Side:はやて
んん……此処は、保健室?
そや、私はアモンとデュエルをしてエネルギーをしこたま吸い取られて………不意打ちとは言え醜態曝してもうたな。
取り敢えず、此処に居るのは私だけやろか?
アモンかて相当に吸い取られた筈やから無事とも思えへんけど、保健室に居らんと言う事は、自分で何とかして生き延びたんやろうな……
まぁ、取り敢えずは現状確認が最優先や――何があったか教えてくれるかなのはちゃん?
『うん――端的に言えば、遊奈ちゃん達がコブラの仕掛けに乗せられたと考えていた方が良いかもしれないね。
遊奈ちゃんも十代君もコブラの下には辿り着いてないけど、この程度の刺客なんて敵の内にも入らないのは分かってると思うの。』
さよか…つまり遊奈達は今、文字通りの特攻をぶちかましたわけか?
マッタクドンだけの度胸の持ち主なんやろうな……せやけど其れが故に頼もしいで!
アンタだけには戦わせへん!――私も一緒に戦うから少しばかり待っとってや遊奈!
気が付けば、私は何時の間にか着替えて、遊奈達が居るであろうSAL研究所に向かっていた。
せやけど如何にも胸騒ぎがするなぁ?
勝とうが負けようが、コブラが何かを仕掛けて来るのは略確定や――此れは乗り込んで調査してみる必要がありそうやな。
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX130
『現代のHEROvs歴戦の戦士』
十代:LP4000
佐藤:LP4000
スカブ・スカーナイト:ATK0
E・HERO ブラックストライカー:ATK2700
M・HERO カミカゼ:ATK2700
Side:十代
俺のHERO達を自分の手駒にするなんて、佐藤先生のコンボは俺の常識を超えてるぜ。
だけどそれ以前に、自分のカードを手駒の如く扱って、挙句に只のコストに使うなんて事は絶対に許さねぇ!!
このデュエルは只俺が勝てばいいってもんじゃない……俺の仲間達を取り戻すためのデュエルだ!覚悟は良いな佐藤先生!!
「良い気迫だが、今はまだ私のターン。
君達の仲間の手によって逝くが良い十代君!!全てのモンスターで十代君にダイレクトアタック!!」
そうは行かないぜ!
トラップ発動『洗脳解除』!!コイツの効果で、カミカゼとブラック・ストライカーは元々のコントローラーである俺の下に舞い戻って来る!
「ほう、流石に見事だね十代君。デュエルの腕は正に天才的と言っても良いだろう、其れは遊奈君もだけれどもね。
だが、だからこそ君達は他の生徒の見本となる生徒でなければならなかった。
最下級のレッドに身を置きながら、しかし影丸事変と光の結社事変を解決に導いた中心的存在だったデュエリストなのだから。
にも拘らず、君達2人は実技は兎も角として座学は基本的に居眠り状態――何時しかそれが他の生徒にも伝染してしまった。
此れは許されざる事だよ?君達が只の一般生徒であったならば兎も角、一目置かれる存在である君達がその様なだらけた態度ではね。」
「異議あり、知るか馬鹿。
私も十代も、はやても準も有名になりたくてやった訳じゃねぇっての。
大体注目するのはする側の勝手だし、私等の態度に影響されるってんならされる方が悪いんじゃね?
てか『有名人がやってるんだから自分がやったって――』なんて考えは、寧ろそっちの方が悪いと思いませんかね佐藤先生?
それと、もう一つ言っとくと私も十代も睡眠学習は寝てても問題ない授業――ぶっちゃけ自分の糧にもならない授業だけだから。」
「!!それは、僕の授業の質が低いと言う事かな?」
あ~~~……うん、質が低いって言うか今更な内容が多くてさ。
基本が大事だって言うのは分かるんだけど、先生の授業は基本的過ぎてあまりにもつまらないんだよな。
同じ座学でも、高森先生の場合は詰めデュエルの問題とか、俺達が考えもしなかったコンボの説明とか有って目茶目茶楽しいから起きてるし。
「そー言う事。
ぶっちゃけ佐藤先生の授業で起きてるのって明日香と委員長と準位じゃね?他は皆纏めて夢の世界へレッツゴーだって。」
「そう言えば俺も寝てたな。」
ヨハンもか――つまり、俺等は座学の全部を全部寝てた訳じゃないからな?
「逆に頭に来るよ其れは!?僕だってね、授業内容は考えてるんだよ!?
元プロの経験から基本の大切さを知ってるから、君達に其れを知って貰いたいと言うのに、其れなのにーーーーー!!!」
「いや、デュエル初心者なら兎も角、少なくとも中級者以上のみが居るアカデミアでは其れは必要ねーって気付くでしょ普通。」
だよなぁ……まぁ、もう其れは良いだろ?
其れよりもデュエルだ!先生を倒さないと先には進めないんだからさ――俺のHEROは取り戻したけど、如何する?
「……良いだろう、特別授業だ十代君!魔法カード、『傷だらけの戦士の怒り』。
この僕のフィールド上に『スカーナイト』と名の付くモンスターが存在する場合にのみ発動できるカードだ。
そしてその効果は、相手にスカブカウンターの乗ったモンスターの数×1000ポイントのダメージを与える!
コントロールは元に戻ったとは言え、カミカゼとブラック・ストライカーにスカブカウンターは乗ったまま――よって2000ポイントのダメージだ!」
「おわぁぁぁぁぁあ!!」
十代:LP4000→2000
やってくれるぜ……このカードをもう1枚発動されたら終わりだな流石に……
「安心して良い、このカードは1ターンに1枚しか発動する事は出来ない。
だが、君に果たしてこの布陣が突破できるかな?カードを1枚セットしてターンエンド。」
発動制限――おかげで助かったぜ。
だけどこいつは、俺にとっては最高の好機だぜ先生?なんたって、このコンボを撃ち破る手札は既に手札に揃ってるからな!俺のターン!!
「行くぜ、手札から魔法カード『マスク・チェンジ』を発動!これで、ブラック・ストライカーを同属性のM・HEROに変身させる!!
闇のHEROは闇の仮面を纏って正義を貫く!変身召喚!『M・HERO ダーク・ロウ』!!」
『オォォォォォォ!!』
M・HERO ダーク・ロウ:ATK2400
「態々攻撃力を下げた?」
おぉっと、本命はこっからだぜ?
俺は手札から『HERO奥義・魔法再生』を発動!
俺のフィールド上にHEROが2体以上存在する時、自分の墓地の魔法カード1枚を選択して、その効果を発動する!
「この効果で俺が発動するのは勿論『融合』!そしてこの融合で、カミカゼとダーク・ロウ、2体のM・HEROを融合する!!
英雄の仮面が集う時、其処に新たなHEROが目覚める!!次元の狭間から現れろ!融合召喚、『C・HERO カオス』!!!」
『ムオアァァァア!!』
C・HERO カオス:ATK3000
「カオス!!確かにこのHEROなら状況を打開できるね!!
やっちまえ十代!!アンタのHEROは、傷だらけの歴戦の戦士にだって引けを取らない、最強の『正義の味方』でしょ!!」
おう!勿論だぜ!!
カオスの効果発動!1ターンに1度、相手フィールドに表側表示で存在するカードの効果を無効にする!
コイツでスカブ・スカーナイトの効果を無効にするぜ!!
「なにぃ!?」
「効果が無効になれば、スカブ・スカーナイトは只の的だぜ!
いけぇぇ!!C・HERO カオスで、スカブ・スカーナイトに攻撃!!『デス・ぺネトレーション・オーバードライブ』!!」
「そうはさせない!!トラップカード『アストラルフォース』!
このターン、相手モンスターの攻撃を僕へのダイレクトアタックに変える事が出来る……スカーナイトはやらせない!!」
自分の身を犠牲にしてもモンスターを護る!?
だけど先生、カオスの攻撃に関してはスカーナイトに受けさせた方が良かったかもだぜ?……何たってカオスの攻撃は――
『ぶっ潰れろぉォォォ!!!』
「は?」
――ギュィィィィン……ドガドガドガドガバキバキバキドドドドドドドドバガガガガガガドガバキメキメキバガァァァアァァァン!!
『ウリャーーーーーー!!』
「たわらばぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
佐藤:LP4000→1000
相手を壁に叩き付けてからの超絶パンチラッシュだからなぁ……遊奈、今のカオスの攻撃は何ヒットだ?
「33ヒット、目出度く記録更新……つーか、佐藤先生生きてる?」
「お~~い、大丈夫か先生?」
「だ、大丈夫だ……だが流石に効いた……もう少しソフトな攻撃にしてほしかったかな……此れでも病人なのでね――ゴフゥ!?」
って、吐血!?
如何考えてもやばいだろ先生!!デュエルどこじゃない、今直ぐ病院行かなきゃ!!
「心配ご無用!!この程度の吐血は日常茶飯事だから気にしなくて良い、増血剤も常備しているからね。
大体にしてこの程度でくたばるような柔な身体ではないよ……デュエルを続けようじゃないか――何よりも君とのデュエルは実に楽しいしね。」
佐藤先生……分かった、デュエルを続けよう。
俺は此れでターンを終了するぜ。
『クククク……苦戦しているようだな佐藤先生。』
!?お前は、プロフェッサー・コブラ!!
何の用だ、今は俺と佐藤先生がデュエルしてるんだ、邪魔するんじゃねぇ!!!
『良い威勢の良さだな遊城十代?
その威勢の良さならば佐藤先生を倒してしまうかもしれんが、果たしてそう巧く行くかな?――此れを見るが良い!!』
!!此れは、さっき分断された万丈目達!!
おい、コブラ何をする心算だ!!!
『ククク……佐藤先生のライフが減るたびにあの部屋には水が注入され、ライフが0になれば部屋は水で満たされる。
そうなれば、この部屋に居る者達は全員が溺死するのは間違いない――さて、正義の味方はどんな選択をする十代?』
そんな!!――佐藤先生のライフが減るたびに万丈目達の居る部屋が水で満たされるなんて!!
現に今は3000ポイントも削った訳だから、水だって相当に満ちて来てる筈だ………クソ、八方塞がりじゃないのかよ此れ!!
先に進むには先生を倒さないとならない。
だけど其れを行ったら万丈目達の命がない………如何しろって言うんだよ!!
仲間を見殺しにして先に進むなんて、そんなのは絶対に嫌だ!!俺はどうすれば良い……如何すればいんだ?
如何すれば、仲間を見殺しにしないで此処を突破できる?
諦めないで考えろ、足りない脳味噌で考えろ……仲間達を死なせずに此処を突破する方法を!ある筈なんだ、皆が助かる方法が、絶対に!!
――――――
Side:はやて
此れはまた内部は怪しさ大爆発の施設やなぁ?
外部侵入者に対するトラップが多数仕掛けられとるけど、既に発動済みやったら脅威でも何でもないわ――大体にして破壊できるしな。
其れよりも肝心なのは今の状況や。シャマル、遊奈達は何処に居る?
『反応が分断されてますが……遊奈ちゃんは十代君とヨハン君と共に地下の広間に居るみたいですね。
此方は大丈夫ですが、もう1つの方は可成りやばいわ…万丈目君達が密室に閉じこめられてる――しかも水が注ぎこまれてる!』
はぁ!?なんやそれ!?
水責め溺死上等な、トラップ通り越した拷問と言う名の処刑方法やないかそれは!!
『しかも、今デュエルをしてる十代君が、相手にダメージを与えるたびに水が注がれるみたい。
……此れは完全に人質を取っての脅迫行為よはやてちゃん!!』
せやな………大凡見過ごす事は出来へん事態や。
シャマル、準達が居る場所の正確な座標を割り出して!なのはちゃんとフェイトちゃんは砲撃一発用意しといてや!!
『『『了解♪』』』
目的達成の為には手段を選ばん言う事かプロフェッサー・コブラ?
まぁ、私かて前世では近い事をしてないとは言わんけど、少なくともこんな脅迫手段は取った事はない――こんな外道で非道な手段はな!!
如何やらアンタは人として一番大事なモノを失ってもうたみたいやな――絶対に許さへん!!
私か遊奈か、はたまた十代か準かは分からへんけど、アンタに最大級の裁きを叩きつけたる!!――さぁ、懺悔の準備は充分かぁ!?
アンタだけは例え魂魄100万回生まれ変わろうとも、絶対に許さへん……寧ろ今の時代で、跡形もなく消し飛ばしたるから覚悟しとけぇぇ!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
HERO奥義・魔法再生
通常魔法
自分フィールド上に「HERO」と名の付くモンスターが2体以上表側表示で存在する場合にのみ発動できる。
自分の墓地の魔法カード1枚を選択し、その効果を発動する。
「HERO奥義・魔法再生」は1ターンに1度しか発動出来ず、発動後このカードは墓地に送られずゲームから除外される。
傷だらけの戦士の怒り
通常魔法
自分フィールド上に「スカーナイト」と名の付くモンスターが表側表示で存在する場合にのみ発動できる。
相手にフィールド上のスカブカウンターが乗ったモンスターの数×1000ポイントのダメージを与える。
「傷だらけの戦士の怒り」は1ターンに1度しか発動出来ない。
アストラルフォース
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
このターン相手モンスターの攻撃は、全て自分への直接攻撃にする事が出来る。
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