Side:遊奈


結構進んだな~~?そろそろ最上階って所じゃない?


「だよな?てか、このまま突き進んだら屋上に出ちゃうんじゃないか?」

「屋上か~~~……ある意味でコブラにはピッタリかもな?
 確か、日本には『馬鹿と煙は高い所が好き』って言葉があった筈だろ?……俺達デュエリストを食い物にしようとした馬鹿にはピッタリだぜ!!!」


お~~~、良く知ってんねヨハン?
確かにクソッ垂れのヘビ野郎にはピッタリの言葉だけどさ……けど、はやて達は何処?あそこから脱出したなら此処に来てても良い筈なのに……



「おぉ~~い、遊奈~~~~!!」

「はやて!!」

信じてたけど、やっぱり無事だったわね我が嫁!!
其れに準やマック達も無事みたいだから言う事ないわ!……ラスボスに挑む前に全員揃って最高の気分だっての!


「オブライエンが案内してくれたおかげやけどね。」

「オブライエンが……成程、アンタもコブラには思うところがあったって事ね?……感謝するよオブライエン。」

「気にするな。
 俺は傭兵だが、真に力を貸す相手は見極めてる心算だ……コブラは俺が力を貸す奴ではなく、お前達にこそ力を貸すべきだと思っただけの事。」


だとしてもサンキューだぜオブライエン?アンタはきっと世界最高の傭兵だよ。


「せやなぁ……まぁ、其れは其れとして、こう言うのは感動の再会て言うらしいで遊奈?先ずは抱きしめてキスでもしたろか?」

「嫌じゃないけど今はパス。
 寧ろそのキスは、コブラをぶっ倒した後での祝福にとっといてほしいわね。」

私がコブラとデュエルした場合って但し書きはつくけどさ。
まぁ、何にしてもこの先にラスボスが居る訳だから、誰が相手になるにしても、手加減無用の全力デュエルで叩きのめしてやるだけだっぜ!!











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX134
『現れたるは毒蛇の担い手』











――ギィィィィィィィィィィィ


最上階通り越して、屋上へと連なる扉を開けたら――居た!
屋上の奥に見える特徴的な鋭角リーゼントヘア!!……今回の一件の黒幕、プロフェッサー・コブラ!!


「此処まで辿り着いたか……まぁ、お前達ならば辿り着くとは思っていたが、よもや全員が辿り着くとはな?
 何人かは途中に配置したデュエリストに負けて脱落も有り得ると思ったが、此れは中々如何して、お前達の力は私の予想を超えていたらしい。」

「楽な相手じゃなかったけど、俺達が負ける理由は何処にもないからな!押し通らせて貰ったぜ!!」


佐藤先生は多少手強かったけど、私等の敵じゃなかったからね。
序に、精霊狩りの弩アホは自分がピンチになったら精霊を人質にとるとか姑息極まりねーからそもそも論外だし……もっと戦力整えろよ蛇野郎!!


「ククク、アレで良いのだよ、奴等は所詮デュエルエナジーを溜める為の捨て駒に過ぎんからな?
 実際奴等のお蔭で随分と沢山のデュエルエナジーを得る事が出来たが、まだ足りん……私の目的達成の為にも、私とデュエルをして貰おう!!」



「上等やトンガリリーゼント!相手になったろか!!」

「俺達のデュエルエナジーを得るのが目的だろうが、貴様の好きにはさせん。
 俺のドラゴンが、今まで溜めたエナジー諸共貴様を吹き飛ばしてやるぞ!!」


おぉっと、はやてと準はやる気満々だね?
……いんや、はやてと準以外の皆も口にしないだけで相当やる気満々じゃんよ?……まぁ、自分のデュエルが利用されたのにはブチ切れるか……


「その意気は素晴らしいが、生憎と私の相手はお前達ではない。
 私が相手に選ぶのは……貴様だ明石遊奈!!神の力を有する貴様こそが、私のデュエルの相手に相応しい!」


だけどそこで敢えて私を指名するか……ある程度予想はしてたけどね。
コブラが私等の事を調べ上げてるってのは予想してたから、そうなると私が2体の『神』を所持してるのを知ってたって何ら不思議はねーし。

序に言うなら、私のデッキ傾向も知り尽くしてるんだろうけど――其れを知った上で敢えて言うぜコブラ?

「私に勝てると思ってんのコブラ?」

「なに?」

「確かにアンタのデュエリストとしての実力は未知数で、更に私の戦術は調べ上げられてるんだろうけど、ぶっちゃけ負ける気がまるでしねーわ。
 つーかさ、影丸爺ちゃんとかトラゴエディアみたいな凶悪レベルのデュエリスト倒して来た私に、アンタが勝てると本気で思ってんの?
 お生憎様だけど、こちとら日々最強レベルの仲間とデュエルして自分の実力高めてんのよ?高みの見物極め込んでたアンタにゃ負けねーぜ?」

「ほう?良い威勢の良さだな?
 だが、デュエルが始まっても未だそんな事が言えるかな?」


言えるかどうかはやってみれば分かるんじゃない?
何れにしても、テメーは私等デュエリストの誇りと魂を穢してくれたんだ、その罪はキッチリと断罪させてもらうから覚悟決めとけよ蛇野郎!!


「よし、やっちまえ遊奈!アイツに本物のデュエリストの強さを教えてやれ!!」

「指名とあれば仕方ないが、俺達の前で無様なデュエルをしてくれるなよ遊奈?
 お前の持つ天性のデュエルセンスで、奴を圧倒してやれ!」

「そして遊奈を指名した事を後悔させたりや?……蛇では神に触れる事も敵わんと教えたれぇぇ!!」


おうよ、言われるまでもなくその心算だぜ!!
行くぜコブラ、此処でアンタぶっ倒して、アンタの野望も何もかも粉々に砕いてやる!其れこそ、粉砕!玉砕!!大喝采!!の如くね!!


「ククク……出来るモノならばやってみるが良い。」

「出来るかどうかは問題じゃねー、やるかやらないかだぜ!――御託は此処までだ!!」



「「デュエル!!」」


遊奈:LP4000
コブラ:LP4000



「先攻は貰う。私のターン!手札よりフィールド魔法『ヴェノム・スワンプ』を発動!
 このカードが存在する限り、互いのターンのエンドフェイズ毎にヴェノムモンスター以外のモンスターに『ヴェノムカウンター』を1つ乗せる。
 そしてヴェノムカウンターの乗ったモンスターの攻撃力は、ヴェノムカウンターの数×500ポイントダウンする。
 更にこの効果によって攻撃力が0になったモンスターは問答無用で破壊される!……毒の沼地で生き抜くのは容易ではないと言う事だな?」


1ターン目で何とも厄介なカードを出して来てくれたわね?
つーか、メインデッキのモンスターの攻撃力が低い私には天敵以外の何物でもないカードだわ。


「更に私は『ヴェノム・ソルジャー』を攻撃表示で召喚!!」
ヴェノム・ソルジャー:ATK1800


「カードを1枚セットしてターンエンド。」

「私のターン!!手札から魔法カード『エンジェル・バトン』を発動!
 デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる!……2枚ドローして、其の後でボルト・ヘッジホッグを捨てる。
 でもって、チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!!」
ジャンク・シンクロン:ATK1300


更にジャンクロンの効果で、墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』を特殊召喚!


ボルト・ヘッジホッグ:DEF800


「ほう?お得意のシンクロ召喚か?遠慮せずに来るが良い!!」

「余裕ぶってられんのも今だけ!吠え面かかせてやる!私は、レベル2のボルト・ヘッジホッグに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!
 集いし思いが、新たな勇気を呼び覚ます。光指す道となれ!シンクロ召喚、導け『ジャンク・ライブラリアン』!」

本気で行きます!
ジャンク・ライブラリアン:ATK2100→2400


頼りにしてるぜ本屋ちゃん♪
更に装備魔法『砕け得ぬ鎧』を本屋ちゃんに装備!
このカードを装備したモンスターは、このカード以外の魔法カードの効果を一切受け付けない!よって本屋ちゃんは毒には侵されねーわ!!

「私のモンスターを効果で処理しようとしたんだろうけどあんまし意味なかったね?」

「むぅ……」


そんなせせこましい戦術が私に通用すると思ったら大間違いだぜ!
バトルだ!本屋ちゃんで、ヴェノム・ソルジャーに攻撃!ブチかませ、『スクラップ・マジック』!!!



――バガァァァン!!



コブラ:LP4000→3400

「ぐぬ……だがトラップ発動!『ダメージ・コンデンサー』
 私が戦闘ダメージを受けた時、手札1枚を捨て受けた戦闘ダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスターを特殊召喚する!!
 出でよ『毒蛇王ヴェノミノン』!!」

『グオォォォォ…』
毒蛇王ヴェノミノン:ATK0



む、此処で上級モンスター?攻撃力は0だけど……


「ヴェノミノンの攻撃力は私の墓地の爬虫類族モンスター1体につき500ポイントアップする。
 私の墓地の爬虫類族モンスターはヴェノム・ソルジャーとダメージ・コンデンサー発動コストとして捨てたモンスターの2体!
 よって攻撃力は1000ポイントと言うところだな?」


毒蛇王ヴェノミノン:ATK0→1000


「更に毒蛇王はヴェノム・スワンプの効果を受けないモンスターだ!」


可也面倒なモンスターって事ね?
だけど、今の私の手札には毒蛇王を処理できるカードはない。むぅ………カードを2枚セットしてターンエンド。


「私のターン!手札から魔法カード『スネーク・レイン』を発動!手札を1枚捨て、デッキから爬虫類族モンスターを4体墓地に送る!
 そしてこのカードの発動コストと墓地に送った爬虫類族の合計数は5体!よってヴェノミノンの攻撃力は2500ポイントアップする!!」
毒蛇王ヴェノミノン:ATK1000→3500


行き成り攻撃力3500ってマジで!?


「バトルだ明石遊奈!!毒蛇王ヴェノミノンで、ジャンク・ライブラリアンに攻撃!『ヴェノム・ブロー』!!」

「ところがギッチョン!トラップ発動『ガード・ブロック』!
 
このカードで受けるダメージを0にして、デッキからカードを1枚ドローする!」

更にトラップ発動『堅牢なる盾』!このカードは発動後装備カードとなって私のモンスターに装備される!
そしてこのカードを装備したモンスターは戦闘では破壊されない!

私はこのカードを本屋ちゃんに装備!此れで本屋ちゃんは戦闘では破壊されないぜ!!


存外丈夫ですね私も……

「ちぃぃぃ………!カードを1枚セットしてターンエンド!!」


私のターン!手札を1枚捨て、チューナーモンスター『ラミネート・シンクロン』を特殊召喚する!


ラミネート・シンクロン:DEF0


更に、私の場にチューナーが存在する時、墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』を特殊召喚できる!
ラミネート・シンクロンの特殊召喚コストとして墓地に送ったボルト・ヘッジを含めて、2体のボルト・ヘッジホッグを特殊召喚する!


ボルト・ヘッジホッグ:DEF800(×2)


「でもって『チューニング・サポーター』を通常召喚!」
チューニング・サポーター:DEF300


「此れは…レベル10のシンクロモンスターを呼ぶ心算か!!」

「如何にもね……そして此れはアンタが望んだ相手だぜコブラ!!
 私はチューニング・サポーターと2体のボルト・ヘッジホッグに、レベル5のラミネート・シンクロンをチューニング!
 集いし魔導と雷鳴が、空より無限の力を呼び起こす。光射す道となれ!!シンクロ召喚、舞い降りよ『天竜神 オシリス』!!!」

『グオアァァァァァッァアァァアァァ!!』
天竜神 オシリス:ATK X000




「!!此れが神!!」

「そ、でもってアンタ如きじゃ触れる事も敵わない最強の存在ってね!」

チューニング・サポーターと本屋ちゃんの効果で、私はカードを2枚ドローする!此れで私の手札は3枚になった。
そして、オシリスの攻撃力は私の手札1枚につき1000ポイントだから、オシリスの攻撃力は000ポイントになる!!
更に本屋ちゃんとラミネートの効果で、攻撃力は600ポイントアップ!


『グオォォォォォォォ!!』
天竜神 オシリス:ATK X000→3000→3600



「更に手札から魔法カード『壺の中の魔導書』を発動!互いにデッキからカードを3枚ドローする!
 此れにより私の手札は5枚となり、オシリスの攻撃力は5600ポイントにアップする!!」

『グォォォォォォォォォォォォォォ!!』
天竜神 オシリス:ATK3600→5600



「こ、攻撃力5600だとぉ!!」

「神の力を甘く見過ぎだぜコブラ?神の力は何人たりとも触れる事は叶わず……其れはアンタだって例外じゃねぇ!
 だけどまあ、取り敢えず望み通りに神の一撃をブチかましてやるわ!
 バトル!天竜神 オシリスで、毒蛇王ヴェノミノンに攻撃!!全てを吹き飛ばせ『超電導波 サンダー・フォース』!!!」



――ゴォォォォォォォォォォ……バガァァァッァッァァァァアァァッァァン!!!



「ぐおわぁぁぁぁぁぁぁっぁあっぁあぁ!!!!」
コブラ:LP3400→1300


此れが神の力だぜコブラ?
些か強力すぎるかも知れないけど、神との邂逅はアンタ自身が望んだ事なんだから悪く思うなよ?


オシリスの力は正に無限の如きだからね?……このまま一気に押し切ってやる!












 To Be Continued… 






*登場カード補足



砕け得ぬ鎧
装備魔法
シンクロモンスターにのみ装備可能。
装備モンスターはこのカード以外の魔法カードの効果を受けない。



堅牢なる盾
通常罠
このカードは発動後装備カードとなり、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターに装備される。
このカードを装備したモンスターは戦闘によっては破壊されない。