Side:エド


そんな……DD、君が僕の父さんを殺したって言うのか!本当にそうなのかDD!


「あぁ?俺が持ってるこのカードが何よりの証拠だろエド?
 俺が10年前のあの日、お前の親父を殺してこのカードを持ち去った真犯人だよ!
 お前の後見人になったのは、そっちの方が色々都合が良いからさ……そう、例えば警察が事件についてどの程度把握してたかを聞いたりとかな!」

「DD……会う度に事件の捜査がドレくらい進んでいるか聞いて来たのは、自分に捜査の手が伸びてこないかを知る為か!!」

「その通りだエド……まぁ、お前にゃ感謝してるよ、おかげで俺は捕まる事もなく世界チャンピオンになる事が出来たんだからな。
 だが、其れとは別になエド…お前の後見人になった理由は他にもある……お前が何処までデュエリストとして登ってくるかってのを見たかった。」


DD?
なら、その理由で僕の後見人になったのは間違いだなDD……僕はアレからずっとデュエルの腕を磨いて来たんだ、誰にも負けないように!


「だよなぁ?そう来なくちゃ面白くねぇ。
 高みに登ったお前を、俺が究極のDで叩き潰す……これ以上の事は無いだろうエド!親父さんのカードで叩きのめされるならお前も本望だろ!!」

「黙れDD!これ以上、お前と話す事などない!
 お前が父さんを殺した真犯人だと言うなら、僕はお前を倒し、父さんが残した最後のカードをこの手に取り戻す!!」

デュエルだDD!この場でお前を倒してやる!!


「良いぜ?受けてやるよエド……正直コレクター如きじゃ物足りなかったからよぉ!!」

「言ってろ……このデュエルをお前の最後の防衛戦にしてやる!!」


「「デュエル!!!」」


エド:LP4000
DD:LP4000



そして、父さんの仇を討ち、その無念を晴らす!!行くぞDD!!















遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX107
『封印解除!究極の最強!!』












「大サービスだ、先攻はくれてやるよエド。」

「随分な余裕だなDD…究極のDにして最強のプラネットを手にして、無敵のデュエリストにでもなった心算か?………だとしたら甘すぎるな。
 幾ら強いカードだろうと、使用者の心が腐っていたらその真価を発揮できる筈がない!」

ジャパンのアカデミアの十代達が強いのは、己のデッキを信じ、単体では弱いカードも大事に扱い、そして常にカードと共に戦っているからだ。
逆に強いカードに頼り切った奴は、誰1人として十代達に勝つ事は出来なかった……ギリギリまで追い込んでも押し切れない奴が殆どだったな。

「デッキとの信頼関係が無いデュエリストなんて僕の敵じゃない!!
 その余裕を叩き潰してやる……僕の先攻、ドロー!手札からマジックカード『デステニー・ドロー』を発動!
 手札の『D-HERO デストラクションガイ』をセメタリーに送り、デッキからカードを2枚ドローする!」

そして『D-HERO ディメンジョンガイ』を召喚!


D-HEROディメンジョンガイ:DEF1500


更にマジックカード『オーバー・デステニー』を発動!
セメタリーのデストラクションガイを選択し、デッキからその半分以下のレベルのD-HEROを特殊召喚する!カモン『D-HERO ダイナマイトガイ』


D-HERO ダイナマイトガイ:ATK1800


ダイナマイトガイのエフェクト発動!
このカードの特殊召喚に成功した時、ダイナマイトガイ以外のD-HEROが僕のフィールドに存在する時、カードを1枚ドローする!

「未だだ!ディメンジョンガイのエフェクト発動!
 1ターンに1度、墓地のD-HERO1体を効果を無効にし攻守を0にした状態で特殊召喚できる!カモン『D-HERO デストラクションガイ』!!」
D-HERO デストラクションガイ:DEF2300→0(効果無効)


そして此れら3体のD-HEROをリリースし、カモン『D-HERO ドグマガイ』!!!


『ムオォォォォォォォ!!!』
D-HERO ドグマガイ:ATK3400


先攻ターンは攻撃できない、カードを1枚セットしてターンエンド。


「行き成り攻撃力3400のドグマガイとは気前が良いなエド……尤もこれくらいして貰わないと倒し甲斐もねぇがな!俺のターン!」

「この瞬間にドグマガイのエフェクト発動!
 特殊召喚に成功した次の相手のターンのスタンバイフェイズに、相手のライフを半分にする!『ライフ・アブソリュート』!!」

「ぬおぉぉぉぉ!!!」
DD:LP4000→2000


「やるなぁエド……まぁ、このライフ半分はお前へのプレゼントって事にしといてやるよ。
 俺は手札からマジックカード『ブラッド・ノート』を発動!
 相手モンスター1体を選択し、そのモンスターのレベル4つに付き1体『ブラッド・トークン』を特殊召喚する。
 俺が選択するのはレベル8のドグマガイ!よって2体の『ブラッド・トークン』を特殊召喚する!」
ブラッド・トークン(戦士族・闇・星1):ATK0(×2)


行き成り2体のモンスター……ドグマガイに対抗する為に最上級モンスターを呼び出す心算か?
だが、ドグマガイの攻撃力は3400、2体のリリースで出せる最上級モンスターでも早々超える事は出来ないと思うが、何を企んでるDD?


「更に『デビルズ・サンクチュアリ』を発動し、『メタルデビル・トークン』を特殊召喚!」
メタルデビル・トークン:ATK0


「さぁて、コイツで準備が整ったぜエド……見せてやるよ、最強にして究極ってやつをなぁ!
 メタルデビル・トークンと、2体のブラッド・トークンをリリース!現れろ究極のDにして最強のプラネット!『D-HERO The Onslaught Jupiter』!」


――ゴォォォォォォォ!!!


『ヌゥゥゥゥゥ……ガァァァァァァァァァァァ!!!』
D-HERO The Onslaught Jupiter:ATK?




な、何て威圧感だ……!!
此れが父さんの残した『究極のDにして最強のプラネット』……Onslaught Jupiter……!!まさか、敵として立ちはだかるとは思わなかったがな…


「Onslaught Jupiterの元々の攻撃力は、フィールド上に存在する最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力と同じになる。
 そしてこのカードは戦闘では破壊されないモンスターだ!!この意味が分かるよなエド?」

「!!…ドグマガイは一方的に破壊される……!!」

「そう言う事だ!コイツを戦闘で倒す事は絶対不可能なんだよ!!」
D-HERO The Onslaught Jupiter:ATK?→3400


「バトル!Onslaught Jupiterで、ドグマガイに攻撃!『ジェノサイド・ミーティア』!!!」


――キィィン…ドゴォォォォン!!!


「更に、Onslaught Jupiterは、相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手に1000ポイントのダメージを与える!!」

「なに!?うわぁぁあぁぁ!!!」
エド:LP4000→3000


何て効果だ……如何あっても攻撃力では上回れない上に、戦闘破壊するだけで1000ポイントものダメージを与えて来るなんて…流石は最強か。
だが、そのカードの弱点も今のターンで分かったぞDD!

トラップカード『デステニー・シグナル』
僕のモンスターが戦闘で破壊された時、デッキからレベル4以下のD-HERO1体を特殊召喚する!カモン『D-HERO ダイヤモンドガイ』!!


D-HERO ダイヤモンドガイ:DEF1600
D-HERO THE Onslaught Jupiter:ATK3400→1400


「ほう?」

「Jupiterの攻撃力はフィールド上で最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力と同じになる…其処に第1の弱点がある。
 ダイヤモンドガイの様に、攻撃力よりも守備力がモンスターを守備表示で出されるとモンスターを戦闘破壊する事が出来なくなる…そうだろう?」

「は…たった1ターンで其れに気付くとは褒めてやるよ…だが、その程度でコイツを攻略した気になるなよ?
 俺はコイツでターンを終了だ。」


確かに、此れで攻略できた訳じゃないが、攻守が1600を上回るモンスターを出さなければ少なくとも僕のモンスターは暫く無傷で居られる。
その間に何とかJupiterを攻略しないと僕に勝ちは無いか……なら立ち向かうまでだ。

きっと十代ならこんな状況になっても真っ向から立ち向かっていくだろうからな…同じHERO使いとして僕が止まるなど有り得ない。
僕のターン!!

「ダイヤモンドガイのエフェクト発動!
 デッキの一番上のカードを確認し、其れが通常魔法カードならセメタリーに送り、次の僕のターンにエフェクトが確定!
 ダイヤモンドガイの『ハードネスアイ』が見通したカードは……通常魔法カード『死者蘇生』!よって次のターンにエフェクトが確定!!」

此れでセメタリーのデストラクションガイを蘇生すれば、Jupiterを処理できる。


僕はカードを1枚セットしてターンエンドだ。


「まぁ、攻撃出来る筈もねぇか…だが、守備一辺倒じゃ俺は倒せないぜエド?
 俺のターン!………コイツは如何にも……如何やらこのデュエルは俺にツキがあるらしい…魔法カード『D-フォース』発動!」


――ギュゥゥゥン……


な、何だ此れは!?
空間が不気味な霧に……DD、お前の発動したカードの影響か!


「そう言うこった。
 D-フォースは発動後、俺のデッキの一番上に置かれ、コイツがある限り俺はドローフェイズにカードをドロー出来ないが……後は秘密だ。」


ドローを封じてまで発動するカードだと?一体どんな効果を持っていると言うんだ?


「コイツの恐ろしさはお前自身で知りな。ターンエンドだ。」

「僕のターン!」

D-フォースを発動しただけで伏せカードもなし……ならば一気に畳みかけるまでだ!
ダイヤモンドガイのエフェクトでセメタリーに送った『死者蘇生』のエフェクトで、墓地からモンスターを特殊召喚する!
僕がセメタリーより呼び戻すのは『D-HERO デストラクションガイ』!!


『ガァァアァァァ!!!!』
D-HERO デストラクションガイ:ATK3000
D-HERO The Onslaught Jupiter:ATK1400→3000



「此処で攻撃力3000か?だが、Jupiterを倒す事は出来ねぇぜ?」

「其れはあくまで『戦闘』でならだろう?戦闘で破壊できないならエフェクト破壊をするまでだ!
 デストラクションガイのエフェクト発動!1ターンに1度、フィールド上のカード1枚を破壊できる!但し攻撃は出来なくなるけどね。」

僕がこのエフェクトで破壊するのは当然『D-HERO The Onslaught Jupiter』!!
デストラクションガイよ、敵の手に堕ちた同胞を葬り、そして僕の下へと導いてくれ!『クラッシュスパイク』!!!

此れでJupiterを破壊できれば!!



――ドガァァァァァァァァァァ!!!!………シュゥゥゥ……



!!?

「馬鹿な、デストラクションガイのクラッシュスパイクが掻き消されただって!?…此れは一体……」

「クックック…ハッハッハッハッハ!!狙いは良かったが残念だったなエド!!コイツがD-フォースの効果だ!
 D-フォースが存在する限り、俺と、俺のフィールド上のD-HEROは相手のカード効果を一切受け付けねぇ!!
 モンスターのみじゃなく、俺自身が受けないって事は、俺への効果ダメージも0になりロック効果だって意味を成さねぇんだぜ?」


な、そんな事が!!


「しかもD-フォースはフィールドに存在してるカードじゃねぇからサイクロンや大嵐で破壊する事も不可能だ…さて、如何するエド!!」


く……父さん、貴方はなんて物を残してくれたんだ…!
究極のDとはJupiter1枚の事を指していたわけじゃなく、D-フォースと合わせての究極と言う事か……!!



だが、確かに此れは究極かもしれない。
DDが造り上げたこの場は――――紛れもなく『絶対不可侵なるDの領域』……何者をも寄せ付けない無敵のフィールドだ。



D-フォース発動前ならJupiterを倒す手段はあった。
だが、この究極のフィールドが完成した今、Jupiterを倒す手段なんてモノが、果たして存在し得るのか?





どうやらDDとのデュエルは、僕の絶対不利で進めるしかないみたいだな……だが、僕は諦めない。
ジャパンのアカデミアで、僕は『諦めない強さ』を学んだ――最後まで諦めなければ必ず道は開ける筈だ!



僕は其れを信じる――そして必ずお前を倒してみせるぞDD!!














 To Be Continued… 






*登場カード補足



ブラッド・ノート
通常魔法
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターのレベル4毎に1体、 自分フィールド上に「ブラッド・トークン」 (戦士族・闇・星1・攻/守0)を特殊召喚する。



D-フォース
通常魔法
発動後、このカードを表側表示で自分のデッキの一番上に置く。
このカードがデッキの一番上に表側表示で存在する限り、このカードのプレイヤーはドローフェイズにカードをドローする事が出来ない。
このカードがデッキの一番上に表側表示で存在する限り、自分と自分フィールド上の「D-HERO」と名の付くモンスターは相手のカード効果を受けない。