Side:はやて


さてと、ユベルが言うには、暗黒界の連中が生み出そうとしてるカードは『超融合』って言う、誰が如何考えても十代が使うべきカード何やけど、其れを
踏まえて、私等は如何したもんやろかね?

欲を言うなら、そのカードをこっちに持って来たい所なんやけど、連中に気付かれずにカードだけを奪取する方法は有るやろか?


「正直な事を言うなら思いつかないわね……其れだけのカードとなれば、相当にガードも堅いでしょうしね?」

「シャマルさんの旅の鏡って手もあるけど、恐らくその手は読まれてるだろうからねぇ?――そうなると、有効手段は思いつかないよ、残念ながらね。」


天上院兄妹は思いつかなかったか~~~……翔君はドナイや?


「僕も思いつかないよ……如何すれば良いのか、如何すれば犠牲を出さないで済むのか……凄く難しいよ此れって。」


そうやろなぁ……私かて、こんな状況には頭を悩ませるからなぁ?
何とかして、超融合のカードを手に入れたいもんやけど、一体ドナイしたもんやろうか……正直言って、妙案が全く浮かばへんで此れ。


「いっその事、正面から突入して良いんじゃないか?」

「十代!?」

で、悩んでたところに十代の爆弾発言!?正面からブチあたるって、何だってそんな事を考えたんや十代!?


「え?だって、どんな策を講じても、正面切って突っ込んでも結果は大差なさそうだし、いざとなったらデュエルで勝てばいんだろ?
 だったら迷う事なんて無いじゃないか!俺達はデュエリストなんだぜ?―――どんな面倒事であっても、デュエルで全てを解決する!そうだろ?」


其れはそうかも知れへんけど……でも、他に策もないし、其れで行ってみよか?
此れで暗黒界に一泡吹かせるのも、其れは其れでおもろいかも知れへんからね♪










遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX159
『暗黒界の砦に乗り込め!!』











でもって、再びやってきました暗黒界の砦!!
取り敢えず中に入らないとやから、此処は私に任せとき!!――せぇのぉ!!


――バキィ!!!


たのもー!!!お前達の探してる人間を連れて来たで!!門を開けて中に入れて貰ってもえぇやろか?


「確認前に門を蹴破るなーーーー!!!」

「修理だって大変なんだぞーーーー!!!」


と、現れたのは2体の『暗黒界の番兵レンジ』か……此れはまた門番としては申し分ない感じやけど、門番さんが来てくれたんなら丁度えぇゎ。

「手荒い真似して悪かったなぁ?
 せやけど、即対応しないそっちにも問題があるんやで?――こうして、アンタ等の探しとる奴を連れて来た訳なんやからね。」

「………」


加えて、ユウナには捕らわれた人を演じて貰う事にした。
意外と演技派だったらしく、捕らわれの身となって何も出来なくなった人を見事なまでに演じてくれ取るわ――ユウナも、中々の女優さんやな。

因みに、私はアインスとユニゾンして髪と目の色を変えている。
流石に髪と目の色が違えば、似ててもさっき脱走した奴と同一人物とは思わんやろうし、仮に魔力反応みたいな物を探られても、ユニゾン状態やった
ら、私とアインスの2つの魔力が混ざり合って、通常状態の私とは全く別物に成るからな。



「其れは素晴らしい。」

「では、生贄をささげる為の場所に案内しよう。」


んで、あっさりと信じて貰って潜入完了や。此れやったら、私の事もばれてないみたいや。
後は超融合を奪取しつつ、デュエルふかっけて来たら其れを制して、この砦をぶっ壊せば、其れで終いやからな。


しっかし、改めて見るとRPGのダンジョンになりそうな砦やね此処は……しかも、濃密な闇の力が蔓延しとるし。
まぁ、暗黒界モンスターが闇属性やから、闇の力が蔓延しとるのは当然かも知れへんけど、此れだけの闇……人が犠牲にならんと発生はせんやろ?
一体、超融合のカードを完成させるために、ドレだけの人の命を奪ったんやコイツ等は……!!

ホンマに目的果たしたら撃滅したるで腐れ外道が!!!



「着いたぞ。」

「此処が儀式の間だ。」



んで、目的地到着か……此処は、処刑場と言うよりも闘技場みたいな感じやな?


「如何にも此処は闘技場だ。
 生贄を1人選び、其れを賭けて私と捕らえた人物がデュエルをする……そして私が勝つ事で、生贄とデュエル相手の魂がカードに注がれるのだ。」

「お前は!!」

「暗黒界の狂王ブロン!……暗黒界デッキのコンボの起点となる効果を持った、下級アタッカーがこの砦の主だったとはな……!」


確かに、ゴルドやシルバみたいな上級モンスターが砦を取り仕切ってる思たから、此れは流石に予想外やな。
けどまぁ『狂王』って事を考えると、ドンだけイカレタ事して来ても、大して驚かんてのが正直な所や――言うなれば、アイツは狂いきってる訳やしね。


「ククク………知略を巡らせれば、レベル4の私でも上に立つ事は出来ると言う事だ。
 まぁ、其れは良い……その娘、確かに先程逃げ出した奴で間違いないようだな?……では、此方に渡せ。次の生贄はその娘だ。」


悪いけど、其れはお断りやな?
ユウナを渡す事は出来へん――その代わりに、アンタ等が作り出そうとしとるカードを貰うで!!シャマル!!


は~~い!……よいしょっと!!


「!!な、超融合のカードが!?」



「旅の鏡で取り寄せたか!見事なモノだな?」

砦の外からじゃ無理でしたけど、砦の中に入ってしまえばその限りじゃありませんから♪

「おぉ、スッゲェなシャマル!!」


思った通り、砦の外からは干渉できなくても、砦の中やったらシャマルの旅の鏡は阻害されずに使えるみたいや。――このカードは貰うで、ブロン。


「ふざけるな!!そのカードを完成させるために、我々がどれだけ苦労していると思っている!
 今だ未完成とは言え、そのカードは渡せん!!今直ぐ返せ!!」

「返せと言われて返すアホが居るかボケ!
 それになぁ、このカードはアンタ等には完成させられへん!――このカードの本来の持ち主が今此処にいるんやからな!!」

このカードの本来の持ち主は十代やろ?
やったら、十代がそのカードを手にすれば、その瞬間に超融合のカードは完成する―――つまりはそう言う事やで?……ドナイな感じや十代?


「おぉ!俺が持った瞬間に、白紙のカードが超融合のカードになった!
 しかもこのカード……確かに俺が使うには、ピッタリかもしれないぜ!!」

「正に、お前の為にある様なカードだな此れは。」



「馬鹿な!!そんな小僧が、超融合の所持者だと!?
 ふ、ふざけるな!認められるかそんな事が!そのカードは、我等暗黒界の魔王に対する切り札だ!今直ぐ此方に渡せ……死にたくなければな!」

「お断りやボケ。このカードが欲しいんなら、やる事は一つしかあらへんやろ?
 あぁ、言っとくけど力で何とかは出来るとは思わん方がえぇで?――そんな事になったら、私の煉獄の兵が蹂躙するからなぁ?

「ならば、貴様等をデュエルで倒し、纏めて葬るだけの事!!この私とデュエルをして貰おうか!!!」


来た来た、寧ろそのデュエルは願ったり叶ったりや!受けたるわ、そのデュエル!!


「おぉっと、此処は俺にやらせてくれよはやて!
 折角『超融合』のカードを手に入れたんだ、その力を使ってみるのも悪くないだろ?」


十代?……言われてみれば、其れもそうやなぁ?
OK、やってまえ十代!!そんで、アイツ等が生み出そうとしてた超融合と、融合マスター遊城十代の力を、嫌という程に見せつけたれや!!


融合マスターの使う『超融合』……アカン、アンタ等は此処でゲームオーバーが確定したで、暗黒界。



因みに、私等を案内してくれた2体のレンジは、実体化したザフィーラが2体ともアイアンクローで掴んで黙らせとるから問題なしやね♪








――――――








Side:十代


お前とのデュエルは俺が相手になるぜブロン!!超融合のカードも使ってみたいしな!!


「小僧………良いだろう。超融合の力を知った上で、貴様を倒してそのカードを得るのも悪くないからな?」

「へへ、簡単に俺に勝てると思うなよ?」

それ以前に、このカードを完成させるためにユウナの街の人達を犠牲にしたお前達の事は絶対に許せねぇ!!
超融合のカードには、その人達の魂が刻み込まれる以上、俺は絶対に負けられないからな……俺のHEROがお前達を断罪してやるぜ!!!


「「デュエル!!!」」


十代:LP4000
ブロン:LP4000




先攻は貰うぜ!俺のターン!!『E・HERO バブルマン』を守備表示で召喚!


E・HERO バブルマン:DEF1200


バブルマンの召喚に成功した時、俺のフィールドに他のカードがなければ俺はデッキからカードを2枚ドロー出来る。


よし、良い引きだ!カードを1枚セットしてターンを終了するぜ!


「私のターン!『暗黒界の騎士ズール』を攻撃表示で召喚!!」
暗黒界の騎士ズール:ATK1800


暗黒界の騎士ズール……効果を持たない代わりに、レベル4で攻撃力1800を誇る使い勝手の良い下級アタッカーだったよな?
そいつを出して来たって言う事は、ブロンのデッキは攻撃型って事だろうな?……相手にとって不足は無いぜ!!!


「更に魔法カード『暗黒界の階級序列』を発動!
 自分フィールド上のモンスターをリリースし、リリースしたモンスターよりもレベルが1つ高い『暗黒界』を手札かデッキから特殊召喚する!
 この効果でズールをリリースし、デッキより現れよ『暗黒界の戦神 クリス』!!」

『ムオォォォォォォォ!』
暗黒界の戦神 クリス:ATK2300



此処でいきなりの上級モンスターか!
だけど、此れ位じゃないと面白くないぜ?はやてや万丈目は、1ターンで此れでもかって言う位に上級モンスターを出してくるからな……俺もだけどさ。


「行くぞ!暗黒界の戦神クリスで、バブルマンを攻撃!『ダークデッドエンド』!!!」


――バガァァアァァァン!!!


バブルマン……お前の魂は、新たなHEROに受け継がれるぜ!!リバースカードオープン、トラップカード『ヒーロー・シグナル』
俺のモンスターが破壊された時、デッキからレベル4以下のE・HEROを呼び寄せる!!出番だぜ『E・HERO ブラックミスト』!!


E・HERO ブラックミスト:DEF900


「転んでも只では起きぬか…カードを1枚セットしてターンエンドだ!!!」

「俺のターン!!」

俺は手札から魔法カード『エレメント・ドロー』を発動!手札の『ウェイブマン』を墓地に捨て、デッキからカードを2枚ドローする。
更に、ウェイブマンの効果でデッキから『融合』を手札に加えるぜ!!


「手札を増やしつつ、融合のカードを!?」

「此処からは、俺のステージだぜブロン!!マジックカード『融合』!!フィールドのブラックミストと、手札のスパークマンを融合!!
 光を纏いしHEROが、今此処に降臨する!!融合召喚、来い『E・HERO The シャイニング』!!」

『てやぁぁぁぁぁ!!』
E・HERO The シャイニング:ATK2600



「攻撃力2600!!」


マダマダぁ!!ブラックミストの効果で、1枚ドロー!そしてマジックカード『ダーク・コーリング』!!
俺の手札、または墓地から融合素材となるモンスターをゲームから除外し、ダーク・フュージョンで呼び出されるモンスターを融合召喚するぜ!

俺は、墓地のブラックミストとウェイブマンをゲームから除外して暗黒融合!
正義の為に闇に堕ちた英雄よ、今こそ暗黒の正義を振りかざせ!!暗黒融合召喚!出番だぜ、『E-HERO ジェノサイド・ブレイカー』!!!


『ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
E-HERO ジェノサイド・ブレイカー:ATK2700


更に、除外されたE・HEROが増えた事で、シャイニングの攻撃力も600ポイントアップするぜ!!!


E・HERO The シャイニング:ATK2600→3200


そして、ジェノサイド・ブレイカーは、俺のフィールド上のこのカード以外の『HERO』1体に付き、攻撃力を400ポイントアップする!!


E-HERO ジェノサイド・ブレイカー:ATK2700→3100


「ば、馬鹿な!たった1ターンで、攻撃力3000を超える融合モンスターが2体だと!?………貴様、一体何者だ!!!」

「遊城十代――只のデュエル大好きなアカデミアの生徒さ。」

同時に、デュエルで悪事を働く奴を見過ごせないデュエリストだ!!


完成する事のない超融合を完成させるために、お前達のした事は絶対に許さねぇ!!
光と闇、聖と邪……それらを超越した俺のHEROが、お前達を撃滅するぜ!!――精々お祈りの言葉でも考えとくと良いぜ、暗黒界の狂王ブロン!!















 To Be Continued… 






*登場カード補足




暗黒界の戦神 クリス
レベル5    闇属性
悪魔族・効果
このカードがカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、 このカードを墓地から特殊召喚する。
相手のカードの効果によって捨てられた場合、デッキからカードを2枚ドローする。
ATK2300    DEF1400



暗黒界の階級序列
通常魔法
自分フィールド上のモンスター1体をリリースして発動する。
リリースしたモンスターよりもレベルが1つ高い「暗黒界」モンスターを手札かデッキから特殊召喚する。