Side:十代


うおぉぉぉ~~~!店長すっげぇ!
先攻を相手に譲った上で、後攻1ターン目での一撃必殺の1ターンキルだなんて凄すぎるぜ!!く~~~、何時か本気のデュエルをしてみたいぜ!


「只のデュエルゾンビではなかったようだが、所詮貴様の相手ではなかったか吉良?」

「アレは上辺だけの強さと言う奴だ……俺の敵じゃねぇさ。
 そして、クロノスと玲子嬢ちゃんの敵にもなり得ねぇ――どっちのデュエルも、5ターン以内に決着が付く筈だ。其れだけの実力差があるからな。」


5ターン以内!?
って事は、先生達が先攻を取ったと仮定して、3回目の自分のターンで決着が付くって事かよ!?其れって滅茶苦茶速攻デュエルじゃないのか?

あ、でも店長は実質2ターンでデュエルを終わらせてる訳だし、クロノス先生と玲子先生もスゲー強いから、下手したら5ターンも必要ないかもな?



だけど、其れは其れでワクワクするぜ!
クロノス先生と玲子先生は、どうやって相手を倒すんだ?……最強のデュエルを魅せてくれ!!











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX144
『Whinner take it All』











Side:遊奈


店長が、見事な1ターンキルを見せてくれたけど、クロノス先生と玲子ちゃんのデュエルは此れからなんだよね~~~。
まぁ、店長曰く『5ターン以内に終わる』って事だったけど、なんつーか多分もっと早く終わる可能性をバリバリ感じるんだよね?てか決定事項かな?

如何足掻いても、クロノス先生と玲子ちゃんが負けるビジョンが見えないって言うのか……まぁ、平たく言うなら、やっちまえ先生方って所だけどさ。


「そのリクエストに応えるの~ネ!
 彼方達の様に、操られ傀儡となった者達に負けて~は、デュエリストとして失格なの~ネ!!必ず勝ってみせます~ノ!!」

「無理だな……貴方では勝てない。」

「無理かどうか、その目で見ると良いの~ネ!行きます~ノ!!」


「「デュエル!」」


クロノス:LP4000
無表情の仮面:LP4000



良い事言うねクロノス先生!アンタ、マジで教師の鏡だよ!!
そんなアンタが、始まりの魔法使いに操られた奴に負ける筈がねぇ!アンティークギアの力で、全てを吹き飛ばしちまえ!!アンタなら出来るだろ?


「勿論です~ノ!先攻は貰うの~ネ、私のターン!!
 私~は、『古代の機械兵士』を守備表示で召喚するの~ネ。」
古代の機械兵士:DEF1300


「カードを1枚セットして、ターンエンドなの~ネ。」


下級のアンティークギアを守備表示で出して、伏せカードが1枚……成程ね、既に一撃必殺の仕込みは出来てるって事か!
クロノス先生の狙いは多分『アノ』コンボだろうけど、無表情の仮面はどんな戦術を仕掛けて来る気だろ?マッタク持って、予想もつかねーわ此れ。


「私のターン……『デッドパン・ソルジャー』を攻撃表示で召喚。」
デッドパン・ソルジャー:ATK2000


やっぱしか。
さっきの店長のデュエルの相手も、見た事も聞いた事もないカードを使ってたからね?

――間違いなくコイツ等は始まりの魔法使いが創造したカードでデッキが構築されてるわ此れ。……まぁ、クロノス先生が其れに屈する筈ねーけど。
其れに、レベル4で攻撃力2000の効果持ちってのは、大抵デメリットモンスターである訳だしね?


「デッドパン・ソルジャーは、バトルフェイズ中に2回攻撃が出来る。
 そして、相手にダイレクトアタックで与えるダメージは2倍になる。」


と思ったら、トンでもねーカードが来た!?
レベル4の攻撃力2000で、連続攻撃にダイレクト時のダメージ倍化ってドンだけチートだオイ!?数年先の未来で誰かがキレた声を聞いたわよ!


「お前のモンスターは1体のみ……此れで終わりにする。
 バトル、デッドパン・ソルジャーで、古代の機械兵士に攻撃。『静寂の断罪』。」


だけどまぁ、其れでも既にクロノス先生のコンボは仕込まれてるからね?
其の攻撃は、寧ろ悪手だぜチート野郎?


「そうはさせないの~ネ!トラップ発動『マジカルシルクハット』
 デッキから魔法、罠カードを2枚選択し、私のフィールド上のモンスター1体とシャッフルして裏側守備表示でセットするの~ネ!
 私~は、デッキから2枚の『歯車街』を選択し、古代の機械兵士と混ぜて、3体のモンスターを守備表示でセットするの~ネ!」

「無駄だ……壁を出しても連続攻撃で、2体まで破壊できる。
 3体のモンスター、その両脇のモンスターに攻撃だ。」


――バリィィィン!!


連続攻撃でやられちゃったけど、此れは最高の2枚がやられたもんじゃねぇ?
アイツが破壊したのは2枚の『歯車街』――つまりは、クロノス先生の術中に嵌ったって事だね!!さぁ、やっちまえクロノス先生!!


「貴方が破壊し~た、『歯車街』の効果発動なの~ネ!
 このカードが破壊されたと~き、デッキ・手札・墓地の何れかか~ら『アンティーク・ギア』と名の付くモンスターを特殊召喚出来るの~ネ!
 この効果~で、私はデッキか~ら、2体の『古代の機械巨竜』を特殊召喚するの~~~ネ!!」

『『ガオアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』』
古代の機械巨竜:ATK3000(×2)



来た来た……此れだよ、此れが怖いんだよねクロノス先生のデッキはさ。
迂闊に攻撃すれば、攻撃力3000が行き成り2体お目見えするって言うトンでもないコンボが内蔵されてるからね~~……こりゃ、決まったね。


「馬鹿な…カードを1枚セットしてターンエンド。」

「私のタ~~ン!手札からフィールド魔法『歯車街』を発動します~ノ!
 これによ~り、私が『アンティーク・ギア』を召喚する際に必要なリリースは1体少なくなるの~ネ!
 なので私~は、裏守備の古代の機械兵士をリリ~スし~て、『古代の機械巨人』をアドバンス召喚するの~ネ!!」

『ゴォォォオォォォォォォォォン!!』
古代の機械巨人:ATK3000



更に古代の機械巨人まで……うん、誰が如何見ても完全に詰んだわ此れ。
古代の機械巨竜も、古代の機械巨人も攻撃宣言をしたら、その攻撃が魔法や罠で邪魔される事は無いからね……マジご愁傷様だわ。


「此れで終わりなの~ネ!マジックカード『ギア・ユニゾン』
 このカードで、『古代の機械巨人』の攻撃力は、自分フィールド上に存在する他の『アンティーク・ギア』の攻撃力の合計分アップするの~ネ!
 此れによ~り、古代の機械巨人に~は、2体の古代の機械巨竜の攻撃力が上乗せさ~れ、攻撃力は9000になるの~ネ!!」

『グガゴアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
古代の機械巨人:ATK3000→9000


「此れで終わりなの~ネ!
 バトル!古代の機械巨人で、デッドパン・ソルジャーに攻撃します~ノ!『アルティメット・パウンド』なの~ネ!!!」


――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……バガァァァァァァァァァァァン!!


「馬鹿な……」
無表情の仮面:LP4000→0


は~い、店長に続いての一撃1ターンキル頂きました~~~!
さっすがはクロノス先生、最強の実技担当!ぶっちゃけ、私はあのハゲをリコールして、アンタをアカデミアの新校長として推薦してー気分です!!


「其れは光栄です~が、私には実技担当として生徒諸君を鍛える方が性に合ってるの~ネ♪」


さいですか。
けどまぁ、クロノス先生も全く余裕の大勝利だった訳で、残るは玲子ちゃん…まぁ、間違いなく勝つよね絶対に。








――――――








玲子:LP4000
パペット・ポーン:DEF1200


怒りの仮面:LP4000




Side:万丈目


さて、このデュエルはどうなるのか……北森先生は、下級の通常モンスターを守備表示で出し、リバースが2枚と言う状況だが…奴はどう出て来る?


「俺のターン!!『憤怒のバーサクナイト』を召喚!!」
憤怒のバーサクナイト:ATK1900


「憤怒のバーサクナイトは、相手の守備モンスターを攻撃した場合、攻撃力が守備力を超えて居ればその超過分のダメージを相手に与える!」


貫通効果か!
レベル4以下で、デメリットなしの貫通持ちは俺の『ランス・リンドヴルム』が最高の攻撃力と思っていたが、更のその上が居たか。


「憤怒のバーサクナイトで、パペット・ポーンに攻撃!!『アングリー・バーサク・クラッシャー』!!」


――ドォォォォォォン!!


玲子:LP4000→3300
「きゃぁぁ!……結構やりますね?ですが、私だって只ではやられません!トラップ発動『魂の綱』
 私のモンスターが相手によって破壊された時、ライフを1000ポイント払う事で、デッキからレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚します!!
 私がデッキから呼び出すのは『チェス・ピース』!!」
玲子:LP3300→2300
チェス・ピース:DEF0



チェス・ピース……確かアレは融合素材代替の効果を持ったモンスターだった筈だ。
と言う事は、北森先生は次のターンでモンスターを融合召喚する心算なのか?――だが、パペットチェスの融合モンスターは存在しない筈だが…?


「ぐぅぅぅ……ターンエンド!」

「私のターン!!……チェス・ピースはモンスターを融合召喚する場合、融合素材モンスター1体の代わりに出来ます。
 行きますよ?手札から魔法カード『融合』を発動!フィールドのチェス・ピースと、手札の『鉄の騎士-ギア・フリード』を融合!
 私のデュエルを変えた騎士よ、今此処に降臨せよ!融合召喚、『鋼鉄の魔導騎士-ギルティギア・フリード』!!!」

『ムオォォォォォォォォォォ!!』
鋼鉄の魔導騎士-ギルティ・ギア・フリード:ATK2700



ギルティギア・フリード!?
攻撃力2700を誇る8ツ星の融合モンスターだが、パペットチェスでないモンスターを何故?其れ程までに、このモンスターに思い入れがあるのか?


「このモンスターが、私のデュエルを変えてくれたって言っても過言ではありませんから。
 私が初めて『攻め』のデュエルを選択したデュエルに終止符を打った城之内さんの切り札……だから、このカードと共に私は強くなると誓いました!
 そして何時の日か、私が人に『攻めのデュエル』の楽しさを教えてあげたい……そう思って、私はアカデミアの教師になったんです!!」


成程な……ならば納得だ。
そう言う事なら、その最強モンスターで決めてしまえ北森先生!


「行きます!鋼鉄の騎士-ギルティギア・フリードで、憤怒のバーサクナイトに攻撃!『ソウル・ブレード』!!」


――ズバァァァァ!!!


怒りの仮面:LP4000→3200

「ぐぅぅぅ……だが、所詮は800ポイントのダメージ!蚊ほども感じぬわ!!」

「一撃ならそうかも知れませんが、其れが連続攻撃なら如何ですか?
 トラップ発動『連撃』!相手モンスターを戦闘で破壊した場合、そのモンスターはこのターンもう一度攻撃する事が出来ます!」

「なにぃ!?」

「更にこの瞬間に、手札から速攻魔法『突進』を発動します!この効果でギルティギア・フリードの攻撃力を700ポイントアップさせます!!」

『ウオォォォォォォォォォォ!!』
鋼鉄の魔導騎士-ギルティギア・フリード:ATK2700→3400



「此れで終わりです!鋼鉄の魔導騎士-ギルティギア・フリードで、プレイヤーにダイレクトアタック!『ソウル・ブレード』!!」


――スバガアァァァァァァァアッァアッァアァァァッァァン!!


「馬鹿な……馬鹿なぁぁぁぁアぁっぁぁぁぁぁぁ!!!」
怒りの仮面:LP3200→0


「私の……勝ちです。やりましたよ、城之内さん!」


連撃と突進を組み合わせた超攻撃型コンボで決着か――全く危なげなかったな。

だがしかし、始まりの魔法使いは一体何を企んでいるんだ?雑兵では相手にならぬと言う事くらいは分かってると思うんだが……目的は一体……


此ればっかりは俺が考えて如何にかなるモノじゃないが――出来るだけ早く必要な情報を集めた方が良いかもしれないな。








――――――








Side:はやて


デュエルは、予想通り店長達の圧勝やったね!
店長とクロノス先生の一撃滅殺も良かったけど、玲子先生の魔法と罠を駆使してのパワーデュエルもホンマに魂が震えたで!最高の気分やで♪


なのに、何やろうか?この胸が閊えるような嫌な予感は?
まるで今のデュエルが『囮』であると言うかのような途轍もなく嫌な予感――漠然としとるけど、六課時代に培われた勘には自信がある。

その勘が伝えとる――此れで終わりやないって。


始まりの魔法使い――一体どれだけの手駒を用意しとるんやろうね?……何となく、嫌な予感が拭えへんなぁ……





若しかして…否、若しかしなくても、このデュエルは囮やったんやろか?――でも、だとしたらなんの為にや?
始まりの魔法使いは、一体何を企んどるんやろか……?











 To Be Continued… 






*登場カード補足




デッドパン・ソルジャー
レベル4    闇属性
悪魔族・効果
このカードはバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
このカードが相手への直接攻撃で相手に与えるダメージは倍になる。
ATK2000    DEF1000



憤怒のバーサクナイト
レベル4    闇属性
戦士族・効果
相手の守備表示モンスターを攻撃した場合、攻撃力が守備力を超えていれば、その数値分の戦闘ダメージを相手に与える。
ATK1900    DEF900



ギア・ユニゾン
通常魔法
自分フィールド上の「古代の機械巨人」1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力は、自分フィールド上の他の「アンティーク・ギア」と名の付くモンスターの攻撃力の合計値分アップする。



連撃
通常罠
自分フィールドのモンスター1体が相手モンスターを戦闘で破壊した場合に発動する事ができる。
そのモンスターはこのターン、もう1度だけ攻撃する事が出来る。