Side:遊奈
外道悪党此処に極まれりってのは、アンタみたいのを言うんだろうね、このクソッ垂れのヘビ野郎!!
準達を人質に取ったうえに、十代が佐藤先生にダメージを与える度に部屋に水が注がれるって、そうまでして自軍の勝利を得たいのかアンタは!
「プロフェッサー・コブラ!なぜこのような事をする!
私は私の力で十代君を倒す自信がある!こんな脅迫その物な事をして、相手にデュエルをさせない等と言う事は余りにも恥ずべき事だ!!」
え?まさかの佐藤先生の大抗議?
完全にコブラの手先になっちまったのかと思ったけど、デュエリストとしての誇りまでは売り渡さなかった事かね?
だとしても、あのヘビ野郎が佐藤先生の抗議を聞くとは思えねー……どっちにしろ十代がピンチなのには変わりはねーって事だけど……
《遊奈、聞こえるか~~~~!!!》
念話!?はやてから……如何したの?てか、もう動いて大丈夫な訳!?
《前世で一部隊指揮しとった人間のバイタリティ舐めんなや!
確かにごっそり持ってかれたけど、あの程度の疲労やったら、ものの数時間寝とれば8割方回復するに決まっとるやろ!
まぁ、其れはえぇとして、準達の事は私に任せとき!こんな水攻め部屋なんぞ、元管理局最強トップ3でぶち抜いたるわぁ!!》
そいつは何とも頼りになる事で――はやてが味方で本当によかったわぁ。
けどまぁ、準達の安全は此れで保障されたから、攻撃を躊躇う理由もない訳よね?――つ~事は、十代も遠慮なくやれるって訳だ!!
程なく空中のモニターに準達が救出される光景が映し出されるだろうから、其れが流れたら手加減しないでやっちまえ!!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX131
『傷だらけの戦士を乗り越えろ!』
十代:LP2000
C・HERO カオス:ATK3000
佐藤:LP1000
スカブ・スカーナイト:ATK0
Side:十代
ダメだ、全然サッパリ思いつかねぇ!
万丈目達を死なせないように佐藤先生を倒すなんて如何すれば良いんだよ~~~!!
コブラは佐藤先生の抗議を無視して通信切りやがったし、だからって佐藤先生も引き下がる気はないみたいだしさぁ~~~!!
万丈目達の部屋の様子だけは、光学モニターで映し出されたままだけど、これ以上水が注がれたらマジでヤバイって!!
ライフが減るたびにって言うなら、デッキ破壊か特殊勝利とかで何とかなるけど、俺のデッキじゃどっちも狙えねぇし………本気で如何したモンか?
とは言え、このターンはこれ以上は何も出来ないから、カードを1枚セットしてターンを終了するぜ。
「カオスの効果は1ターンのみ有効だから、スカーナイトの効果は再び有効になる。私のターン!!
私は手札から永続魔法カード『傷だらけの戦士の意地』を発動!
この効果でスカーナイトが攻撃する事によって発生する私への戦闘ダメージをゼロにする!」
スピリチュアル・バリアで攻撃される事で発生するダメージを0にし、傷だらけの戦士の意地で自ら攻撃する事で発生するダメージを0にするコンボ!
確かに此れなら相手に攻撃させなくても、スカーナイトの効果を存分に発動する事が出来る。
だけど佐藤先生、カオスの効果は相手のターンでも発動できるんだぜ?
先生の魔法発動にチェーンしてカオスの効果を発動し、再びスカブ・スカーナイトの効果を無効にするぜ!!
「矢張りそう来たか……カードを1枚伏せてターンエンド。
カオスの効果を発動すれば、成程スカーナイトの力も君には及ばないと言う訳か……だが十代君、君は一体如何する心算なんだ?
私のライフを削らずに私を倒す方法が、君に有るのか?……ないならこの場は退くんだ、コブラに辿り着くための道は他にもある筈だ!」
「あ、今し方朝倉に調べて貰ったけど、正面玄関から入ってきた場合、蛇野郎が居る中央管制室には他に道はねーみてーだわ。
つ~訳で、如何足掻いても此処を通るしかない訳よ?……そう言う訳だから十代、迷わず思いっきりぶちかませ。」
はぁ!?何言ってんだよ遊奈、そんな事したら万丈目達が溺れ死んじゃうだろ!?
「大丈夫、もうすぐ助けが来る――」
『クラウソラス!!』
『ディバインバスター!!』
『プラズマスマッシャー!!』
――バガシャァァァァァァァァァァァァァン!!!!
「――てか来たみてーだわね。」
へ?アレは、はやて、なのは、フェイト!!助けに来てくれたのか!?
って、其れじゃあ遊奈は皆が万丈目達を助けてくれるのを知ってて、あんな事言ったのか?
「今し方はやてから念話通信が入ってね~~。
ま、何にしても此れで攻撃を躊躇う理由はなくなった訳だし、改めて言うぜ十代、思いっきりぶちかましちまえ!!!」
「そうだな……此れなら躊躇う必要なんてないよな!」
「そうだぜ十代、お前のHEROの強さをもっと俺達にも見せてくれよ!」
あぁ、勿論だぜヨハン!
行くぜ佐藤先生!俺のターン!!
「俺はこのターン、再びカオスの効果でスカブ・スカーナイトの効果を無効にするぜ!」
「枷がなくなった事で本領発揮か……だが、早々何度も同じ手が通じると思わない事だ!
カオスの効果にチェーンして、トラップ発動『闇の呪縛』!
このカードの効果で、カオスの攻撃力は700ポイントダウンし、表示形式の変更と攻撃が出来なくなる!!」
C・HERO カオス:ATK3000→2300
流石に同じ手は何度も通じないか。
だけど、其れだと攻撃を封じただけで効果の無効は避けられない!
そして効果が無効になったんなら、スカーナイトは只の的に他ならないぜ!!
「俺は手札から魔法カード『主役チェンジ』を発動!
自分フィールド上の『HERO』と名の付くモンスター1体をリリースし、デッキから『E・HERO』1体を特殊召喚する!
俺はC・HERO カオスをリリースし、デッキから新たなHEROを呼び覚ます!!出番だぜ、『E・HERO ネオス』!!」
『行こう十代!コブラの野望を砕くためにも!』
E・HERO ネオス:ATK2500
応!頼りにしてるぜネオス!
「此処で新たなHEROを呼びよせるとは、流石のデュエルセンスだよ十代君――!」
「へへ、だけど此れだけじゃないぜ!手札から魔法カード『ビヨンド・ザ・マスクチェンジ』を発動!
自分フィールドまたは墓地のモンスター1体を選択してゲームから除外し、除外したモンスターと同じ属性の『M・HERO』を変身召喚する!
俺は墓地のウェイブマンを除外し、エクストラデッキから光属性の『M・HERO 雷光』を異次元変身召喚するぜ!!」
『トリャァァァァァ!!』
M・HERO 雷光:ATK2300
此れで俺のモンスターは2体!
スカブ・スカーナイトの効果が無効になってる今、先生を倒すための下準備は完了したぜ!!
「バトル!M・HERO 雷光で、スカブ・スカーナイトに攻撃!貫け雷神『プラズマ・ブラスター』!!」
「……な~~~んか、フェイトが使いそうな技名だよね其れ。」
……言われてみれば確かに。
けど、其れは其れとして、スピリチュアル・バリアとのコンボで戦闘ダメージは与えられなくても、スカブ・スカーナイトを破壊する事は出来る!
――バガァァァン!!!
「く……見事だ十代君――だが、スカーナイトの魂は簡単には砕けないぞ!トラップ発動『スカーナイト・プラウド』!
僕のフィールド上の『スカーナイト』が相手によって破壊された場合に発動!
僕の手札を全て捨て、デッキか墓地から『ブレイブ・スカーナイト』を特殊召喚する!!」
『…………!』
ブレイブ・スカーナイト:ATK0
新たなスカーナイト!!
スピリチュアル・バリアがあるって言っても、態々攻撃力0のモンスターを攻撃表示で呼び出したのには、絶対に何か狙いがある筈だよな?
なら、ネオスでノーダメージになる攻撃をする理由もないか……
「俺は此れでバトルを終了!カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
「良い勘だね十代君、ブレイブ・スカーナイトは戦闘では破壊されないモンスターだから無意味となる攻撃をしなかったのは悪くない選択だよ。
だが、このモンスターが現れた以上は君の勝利は有り得ない!!僕のターン!!
……十代君、君とのこのデュエルは本当に楽しかった。其れこそプロリーグでも味わった事がない位の高揚感を感じたよ。
同時に理解した……君や遊奈君の様な直感型の天性のデュエリストには、基本も理論も意味は無いとね……僕の授業が退屈な訳だね。
人を見て法を説けとは良く言った物だ……所詮は凡人である僕の講義は、天才タイプの君達に届かないのは道理か…マッタク持ってまぁ。
だが十代君、僕にも意地と言うモノは有るからね――このデュエルの勝利は譲らない!!」
望むところだぜ先生!
手加減抜きの、全力全壊の本気のデュエルをしようぜ!ってか、手加減抜きのマジデュエルじゃないと、本気でデュエルした気にならないからな!
「その意気やよしと言うところかな?ならば、僕の攻撃を防ぎきってみろ十代君!
僕はブレイブ・スカーナイトで、M・HERO 雷光に攻撃!『アンリミテッド・スカーレット』!!」
攻撃力0のモンスターで攻撃だとぉ!?
傷だらけの戦士の意地の効果で戦闘ダメージはゼロになるって言っても、この攻撃は余りにも無意味じゃないのか?
「ブレイブ・スカーナイトは、相手モンスターを攻撃した場合そのモンスターを破壊し、相手に破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!
スカーナイトの攻撃対象になった雷光の攻撃力は2300――このバトルが成立すれば僕の勝ちだ!!」
「そうはさせるか!トラップ発動『ヒーロー・バリア』!
コイツの効果で、相手モンスター1体の攻撃を無効にするぜ!!」
――シュゥゥゥ……
か、辛うじて首の皮一枚繋がったけど、コイツは少し拙いな?
佐藤先生は鉄壁のコンボを完成させてる――正直ブレイブ・スカーナイトを用いたコンボは厄介な事この上ない……此処から如何攻めたモンか。
「そう簡単にはやられてくれないか……僕は此れでターンエンドだ。」
俺のデッキに、相手の攻撃を止めるカードはそれほど多くない。
ミラーフォースを引く事が出来れば僥倖だけど、その確率はそんなに高くない……何とかしてスカーナイトを処理しないとジリ貧だぜマジで!!
「俺の……ターン!!!」
『一緒に戦おう、十代。』
!?――今の声は……若しかして最後の『地』の力を宿したネオスペーシアンなのか?
俺が引いたカードは、若しかして……
『この力、君に託す!』
あぁ、借りるぜその力!
俺は『N グランドアマゾネス』を攻撃表示で召喚!!
N グランドアマゾネス:ATK800
「行くぜ!俺はネオスと、グランドアマゾネスの2体をコンタクト融合!
地に蠢く力と、果てなき宇宙の力が一つとなり、今此処に新たなHEROが降臨する!!コンタクト融合!『E・HERO グランド・ネオス』!!」
『終わらせよう、この戦いを!!』
E・HERO グランド・ネオス:ATK2500
あぁ、このターンで終わらせるぜ!
「グランド・ネオスの効果発動!1ターンに1度、相手モンスター1体を次の俺のスタンバイフェイズまでゲームから除外できる!
俺はこの効果で、ブレイブ・スカーナイトを次の俺のターンまでゲームから除外するぜ!!!」
「なに!?」
此れでスカー・ナイトのコンボは完全に崩れた!
ラストバトルだ佐藤先生!
「E・HERO グランド・ネオスで、佐藤先生にダイレクトアタック!!全てを飲み込め……『アースクェイク・フォース』!!!」
「……ハハハ……まさかこれ程とはね。
……見事だよ十代君、僕のスカーナイトのコンボを完璧に打ち破ったのは君が初めてだ……ぐ…うわぁぁぁぁあぁっぁぁぁぁぁぁ!!!」
佐藤:LP1000→0
な、何とか勝てたぜ……だけど……何て言うか、ごっそりと体力を吸い取られたような感じだ……コブラの奴は、一体何を企んでるんだよ――!
――――――
Side:遊奈
お見事十代、あの土壇場で新たなネオスペーシアンを召喚してのコンタクト融合とか、本気で天性の引きの強さがあるわマジで。
まぁ、此れで先に進める訳だけど……
――グラリ……
佐藤先生!!
今の一撃で意識が!?……後ろには何もないから、倒れたら奈落の底へ一直線!?てか、如何足掻いても落ちたら命の保証はねぇじゃんよ!
「く……間に合えぇぇぇぇえぇぇっぇえっぇぇ!!!!」
「佐藤先生!!!」
「終わらせるかぁぁぁぁぁ!!」
十代、ヨハン!!
――ガシィィィ!!!
ぎ、ギリギリで間に合った……あとコンマ5秒遅かったら、掴み損ねてたわ。
「……僕は、生きているのか?」
「ギリギリだけどね……間に合ってよかったよ。」
「……何故…如何して僕を助けた?
僕は君達と敵対した者なんだぞ!?如何して其れを助ける!――助けたところで、君達には何のメリットもない筈だ!!」
……確かに、アンタを助けても私等にはメリットはないよ?
だけどさ、みすみす人が死ぬのを見過ごせるほど私等は非情じゃね~訳よ……何よりも、見捨てたら絶対に後悔しちまうからね。
「目の前で誰かが死ぬとか、そんなのは絶対ゴメンだからね。
其れにさ、命は何にだって一つでしょ?なら、先生は貰い受けたその命が燃え尽きるその瞬間まで生きなきゃダメじゃん?
生きろよ先生、幾ら病気だって言っても、はやての仲間に治療のスペシャリストが居るから、若しかしたらその病魔も消し飛ばせるかもだよ。」
「この病魔が?……其れは願ってもない事だ。
そして、確かに君の言う通りだ遊奈君……たった一度きりの人生ならば、与えられた命は有意義に使わねば意味は無い…マッタク至言だよ。」
……天寿を全うしないなんてのは虚しいもんだからね。
――ギィィィィィ……ガゴン
んな事よりも、先生を倒した事で道が開けたみてーだよ?
「あぁ、なら行こうぜ!コブラの奴は許さねぇ!!」
「マンジョウメやケンザン達を殺そうとしたことにも、たっぷり礼をしてやろうぜ!!」
勿論!
何よりも、私等アカデミアのデュエリストを散々ぱら利用してくれた事については、万倍の利子付けて叩きかえしてやらないと気が済まねーしね!
――――――
Side:コブラ
ククククク……佐藤程度では遊城十代の足止めにもならんか――まぁ、この結果は予想通りだ。人質の救出も含めてな。
何よりも、今のデュエルで更なるデュエルエナジーを得る事が出来た……あと少しで、活動可能なレベルにまで復活する事だろう。
かの者が復活すれば、私の願いも叶う。その為ならばドレだけの犠牲を払う事も厭わん――!
「して、何用だアモン・ガラムよ?」
「気付いていたか、プロフェッサー・コブラ……!」
少し前からだがな。
この場所に辿り着いたと言う事は、通気口やら何やらを抜けて来たと言う事か?………マッタクご苦労な事だ。
ガラム財閥の御曹司が、埃に塗れてまで此処まで来たと言うのは一体何の目的があっての事か?
「お前がデス・デュエルを通じて、デュエリストのエネルギーを集めている事は分かっている。
なんの目的を持ってそんな事をしているのかは興味がないが、その集めたエネルギーは僕の目的の為に使わせて貰おうと思ってね。」
「ほう?つまり貴様は私が集めたデュエルエナジーを掠め取りに来たと?……トンでもないコソ泥だな。」
「何とでも言え、僕は目的の為ならば手段を選ばない主義でね――例えそれが悪と罵られようとも、僕は僕の信念を貫くまでさ。」
ふむ……見上げた根性だ。
だが、だからと言って『はいどうぞ』と渡す筈がないだろう………欲しければ、力ずくで奪ってみるが良い!
此処は男同士、小細工なしの拳の勝負と行こうではないか!
「良いだろう……其方の方面でも僕は負ける心算はない!!」
……中々良い身体をしているな?此れは久しぶりに楽しめそうだ!
軍隊格闘技の真髄をその身で知るが良い、アモン・ガラム!そして、私に挑んだ愚かさをその身で味わいながら散り行けぇぇぇ!!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
ブレイブ・スカーナイト
レベル5 闇属性
戦士族・効果
このカードは通常召喚出来ない。「スカーナイト・プラウド」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードは戦闘では破壊されない。
このカードが相手モンスターを攻撃した場合、そのモンスターを破壊し、相手に破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える。
ATK0 DEF0
主役チェンジ
通常魔法
自分フィールド上の「HERO」と名の付くモンスター1体を選択してリリースする。
デッキから「E・HERO」と名の付くモンスター1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。
ビヨンド・ザ・マスクチェンジ
通常魔法
自分のフィールド、または墓地のモンスター1体を選択してゲームから除外する。
エクストラデッキから、除外したモンスターと同じ属性の「M・HERO」1体を選択して特殊召喚する。
この特殊召喚は「マスク・チェンジ」による特殊召喚とする。
傷だらけの戦士の意地
永続魔法
自分フィールド上の「スカーナイト」と名の付くモンスターが攻撃する事によって発生する、自分への戦闘ダメージは0になる。
スカーナイト・プラウド
通常罠
自分フィールド上の「スカーナイト」と名の付くモンスターが相手によって破壊された場合に発動できる。
手札を全て捨て、デッキか墓地から「ブレイブ・スカーナイト」1体を選択して自分フィールド上に特殊召喚する。
|