Side:吉良
オイオイオイ、こんな夜更けに何処に行こうってんだよエヴァ?
そっちは確か『SAL研究所』とか言う、アカデミア島でも屈指の怪しさ全開の謎施設で、お前も『意味不明故に近付かん方が良い』って言ってたろ?
「今はその限りではないと言う事だ。
大体にして、貴様も気付いているだろう吉良?……あそこから感じる『嫌な気配』を、一流デュエリストの貴様が気付かんとは言わせんぞ?」
「……まぁな……確かにあそこからは如何にも嫌な感じがするのは否定しねぇさ。
ともすれば、何か途轍もない事が起こりそうな感じすらするからな?……だがエヴァ、只それだけでお前がそんなに必死になるとは思えないぜ?」
「……妙な胸騒ぎがするのだ、言いようのない胸騒ぎがな。
私の考え過ぎの杞憂であるならば其れで良いが、もしも私の本能が告げる警鐘が本当であったとしたら、或はトンでもない事になるやも知れん。」
お前が其処まで言うとは只事じゃないか。
なら尚の事、急いで行かないとだな。
恐らくは其処に居るだろうが、遊奈嬢ちゃん、はやて嬢ちゃん、十代の坊主に万丈目の坊主……無事で居てくれよ!!
「えぇい、走って居ては間に合わん!!
出でよ『バーサーク・デッド・ドラゴン』!!私と吉良を、SAL研究所とやらまで連れて行けぇぇぇ!!!!」
『ガオアァァァァァァァァッァァァァァァァァアァッァァァアァァァ!!!!』
バーサーク・デッド・ドラゴン:ATK3500
で、なに呼び出してんだエヴァ!?
つーか、このモンスター実体化してる!?……全く持って真祖の姫は何でもありか?――おかげで移動は大層楽になったけどな!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX137
『深淵の駆け引き――真の敵は?』
Side:遊奈
は、はぁ……はぁ……お、オシリスを進化させた事で何とか勝てたぜ……正直キッツイわぁ~~~~
――ギュルゥゥゥゥゥゥゥゥ
うお~~~~……更に此処でデュエルエナジーを吸い取られるとかマジ勘弁してくださいよ!?……やべ、流石の私でも、立ってるのが辛いわね。
――ガシィ!!
「っと、大丈夫か遊奈?……って、大丈夫やあらへんよね?
闇のデュエルで、毒喰らった挙げ句に今度はデュエルエナジーの吸収や……正直言って、体力は殆ど空っぽなんと違う?」
「あはは……否定できねーのが辛いわね。
気合で耐えてたけど、闇のデュエルで打ち込まれた毒は致死性じゃなくても体力奪ってくし、デュエルエナジーをもゴッソリ持ってかれたしねぇ…」
幾ら元気が取りえの遊奈ちゃんでも、流石にコイツは効いたっての。
だけど、その甲斐あって黒幕をぶっ倒す事が出来たんだから、此れ位は必要経費って事じゃない?
私の超疲労と、黒幕の撃破を天秤に掛けたら、多分私の超疲労を払ったところで御釣りが来るのは間違いないでしょ?なら此れで良しだって。
「そうかも知れへんけど、せやかて心配しない理由にはならへんやろ?」
「八神先輩の言う通りだぜ姉御?
闇のデュエルって事は、毒ダメージだって何らかの影響があるかも知れねぇから、俺だって心配しちまうって!」
あはは……岬も心配かけてゴメンね?
だけど取り敢えず此れで――って、ちょっと待て。デュエルは終わった筈なのに、どうして『ヴェノム・スワンプ』が消えてないの!?
「言われてみれば、毒の沼のままだ……おい、如何言う事だコブラ!!」
「…………」
「何とか言えよ、この野郎!!」
「待てジュウダイ!何か様子がオカシイぜ!!」
「えぇ、ジムの言う通り、何とも言えない妙な予感がするワ。」
だよねぇ?
毒の沼が、消えてないだけでも不気味だってのに、コブラの様子がオカシイとか一体何が起きてるって――
――ゴポッ、ゴポッ、ゴポポポポポポポポポポポポポポポポ………!!!
『『『『『『『ギャバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』』』』』』』
『『『『『『『アボアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』』』』』』』
『『『『『『『ギャビリブレァァァオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!』』』』』』』
って、ヴェノム・スワンプから何か出て来たぁ!?
ドロドロした人型の何か……え~と、此れはアレだ、分かり易く言うなら『バイオ・ブ○リー』の大群!?メッチャキモイんですけど!!!
「何やコイツ等!?岬ちゃん、遊奈を支えとって!!」
「ちょ、何する心算だよ八神先輩!?」
「コイツ等はフィールド魔法の沼から現れた、せやったらモンスターの攻撃で倒せるはずや!
頼むで?『煉獄騎 リインフォース・アインス』!『インフェルニティ・ウィッチ-なのは』!『煉獄龍 オーガ・ドラグーン』!!!」
『また妙なモノを…全て消し去るぞ!』
煉獄騎 リインフォース・アインス:ATK2700
『はい、全力全壊手加減抜きで!!』
インフェルニティ・ウィッチ-なのは:ATK2500
『グオォォォォォォォォォォォォォォ……!!』
煉獄龍 オーガ・ドラグーン:ATK3000
うぇーい、はやてのデッキのエースクラス3名がお目見えですか!?毒沼から現れた謎生物に合掌だねこりゃ?
うん、思った通り完全に蹂躙してるし。
「そうか、その手があったよな!!
だったら俺もやるぜ!!頼むぞ『E・HERO ジ・アース』!『E・HERO ネオス』!!『C・HERO カオス』!!」
「力を貸してくれ、『ライトエンド・ドラゴン』!『ダークエンド・ドラゴン』!!『光と闇の竜』!!」
「出番ヨ、『The splendid VENUS』!!」
「お願い、貴女達の力を貸して!『ブリザード・セラフィム』!『氷結の舞姫』!!」
「不気味な奴等だぜ……纏めて蹴散らしてやれ!!たのむぜ『オーロライトの姫騎士 アルトリウス』!!」
「折角の見事なデュエルの後で、お前達みたいのはお呼びじゃないゼ?行け『古生代化石闘士 スカル・ベイダー』!!」
んでもって、皆が皆、己のデッキのエースクラスを呼び出して攻撃かい!!つーかガチで手加減なさすぎ!!
特にはやてと十代と準!!3体も呼び出しといて、更に全部が全部オーバーレベル8って手加減なさすぎにも程があるって!別に良いけどさぁ。
「じゃあ、姉御だったら何を呼び出すんだよ?」
「え?私だったらスターダストと本屋ちゃんと朝倉に、ラーとオシリス呼び出すけど?」
「姉御が一番手加減ねえょ!!!」
やっぱし?
だけど、此れだけの戦力を投入しても、次から次へと湧いて来る毒泥人形はハンパねぇよ!?このままじゃ、何れジリ貧は間違いないと思うぜ。
コイツ等を一撃で全部吹き飛ばす事が出来れば最高なんだけど………ん?
「何やら面白い事になっているようだな?
滅多にない機会だ、貴様の闘争本能を全開にして、眼下の泥人形共を吹き飛ばせバーサーク・デッド・ドラゴン!『フェイル・デッド・ブレス』!」
『グゴアァァァァァァァァアァァァァアァァァァアッァァァァァァァァ!!!!!』
――ドガバオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
『『『『『『『『『ギャァァァァァァァァァァァァァァアッァァァァアァァァァッァアァッァァッァァ!!!!』』』』』』』』』
この情け容赦ない全体攻撃はエヴァちゃんだね!?
バーサーク・デッド・ドラゴンの一撃で毒泥人形の大群どころか、ヴェノム・スワンプそのものを吹き飛ばしちまうとは流石としか言えねぇわ此れ。
だけどこの援護は有り難いぜヴァちゃん!……でも如何して此処に?
「妙な胸騒ぎがしてな……トンでもない事が起こりそうな気がしたのだが――アレが黒幕か?」
胸騒ぎって……真祖の姫の胸騒ぎとか普通に怖いんですけどね。
で、アレが黒幕なんだけど、さっきからなんだか様子がおかしいんだよ?――こっちの問いかけにも一切反応しないし、負けたのがショックだった?
だけど其れにしたって、おかしいと思うけど。
――ボウ………
!?……な、何だアレ!?コブラの前に現れた光の玉は一体何者!?
――ギュル……
と思ったら姿が人型に!?………何なのよアイツは………
「……………………」
って、待てコブラ!!其処から先に行っちゃダメ!!それ以上踏み出したら、屋上から真っ逆さまで命はないわよ!?
く……間に合えぇぇぇぇぇぇっぇぇえぇぇぇっぇえぇぇぇええぇぇぇぇ!!!!
――ガキィィィィン!!
「な、何やこれ!?動かれへん!!!」
「何だ此れは!!!」
だけど、私の動きは済んでの所で止められてしまった。
私の手をすり抜けるようにしてコブラは奈落の闇に落ちて行った……生存は絶望的じゃないのよ!!
テメェ、コブラを殺すために私達の動きを制限しやがったな!?一体如何言う心算だ!!!それ以前に顔を見せなさいよこの野郎!!
『ククク……そういきり立つな。
私の顔など、曝したところで意味は無い……だが大事なのは、君達が此れから素晴らしい経験をすると言う事だ。』
あくまでも顔は見せねぇってか?
だけど、素晴らしい経験って一体……
「この金縛りの術式は何処かで……貴様、まさか!!!
『流石に気付いたかエヴァンジェリン?……だが分かった所で如何する事も出来まい?
クックック……此れは私からのプレゼントだ、精々楽しむが良いさ!!!』
この人型って、エヴァちゃんとまさかの知り合いですか!?
って、それどころじゃなく強烈な閃光が!!
目を開けてられない……う、く……きゃぁっぁぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁっぁあっぁっぁぁぁっぁっぁぁあっぁ!!!!
――――――
Side:???
ククク………全ては私の思い通りに事が進んだようだ。
予想外にエヴァンジェリンが居た事で、早々に私の正体は見破られてしまうだろうが、その程度は何の痛手もならん。
私の目的は、明石遊奈を闇に堕として我が力とする事だ――神共々な。
クックック……私の野望成就の為にも、精々頑張ってくれよ?
あの小僧によって阻まれた我が理想……今こそそれを現実のモノにしていかなくてはな。
貴様等にはその為の駒になってなって貰う――さぁ、精々異世界の旅を楽しむが良い!!この世界は、意外にバイオレンスだからな!!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
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