Side:はやて


思いがけず、暗黒界の斥候スカーと準とのデュエルになった訳何やけど、こんな言い方はアレやが、マッタク持って準の負けが想像できへんね?
てか、バードマンの言う事が正しいとすれば、何だってあんなに偉そうにしとるんやろか?確かスカーって、レベル2の低級モンスターやなかった?


「その通りだねぇ?
 此れはほら、あれじゃないかな?この街の住人はデュエルモンスターズの精霊じゃなくて、其れだけに精霊のレベル序列は関係ないとかで。
 其れなら、レベル2のスカーでも横暴な振る舞いをする事は出来るだろう?」

「其れは確かにそうかも知れへんけど……せやったら、アイツはトンでもない小者やな。
 自分達のルールが及ばない範囲で好き勝手やるのは仕方ないかも知れへんけど、其れの外だからって威張り散らして暴れるとはなぁ?
 ……マッタク持って、胸糞の悪くなる話やで――此れはもう、準にアイツを完全撃滅して貰うしか無さそうや……アイツに、情け容赦は不要やで!」

「だよな……こんなの許せないぜ!!やっちまえ、万丈目!!!」


「言われるまでも無い……この程度の雑魚、俺のドラゴンでねじ伏せてくれる!!」


――轟!!


おぉう!準から純白と闇色のデュエリストオーラが発現したぁ!!此れは、絶対に負ける事はあらへんね!
偉ぶって、横暴な振る舞いしとる弩アホに一発かましたって準!!暗黒界の斥候スカー……コイツは、ブッ飛ばされるべき相手やからなぁ!!!

最強のドラゴンマスターの力を見せつけたれえぇぇぇぇ!!!










遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX156
『暗黒界を突き進め!進め!!』











万丈目:LP4000
バーニング・ドラゴン:ATK2500


スカー:LP4000





Side:万丈目


クロス・ソウルの影響で攻撃こそ出来ないが、先ずは先手を取る形になったな……燃え盛る龍を相手に、貴様はどんな手を見せるスカー?
言っておくが、生半可な戦術では俺は倒せん――下らん小細工など、俺の僕であるドラゴン達が、その牙と咢で跡形もなく噛み砕いてくれるぞ!!


「人間風情が……だが、そうでなくては面白くない……私のターン!!『マッド・デーモン』を召喚!!!」
マッド・デーモン:ATK1800


貫通効果を持った下級の悪魔族モンスターか……バーニング・ドラゴンには勝てないステータスだが、一体何を考えているのか……


「そして、フィールドのマッド・デーモンと、手札のランサー・デーモンをゲームから除外し、『アルティメット・デーモン』を攻撃表示で特殊召喚!!」
アルティメット・デーモン:ATK3000


此れは……特殊召喚モンスターか。
僅か1ターンで、バーニング・ドラゴンを上回るステータスのモンスターを呼び出してくるとは、中々やるようだな?


……尤もこの程度の事は、はやてや十代ならば――いや、其処で観戦してる連中ならば誰でも出来る事だけに、然して驚く事でも無いが、まさか高
攻撃力モンスターを呼び出して、バーニング・ドラゴンを撃破して終わりなどと言う事をする訳じゃないだろうな?


「当然だ!手札より装備魔法『魔界のタルワール』をアルティメット・デーモンに装備!
 このカードは闇属性の悪魔族モンスターにのみ装備可能な闇の剣だ。
 そして、このカードを装備したモンスターの攻撃力は装備モンスターのレベル×200ポイントアップする!
 アルティメット・デーモンのレベルは10!よって、攻撃力は2000ポイントアップして5000ポイントとなる!!」
アルティメット・デーモン:ATK3000→5000(魔界のタルワール装備)


攻撃力5000か……普通ならば驚く所なのだろうが、日常的に十代やはやてと言ったトップクラスの奴とデュエルをしているせいで、この程度の事で
は、驚かなくなって居るな俺も――まぁ、1ターンで此れだけのモンスターを呼び出したのは見事だがな。


「アルティメット・デーモンは魔法及び罠の効果では破壊も除外もされない……故に伏せカードは恐れるに足りん!
 死の恐怖に怯えろ、人間風情が!アルティメット・デーモンで、バーニング・ドラゴンに攻撃!!『アーギュメント・エピデミック』!!」


――ズバァァァァァァァァァァァァァァ!!!


万丈目:LP4000→1500


スマン、バーニング・ドラゴン……だが、お前の魂が俺に勝利を齎してくれる!
リバースカードオープン、トラップカード『ダメージ・コンデンサー』

手札を1枚墓地に捨て、受けた戦闘ダメージ以下の攻撃力を持つモンスターをデッキから特殊召喚する!
俺が受けたダメージは2500……上級モンスターを呼び出す事も可能だが、俺が此処で呼び出すのは、レベル4の『ウィッシュ・ドラゴン』だ!!


ウィッシュ・ドラゴン:ATK700


そして、ダメージ・コンデンサーのコストとして捨てた『混沌の爪牙』の効果により、デッキから『光と闇の竜』を手札に加えるぜ!


「大ダメージを受けながらも、次に繋ぐか……だが、この圧倒的な攻撃力は超えられまい!ターンエンドだ!」


果たしてどうだろうな?俺のターン!

「ウィッシュ・ドラゴンの効果発動!このカードをリリースする事で、俺のフィールド上に攻守100の『ドラゴン・トークン』を2体特殊召喚する!!」
ウィッシュ・ドラゴン:DEF100
       

ドラゴン・トークン:DEF100(×2)



そして、この2体のトークンをリリース!光と闇の狭間より現れろ、『光と闇の竜』!!


『グオォォォォォオォォォォォォォ……』
光と闇の竜:ATK2800


「ららら、ライトアンドダークネス・ドラゴン!?
 光と闇の双極の力を宿し、青眼の白龍や真紅眼の黒竜と肩を並べる力を持ったドラゴンを従えているのか貴様は!?……あ、あり得ん……!!」

「貴様が如何思おうが、此れが現実だ。そして、このデュエルは此れがラストターンとなると知れ!
 俺は、手札から装備魔法『双極の鎧』を発動し、光と闇の竜に装備する。」

「馬鹿め、光と闇の竜は自身の攻守500ポイントと引き換えに、あらゆる効果を無効にするのを忘れたか?
 貴様のそのカードは、イタズラに攻撃力を下げるだけの代物でしかない!!」


そう思うか?だが、生憎とこの装備魔法は『光と闇の竜の効果によっては無効にならない』特殊な装備カードでな、効果による強化が略不可能な光
と闇の竜専用の装備魔法カードなのだ。

このカードを装備したモンスターの攻撃力は700ポイントアップする。


光と闇の竜:ATK2800→3500


「そんな馬鹿な!?」

「未だだ!
 俺は双極の鎧を装備した光と闇の竜を墓地に送り、エクストラデッキから光と闇の鎧龍(ライトアンドダークネス・アーマード・ドラゴン)を特殊召喚!」

『グガァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!』
光と闇の鎧龍:ATK3500



更に、魔法カード『龍の鏡』
墓地の光と闇の竜とバーニング・ドラゴンを除外して融合!!来い『カオスブレイザー・ドラゴン』!!


『バオォォォォォオォォォォォォォォォォォォォォォ!!』
カオスブレイザー・ドラゴン:ATK2900



カオスブレイザー・ドラゴンの効果で、俺のフィールド上のドラゴンの攻撃力は500ポイントアップする!


光と闇の鎧龍:ATK3500→4000
カオスブレイザー・ドラゴン:ATK2900→3400



「1ターンで此処まで……だが、其れでも私のモンスターは超えられまい!
 お前の手札は0、これ以上は如何する事も出来まい!!大人しくターンを終了――「すると思うのか?」――なに!?」


光と闇の鎧龍の効果発動!
1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する、ドラゴン族以外のモンスターを全て破壊する!!

ドラゴン以外のモンスターを抹殺する効果は、俺は影響を受けんが、悪魔族でデッキを構築している貴様には堪えただろう?
如何に攻撃力5000を誇ろうとも、そんなモノは簡単に覆す事が出来るのだ――攻撃力で上回ったからと言って慢心しない事だな!!

焼き尽くせ光と闇の鎧龍!!『カオス・エクスプローシブ』!!


――ゴォォォォォォォォォォォォォォォォオォォォオォ!!


「そんな……究極の悪魔がたった一撃で……こんな、こんな事が起こり得るのかぁぁぁあっぁあ!!」


デュエルとは何が起こるか分からないからこそ楽しい物だろう?
攻撃力5000を従えて勝った気になった貴様では、俺を倒す事など出来ん……まぁ、そこそこのデュエルではあったがな。


だが其れも、コイツでフィニッシュだ!
光と闇の鎧龍で、プレイヤーにダイレクトアタック!!消え失せろ……『終焉のカオス・ドライバー』!!!!!


『グオォォォォォォォォ……!』


――キュオォォォォォォォォォォォォ………バガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッァン!!!!


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!」
スカー:LP4000→0


フン……粋がった割には、俺の2ターン目で決着か……準備運動にもならなかったなこのデュエルは。
この世界の掟として、デュエルに敗北した者は消える法らしいが、弱者を虐げていた貴様にはお似合いの終焉だ――大人しく消え去るが良い!!



「そんな馬鹿な……私は暗黒界の斥候だ……其れがこんなに簡単に……ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


――シュゥゥゥン


消えたか……言うなれば、此れは俺が手を下してスカーの命を奪ったと言う事になるのだろうが、やらねば俺がこうなって居た……許せよ。


こんなに危険な世界で、遊奈は無事で居るのだろうか?

アイツならば大概の事をノリと勢いで何とかしてまうのだろうが、流石に少しだけ不安になってしまうな……








――――――








Side:はやて


終わってみれば、準の完全勝利やね。
スカーも悪くは無かったけど、攻撃力5000を従えた時点で満足してる程度やったら、私等の相手やあらへん――寧ろ準と闘えた事に感謝せいや!



じゃなくて、今は遊奈の捜索が急務や。
なぁ……えっと、スカーに襲われてた君は……誰やったっけ?


「初めましてって言うべきだね、助けてくれてありがとう――僕の名はフィヨルド……フィヨルド・スプリットだ。」


人として当然の事をしただけやで?あのまま見て見ぬふりしてたら、何とも夢見が悪なってたやろからね。
あ、私は八神はやてや、宜しくな♪


んでや、ちょ~~~~っと、聞きたいんやけど、この子見た事有る?
明石遊奈って言って、私等の仲間なんやけど、この世界を彷徨ってるみたいで――些細な事でも良いから知ってる事を教えてくれへんかなぁ?


「明石遊奈?――此れは…コイツは!!」


何や?何か分かる事が有ったんか!?


「確証はないけど、僕はこの人に良く似た人が連れて行かれるのを3日前に見たんだ……その時は気にも留めて居なかったけど、改めて写真を見る
 と瓜二つだよ……他人の空似の可能性も無くはないけど、其れで済ませられないよ此れは!
 何かの役に立つかもしれないかと思って写真を撮っといたんだけど、そっくりだろ?君の言う子と、連れ去られたこの子は……」


そっくりどころか、写真を見る限りでは間違いなく遊奈や!
角度的に右額の傷痕が見えへんけど、赤の他人にしては似過ぎとる!

勿論偽物の可能性もあるけど、今はドナイな情報だって欲しい感じやから――先ずは、此の彼女とコンタクトを取ってみた方がえぇかも知れへんな。




果たして本人なのか、只の他人の空似なのかを判別せなアカンからね――!












 To Be Continued… 






*登場カード補足




アルティメット・デーモン
レベル10    闇属性
悪魔族・効果
このカードは通常召喚出来ない。
自分フィールド上に表側表示で存在する悪魔族モンスター1体と、手札の悪魔族モンスターをゲームから除外した場合にのみ特殊召喚できる。
このカードは魔法及び罠の効果によっては破壊も除外もされない。
ATK3000    DEF3000



双極の鎧
装備魔法
このカードの発動と効果は「光と闇の竜」に効果によっては無効にならない。
このカードは「光と闇の竜」にのみ装備できる。装備モンスターの攻撃力は700ポイントアップする。



魔界のタルワール
装備魔法
自分フィールド上に存在する闇属性の悪魔族モンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は、装備モンスターのレベル×200ポイントアップする。