Side:遊奈
行き成りだけども、諸君は『九牛の一毛』って言う言葉を知ってるかしら?
九頭の牛の中から、たった一本の髪の毛を見つけ出すのは容易じゃない――転じて、探し出すのが困難な事を言うんだけど、此れは正にそんな感じ!
こんだけ広大な砂漠から、2枚のカードを見つけ出せってどんな無理ゲ~!?
ぶっちゃけて言うなら、最大難易度の『ウォー○ーを探せ』の方が、難易度低いわよ!!今回の難易度は、ゲーマーがコントローラー捨てるレベルよ!!
『気持ちは分かるが、落ち着けやゆーな。
私も本屋ちゃんも、出来る限りの能力駆使して、ヨハンのオーロライト最強のカードと、アンタの最後の神を探してるんだからさ?』
其れは分かってるよ朝倉?
だけど、アンタ達が此れだけ探しても見つからないってのが気になるのよ?最悪の場合、精霊世界の全く別な場所に飛ばされてる可能性もあるでしょ?
「その可能性は否定できないが、ツバインシュタイン博士が、座標計算も無しに事を進めるとは思えん。
流石に現実世界と精霊世界では時間的な差異もあるだろうから、其れを計算した上でカードを転送したならばこの砂漠の何処かにカードがある筈だ。」
流石は傭兵オブライエン!
アタシ達の護衛についてもらったけど、此れは何とも頼りになるわ~~~?雑魚敵を速攻で撃滅してくれるからね。
だけど、其れでも今の状況は一刻一秒を争う事態だから、私とヨハンのカードを回収しておきたいって言うのは、本心かな?……誰にも渡さないよ!!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX148
『そして、物語の時が動き出す』
んで、砂漠を歩く事さらに10分――な~んか、太陽光を反射する物が見えるぞ?アレは一体……
小型のロケットみたいだけど、対人と言うよりも、何かを転送する為に作られた小型の金属片――うん、外壁はメッチャ堅く出来てるわ此れ!!
剥がそうとしても、剥がしきれない………堅すぎっしょこれは!!
ヨハン、オブライエン、アンタ等も力かせ!!
「了解だ。」
「此れをこじ開ければ良いんだな?……此れ位楽勝だぜ!!」
――ミシィィィ!!!
「「「グニニニ……ムオォォォォォォォォォォ!!」」」
嘘でしょ、3人がかりで開けに掛かってるのに、全く反応しないだなんて………オブライエン、被害を最小限にとどめた上で、アレを爆破してくれない?
荒っぽい事は自覚してるけど、この箱は開きそうにないからね~~~~!!押してもダメならブチかませって奴よ!!
「暗号系のロックが掛けられてるようでもないし、如何やら墜落か何かの影響で酷く歪んでしまったらしいな?
此れはこじ開けるよりも、確かに外装を吹き飛ばした方が早いかもしれん……2人とも、少し離れていてくれ。爆発物は矢張り危険だからな。」
「「了解!!」」
で、オブライエンは外壁に白い何かをペタペタと……アレって映画とかで見た事が有るけど、確か『プラスチック爆弾』とか言う奴じゃなかったけ?
うん、自分で頼んでおいていうのも何だけど、あんなものをアッサリと作るって流石は傭兵と言うか何と言うか……取り敢えず、準備OKっすか~~?
「あぁ、此れで大丈夫だ……ファイア!」
――ドンッ!!
っと、此れは結構響くね!?間近で花火を見た気分だっぜ!
けど、流石に今の衝撃なら外装もぶっ壊れたと思うんだけど、如何かな?………Oh Yes!見事なまでに粉々になったね此れ~~~!
その割に、中身は無事っぽいし、見事は威力調整ですこと!!現実世界に戻ったら、遊奈ちゃん特製のテリヤキバーガーを御馳走しましょう!!
「ポテトとコーラも付けてくれ。……で、中身もまたカプセルか?
此方は歪んだりはしていないようだが、其れでも可成り頑丈な素材で出来ているな?」
「だよなぁ?此れじゃあカプセルと言うよりも、砲丸だぜ?」
「でも、ロックが有るから砲丸じゃないし、ロックを外せば、ほらパカッとな!」
簡単に開いちゃうわけよ。んで、カプセルの中身は――よっしゃ、ビンゴだ!大当たりだ!!ジャックポッドだ!!
カプセルの中身は2枚のカード!!
「此れは……『オーロライト・ギャラクシー・ドラゴン』!!ついに手に入れたぜ!!」
1枚はヨハンのカード。オーロライト最強のドラゴンのカード!
そして、もう一枚は……
「『破潰神 オベリスク』……3体目の神!!」
これで、シンクロモンスターとして生まれ変わった三幻神全てが私の元に揃った!!
現実世界に戻る為の力は手に入れた訳だから、後は確実にちょっかい出してくるであろう始まりの魔法使いをぶっ倒せば、其れで終いって事よね!!
なら、急いでアカデミアの校舎に戻るわよ?
向こうも向こうで、多分平穏無事で居るとは思わないからね?特に、幻魔のカードの方に向かった十代と準はね。
あの2人のタッグだったら、始まりの魔法使いの手駒如きは文字通り『瞬殺』するだろうけど、始まりの魔法使いは実力未知数だから何とも言えねーわ。
悠長に歩いて帰る訳にも行かないし……此処は出番だ!!頼むよ『天星龍 スターダスト』!!!
『キョアァァァァァァァァァァ!!』
天星龍 スターダスト:ATK2500
ヨハンとオブライエンも乗って!スターダストの飛行速度なら、アカデミア校舎まで速攻で戻る事が出来るからね!!
「分かった。」
「へへ、頼むぜスターダスト♪」
よし、其れじゃあ発進!!
待ってなさいよ始まりの魔法使い……ネギ君に変わり、今度は私等がブッ飛ばしてやっからそっ首洗って待っていやがれ!!叩きのめしてやるっぜ!!
――――――
Side:十代
大分奥まで進んだよな?そろそろ幻魔のカードが安置されてる場所に着いても良い頃だけど……なんか、今度は上に向かって進んでないか?
其れとも、幻魔のカードが安置されてる場所ってのは一度降りてまた昇るって言う、面倒な場所に有るって言うのかよ?其れは冗談キツイぜ流石に?
「いんや、この道は始まりの魔法使いが作りなおしたんやろな。
本来のアカデミア島やったら、こんな地下道を作る事は不可能やで?こんだけくり抜いたら、その瞬間に島ごと壊れてまうわ。」
「だよなぁ?……って、はやて!?」
「何時の間に現れたんだお前は!?」
「シャマルの『旅の鏡』で転送して貰いました~~~!!
いや~~~~、ホンマに便利やわぁ旅の鏡って!!遠く離れた物を取り寄せできるし、空間移動も出来るし、旅の鏡万能説は真理やで、真理!!!」
確かにスッゲェ♪
でも、態々どうしたんだはやて?発電所の方に行ってたんだよな?
「向こうでの目的は果たしたからなぁ?今は遊奈とヨハンが、現実世界から転送されたであろうカードを回収に向かっとるよ。
んで、地上の守りは雪乃ちゃん達に任せとけば、取り敢えずは鉄板やから、追加戦力としてこっちにな?……若しかしてお邪魔やったかな?」
「そんな筈がないだろう?
お前ほどの実力者が援軍だと言うなら、これ以上に頼もしい者もない……其れに如何やら、この上り坂を上った先にはボスキャラが居るようだからな。」
確かに、はやてが援軍てのは頼もしいよな!
万丈目の言うように、この上り坂の先にはボスが――始まりの魔法使いが居るだろうし………ってか確実にいるよな此れは?
上り坂を上った先に現れたのは仰々しい鉄扉!
其れこそ、漫画やアニメやゲームで良く見る、ボスの待ち受ける部屋の扉その物としか言いようのない、恐ろしく大きな扉が現れてくれたんだからさ……
「この扉……始まりの魔法使いは重度の厨二病か?」
「自らを『始まりの魔法使い』等と称してる時点で、治療不可能な厨二病で間違いないと思うがな……」
まぁ、取り敢えず開けるぜ?……見た目に反して軽いな?
って、此れ金属調に塗装した合成樹脂の扉かよ!!道理で軽い訳だ……って言うか、意外とやる事が貧乏くさいな始まりの魔法使いって……
「………来たか……」
だけど、俺達の前に現れたコイツは只者じゃないのは分かる。
漆黒のローブを身に纏って、玉座的な何かに座って俺達に向かって射るような視線を向けて来る始まりの魔法使い……コイツがラスボスか!!
「よくぞ辿り着いた!……と、言いたい所だが、少しばかり遅かったな?
これ、この通り、三幻魔のカードは今や私の手中に有る……此れが如何言う意味かは分かるな?そう、私は最強の力を手に入れたのだ!」
コイツ、既に三幻魔を!!
ふざけんな!お前なんかに三幻魔のカードは渡さない!!返して貰うぜ、三幻魔のカードを!!
「断る!!……と言われたら、さて如何する?」
「だったらデュエルでお前を倒して、三幻魔のカードを取り戻すだけだぜ!!」
「成程なぁ?……だが、果たして私とデュエルが出来るかな?
私とデュエルをしたいと言うならば、先ずはコイツ等を全て倒して貰おうか?此れを倒さねば、私とデュエルすることなど出来んぞ?永遠になぁ!!」
――ドギャァァァァァァァァァァァァン!!!
「「「!!?」」」
此れは……デュエルゾンビ!!
何て数だ……軽く見積もって100人は居るかも知れないけど、コイツ等を全部相手にしてたら日が暮れちまう!!……何とかして退けないと……
「トンでもない数やけど、一々全部相手する必要はないやろ?てか、来る端からブッ飛ばして正気に戻す方が早いからなぁ?
そんな訳で出番やで、なのはちゃん!!必殺の一撃で、デュエルゾンビをブッ飛ばしたれぇぇ!!!」
『全力全壊!ディバイィィィィィィィン……バスタァァァァァァァァァァァ!!』
インフェルニティ・ウィッチ なのは:ATK2500
「貴様等如きが、俺達の足止めを出来ると思うなよ?露払いは2人も要れば十分なのだからな!!
頼むぞ『光と闇の竜』!!眩き閃光と、漆黒の裁きでデュエルゾンビを迎え撃て!!『ダーク・バプティズム』!!!」
『グオォォォォォォォォォォォォ……!!』
光と闇の竜:ATK2800
え?はやて?万丈目?
「デュエルゾンビは私と準で引き受ける!!
確かにトンでもない数みたいやけど、この程度の相手やったら如何に出も出来る……せやから、十代は始まりの魔法使いを頼むで?」
「俺とはやてが露払い役を買って出てやったんだ、負ける事は許さんからな十代!
いや、それ以前に俺達のライバルならば、俺達以外には負けてくれるなよ?……貴様の最強のデュエルで、奴を冥界に送ってやれ!!」
はやて、万丈目!!……よっしゃ、分かったぜ!!始まりの魔法使いは俺がぶっ倒してやる!!
オイ、デュエルだ始まりの魔法使い!!
お前の手下は、はやてと万丈目が抑えてくれてるからな……俺は、お前と戦う事が出来る!!まさか、この期に及んで逃げたりはしないよなぁ?
「……良いだろう。貴様とのデュエルも、明石遊奈とのデュエルの前の良い肩慣らしになりそうだ。
だが、私のデュエルは優しくないぞ?神の力を手に入れる前哨戦とはいえ、簡単にやられてくれるなよ遊城十代?」
なら、肩慣らしで終わらせてやるぜ!!
何よりも、アカデミアの生徒を……デュエリストを自分の手駒にしやがった事は許せねぇ!!覚悟は出来てるな始まりの魔法使い!叩きのめしてやる!
「「デュエル!!」」
十代:LP4000
始まりの魔法使い:LP4000
「先攻は貰おう……私のターン!手札から魔法カード『策士の姦計』を発動。
このターン、このカード以外のカード効果の発動を放棄する代わりに、デッキから罠カードを3枚選択して自分フィールド上にセットする。
このセットカードは、次の相手ターンが終了するまで発動する事は出来ないが……其れで良い。」
3枚の罠カードをセットしながらも、発動その物を封じておいて、其れで良いってのは如何言う事だ?
……いや、そうだ!此れで良いんだ!!3枚の罠カード……そう言う事か!!
「私はセットされた罠カード3枚を墓地に送り……出でよ『神炎皇ウリア』!!」
『ガァァァァァァァァァァ!!!』
神炎皇ウリア:ATK0
来たか、幻魔!!
「神炎皇ウリアの攻撃力は、私の墓地の罠カード1枚に付き1000ポイントアップする!
私の墓地の罠カードは3枚!よって、攻撃力は3000ポイント!!」
『グガァァァァァァ!!』
神炎皇ウリア:ATK0→3000
「カードを1枚セットして、ターンを終了する!!」
「俺のターン!!」
まさか、1ターン目から幻魔を呼び出してくるとは思わなかったぜ。
しかも攻撃力は3000と来た……可成りきついスタートだけど、此れ位は超えなくちゃヒーローと言えないぜ!!ドロー!!
……え?何だこのカード?
俺はこんなカードをデッキに入れた覚えはないのに、なんで俺のデッキに……?
『僕が組み込んでおいたのさ。』
ユベル!!何でこんなカードを!!
『ヒーローは一つじゃないからね。
光の表舞台で活躍するE・HEROとM・HERO、法では裁けない外道を滅する為に、敢えて闇の力を手にしたD-HERO。
そして、正義の為に悪魔のに魂を売り渡し、闇の力をその身に宿しても尚正義を貫かんとする、狂気の正義……其れの為のカードさ。
勿論、制御出来なかったらトンでもない事になりかねないけど、君ならこのカードを使いこなせる。僕はそう信じている。』
其処まで言われたんじゃ、其れに応えるしかないじゃないか!!
行くぜ始まりの魔法使い!!
「俺は手札から魔法カード『ダーク・フュージョン』を発動!!
手札の『E・HERO バーストレディ』と『E・HERO レディ・オブ・ファイア』を暗黒融合!!」
お前達が闇の力を手にすると言うなら、俺もまたその闇を使いこなして見せる!!
だから、俺に力を貸してくれ!!正義の為に闇に堕ちた、ヒーロー達よ!!お前達だって、俺の掛替えのない仲間なんだ!!
「二つの焔に闇の力が混ざる時、ヒーローは新たなステージに駆け上がる!!暗黒融合!来い『E-HERO インフェルノ・ワルキューレ』!!」
『ギシャァァァァァァァァァァァアァ!!!』
EーHERO インフェルノ・ワルキューレ:ATK2000
闇の力を手にしたヒーローの力、存分に味わってもらうぜ始まりの魔法使い!!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
策士の姦計
通常魔法
このカードを発動するターン、自分はこのカード以外のカード効果を発動出来ない。
デッキから罠カードを3枚まで選択し、自分の魔法・罠ゾーンにセットする。
この効果でセットしたカードは、次の相手ターンのエンドフェイズ終了まで発動する事は出来ない。
|