Side:岬


気になる。エヴァンジェリンさんの手前、姉御達が戻って来てからとは言ったが、其れでもメッチャ気になる!気になって仕方ねぇ!
一体何なんだよ、コブラを操ってた奴ってのは!エヴァンジェリンさんは知ってるっぽいけど、其れも姉御達が戻ってこないと聞く事できねぇしさぁ!

まぁ、詳細は姉御達が戻って来てからって事になるんだろうけど、一つだけ答えてくれよエヴァンジェリンさん。


「なんだ?……あと、私の事はエヴァでも良い。
 本来ならば、この様な呼び方は許容せんが、貴様やそっちのデカブツ――ティラノ剣山には此れからの可能性が見えるので特別に許可しよう。
 ……して、何を聞きたい?」

「もしも、相手がエヴァさんの予想通りだったと仮定してって前提での事になるんだけど――そいつは悪い奴なのか?」

「……難しい質問だな其れは。
 奴が私の予想通りの相手だと仮定して、しかし奴には善も悪もなくと言ったところか――だが、世間一般の感覚からしたら奴は間違いなく悪だ。」


善も悪もないけど、一般の感覚からすれば悪って事は、やっぱりトンでもない奴なんだな?


「奴以上に碌でもない輩が居るのならば、是非ともその面を拝ませて貰いたいものだな。
 私を人で無くし、ナギを乗っ取り、魔法世界の崩壊を目論んだ究極の外道――もしも奴がそうであったならば、完全に滅さねば気が済まんな…!」


やっぱし碌でもない奴か。
って事は、アタシ等の最終的な敵はそいつって事になるんだろうな?……面白れぇ、寧ろこの上なく上等だぜ。

本気を出した姉御達に勝てるデュエリストなんて、世界広しと言えど、あの伝説の『武藤遊戯さん』位なもんじゃねぇか?負けが、想像出来ねぇな。












遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX140
『黒幕の正体は果たして……』











Side:はやて


いやはや、異世界で三沢君と再会するとは思っても居なかったわ~~。
肌も良い感じに焼けて、伸びた髪は中々にワイルドさを演出してくれるなぁ?……寧ろ、こっちの方が前よりもカッコいいんとちゃうやろか?

まぁ、其れは今は思考の外に置いといてや、此処は一体ドンな世界なんや、三沢君?あ、水飲み終わってからでえぇよ。


「……ぷはぁ!水が此処まで美味いモノだとは思って居なかったよ。新たな発見だな。
 さてと…はやて、君の質問に最もシンプルに答えるならば、此処は異世界だと言うのが間違いないと言う他はない!其れしか分からないんだ。
 後は精々、デュエルディスクから呼び出されたモンスターが実体化するって事くらいだ――精霊を宿したカードには関係ないけれどね。」


異世界……まぁ、精霊世界やしな。しかもモンスターが実体化すると来たか。精霊のカードは自分の力だけで実体化は証明されとるけどね。
やけど其れって滅茶苦茶チートやない!?一々ディスクをセットせんでも戦う事は出来るて言う事らしいし、何よりもアインスを召喚したらなぁ……?


「ドンだけ手加減してもアカデミア島は吹っ飛ぶわな。」

「間違いなく吹っ飛ぶな。」

「アインススゲェ♪」

「空恐ろしい事を言わないでくれ!
 只でさえ精霊の宿ったカードは、カード本来のステータスに精霊の強さが加わって攻守の値以上の強さになるみたいなんだからな。」


成程。
やけど、そんな割かしデインジャラ~~~~~スな世界で、よくもまぁ生き残ってこれたなぁ三沢君?ちょっぴり尊敬すんで。


「俺の持つ6つのデッキのお蔭だろうな。
 アレのお蔭で、どんなモンスターに襲われても対処する事が出来たからね――流石に空腹を『非常食』を発動して凌ぐのは虚しかったけれど。」

「今の今まで乾パンだけで生きてたの!?其れって可成り辛くない!?」

「『モウヤンのカレー』のカードが心の底から欲しくなったのは初めてだったよ。
 そう言えば、如何して皆は異世界に?影丸事変に光の結社と事件が連続したが、若しかしてまた何か厄介事が起きたのか?」


まぁ、大体そんな感じや。その辺は移動しながら話すで。
そんな訳で、帰りもお願いできますやろうかクロノス先生?


「任せるの~ネ!でも、話をしながら帰るな~ら、此れが一番です~ノ!出でよ『古代の究極機械巨人』!!」

『ウオォォォォォォォォン!!』
古代の究極機械巨人:ATK4400


クロノス先生の最強モンスター降臨!?
いやまぁ、この巨体やったら確かに全員乗れるし、何が途中で出て来ても大概のモンスターは蹴散らす事も出来るから……総合的に見てGJ先生!

ほな、帰ろか?アカデミアごと飛ばされたから、私等以外の皆とも再会できるで三沢君♪














――移動中&説明中













「成程……そんな事があったのか。しかし、最後の最後で現れたその存在、如何にもクサいな?
 エヴァンジェリンの事を知っていたと言う事もそうなんだが、ソイツの最終的な目的は、若しかしたら――三幻魔であるのかもしれないな。」

「「「「「三幻魔!?」」」」」


なんで!?如何してそうなるんや?


「コブラとか言う奴は、ソイツに良いように操られていたと言っても良いだろう。
 ならその力で、アカデミアの教師や生徒を操れば、保管されている三幻魔のカードを手に入れることは難しくはないと思う。
 そして、手に入れた三幻魔を持ってして遊奈にデュエルを挑み、神と三幻魔が激突したらどうなる?発生するデュエルエナジーは想像出来ない。」


確かに、遊奈の持つ神と三幻魔が激突したら、其処には途轍もないエネルギーが発生するのは間違いない。
やけど、そんだけのエネルギーを集めて一体何を目論んどるんや?私等からも大層なエネルギー吸い取ってくれたけど、其れで何をスンねん?


「わかんね~~~。つーか、想像も出来ねぇって。十代は如何よ?」

「あはは…俺も想像出来ないぜ。万丈目は?」

「出来ん。クロノス先生は如何です?」

「無理なの~ネ。」


はい、見事に全滅!!
まぁ、アレが何モンで何が目的かなんぞ、今の段階で想像せいっちゅうのが無理難題の無茶振りやからな。

せやけど、エヴァちゃんは何か知っとるっぽいから、アカデミアに戻って話聞けば何か分かるかも知れへんね?――さて、そろそろ到着やな。









――――――








Side:遊奈


よっと!戻って来たぜアカデミア!!
岬~!明日香~!マック~~!みんな無事だった?


「おうよ、この通り全員無事だぜ姉御!」

「モンスターが襲ってきたりもしたけれど……まぁ、私達の敵じゃなかったから大丈夫よ。大概はエドが吹き飛ばしてくれたし。」

「其れデ、何か分かったかしラ?」


残念ながら此れと言って有力な情報は得られなかったって所だね。
だけど、情報は得られなかったけど、代わりに三沢と再会できました!此処で戦力の増強、此れは大きい!存在は薄くても実力は筋金入りだし!


「ふむ、久しいなリアルエアーマン。存在感ゼロ人間よ。」

「相変わらず君は辛辣だなエヴァンジェリン……と言うか、俺は其処まで存在感がないのか!?」

「ない!貴様の紹介文を書くとしたら初めの十数行を空白にして『最早この空白に違和感を感じなくなってしまった』と言う書き出しで始めるわ!!」

「酷過ぎる!!」



あ~~~~……見てる分には面白いんだけど、エヴァちゃんや本題入っても良いかね?
三沢も、コブラを操ってた黒幕野郎はクサいって感じてるみたいなんだけど――エヴァちゃん、アンタはアイツの事知ってるよね間違いなく?


「……何故そう思う?」

「アイツはエヴァちゃんの事を知っとったし、アイツの言い方やと一方的にエヴァちゃんの事を知ってるって感じやなかったからな。」

「同時に、お前は奴を見て驚愕していた――つまりはお前の知り得る者だったと言う事だが……此れだけでは理由として不十分か?」



「……くははっはははは!!いやはや、此れは降参だ。其処まで見ていたとは、貴様等は本気で侮れん。
 確かに私は奴を知っているよ……奴が私の想像する奴だと仮定しての話ではあるがな。」


其れって如何言う事?未だに仮定の域を出ねーの?


「うむ……状況証拠だけを上げるのならば十分過ぎるほどなんだが、だからこそ如何あっても有り得んと思ってしまうのだ。
 有り得るけど有り得ない……故に仮定の域を出る事が出来ないとでも言えば分かるか?」


何となくだけど分かるかな?
だけど、仮定だとしてそいつは一体何者なの?教えてよエヴァちゃん!!其れが此処から帰る為の手掛かりになるかも知れないんだから!!


「……生半可な覚悟……ではないようだな。良かろう、私の予想で良いならば話してやる!
 先ず第一に、奴は少なくとも私と同じ世界で生きていた者である事は間違いなかろう――貴様の事も知っていたようだからな明石遊奈!!」


私の事も!?っつ~事は転生前の私も知ってるってこと?
うわぁぁっぁあぁ、リアルストーカーとかマジで引くわ~~~~。まぁ、其れは其れとして、詰まる所敵さんは一体何者なのよ?



「その前に最終確認だ。
 此れを聞いたら後戻りは出来ん――其れでも良いのか?」


上等だよエヴァちゃん!元より私等に退くとか後戻りなんてセリフはないんだぜ?
エヴァちゃんの口からどんなトンでも情報が吐きだされたって、私達の心は折れない!――だから教えて、最後に現れたアレは一体何者なのよ?


「教えてくれエヴァ、アイツは一体何者なんだ?」

「教えてやエヴァちゃん!アイツはきっと、重要なキーパーソンなんやろ?」


「――分かった話してやる。
 奴は私の事を知っていた。と言う事はつまり、私や明石遊奈の前世と同じ世界に存在して居たモノだと見て先ず間違いはなかろう。」


やっぱりそうか……


「そして奴が何者かと言えば……私の予想通りならば最悪の相手だ。
 私から人の生を奪い、ナギを乗っ取り、明石裕奈が命を落とす事になった元凶、ぼーやの最後の敵にして最強の存在
















 ――始まりの魔法使いだ。」



んな!?ネギ君の最強の敵にして、前世の私が死する事になった元凶ですって!?
成程……確かにそいつは一筋縄で行く相手じゃなさそうだわ―――だけど、丁度良いわ前世での借りを此処で返しておこうじゃないの。


アンタが何を目して私達を此処に連れて来たのかは分からねーけど、其れはトンでもない『藪蛇』だったって後悔させてやるぜ!!覚悟しとけよ!


一体誰に対して上等働いて、誰を敵に回してしまったのかって言うのを骨の髄にまで叩き込んでやるわ!!――消し飛ばしてやるぜ!全てをね!













 To Be Continued… 






*登場カード補足