。
このカードで、僕のフィールド上の悪魔族モンスターは、エンドフェズまで攻撃力が倍化する!!


ユベル-Das Ritter der Dunkelheit:ATK2800→5600


「こ、攻撃力5600だとぉ!?……そ、そんな馬鹿なぁ!!!


嘆いた所で此れが現実さ……精々あの世で閻魔に許しを請うと良いさ……君は、今此処で散るべき存在だからね。

「バトルだ、暗黒界の騎士 ズール!
 僕は、ユベル-Das Ritter der Dunkelheitでダイレクトアタック!!消え去れ……『Explosionsflamme-Kugel der Ruine』!!」


――キュゴォォォォオォォオォッォォオォォォ……ドゴバガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッァァァン!!!!



「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ズール:LP4000→0


なんだ、粋がった割にはこの程度なのかい?

……正直言ってガッカリだね――ドレだけの相手かとも思ったけど、所詮はこの程度だったか……十代とは比べるまでも無い感じだね此れは。


さて、死にゆく前に聞かせて貰おうか?
お前達は一体何のカードを作り出そうとしているのかな?――あの街の住人を全て生贄にして完成させるなんて、相当なカードの筈だが………


「そう言われて応えると思うか?……精々正体不明の敵に怯えるが良い!
 あのカードが完成すれば、貴様等如きは塵芥に過ぎない存在なのだからな!!しばし、一時の勝利に浮かれているが良い……ククククク!!!」


一時の勝利?……笑えない冗談だね?
僕達は常勝不敗の集団の一員だけに、敗北は絶対に許されない事だからね……勝ってこそ似意味がある!


十代やはやてだったら間違いなくそう言うだろうね?



僕達に負けは無い――僕が覇王の守護者となったその時に、其れは決まって居た事なんだからさ。


まぁ、其れは良いとして、先ずはこの砦を離れた方が良さそうだ……その遊奈そっくりな子も一緒にね。








――――――








Side:はやて


終わってみればデュエルはユベルの圧勝やったね。
自身の第二形態を屈指して最強の道を進み言うのも見事なコンボやったわ!――まぁ、そないな事言っても私等も大暴れさせて貰ったわ!!

煉獄龍を呼び出して薙ぎ払う……ストレスが一気に発散されるって言うもんや!!


その活躍も有って、無事に皆の所に戻って来たんやけど…


「其れは良いんだけど、はやてよコイツは何者だ?」


安定の質問攻めやね!

て言うか。コイツとは失礼な!この子はユウナ・シャインストーンて言う、精霊世界で生きてる人間で、あの街の唯一と言っても良い生存者や!!!
見てくれは遊奈そのままやけど、他人の空似って言う事で納得したって?


けど、この子はきっと私等よりもずっと、暗黒界の事を知ってる筈や……せやから、知ってる事、教えて貰ってえぇかなユウナ?


「是非もないよはやて……彼方達のお蔭で、生贄として死を待つだけの存在だった私に、新たな生が見えて来たからね。
 私の知ってる事は多くはないけど、其れが何かの役に立つなら、有り難く提供させて貰うわ。」


――おおきにユウナ……きっと、同じ立場やったら遊奈もそう言ったやろね。


やったら教えてユウナ、奴等は一体何のカードを生み出そうとしてるんや!?


「詳しい事は分からないけど、聞いた話だとこの世界の理すら超越したスーパーカードだって言う事みたいなんだけど、詳細までは分からないよ。
 でも、確か暗黒界の連中は、そのカードの事をこう呼んでいたわ――全てを束ねる最強のカード『超融合』ってね。」


超融合!?……何やねんそのカードは?
其れが魔王に対抗できるカードやと言うのか?……もしそうだとするなら、トンでもない力を秘めたカードなんやろうけど、そのカードは暗黒界の連中が
持つモノやない――そのカードの真の持ち主は十代や!!


理由も理屈も無いけど、絶対にそうやって確信できたからなぁ?



やけど、余計にこの砦を無視する事は出来んようになったわ――超融合のカードは、私等の方に置いておきたいもんやからね!!

先ずはそのカード、貰い受けるで暗黒界!!


そして後悔しろや……自分達が虐げていた存在の仲間にぶちのめされるって言う事をな!!













 To Be Continued… 






*登場カード補足




魔王 ゼラディス
レベル8    闇属性
悪魔族・融合/効果
「ゼラの戦士」+悪魔族モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚出来ない。このカードは1ターンに1度だけカード効果では破壊されない。
相手モンスターを戦闘によって破壊した場合、このカードは続けてもう一度攻撃出来る。
ATK2800    DEF2300



ダークネス・ノーリミッター
速攻魔法
このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する 全ての悪魔族モンスターは、ターン終了時まで攻撃力が倍になる。
このターンのエンドフェイズ時、 この効果を受けたモンスターを全て破壊する。



ゼロ・アサルト
通常罠
自分フィールド上のモンスターが相手によって破壊された場合に発動できる。
デッキから攻撃力0のモンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚する。