Side:遊奈


さてと、準部万端整えて、コブラの本拠地と思われる『SAL研究所』に到着!!!
十代は去年此処でお猿さんとデュエルしたって事だけど、研究所の中の事は何か知ってる?知ってたら教えてほしーんだけどさ。


「あ~~~…ワリィ遊奈、去年は外でデュエルしただけで、俺もはやても研究所の中の事は分からないんだ。
 だけど、この建物から発せられる気配は、明らかに去年とは違うぜ?間違いなくこの建物中に何かがあるのは間違いない!何かが、な。」


ってーと此処は現時点では限りなく黒に近い灰色って所かな?
まぁ、コブラのおっちゃんが、のっぴきならない油断できない相手だって言うのは変わらないけどね?……寧ろ喧嘩売るってんなら買ってやんぜ!

てか、はやてがぶっ倒れる原因なったボケに手加減なんて必要ねーからね!!
寧ろ見つけ次第、有無を言わさずにフルボッコにしてやるぜ、この腐れ毒蛇の前髪星人が~~~~!!ぜってーブッ飛ばす!!


「凄まじい気合いだが――気合を入れ過ぎて空回りするなよ?」

「遊奈がそんなへまする筈ないだろ万丈目?――遊奈は相手が誰であろうと絶対に勝つぜ?……其れが遊奈だからな!!」


へっへ~~、あんがと十代。
気合いは充分でも、空回りする心算は毛頭ないし、なによりも私自身がコブラをこの手で倒す事を望んでるからね……御託は要らねぇでしょ?

私等は此処に乗り込んだ――ラストステージの始まりだぜコブラ!!















遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX129
『第一の刺客・傷だらけの戦士』











Side:オブライエン


SAL研究所にこんな場所があったとは……表向きには知られていない訳だ。
尤も、此れだけ意味不明のコード類が散乱しているのを見れば、此処で何かやましい事をしているのではないかと思うのも当然だろうな。

実際に俺も此処に来た時には目を疑ったからな……培養ポッドの中に浮かぶ異形の腕を見て……アレは一体何なんだ?

詳しい事は分からないが、アレは野放しにして良いモノではない――培養ポッドごと破壊してやる!!


「ふむ……こんな所で何をしているオブライエン?」

「!?」

プロフェッサー・コブラ!何時の間に!?


「此れも訓練の賜物だが、気配を完全に遮断する術は学んでいてね……何をコソコソ嗅ぎまわっていた、オブライエン?」


……今回の、デス・デュエルについて調べていた――短期間に多くの生徒がデュエル終了直後に意識を失うなど考えられるモノではない!
そして調査の結果、今回のデス・デュエルにはデュエルを行った者から凄まじいエネルギーを吸い取っていると言う事までな。

「貴方は一体何を成さんとしているんだ、プロフェッサー・コブラ?」

「知る必要はない……傭兵は傭兵らしく、雇い主の命に従えばいい――其れが傭兵の正しい姿だろうオブライエン?
 そう、お前の父が金の為に戦ったのと同じ事だ。」


!!ダディはそんな奴じゃない!!
ダディは俺とマミーを養うために傭兵にならざるを得なかったんだ……そのダディを侮辱するならば、貴方とて容赦はしないぞコブラ!!


「ならば如何する?」

「その口封じ込めて、二度とふざけた事が出来ないようにしてやる!!」

「クックック……良い威勢の良さだが、足元には注意した方が良いかもしれんぞ?」


――ガクン……


!?お、落とし穴だと!?
こんな古典的なトラップに引っ掛かるとは……!!


「精々そこで大人しくして居ろオブライエン。
 なに、私の目的が遂行された暁には其処から出してやるから安心しろ……だが、其れまではしばし暗闇の中で過ごすが良い!!」


待て、コブラ!!コブラ!!!


――ギィィィィィ……


クソ、閉じこめられたか!!
この奈落の底で出来る事は少ないが、傭兵を舐めるなよコブラ?必ず脱出して見せる!そして、俺を利用した報いを受けさせてやる!!!








――――――








Side:遊奈


ほえ~~~、武骨な外見とは裏腹に、中は結構近代的なんだね?……まぁ、怪しい研究所バリバリの内部ではあるんだけどさ。
つーか、社長は何を目的としてこんな研究所をアカデミア島に造った訳?

ぶっちゃけデュエルとはあんまし関係ないし、そもそも造る意味が見当たらねー!!機会があったら、小一時間ほど問い詰めてーわ、割とマジで。


つってもまぁ、此処は敵の本拠地な訳だから慎重に行こうぜ?――どんなトラップがあるか分からねーしさ。


「そうですね、慎重にならないと………」


――トン……カチリ


「「「「「「「「「「「へ?」」」」」」」」」」」


委員長が壁に手を着いた瞬間、何かスイッチの入る音が………


――ドガァァァアァッァアァァァァァン!!!!


って!!入り口付近の壁が吹っ飛んだ!?……いや、アレは間違いなく致死レベルの爆発じゃね!?
幾ら何でもセキュリティ厳重って言うか、過剰防衛じゃね!?寧ろ下手したらこの爆発でこの研究所自体が吹っ飛びかねないと思うんだけど!?


「マッタクだな……進むだけでも用心しなくては………」


――カチリ……


「……今度は床の隠しスイッチか?」

「みたいだな………」


――キラン……


って、今度のトラップは降り注ぐ槍!?
各員全力回避~~~~!!!緊急回避でも攻撃避けでも高速ダッシュでも何でもいいから、兎に角回避~~!
回避に失敗したら、串刺しになっちまうぞーーーーーーーー!!


――ドドドドドドドドドドドドッドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!


はぁ、はぁ……な、何とか全弾回避……如何なってんのマジでこの研究所!?
若しかして、コブラの奴が此処を拠点にした際に、魔改造しまくって侵入者を徹底的に拒むトラップを設置したとか!?……メッチャ有り得るわ。

此れじゃあ進むのも一苦労だけど……


――カチリ……


またかい!!よりによって起きようと手を着いたところに隠しスイッチて、ドンだけトラップ仕掛けてやがんのよ、あの暗黒のスネ夫は!!


――ガゴン……


!!床が分断されて!!

今度のトラップは分断!!入って来た相手を分断して、戦力を分散させるためのモノ!!


「ユーナ!!」


ちぃ……私と十代とヨハン以外は完全に分断されちったか!
あの分だと明日香も、1人で分断されたんだろうね……何とも拙い状況になったかも知んねーわ此れ。


――ゴドン……


如何やら止まったみたいね?……果たしてこの先、鬼が出るか蛇が出るか――あ、ラスボスは蛇だったか。
にしても何処よ此処?随分開けた場所みたいだけど……


「此処は、この研究所のデュエルフィールドだよ。デュエルによって生じるエネルギーを観測する為ではあるけどね。」


この声……アンタは!!


「「「佐藤先生!?」」」

「ようこそ、SAL研究所の特設デュエルフィールドへ。
 君達の目的は大体予測が付く――プロフェッサー・コブラに会いに行く心算だろう?」


まぁね……だけどそうと知って私等の前に現れたって事は――アンタはコブラの手先って事だよね、佐藤先生?


「鋭いね?如何にもその通りだよ。
 此処から先に進みたければ僕を倒すより他に方法はない……さて、如何する?」

「如何するもこうするもないぜ!
 此処から先に進むために必要だってんなら、倒して進むだけだ!!俺が相手になるぜ、佐藤先生!!」


十代!――OK、任せるぜ!
アンタなら負ける事もないだろうし、ちゃっちゃとやっつけちまえ!そんで、コブラの奴をブッ飛ばしに行こうぜ!!


「おう!勿論だぜ!!」

「ふふ、威勢が良い事だ……だが、十代君が負けたら君達は纏めてリタイアだと言う事を忘れないでくれたまえよ?」


うわ~~~お、悪役にお約束の不平等条件来た此れ!


上等だこら!私等の進む道の切符は全部十代に預けてやろうじゃない!ヨハンも異論はねーでしょ?


「あぁ、勿論だ!お前に全てを預けるぜ、ジュウダイ!!」

「よっしゃ、皆の切符、確かに預かった!……行くぜ、佐藤先生!!」

「残念だが、君達は此処でゲームオーバーだよ……」


「「デュエル!!」」


十代:LP4000
佐藤:LP4000




ん?そう言えば佐藤先生って元プロデュエリストじゃなかったっけ?……まぁ、十代ならそんな事関係なく勝っちゃいそうな気がするけどね。
だけど何だろう?デュエルになった瞬間に佐藤先生の雰囲気が変わった――それに底知れぬ何かを感じる。

十代が負けるとは思わないけど、此れは一筋縄でいく相手じゃなかったかな~~……?








――――――








Side:十代


先攻は貰うぜ佐藤先生!俺のターン!!
よし!この手札なら速攻で行ける!!俺は『E・HERO エアーマン』を攻撃表示で召喚!


E・HERO エアーマン:ATK1800


エアーマンの効果で、俺はデッキから『E・HERO ウェイブマン』を手札に加える。
そしてマジックカード『エレメント・ドロー』を発動!ウェイブマンを墓地に送りデッキからカードを2枚ドロー!
更に、ウェイブマンの効果で、デッキから『融合』を手札に加えるぜ!!


「速攻でお得意の融合を決める手段を整えたか……」

「融合こそが俺のデュエルだからな!
 だけどな佐藤先生、だからって俺のデュエルは融合だけじゃないんだぜ?寧ろHEROの可能性は融合だけじゃないんだ!!」

「なに?」


マジック発動『マスク・チェンジ』!コイツでエアーマンを、同属性のM・HEROに変身させる!!
変身召喚!来い、『M・HERO カミカゼ』!!


『ムゥゥゥン!!』
M・HERO カミカゼ:ATK2700


俺は此れでターンエンドだ。


「行き成り上級モンスターとはね…だが其れが良い!僕のターン!
 僕は『スカブ・スカーナイト』を攻撃表示で召喚!!」

『ゴハァァァ……』
スカブ・スカーナイト:ATK0



攻撃力0のモンスターを攻撃表示で召喚だってぇ!?……如何考えても罠だよな此れ?
何を狙ってるんだ?


「カードを1枚セットしてターンエンド。」


だけど罠だったとしても、此処は進むしかないからな……ぶちかますぜ先生!俺のターン!!

「俺は手札からマジックカード『融合』を発動!手札のブラックミストと、シャドーミストを融合する!
 闇の力をその身に宿したHEROよ、黒き正義をその身で示せ!融合召喚、来い『E・HERO ブラックストライカー』!」

『ムオァァアッァァ!!』
E・HERO ブラックストライカー:ATK2700



何を狙ってるか知らないけど、このターンで終わりだぜ、佐藤先生!
M・HERO カミカゼで、スカブ・スカーナイトに攻撃!!『カミカゼ・スラッシャー』!!


「甘い!永続トラップ発動『スピリチュアル・バリア』
 このカードの効果で、僕のフィールドのモンスターが攻撃される事によって発生する、僕への戦闘ダメージは0になる。
 そして、スカブ・スカーナイトは戦闘では破壊されないモンスターだ。」


マジで!?
其れは予想外だぜ……此れじゃあダメージは期待できないからターン……


「おっと、スカブ・スカーナイトが存在する限り、相手は攻撃を行わねばならない――ブラックストライカーでも攻撃しなくては成らないんだ!」


強制攻撃!?
だけど、この攻撃は無意味じゃないのか?ダメージは与えられない訳だし……


「そう思うかい?――だがそうじゃない。
 スカブ・スカーナイトと戦闘を行ったモンスターには『スカブカウンター』が一つ乗る。
 そしてバトルフェイズが終了した瞬間、スカブカウンターが乗ったモンスターは私の僕となる……其れがたとえ君の仲間であってもね。」


そんな!!……カミカゼ、ブラックストライカー!!!



E・HERO ブラックストライカー&M・HERO カミカゼ:十代→佐藤



何てコンボだ!!
戦闘破壊されないスカーナイトと、ダメージ無効のスピリットバリアで防御しつつ、こっちのモンスターを奪い取るなんて!!


次のターン、奪われたHEROの攻撃を受けたら俺は即死じゃないか!!

だけど、だけどそうは行かないぜ!!

「……カードを1枚セットしてターンエンド。」

「では一気に決めてあげようか十代君!私のターン!!」


お前達の事は必ず取り戻す!!
だって、HEROが敵の手先になるなんて、そんな事は絶対にあっちゃいけない事だからな!――負けないぜこのデュエル!絶対にな!!!















 To Be Continued… 






*登場カード補足






スカブ・スカーナイト
レベル4    闇属性
戦士族・効果
このカードは戦闘では破壊されない。
相手フィールド上のモンスターが表側攻撃表示で存在する場合、 相手はこのターン攻撃を行わければならない。
攻撃表示のこのカードと戦闘を行った相手モンスターに、 ダメージステップ終了時にスカブカウンターを1つ置く。
バトルフェイズ終了時に、スカブカウンターが載っているモンスターのコントロールを得ることが出来る。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、 「ライフポイントを回復する」効果は無効になる。
また、「スカブ・スカーナイト」はフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
ATK0    DEF0



スピリチュアル・バリア
永続罠
このカードが表側表示で存在する限り、自分フィールド上のモンスターが攻撃される事によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。