Side:遊奈
終わってみれば、マッタク持って危なげなく店長達の完全勝利ってか?まぁ、洗脳された手先如きは相手にならねーと思ってたけどね。
何にしても大勝利な訳だけど、はやては何だってそんな難しい顔してる訳?なんか引っ掛かる事でもあった?
「まぁな……相手の実力が低いのもそうなんやけど、今のデュエルは賭けの対象が良く分からないんや。
莫大なエネルギーがあるかも知れんとは言え、始まりの魔法使いが発電施設を欲する理由が今一不明確なんや……何で其処を欲するんや?
其れに、こっちが勝った時のボーナスもゾンビの解放だけで、現実世界に戻れるとかそう言うもんやない……目的は時間稼ぎやったのかも。」
「「「時間稼ぎ!?」」」
いや、コイツ等の実力なら時間稼ぎの当て馬ってのは納得かも知れねーけど、何のための時間稼ぎよ!?
デッキを組み直すとかには時間が明らかに足りねーし、時間稼ぎの足止めをする理由が見つからねーってのがぶっちゃけた意見なんだけど………
「足止めの理由は、容易に想像が付くで遊奈?
始まりの魔法使いは、幻魔を手に入れる為の時間が欲しかった――そして、襲撃で自分への目を逸らそうとしたんや!!
……クソッタレ、完全に出し抜かれたわ……もっと早く気付く事が出来てれば……兎に角、奴さんは幻魔が封印される場所に向かってる筈や!」
目的は幻魔!――そのための陽動デュエルって事かよ……ふざけた事しやがって!!
だけど如何するの?今から全力で行けば、或は間に合うかもしれないけど……
「始まりの魔法使いは俺と十代で追う、はやてと遊奈は発電施設の方に向かってくれ!」
「デュエルを悪用するなんて許せねぇ……幻魔のカードは渡さないぜ!!!」
準、十代……OK、そっちは任せるわ!!
それじゃあ、私達は発電施設の方に行くとすっかねはやて?始まりの魔法使いが、此処を賭けの対象にした理由ってのも知っとくべきだろうからね。
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX145
『The expectation which intersects』
Side:十代
三幻魔があるのはこの先……みたいだけど、随分と長い地下への階段だな?下手したら100mくらい潜るんじゃないか此れ?
一応照明はあるみたいだけど、薄暗くて良く分からないな此処は……何か見えるか万丈目?
「マッタク持って何もないと言うところだな。
壁面に何か描かれていると言う訳でもないし、本当に只只管に石と土の壁が続いているようにしか見えん……尤も、門番は居るようだがな?」
「みたいだな。」
俺と万丈目の前に現れたのは、確かブルー生徒の『モンスター後塚』と『コング清原』だったっけ?……コイツ等もデュエルゾンビになってるのか。
話が通じる相手じゃないけど、如何する万丈目?
「分かり切った事を聞くな十代!
話が通じず、しかし俺達の前に立ち塞がると言うのならばデュエルで倒して先に進む、其れだけの事だろう!!タッグデュエルで終わらせるぞ!」
「だよな?……俺と万丈目のタッグなら負けはないぜ!!」
コイツ等も、デュエルで倒さないと道は開けてくれないだろうからな――文字通り、デュエルで道を切り開いてやるぜ!!
準備は良いか後塚、清原!!此処は押し通らせて貰うぜ!!
「「「「デュエル!!!」」」」
十代&万丈目:LP4000
後塚&清原:LP4000
「先攻……貰う……俺のターン…!『闇魔界の戦士ダークソード』召喚……」
闇魔界の戦士ダークソード:ATK1800
「カードを1枚セットしてターンエンド。」
先攻はとられちまったか……さてと、それじゃあ俺から行かせて貰って良いか万丈目?
「構わん……だが、生半可な戦術を見せたら承知せんぞ十代?……奴等を黙らせるほどの一撃をお見舞いしてやれ!!」
「言われなくてもその心算だぜ!!俺のターン!!……『E・HERO エアーマン』を攻撃表示で召喚!!」
E・HERO エアーマン:ATK1800
そして、エアーマンの効果でデッキから『E・HERO マスクチェイサー』を手札に加える!
でもって、手札からマスクチェイサーの効果発動!!手札のこのカードを墓地に送る事で、デッキか墓地から『マスク・チェンジ』1枚を手札に加えられる!
コイツでデッキから『マスク・チェンジ』を手札に加えるぜ!
「相変わらずの見事な展開だな十代?……サーチしたマスク・チェンジの力を見せてやれ!!」
「応!!俺は手札から、魔法カード『マスク・チェンジ』を発動!此れで、エアーマンは新たな風のヒーローに変身する!
風の仮面を纏って、その新たな力を此処に示せ!!変身召喚、『M・HERO カミカゼ』!!」
『デァァァァ!!』
M・HERO カミカゼ:ATK2700
此れだけじゃないぜ!更に手札からマジックカード『ビヨンド・ザ・マスクチェンジ』を発動!
俺のフィールドか墓地からモンスター1体を除外し、エクストラデッキから除外したモンスターと同じ属性の『M・HERO』を変身召喚する!
「俺は墓地の『E・HERO マスクチェイサー』をゲームから除外し、『M・HERO ダーク・ライザー』を変身召喚するぜ!!」
『ムゥゥゥン!』
M・HERO ダーク・ライザー:ATK2500
「1ターンで2体のM・HEROとは……貴様のヒーローの速攻性は恐ろしい物があるな十代?
だが、おかげでボードアドバンテージは完全に俺達にある、このまま一気に押しきるぞ!!」
あぁ、全力で行くぜ!!
行くぜお前等!!M・HERO カミカゼで、闇魔界の戦士ダークソードに攻撃!!『カミカゼスラッシャー』!!
――ズバァァァァァァァ!!
「「ごわぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
後塚&清原:LP4000→3100
「だが………この瞬間にトラップ発動、カウンタートラップ『闇魔界のスクランブル』
俺のモンスター……が、戦闘で破壊された時……デッキか手札から……闇属性の通常モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚できる。
これで……呼び出すのは……『トライホーン・ドラゴン』……」
トライホーン・ドラゴン:ATK2850
攻撃力2850………だけど、その程度じゃ俺のヒーロー達は止まらないぜ?
先ずはカミカゼの効果でデッキからカードを1枚ドローする。そして、手札から速攻魔法『摩天楼の夜景』を発動!
此れにより、このターンのみ俺のヒーローが、自身よりも攻撃力の高いモンスターに攻撃する場合、攻撃力が1000ポイントアップする!
追撃だ!M・HERO ダーク・ライザーで、トライホーン・ドラゴンに攻撃!!『ブラック・パルサー』!!
M・HERO ダーク・ライザー:ATK2500→3500
――ビバガァァァァアァァァッァッァ!!
「「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
後塚&清原:LP3100→2450
ダーク・ライザーの効果で、俺はデッキからカードを1枚ドロー!…カードを2枚セットしてターン終了だ!
M・HERO ダーク・ライザー:ATK3500→2500
「俺の……ターン。儀式魔法『ゼラの儀式』……手札のデーモン・ソルジャー2体をリリース……現れろ『ゼラ』。」
ゼラ:ATK2800
「ゼラで、ダーク・ライザーに攻撃……!!」
――ズバァァァァァァア!!
十代&万丈目:LP4000→3700
流石に一筋縄でいくって訳でもないだろうけど、この程度のダメージなんて蚊に刺されたほども感じないぜ!!
俺と万丈目のコンビをこの程度で如何にか出来ると思ってるなら、余りにも舐め過ぎだ!
「そうだな……曲がりなりにもジュニアチャンピオンである俺と、天性のドロー力とデュエルセンスを併せ持つ十代のタッグが簡単に負けて堪るか!!
所詮貴様等の攻撃等、俺達の前には掠り傷にもならんと教えてくれる……覚悟は良いな!!」
「未だ吼えるか……ターンエンド。」
「俺のターン!!……十代の伏せたカードは……成程な、このデュエルは如何やらこのターンで終わりのようだな!!
十代のリバースカードオープン!魔法カード『融合』発動!!
この効果で、俺は手札の『光と闇の竜』と『バーニング・ドラゴン』を融合!!出番だ『カオスブレイザー・ドラゴン』!!!!」
『ムオォォォォォォォ!!』
カオスブレイザー・ドラゴン:ATK2900
「カオスブレイザー・ドラゴンの効果で、俺のフィールド上のドラゴンの攻撃力は500ポイントアップする!!」
カオスブレイザードラゴン:ATK2900→3400
「こ、攻撃力……3400だと!?」
「おっと、この程度で驚いてくれるなよ?
俺達の本気は此処からだ――十代、その伏せカードも発動しろ!!」
流石は万丈目、気付いてたか!!
なら、出し惜しみは無しだよなぁ?リバースカード、オープン!トラップ発動『英雄の導き』!
このカードの効果で、カオスブレイザーの攻撃力に、俺のフィールドHEROの攻撃力の合計値を上乗せする!!
「俺のフィールドのヒーローはカミカゼ1体のみだが、その攻撃力2700ポイントがカオスブレイザーに上乗せされるぜ!!」
「此れが、竜と英雄の織りなす超攻撃型コンボだ!!」
『グオォォォォォォォォオオォォォ!!!』
カオスブレイザー・ドラゴン:ATK3400→6100
「馬鹿な……!」
「こ、攻撃力……6100だと……そんな、そんな事が!!」
始まりの魔法使いに操られたお前達じゃ、俺と万丈目の敵じゃないぜ!!
もう、対抗策はないよな?……なら一気に行くぜ!やっちまえ万丈目!!混沌の炎で、コイツ等を正気に戻してやってくれ!!
「無論その心算だ!!――覚悟は良いか貴様等!!!
ファイナルバトル!カオスブレイザー・ドラゴンで、ゼラに攻撃!!吹き飛ぶが良い、『カオティックミーティア』!!!」
『ガァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!
「「たわらばぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
後塚&清原:LP2450→0
超勝利!!
始まりの魔法使いに操られた奴等なんか俺達の敵じゃないぜ!!――目が覚めたら、もう一度自分のデュエル振り返れよ?きっと何か見つかるからさ。
けど、其れは其れとして――この先には如何も嫌な予感がする………俺の気のせいなら良いんだけどな……大丈夫だよな、ユベル?
『君が君で居続ける以上は大丈夫だろうが、君の心が負の感情で満たされてはその限りじゃない……まぁ、今の君なら大丈夫な筈さ。
尤も君が過ちを犯したら、僕が全力で止めるさ…だから、恐れずに前に進むんだ十代。君が進んだその先に、掴み取るべき未来があるよ。』
だよな……なら迷う事は無いぜ!!
俺は俺の信じた道を邁進する!!――今更だけど、一緒に来てくれるだろ万丈目?
「態々答えを聞くまでも無かろう十代!
ライバルとは、只好勝負を行うモノではない……時と場合によっては共闘するのがライバル同士だと俺は思って居る……俺の力を貸してやるぜ十代!」
へへ、サンキュー万丈目!
おし、兎に角先に進むのみだな!!
待ってろよ始まりの魔法使い――例え天地がひっくり返って極性ジャンプを起こしたとしても、俺は……俺達は、お前には屈さないぜ!絶対にな!!
――――――
Side:アモン
十代達をつけてきた甲斐があったな……奴等は今頃傀儡兵と戦って居るだろうが、そのお蔭で僕は目的を果たす事が出来るようだ。
さて、覚悟は良いかな?
「誰かにつけられてると持ったが、よもや真打が貴様だとはな……此れは最低のメインディッシュになりそうだ。」
「最低とは言ってくれるじゃないか……だが、貴様の戦術などは解析済みだ!!……僕の目的を成就する為に、消えて貰うぞ始まりの魔法使い!!」
「「デュエル!!」」
アモン:LP4000
マルタン(始まりの魔法使い):LP4000
貴様を倒して、僕は更に上のステージに上るんだ……精々踏み台くらいにはなってくれよ?
――――――
Side:はやて
そんな訳で、発電所にやって来た訳なんだけど、此れは素人の私から見てもアカン状態や。
最大限ぶっちゃけると、今までよくこれで持ったもんやな……可也メインの機能がイカレとる……此れを見越して三沢君を連れて来たのは正解やったね。
「どや、三沢君?何とかなりそか?」
「この程度なら……此処をこうして、そして此処と此処の配線を……そして…よし、此れで大丈夫だ!!」
発電所目出度く復活やね♪
……やけど、復活したらしたで何か聞こえへん?
『……せよ…こ……いて……が…たら……応……せよ…』
ノイズに混じった此れは人の声?……けど一体誰の?少なくとも私の知り合いやないで?
「こ、この声は……まさか、ツバイン・シュタイン博士!?
若しかして、博士は俺が消えたあの日から精霊世界と人間世界の間で通信が可能になる技術を研究していたのか?……だとしたら何とも運が良い!」
やな…件の博士やったら、私等よりも色々知ってそうやからね……
ほな、先ずは通信がクリアーに聞こえるように、発電施設の不具合その他諸々を直さなあかんね……ったく、予想以上の展開やな何れの全ても………
To Be Continued… 
*登場カード補足
摩天楼の夜景
速攻魔法
発動ターンのエンドフェイズまで、自分の「HERO」と名の付くモンスターが、自分よりも攻撃力の高いモンスターを攻撃する場合、
攻撃モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
英雄の導き
通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力は、エンドフェイズまでフィールド上に表側表示で存在する「HERO」と名の付くモンスターの攻撃力の合計値分アップする。
闇魔界のスクランブル
カウンター罠
自分フィールド上のモンスターが戦闘で破壊された場合に発動できる。
自分のデッキか手札から闇属性の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。
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