Side:エド


光の結社が本拠地としているのはブルー寮……恐らく斎王も其処に居る筈だ。
DDの言う事が真実なら、斎王は破滅の光とやらに乗っ取られてこんなばかげた事をしている事になる――友達として其れを見過ごす事は出来ない。

其れに乗っ取られていると言うなら、本来の斎王の人格はきっと苦しんで居る筈だ。
なら僕は破滅の光を打倒して斎王を助け出してやらなくちゃならない!!

「その為に、力を貸してもらうぞ『Onslaught Jupiter』!」

『…………』


ふ、気のせいかもしれないがJupiterが頷いてくれたみたいだ。


「Mr.エド、そろそろアカデミアに到着します。」

「あぁ、分かった……何時もの様にボードとパラシュートを。
 僕が飛び降りたら君達は童実野町に……こんな夜中にヘリが着陸したら、流石にアカデミアの皆に迷惑が掛かるからな。」

「了解しました………Mr.エド、御武運を…!!」


あぁ、ありがとう――必ず勝って斎王を元に戻して見せるさ。
まぁ、流石にこんな時間じゃあ斎王も起きていないだろうし、仕掛けるのは明日になるだろうけど……斎王とのデュエル、負けられないな。















遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX110
『突入!光の結社を倒せ!』












Side:はやて


さぁてと、今日も今日とてデュエル開始の時間や!!予定通り光の結社に乗り込むけど、全員気合いは入っとるか~~~~!?


「「「「「「「「「お~~~~~~~~~~!!!!!!」」」」」」」」」

「よっしゃ良いお返事や!!
 ジェネックスもそろそろ終盤、何時優勝者が出てもオカシクない状況や……本音を言うなら私かて優勝したいけど、今は他になすべき事が有る!
 ジェネックスが終わったら、恐らく斎王はアカデミアから居なくなるやろ――そうなる前に決着を付けるで!!」

私と遊奈、十代と準、其れにマックと剣山君と岬ちゃんと翔君、更には雪乃ちゃんと麗華ちゃんまで居るんや……こんだけの戦力に負けはないで?
其れにやシャマル、昨日夜中にエドがアカデミアに戻って来てるんやろ?


はい、如何やらエド君も結社に仕掛けるみたいですよ~~~~?


やったら尚の事、私等が最終的に敗北する事だけはあらへん。
其れに白に浸食された連中も……



「ふはははははははは!来よったな、下らん力に惑わされた雑魚どもが!!
 さぁ、デュエルだ者ども!!白の浸食から解放され、私の地獄の特訓で叩き直された貴様等のデュエリストレベルを奴等に見せ付けてやれ!!」

「いよっしゃ~~~~~~~行くぜオラァぁ!!!」
「エヴァンジェリン様のご命令とあらばぁぁぁぁ!!!!!!」
「あの地獄のようなデュエル訓練と比べれば、お前等なんぞ屁でもねぇんだよダボがぁぁぁ!!!」
「ひゃっは~~~!エヴァ様のお通りだ、道を開けろ~~~~!!!」


「……テンションがアレだが…俺達も行くかコウ?」

「だな……てか、あの嬢ちゃんは一体何をどうやって、こんだけのデュエリストの根性叩き直して、あまつさえ下僕化したんだ?」

「……世の中にはな、知らない方が良いって事は数えきれないほどあるんだぜダチ公……」

「成程な……その一言でドレだけの地獄をアイツ等が見て来たか、よ~~~~~~~く分かったぜ…」


エヴァちゃんの多分にバイオレンスな更生デュエルを今日の今日まで受け続けて、元に戻ったブルー生徒の敵やないやろ?
……店長とそのお友達が何や苦労してそうやけど、こう言う状況やと大人は苦労役て相場が決まっとるからなぁ……まぁ、頑張ってや♪


「おうよ、相手がアレでもやるからには全力だ。
 お前さん達は此れから――乗り込むんだな、光の結社の本拠地と化してるブルー寮に。」

「勿論!!ジェネックスもそろそろ大詰めじゃん?仕掛けるには良い時期かと思ってね~~?
 序に、昨日十代が新たなHEROの力を覚醒させて見事なデュエル見せてくれたもんだから、全員デュエルテンションMAXだから丁度良いでしょ?」

「其れに、あの白共は店長達が何とかしてくれるんやろ?
 せやったら、私等は其の親玉を叩いてふざけた白の浸食に終止符を打つだけやで!」

「そいつは頼もしいが……お前さん達なら大丈夫だろうよ。
 デュエルってのは詰まる所、自分のデッキを信じて、最後まで諦めず、そしてデュエルを楽しんだ奴が勝つって相場が決まってるんだ。
 お前さん達はその全てを満たせるデュエリストだからな……斎王とやらに一泡吹かせてやりな!!」

「ま、こっちは俺達に任せとけ。」


うん、任せるで!
って、早速来たで店長!


「おい、オッサン俺とデュエルしな!!!」

あ゛?誰がオッサンだガキが……


あ、地雷踏んだわアイツ……取り敢えずご愁傷様やね。
デュエルが始まってもうたけど…


「俺のターン!!魔法カード『死者への手向け』!手札のランチャースパイダーを捨ててセットモンスターを破壊!
 更に魔法カード『死者蘇生』でランチャースパイダーを蘇生し、速攻魔法『リミッター解除』!これでランチャースパイダーの攻撃力を倍にする!!」

『ギュオォォォン!!!』
TM-1ランチャースパイダー:ATK2200→4400


「ランチャースパイダーでダイレクトアタック!!『クラスターボムズアウェイ』!!!」


――ドガァァァン!!!


「1ターンキルだとぉおぉぉぉぉぉぉ!?そんな馬鹿なぁぁぁ!!!」
直後に青に戻る白:LP4000→0


はい合掌!!店長に『オッサン』は禁句やて……まさか後攻1ターンキルかますとは思わへんかったけど、まぁ此れなら此処は安心やろ?
私等は本来の目的――光の結社本拠地に乗り込むで!!








――――――








Side:エド


「……来たかエド、お前なら必ずここにやって来ると思っていたよ。」

「……僕が来る事など予想済みか……マッタクその未来予知眼には頭が下がるよ斎王…」

だが、僕が来る事を予想していたのなら、僕が言いたい事も分かるだろう?――君の目的は一体何だ斎王!!
いや……斎王に宿っている破滅の光の意思よ!!お前は斎王を乗っ取って一体何をしようとしているんだ!!?


「くくく……其処まで分かって居たか……ならば隠す必要もあるまい。
 我は破滅の光、宇宙開闢の時より生まれし終焉を齎す存在……我が目的は全てを破滅へと導く事……手始めにこの星を衛星兵器で焼き尽くす!」

「何だと!?……そんな事をさせる筈がないだろう!!」

其れに衛星兵器だと!?そんなモノが簡単に!!


「あるんだよぉ、世界には探せば。
 尤も僅かに意識を取り戻した本来の斎王琢磨が、起動の為の2つの鍵を遊城十代と明石遊奈に渡してしまったおかげで面倒な事になったがね。」


本来の斎王が!!……と言う事は本当の斎王はお前に喰われたと言う訳じゃないんだな?
そして、そのトンでも兵器を起動する為の鍵は遊奈と十代が持っている…と言う事は僕がこの場でお前を倒せば全てが丸く収まると言う訳だな?
生憎とあの2人は、お前が集めた二流程度のデュエリストに負けるような奴じゃない――つまり鍵が他の誰かの手に渡る事は絶対に有り得ない。

「デュエルだ破滅の光!お前を倒してこの下らない茶番に幕を下ろしてやる!!」

「そう来ると思ったよエド!お前には、鍵を我が手に取り戻すための取引材料になって貰うとしよう。」


ふ……そうそう巧く行くと思うなよ?
父さんの遺産とDDの遺志を継いだおかげで、今の僕は気持ちがマックスに高まっていてね……誰にも負ける気がしないんだよ!!


「「デュエル!!!」」


エド:LP4000
斎王(破滅の光):LP4000



「先攻は貰うぞ、僕のターン!!
 全力で行くぞ!!僕は先ずこのカードを召喚する、カモン『D-HERO ダムドガイ』!!」
D-HERO ダムドガイ:ATK1800


ダムドガイのエフェクト発動。
このカードの召喚に成功した時、デッキからこのカードよりも攻撃力の低い『D-HERO』1体を特殊召喚できる。
僕はこの効果で、デッキより『D-HERO ダイヤモンドガイ』を守備表示で特殊召喚!


D-HERO ダイヤモンドガイ:DEF1600


「更にダイヤモンドガイのエフェクト発動!ハードネスアイが未来を予見する!
 ダイヤモンドガイが予見した未来のカードは『デステニー・ドロー』!よって次の僕のターンにエフェクトが確定!カードを1枚セットしターンエンド。」

「私のターン!私は『アルカナフォースⅩⅢ-DEATH』を召喚!」
アルカナフォースⅩⅢ-DEATH:ATK1500


「DEATHの効果、召喚時に正位置か逆位置かで異なる効果を発動する。
 本来ならば、このルーレットを止めるのはお前だが、既に私は未来を完璧に見通す力らを手に入れた!
 故にルーレットは必要なく、導かれた運命が確定する!!その確定した未来は正位置の効果!!!」


――カキン!


!!!本当に正位置で止まっただと!?


「DEATHの正位置の効果!相手モンスター1体を選択して破壊し、相手に700ポイントのダメージを与える!
 私がこの効果で破壊するのは…ダムドガイだ!!」

「なに!?……く…行き成りか…!」
エド:LP4000→3300


だが、何故ダイヤモンドガイを残したんだ?
攻撃力はダムドガイの方が高いが、効果を使った後のダムドガイは通常モンスター同様に何の効果も持たない。
其れならば、寧ろ厄介なのはダイヤモンドガイだと思うが……まさかプレイングミスと言う訳でもないだろうし……


「ダイヤモンドガイ如きの未来予知など、私の力の前では塵芥にも等しい。
 その程度のモンスターで、私が見通した未来を覆す事は出来ない――故に残したとしても何の脅威にもなり得ぬのだよ!!
 カードを1枚セットしてターンエンド!!」


言ってくれるじゃないか……なら僕はお前が見通したちゃちな未来とやらを超えて行くだけだ!
僕のターン!!ダイヤモンドガイが予見した『デステニー・ドロー』のエフェクト発動!此れによりデッキからカードを2枚ドローする。

「更にマジックカード『融合』を発動!
 手札の『ダイナマイトガイ』と『ダッシュガイ』を融合!!カモン、『D-HERO ダークフェニックス・ガイ』!!!」

『オォォォォ!!!』
D-HERO ダークフェニックス・ガイ:ATK2500


ダークフェニックス・ガイのエフェクト発動!
1ターンに1度、墓地の『D-HERO』を特殊召喚できる!!カモン『D-HERO ダイナマイトガイ』!!」


D-HERO ダイナマイトガイ:ATK1800


ダイナマイトガイの特殊召喚に成功した時、ダイナマイトガイ以外の『D-HERO』が存在する時、デッキからカードを1枚ドローする。
更にダイヤモンドガイのエフェクト発動!!……ハードネスアイが予見したのは『ミスフォーチュン』!よって次のターンのエフェクトが確定!!

「行くぞ破滅の光!!ダークフェニックス・ガイで、DEATHに攻撃!『フェニックス・クレイモア』!!!」

「甘い甘い!トラップ発動『フォーチュンシールド』
 このターン、私のフィールド上の『アルカナフォース』と名の付くモンスターは戦闘で破壊されず、私への戦闘ダメージも0になる!!」


ち…ノーダメージか。
態々モンスターを残したと言う事は、次のターンで強力な上級モンスターをアドバンス召喚する心算か……カードを1枚セットしターンエンド。


「私のターン!!私のフィールド上に『アルカナフォース』と名の付くモンスターが存在する場合、このカードは特殊召喚できる!
 出でよ『アルカナフォースⅡ-THE HIGH PRIESTESS』!!!」
アルカナフォースⅡ-THE HIGH PRIESTESS:ATK2300


「導かれるのは正位置の効果!
 THE HIGH PRIESTESSの正位置の効果により、私に対して発生する効果ダメージは0となる!!ミスフォーチュンは無駄だったなエド!!」


効果ダメージ無効能力……僕のミスフォーチュンを予見していたとでも言うのか?…そんな馬鹿な…!!


「マダマダぁ!私のフィールド上に『アルカナフォース』と名の付くモンスターが2体以上存在する時、新たなアルカナが目を覚ます!
 裁きを下しに現れよ、『アルカナフォースⅩⅩ-JUDGEMENT』!!!」
アルカナフォースⅩⅩ-JUDGEMENT:ATK2800


更なる上級モンスターだと!?
アルカナフォースである以上は正位置と逆位置の効果がある筈…一体どんな効果が…


「JUDGEMENTもまた正位置の運命をたどる!
 JUDGEMENTの正位置の効果……相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手に600ポイントのダメージを与える!!」


く…其れで一気に僕のライフを!!


「ちょっと待った~~~~~~!!!」

「幾ら何でも正位置と逆位置の効果決定をしないで勝手に正位置の効果を確定するなんて反則じゃないか!!」


!!裕奈に十代……其れに皆も!!
君達も、結社に乗り込んできたのか?


「みれば分かるやろ?……てか其れよりも斎王、本来はコイントスで決まる効果を勝手に自分の都合良い様に決めるなんて反則やで?
 未来を見通すとか訳わからん事ほざきよってからに……インチキも大概にせぇよ?」

「今のカードの効果決定をやり直してもらおうか?」


はやてに万丈目……いや、インチキじゃない。
確かに実に都合よく正位置の効果が出ているが、ルーレットは確かに回りその結果が正位置だったんだ…ならば仕方がないさ。


「いや、デュエルの演出でコイントスが相手の決めるルーレットになってるのは分かるんだけど、エドはそのルーレットを止めた訳?」

「……いや、止める前に正位置の効果が確定してしまったんだが…」

「なら、斎王がイカさまをしている可能性はゼロじゃないワ。
 あらかじめルーレットが自分の望む位置で止まるようにディスクに細工しておけば、インチキ占いだってし放題だものネ。」


マック……確かにそうかも知れないが…一応確かめてみるか。
斎王――と呼ぶのも抵抗があるが、もう一度JUDGEMENTのルーレットを行ってくれ、今度は僕がルーレットを止める!


「良いだろう…何度やっても運命は変わらない!!」


――カチ、カチ、カチ……


「……ストップだ!!」


――カチ、カチ、カチン!!


「んな!!嘘やろ!?」
「まさか本当に……!!」


止まったのは正位置……何て事だ、本当にアルカナフォースの運命は破滅の光に有利な道を歩んでいるって言うのか……!!


「ふははははは!!だから言っただろう、既に未来は確定していると!
 確定した未来が存在する以上、ルーレットは無駄だと分かったか!!お前達は其処で見ているが良い、エドの散り行く様をな!!!!
 バトルだ!!HIGH PRIESTESSで、ダイナマイトガイに攻撃!!『リヒトレーゲン』!!」


――バガァァン!!


エド:LP3300→2800

「く…だが、ダークヒーローの魂はそう簡単に朽ちはしない!
 トラップカード『デステニードライブ』!ダイナマイトガイの魂が、仲間に新たな力を与える!
 デステニードライブは、僕のフィールド上のD-HEROが戦闘で破壊された時、エンドフェイズまで僕のモンスターの攻守を1000ポイントアップする!」
D-HERO ダークフェニックス・ガイ:ATK2500→3500
D-HERO ダイヤモンドガイ:DEF1600→2600



「モンスターの全体強化か…だが、JUDGEMENTの効果で600ポイントのダメージを受けて貰う!!」

「く……」
エド:LP2800→2200


「更にJUDGEMENTで、ダイヤモンドガイに攻撃!『ヘブンズジャッジメント』!!」

「そう来ると思ったよ!トラップ発動『Dアーマー』!このカードは発動後装備カードとなり、僕の『D-HERO』に装備される!
 そして装備モンスターの守備力は400ポイントアップし戦闘では破壊されない!このカードをダイヤモンドガイに装備する!!」
D-HERO ダイヤモンドガイ:DEF2600→3000


此れでダイヤモンドガイの守備力は、JUDGEMENTの攻撃力を上回った。
反射ダメージを受けて貰うぞ!!


「むぅ…運命に逆らうか…」
斎王(破滅の光):LP4000→3800


「まぁ、足掻くのも良かろう……所詮運命を超える事など誰にも出来はしないのだからな!カードを1枚伏せターンエンド!!」


D-HERO ダークフェニックス・ガイ:ATK3500→2500
D-HERO ダイヤモンドガイ:DEF3000→2000



運命を超えるのは不可能だと思うか?
生憎と僕はそうは思わない……宿命を変える事は出来ないが、運命は変えられると聞いた事があるんでね。

例えどれだけの運命がお前に味方しようと、僕は必ずそれを超えて運命を変える。
其れに僕はまだ最強の切り札を切って居ない――デュエルはまだまだこれからだ破滅の光よ!!












 To Be Continued… 






*登場カード補足



デステニードライブ
通常罠
自分フィールド上の「D-HERO」と名の付くモンスターが戦闘で破壊されたときに発動できる。
エンドフェイズまで自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力と守備力は1000ポイントアップする。



Dアーマー
通常罠
このカードは発動後装備カードとなり、自分フィールド上に表側表示で存在する「D-HERO」と名の付くモンスターに装備される。
装備モンスターの守備力は400ポイントアップし戦闘では破壊されない。



フォーチュンシールド
通常罠
エンドフェイズまで自分フィールド上の「アルカナフォース」と名の付くモンスターは戦闘で破壊されず、自分が受ける戦闘ダメージは0になる。