ヨハン:LP2800
オーロライトの閃光 フェイル:ATK5500(オーロラの大剣装備)


ギース:LP2500




Side:遊奈


状況だけ見れば、攻撃力5500のフェイルを従えたヨハンが断然有利なのは火を見るよりも明らかだわね。
だけど相手は精霊狩りを自称する真正の外道だから、追い込まれたら何をしてくるかまるで想像がつかない…最悪、人質的な事だってしかねない。

このまま押し切れれば其れが最高なんだけど、多分そうは問屋が卸さねーわよね?
この場合の問屋がドレくらいの規模で、何を扱ってるかは定かじゃないんだけど……少しばっかり業務停止命令を言い渡したい気分だわねマジで。


「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだぜ!」

「ガキが、図に乗るなよ!!俺のターン!!
 俺は墓地のヘヴィメタル・ガン・ドックをゲームから除外し、『アサルトアーマー・ヘル・ハウンド』を特殊召喚するぜ!!」

『ワオォッォォン!!!』
アサルトアーマー・ヘル・ハウンド:ATK2500




でもって、流石に精霊狩りを自称するだけあって簡単には終わってくれないわけね?
まぁ、幾ら敵対勢力の一角とは言え、早々簡単にやられたら流石に興醒めな訳なんだけど――だけど、アンタの実力はヨハンには及ばないぜ?

返しのターンで8ツ星の最上級モンスターを呼び出したのは見事と言えなくもないけど、其れ位は私や十代なら簡単に出来る事だからね?
寧ろ、その上級モンスターをどう使うかで、デュエリストのレベルが分かるってもんだわ!――ま、正攻法のデュエルならヨハンの負けはないけどさ。












遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX133
『精霊狩りの外道に鉄槌を!』











「1ターンでレベル8の上級モンスターを呼び出してくるとはやるな?
 だけど攻撃力2500じゃ、俺のフェイルには遠く及ばないぜ!」

「そんな事は分かっている。
 だが、アサルトアーマー・ヘル・ハウンドの攻撃対象となったモンスターは攻撃力と守備力が元々の数値に戻る…装備カードは剥がされてな!!」

「何だと!?」
オーロライトの閃光 フェイル:ATK5500→1900



ステータスの強制リセット効果って、此れはまた何とも凶悪極まりないわね?
効果だけなら、準が『聖水の弊害』なんかを使ってるけど、使いきりの魔法カードと違って、存在してれば何時でも使えるモンスター効果は脅威よ!

の野郎、やられ専門のモブキャラの分際で随分と良いカードを使ってきてくれるじゃない?


「やれ、アサルトアーマー・ヘル・ハウンド!オーロライトの閃光 フェイルに攻撃!『デストロイ・フル・バースト』!!」

「どわあぁぁぁっぁあっぁぁ!?………なんてな!!
 トラップ発動『オーロラの束縛鍵』!コイツの効果で、ヘル・ハウンドは効果が無効になって攻撃する事が出来なくなったぜ!!
 まぁ、コイツの拘束力は、俺のフィールド上に『オーロライト』が表側表示で存在してる事が絶対条件だけどな。」


けど、ヨハンに攻撃は届かないか。
寧ろオーロライトを必要とする呪縛系の罠で攻撃モンスターを完全にシャットアウト!……やっぱりヨハンはハンパ無く強いわね、お世辞抜きで。


「ちぃ…小賢しいぜ…カードを1枚セットしてターンエンドだ!」

「俺のターン!!」


そのヨハンは今度は何を見せてくれるの?
ぶっちゃけ、こんなオッサンは撃滅してくれて一切合切問題はねーんだけど、果たしてどんな戦術を見せてくれるか楽しみだわ♪


「俺はフェイルを永続魔法扱いで魔法・罠ゾーンに置き、手札の『オーロライトの剣聖 バルムンク』を特殊召喚するぜ!!」

剣聖の名に於いて貴様を討つ。
オーロライトの剣聖 バルムンク:ATK2000


「バルムンクの特殊召喚に成功した時、このカードの攻撃力は自分フィールド上の永続魔法の数×200ポイントアップする。
 俺のフィールドには、永続魔法扱いとなったオーロライトが3体存在している!よって、バルムンクの攻撃力は600ポイントアップするぜ!!」
オーロライトの剣聖 バルムンク:ATK2000→2600


おし、アサルトアーマー・ヘル・ハウンドの攻撃力を上回った!
問題は、ギースの奴が伏せたカードだけど……攻撃モンスター抹殺系か、其れともコンバットトリックのどっちだろうね?


「け、高々100ポイント上回ったくらいで調子に乗るなよガキが?
 その程度の攻撃力の差なんざ、簡単に覆せるんだぜ?――そう、例えばこのカード1枚とかでもな!!」

「と言う事はつまり、そのカードは俺の攻撃に対して発動するカードじゃないって事だな?
 あからさまに伏せカードの存在を相手に主張するのは、二流以下のデュエリストが相手の攻撃を止めたい場合に使う常套手段だからな!」


だよね~~~。
つーか、コイツアホか本気で?そんな、バレバレの脅しにもならないような心理戦未満がヨハンに通じる訳ねーっての。
寧ろ、今のは『この伏せカードはブラフだからどうぞ攻撃してください』って言ってるようなもんじゃん?ねぇ、十代?


「そうだよな~~……本気で攻撃反応系の罠張ってるなら、態々あんなことは言わないぜ。
 それどころか、超一流の――其れこそ遊戯さんだったらブラフカードでも、態度や視線で相手に攻撃を躊躇わすくらいはするだろうからな。」


だろうね。まぁ、このオッサンを遊戯と比べたらあまりにも可哀想な訳だけどさ。


「ブラフと分かってるなら怖くないぜ!
 頼むぜバルムンク!アサルトアーマー・ヘル・ハウンドに攻撃だ!『ライトニング・クラック』!!」

消えろ!!



――バガァァァァァアァァァァァァァン!!!



「のわぁぁぁぁぁ!!!」
ギース:LP2500→2400


「俺は此れでターンエンドだ。」

「俺のターン!!リバースカードオープン『壺の中の魔導書』
 コイツの効果で互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚ドローするぜ!!」


此処で手札強化……良いカードは引けたかオッサン?


「……ターンエンドだ。」


えぇ!?其れでターンエンド!?
まさか、手札強化をしても逆転のカードが来なくて諦めた!?せめてサレンダーはしないで潔く負ける心算――とは考えられないんだけど……


「俺のターン!
 何を考えてるかは知らないけど、このターンで終わりにしてやるぜ!バルムンク!!」

「おぉっと、攻撃の前にコイツを見な!!」


ん?アレはカード……『ジェリービーンズマン』?
そのカードが如何かしたっての?レベル3以下のモンスターでは最高クラスの攻撃力を誇る通常モンスターではあるけど。


「コイツは精霊の宿ったカードだ……お前等にはコイツの精霊が見えるだろ?
 ヨハン、お前が俺に攻撃するってんなら俺はこのカードを破り捨てるぜ?精霊の宿ったカードが破られたらどうなるかは知ってるよなぁ!!」

「な!!!」

「お前、何て事を!!!」


トコトン性根が腐ってるみたいねこの外道は!!
精霊の宿るカードが破られたら、そのカードに宿る精霊は生きて行く事が出来ない!!――精霊を人質にしてヨハンに攻撃させない心算かよ!!

コイツはちょっと拙いよね?
アイツの手に在るジェリービーンズマンのカードを奪わない限り、ヨハンは攻撃する事が許されない訳だし……


「遊奈、朝倉を呼び出してライフルでカードを無傷で弾く事できないのか?」

「やれば出来るだろうけど、馬鹿正直にやったら多分通じないんじゃない?
 あのオッサンの死角から撃ち抜くなら兎も角として……って、そうか死角から撃ち抜いて回収すれば良い訳か。」

だけど、相手は精霊狩りだから、死角からの精霊の攻撃にだって反応しかねないんだけど……


「く……ターンエンド。」

「人情派の正義の味方はそう言うしかねぇよな?俺のターン!!
 俺は墓地のカードを全てゲームから除外し、『アトミック・デス・オルトロス』を特殊召喚するぜ!!」

『グガァァァァァッァァ!!!』
アトミック・デス・オルトロス:ATK4000


「バトル!アトミック・デス・オルトロスで、オーロライトの剣聖 バルムンクに攻撃!!『オーバーキル・アトミックボンバー』!!」



――ドォォォォォォォォォォン!!!



「うわぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁぁ!!」
ヨハン:LP2800→1400



そうも言ってらんねーか……バルムンクは永続魔法扱いで残るけど、ヨハンが一気にピンチになったのには変わりはねーからね。
朝倉、あのオッサンの死角からジェリービーンズマンのカードだけを無傷で撃ち落とす事は出来る?


出来るかどうかは問題じゃないさね……要はやるかやらないかじゃね?
 まぁ、遊奈が私の事信じてくれんなら其れには最大限応えて見せる心算だけどさ。』


やるかやらないか……至言じゃないのよ朝倉!
成ら天井付近からでも何でもいいから、兎に角一発かましちゃってよ!カードの回収は、十代がやってくれるからさ!


「あぁ、撃ちおとしてくれたカードは速攻でジ・アースが回収するぜ!」

任せておけ十代。


ジ・アースとは、何とも頼りになるじゃない?
んじゃ、兎に角ミッションスタート!!


「俺のターン………く……一体如何しろって言うんだよ!
 この状況を打開できるカードは揃ってるが、俺が攻勢に出たらジェリービーンズマンの命は尽きる……如何すれば………」

「やっちまえヨハン!」

「ユーナ!!お前、ジェリービーンズマンを見殺しにしろって言うのか!?」


ちげーって。
ヨハンが本気でブチかます準備が出来たって言ってんのよ!!やれ、朝倉!!


ほいさ!!ジェリービーンズマンのカードは貰い受けるよ!


――バシュン!!


「!!?……このメスガキ、何時の間に!!!」

このカードは貰うぞ!!


――ドシュン!!


「んなぁぁ!?………て、テメェ等ぁぁぁアぁ!!!」



ハン、人質なんてせこい手を使う奴に礼節は必要ねー!寧ろこっちも裏技全開でやらせて貰うだけだぜ!
何れにしても、ジェリービーンズマンを救い出した以上、ヨハンが攻撃を躊躇う理由はなくなった!!思いっきりやっちまえヨハン!!


「応!!
 俺はフィールド魔法『強者の強襲』の効果で手札のモンスター2体を墓地に送って『オーロライトの姫騎士 アルトリウス』を召喚する!!」

「ハ!馬鹿かテメェ!
 アルトリウスの魂は俺様が捕らえた……精霊が抜けたカードを召喚したところで何も起きねぇよ!!」


……そいつは如何かな?
良く見てみろよギース、アンタが捕らえた精霊を保存してるポッドをさ。


――ピキィィィィ!!


「な!!そんな馬鹿な…捕獲ポッドが破損するなど、そんな馬鹿な事が――!!」



――バリィィィィン!!



起きるんだな此れが。
こう言っちゃなんだけど、精霊とその主の絆の強さを舐めんなよギース?ドレだけ離れていても、通じ合った精霊と主の絆は絶対に切れはしない!


ご迷惑をおかけしましたヨハン……此処からは私がやらせていただきます!
オーロライトの姫騎士 アルトリウス:ATK2600


「戦況逆転だな……アルトリウスの攻撃力は、俺のフィールドの永続魔法の数×500ポイントアップする!
 俺のフィールド上の永続魔法は合計4枚!よって攻撃力は2000ポイントアップして4600になるぜ!!」


オーロライトの姫騎士 アルトリウス:ATK2600→4600


「此処で!!……だが、其れでも俺は倒しきれねぇ……」

「分かってるさそんな事は…だから焦るなよ?
 俺は更に装備魔法『魔導師の力』をアルトリウスに装備し、俺の魔法・罠ゾーンのカード枚1枚につき、攻撃力を500ポイントアップする!
 俺の魔法・罠カードの数は全部で5個……よって、アルトリウスの攻撃力は更に2500ポイントアップするぜ!!」

不浄を払う為ならば。
オーロライトの姫騎士 アルトリウス:ATK4600→7100


「ば、馬鹿な……攻撃力7100ポイントだとォォォ!?」

「コイツ終わりだギース!……精々地獄で、己が狩った精霊に詫びの一つでも入れて来やがれぇぇぇぇぇぇ!!!
 バトル!オーロライトの姫騎士 アルトリウスで、アトミック・デス・オルトロスに攻撃!『オーロライトエクスカリバー』!!」」




――ズガバァァァァッァアン!!




「どわぁあぁぁぁぁぁぁ!!」
ギース:LP2400→0


完全決着……物言いのつけようもない位の完全勝利!!お疲れ様ヨハン!!


「結構ギリギリだったけどな……ジェリービーンズマンのカードを撃ちおとされてなかったら結構ヤバかったかもな。
 ユーナとジュウダイのおかげで勝つ事が出来たぜ……ありがとうな。」

「良いって事だぜヨハン、仲間を助けるのは当然の事だろ?」


そうそう、私等は当然の事をしたまでだって。
まぁ、この腐れ外道の悪辣非道な所業にちょ~~~~っとばっかり『プチ』っと来た事は否めねーけど、兎に角勝ったんだから無問題と言う事で!!


「まぁ、勝ったんだから確かに良いんだろうけど……如何するんだアイツ?」

「必殺の一撃を喰らって消し炭と化したオッサンは放置しておいても問題はないのではないかと本官は愚考します。」

「右に同じく!」

「なら放置の方向で問題ないよな。」


マッタク持って問題ないっす!
てか、このオッサンは放置して当然!!!……コイツに構うよりも先ずは、私等を待ってる蛇野郎に挨拶打ちかましてやらねーとだからね。



――ゴウン……



「「「!!?」」」


床が動いた!?……成程、ラスボス自ら相手してくれるってか――上等じゃない、アンタ如きには絶対負けてやらない!覚悟決めとけよコブラ!!








――――――








Side:はやて


オブライエン君の案内でだいぶ進んだけど、此処で行き止まりとはなぁ?
如何にかして外に出る手段はあらへんのやろか?


「慌てるな、俺がコブラから得た情報が正しければ、此処は恐らく……」


――ゴウン…


!!ゆ、床が動いたぁ!?
そか、この場所は昇降式の床のある場所やったんやね……そんで、この床は持ち上がって何処に向かってるんや?


「詳しい事は知らんが……十中八九、間違いなくプロフェッサーコブラの元に向かって居る筈だ。
 ――奴との傭兵契約は既に瓦解した故、奴の事は手加減なしでブッ飛ばせ……其れが俺の願いだ……!!」


コブラの下にか……願ってもないで此れは!
ラスボスが眼前に現れるなんぞ、寧ろ私にとっては僥倖やからな?――私が実際に戦うかどうかはまた別やけどな。



せやけど此れだけは言える。



コブラ、アンタは藪をつついて大蛇じゃ済まへんモノを呼び出した――或は目覚めさせたかも知れへん。
アンタが呼び起こしてしまったんは、ドンだけ強い力を持った人間でも絶対に敵う事がない絶対の存在……『神』かも知れへんのやらね。












 To Be Continued… 






*登場カード補足






アサルトアーマー・ヘル・ハウンド
レベル7     闇属性
獣族・効果
このカードは通常召喚出来ない。自分の墓地の「ヘヴィメタル・ガン・ドッグ」1体をゲームから除外して特殊召喚できる。
このカードと戦闘を行う相手モンスターの攻撃力と守備力は元々の数値に戻る。(装備カードは墓地に送られる。)
ATK2500    DEF1900



アトミック・デス・オルトロス
レベル9    闇属性
獣族・効果
このカードは通常召喚出来ない。自分の墓地にカードが5枚以上存在する場合に、それらのカードを全てゲームから除外して特殊召喚できる。
このカードはバトルフェイズ中のみ、相手のカード効果によっては破壊されない。
ATK4000    DEF3000



オーロラの束縛鍵
永続罠
自分フィールド上に「オーロライト」と名の付くモンスターが表側表示で存在する場合にのみ発動できる
相手モンスター1体を選択する。選択したモンスターの効果は無効になり攻撃する事が出来ない。