Side:エド
「此れで終わりだ!D-HERO ドレッドガイで、パーフェクト機械王に攻撃!『プレデター・オブ・ドレッドノート』!!!」
『ウオォォォォ!!!』
D-HERO ドレッドガイ:ATK4700(ダイヤモンドガイ、ダンクガイ、ダッシュガイの攻撃力合計)
――バガァァァァァァァン!!
「俺って進歩ねぇ~~~~~~!!!」
この後青に戻る白:LP1000→0
ふぅ……あまり手応えが無いな。
マックか、或は遊奈や十代クラスの相手じゃなければ僕を倒す事は出来ない……まして斎王の手駒となったデュエリストじゃね。
元より、僕はこの大会で負ける訳には行かないんだ……僕自身の為に、失われた『最後のD』と呼ばれるプラネットを見つける為に。
――Pipiipipipipipipipipi!!
と思った矢先に電話か………Hello This is Edo。
『エドか……如何やら元気みたいだな……良かった。」
「DD!!!久しぶりじゃないか!……今度タイトルマッチがあるんだろう?……頑張れよDD!」
『無論やるからにはね……君の方も諦めるなよ?君の父親を殺した犯人は、意外と近くにいるかも知れないのだからね。』
諦めはしないさ……真犯人にこの手で鉄槌を喰らわせてやる――そして最後の『D』を僕の手中に収める……其れだけの事だ!!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX106
『謎の世界チャンプと謎のカード』
Side:はやて
よし……希望者は全員集まっとるね?
ほな、此れより第1回『チャンピオンのデュエルを生放送で見てみようの会』主催のデュエルのタイトルマッチの視聴会を始めるで~~~♪
「ちょちょちょ、何そしているであ~る!此処は生徒が勝手に使う事は出来ない場所であ~る!!」
何やねんナポレオン教頭?
将来の為にプロのデュエルを見て、其れを参考にする言うのも悪くないと思うんよ?
其れに、此処は本館の2階のエントランスロビーで、生徒は自由に使う事が出来る筈やったと思うけどなぁ?
やから、私は何も怒られるような事はしてないて自信を持って言える!其れに、こんだけ生徒が集まってて今更TV観戦会中止には出来へんやろ?
タイトルマッチ開催まであと10分を切っとるからなぁ?――世界チャンピオンのデュエルがドレだけのレベルかを知るには良い機会やろな。
「その向上心は素晴らしいの~ネ!
自らデュエルするだけではなく、他人のデュエルを観戦して学ぶと言うのも大切な事です~の。
滅多に見る事が出来ないタイトルマッチデュエルを、その目に焼き付けるように確りと見ておくの~ネ!」
「うぃ~~~っす!勿論その心算であります!
てかさ、クロノス先生も一緒に見ようよ?ぶっちゃけ先生だって、このタイトルマッチは見逃せねーデュエルでしょ?」
「当然なの~ネ♪」
そらそうやろな♪
なんてったって、今日のタイトルマッチの相手はデュエル界でも屈指の『曲者』として有名なアノ『コレクター』やしね?
てか、コレクターってIQ200の超天才やったけど、其の頭脳を悪用して犯罪者として投獄されとるんやなかったっけ?出て来てえぇんかい?
「プロデュエルの世界~は、一種の治外法権です~~の。
獄中の犯罪者であって~も、プロデュエリストとしてスポンサーが付いていてリーグに登録してあれ~ば、デュエルの時のみ出所できるの~ネ。
です~が、当然そう言ったデュエリストと契約しているスポンサーに~は、問題が起きた場合、極めて厳しい処分が下されるの~ネ。」
「あ、やっぱりそう言う規定はあるんだ?」
「まぁ、当然の事だろうな。
特に知能犯の場合は、粗暴犯よりも狡猾で性質が悪い……両腕以外は動かせないようにしておく位は必要な処置だろう。」
「あ~~~~!其れでこのオッサン、両足に鎖とか付いてたのか!新しいファッションかと思ったぜ!」
――ガシャァァァァン!!!
お~~う……よもやこの場に集まった全員をずっこけさせるレベルのボケをかましてくれるとは流石は十代や。関西人の私でも突っ込み切れへんとは…
いや、首から細いシルバーチェーン下げとんのとはちゃうんやから、ファッションじゃない事くらいは分かるやろ!?
「いや、八神先輩、アニキは素で言ってるザウルス……」
「流石はデュエル以外には究極的に疎い『特別天然記念物指定デュエル脳』やな、ハンパあらへんて……」
此れから先の人生、こんなんで大丈夫やろか十代は?……ユベル、確り十代の事面倒見たってな?
『勿論その心算さ…』
ホンマ頼むで?………さて、そろそろ始まるみたいやね?
世界チャンピオンDD――デュエルを見るのは初めてやけど、ドンだけの実力者なんやろか?……楽しみや♪
――――――
Side:DD
もう、何戦目のタイトルマッチか分からないが………果たして俺はコレクターに勝てるのか……このカードを使わずにアイツを倒す事など……
――今更何を悩んでんだ?悩む事は無いだろうよ………『力』を求めて×××までして手に入れた最強のカードなんだからなぁ?
そうだ……迷う事などない、俺は世界チャンピオンなのだから。
クックック……そうだ、もうこれ以上お前を隠す必要もねぇ、コレクターにはコイツを世間にお披露目する為の生贄になって貰うとしようか!
「チャンピオン、そろそろ……」
「あぁ、今行くぜ。」
さぁて、見せてやるか……『究極のD』にして『最強のプラネット』の姿ってやつをなぁ!!!
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「「「「「「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」」」」」」」
『さぁ、いよいよ始まりました世界タイトルマッチ!
ワールドチャンピオンDDに挑むのは、獄中からの刺客、IQ200の超天才犯罪者コレクター!』
「DDよ、長きに亘ってのチャンピオンご苦労だった……今日この場で、私がその任を解いてあげるとしようじゃないか。」
ふん、過去に似たようなセリフを吐いた奴は数えきれない程居たが、誰1人として俺をチャンピオンから引きずり下ろした奴は居なかったぜ?
それにだ、吠えるよりもまずはお前の力を見せてみな!
『おぉっと、早くも両者火花が散っている!!
ワールドチャンピオンDDは今夜も王座を防衛するのか?それともコレクターがデュエル界初の獄中チャンピオンとなるのか!?
注目の一戦、デュエル……スタート!!!!』
「「デュエル!!」」
DD:LP4000
コレクター:LP4000
「先攻は俺から!…『天帝使-エニグマ』を守備表示で召喚!」
天帝使-エニグマ:DEF1200
カードを1枚セットしてターン終了だ。
さぁ、お前のターンだ……精々心を込めてドローしろよ?此れがお前の生涯最後のターンになるんだからな。
「私のターン!手札より永続魔法『次元の裂け目』を発動。
このカードが存在する限り、墓地に送られるカードは全てゲームから除外される。
更に速攻魔法『手札断札』を発動!互いのプレイヤーは手札を2枚捨て、デッキからカードを2枚ドローする!尤も捨て札は除外されるがね。
そして、更にもう1枚『手札断札』を発動!これにより更に2枚の手札を捨てて除外する!」
あぁ?手札の入れ替え?ソリティアかよ、退屈な戦術は止めてほしいモンだねぇ?
「む……君は礼儀を知らないチャンピオンのようだな。
だが、その不遜で傲慢な態度が出来るのも今だけだ!私は手札から永続魔法『次元併合』を発動!
ライフを2000ポイント払い、私はゲームから除外されているモンスターを可能な限り特殊召喚する!
このカードが存在しなくなった時、このカードで帰還させたモンスターは全て破壊されて私は1000ポイントのダメージを受けるがね。
だが、此れで君を倒す算段は整った!帰還せよ『コスモ・クィーン』!そして3体の『マジシャンズ・ヴァルキリア』!!!!」
コレクター:LP4000→2000
コスモ・クィーン:ATK2900
マジシャンズ・ヴァルキリア:ATK1600(×3)
「更に『黒魔導師クラン』を召喚!」
黒魔導師クラン:ATK1200
なんだぁ?どんな戦術かと思ったら、ロックバーン付のごり押しデッキだぁ?その程度で勝てると思ってるのかよ?
「吠えるが良い!いずれにしても君に勝つ術はアリはしないのだ!
行け、マジシャンズ・ヴァルキリアよ!エニグマに攻撃!『マジック・イリュージョン』!!」
「んな攻撃通ると思ってるのか?カウンタートラップ『攻撃の無力化』!
コイツで攻撃を無効にしてバトルを終了する……ご自慢の戦術も通らなかったな?……所詮お前も今までの奴等と同じかよ。」
「むう……カードを1枚セットしてターンエンド。」
俺のターン!!
クックック……このターンで終わらせるぜ?手札から魔法カード『デビルズ・サンクチュアリ』を2枚発動!
コイツで俺のフィールドに『メタルデビル・トークン』を2体呼び出すぜ!!
メタルデビル・トークン:ATK0(×2)
そして、エニグマと2体のメタルデビル・トークンをリリースし……出でよ『ジュピター』!!!!
――ゴゴゴゴッゴゴゴゴゴゴゴ……
「な、何だ!?」
「クックック、更に『D-フォース』発動!!」
コイツで終わりだぜコレクター……冥土の土産に確りとその目に焼き付けて行きな――究極にして最強の姿ってやつをな!!!
――――――
No Side
DDがジュピターと呼んだカードが現れた瞬間に、デュエルの会場は一気に地獄絵図と化した。
照明が割れ、機材がショートして爆発し、一気に炎が燃え広がって会場はあっという間に火の海だ……デュエルリングだけを除いては。
そして異変は会場だけではなく、アカデミア島で観戦するのに使われていたTVでも起きていた。
DDがジュピター(実際には召喚の際に酷いノイズが入って正確なカード名は聞き取れなかった)を召喚した瞬間に画面が砂嵐になってしまった。
「何だよ此れ!?折角良い所なのに~~~~~!!!」
「ちゃんと映れや~~~!」
「はやて、こういう時は斜め45度からチョップでしょ!」
「おぉ!その手があったなぁ!!」
「止めるのである!今の精密機械は叩いたら直るどころか止めになるのである~~~~!!!!」
そのせいで微妙なカオス空間が生まれてしまったようであるのだが……ともあれ、ジュピターなるカードがトンデモナイカードであるのは間違いない。
「やれジュピター!!」
「く……永続トラップ『拷問車輪』!此れでそのモンスターは!!」
「あぁ?無駄なんだよそんなモンは!!」
――バキィィィン!!!
一方で会場では周囲が燃え盛る中、DDはデュエルを続行し、ジュピターでの攻撃を仕掛けていた。
其れに対し、コレクターは拷問車輪を発動して止めようとするが、そのカードは見事なまでに砕け散ってしまう。
恐らくは耐性を持っているのだろう――だが、コレクターにはまだヴァルキリアロックが残っている。
複数体のマジシャンズ・ヴァルキリアが存在する事で発生する戦闘ロックは何物の攻撃もシャットアウトできる……出来る筈だった。
――ピシィィィ!!!
「な!!!!!」
そのロックの象徴とも言える防御膜が、ジュピターの放ったビームで罅が入り、そして派手に崩壊!
モンスター効果さえも超える力を持ったカードだとでも言うのだろうか?……だとしたらトンデモナイ代物だろう。
「逝っちまいなコレクター!!!」
――ドォォォォォォン!!!!
そしてそのビームはコレクターのモンスターを全て一撃の下に完全撃滅!!
「ば、馬鹿な……」
コレクター:LP2000→0
この一撃でコレクターのライフは0になり、そのまま床に倒れ伏す――倒れたコレクターの瞳からは『生者の光』が完全に消え去っている。
そして地獄絵図と化した会場にはDDの高笑いだけが炎の轟音と共に響いていた……
――――――
Side:エド
一体何だったんだ今日のタイトルマッチは?
DDがモンスターを召喚した瞬間に画像が乱れて何も見えなくなった……しかもその後でDDから『今から会えないか?』ってテレフォンが…
しかも指定場所は海上のクルーザーだなんて……DD、一体何を考えているんだ?
「来たかエド……」
「DD!!一体何があったんだ!?コレクターは!?」
「落ち着けよ……全部話してやるが……デュエル会場は大火災に見舞われ、コレクターなら――死んだよ。」
!?……死んだ!?そんな馬鹿な!!何故……!!
「……エド、お前にはずっと黙ってたんだが、俺はお前の親父を殺した奴の事を知っている。
更に言うと、会場を火の海にしたのも、コレクターを殺したのもそいつだ。」
「なんだって!?
DD、知っているなら何故教えてくれなかった!!僕が父さんの仇を探しているのは知っていただろう!!」
「あぁ知ってたさ……だが、ガキの時分のお前に教えたところで、お前に何が出来る?
居場所を調べ上げて、敵討ちに行ったところでガキの頃のお前じゃ軽く返り討ちにされて其れで終わり……違うか?」
其れはそうかも知れないが……だが!!
「だから落ち着けよ……俺が今これを話すのは、お前が簡単に返り討ちにはされないデュエリストになったからなんだぜ?
心して聞きな、お前の親父を殺した奴は、同時にあの場から『究極のDにして最強のプラネット』をも盗んでった……ったく碌でもないよなぁ?」
究極のDにして最強のプラネット……ジュピターのカードか!?
「その通り……でなぁ、コレクターの殺害と会場の火災もそのカードによって引き起こされたモンだ。
全くとんでもないカードを作ったもんだぜお前の親父も……召喚しただけでアレだけの事を起こしちまうんだからな『このカード』はよ!!」
「!!!!!」
そ、そのカードは――父さんが最後にデザインしたプラネットにして究極のD!!
DD、何故そのカードを君が!!………ま、まさか!!!!
「そのまさかだエド。お前の親父を殺した犯人てのはなぁ……
他でもない、この俺だ!!!」
To Be Continued… 
*登場カード補足
天帝使-エニグマ
レベル4 闇属性
戦士族・効果
このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、自分フィールド上に「エニグマトークン」 (戦士族・光・星1・攻/守0)2体を特殊召喚する。
ATK1200 DEF1200
次元併合
永続魔法
ライフを2000ポイント払って発動する。
ゲームから除外されている自分のモンスターを可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する。
このカードがフィールド上から離れた時、このカードの効果で特殊召喚したモンスターを全て破壊し、自分は1000ポイントのダメージを受ける。
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