Side:遊奈


暇だ……もうなんつーか滅茶苦茶暇だわ!!
お母さんを倒して以来、碌なデュエリストとデュエルが出来ない~~!!あ~~もう、ストレスが溜まる!!
十代や準相手のデュエルなら、其れは相当に楽しいデュエルが出来ると思うんだけど、ぶっちゃけある意味で予選の今は戦いたくない。

「だからと言って、骨のない相手とのデュエルは正直かなりつらいんだよ岬~~~!」

「姉御の気持ちは分かるし、出来る事なら俺が相手したいけど、生憎俺は参加資格のメダルを奪われてるから、姉御と戦う事は出来ねぇ。
 だけど、そのおかげで姉御と一緒に大会を見て回れるし、姉御のデュエエルを間近で見れるんだから問題は無いぜ!」


なら良いんだけど、だけどそうなると余計にもっと良いデュエルを見せたいと思う訳よ?
精々一流半のデュエリストとのデュエルなんて、見てる方もあんまり面白いもんじゃないでしょ?……違う?


「姉御の言う通りだな……。
 だけど、姉御はどんな相手にも手を抜かない全力デュエルだろ?其れを見れただけでも俺には充分な経験になるぜ♪」

「そう?ま、相手が誰だろうと全力全開のマジデュエルが信条だからね。」

其れは其れとして、気になるのは斎王だわ。
昨日の夜、行き成り人の部屋に来て『此れを頼む……必ず護り通してくれ…』って何かの鍵預けてさ……何がしたかったんだだろうね?
それに、その時の斎王は何時もと感じが違ってた……う~~む、分からん!!!

取り敢えず、斎王の事は後回しにして今は此れからのデュエルだね!
今回の相手なら、岬も見てて楽しめるんじゃないかな?
態々手書きの封書送ってまで私にデュエルを挑んできた、世界的に有名な天才博士『ツバイン・シュタイン』。

天才博士ってのがどんなデッキ組んでるのかは大いに興味が湧くところだけど、やる以上は岬が言ったように誰であろうと手加減はしないぜ!
寧ろ手加減するなんて言うのは、デュエルストとして最大の無礼だと私は思ってるからね。


さてと、この扉の向こうには天才博士が……うし、元気入れて行くぜ!!

「たのも~~~~!!封書を受けて、明石遊奈ここに馳せ参じたぜ!……隠れてないで出てきなさいよツバイン・シュタイン博士!!」















遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX105
『究極の感性で理論をブッ飛ばせ』












「ふむ……来たかね?
 待っていたぞ、明石遊奈君……私の理論的デュエル特別教室にようこそ……今日はデュエルを交えての特別講義といこうかな?」


まだるっこしい言い方は無しだよ博士。
この封書送ったのは十中八九博士だよね?……若しかしなくてもだけど博士、アンタも白の手先でしょ?

まぁ、私も其れに誘われてここに来た訳だから彼是言う資格はないのかもしれないけどさ……けど、デュエルする以上は私が勝たせてもらうぜ?
アンタが其の頭脳でドレだけのデッキを造り上げたのか、見せて貰おうじゃないの!

「あ、でも博士、小難しい説明とかそう言うのは一切なしの方向で!
 自慢じゃねーけど、私って理数系滅茶苦茶苦手だから数学的な説明とか理論とか言われてもサッパリ意味不明で『?』が頭を支配するから!」

「姉御、理数系苦手だったのか?」

「超苦手!中学時代、理数系は昼夜の大火事が常時発動してたぜ~~♪」

「大炎上……つまり毎回赤点だったって事かよ…ある意味スゲェけどさ…」


だけど、更に私の下に5人以上いたんだぜ?数学のテストの最低点数が15点て時ですら!
寧ろそっちの方が凄くね?その5人は一体何点だったんだっての!多分一桁台の点数だったと思うよ~~?


「ふむ……理数学の面白さを知らないとは気の毒だ。
 では、このデュエルで君に理数学の面白さを教えてあげるとしよう。」

「ふ~~ん?なら私は、理論を超えた直感てのを見せてやるぜ博士!」

そもそも理詰めのデュエルで私に勝てると思ってんの?
この遊奈ちゃんは、理論蹴っ飛ばして生きてる人間の代表みたいなもんだぜ?勝てるモンなら勝ってみろっての!
行くぜ葉加瀬……じゃなくて博士!!


「「デュエル!!」」


遊奈:LP4000
ツバイン:LP4000




「よっしゃ!やっちまえ姉御!!」

「頑張って下さい、ツバイン・シュタイン博士!!」


居たのかよ三沢!!全然気づかなかったよ…流石はエアーマン――エアーマンが倒せませんてか。
だけど、三沢には悪いけど勝つのは私だよ!!

「先攻は貰うよ博士!私のターン!『チューニング・サポーター』を守備表示で召喚!」
チューニング・サポーター:DEF300


カードを1枚セットしてターンエンド。


「私のターン。手札よりフィールド魔法『相対性フィールド』を発動。
 これにより、互いのモンスターはプレイヤーのライフが減った時、攻撃力が減ったライフ分ダウンする事になる。」


弱体化効果のフィールド魔法か……だけどその程度じゃ私は怯まないぜ?


「更に魔法カード『ブラックホール』を発動し、フィールド上のモンスターを一掃する。」

「!!普通此処で使うかその大量破壊魔法!?」


私のモンスターは守備力300のチューサポだけだってのに……それとも此れが理論が導き出した戦術とでも言う訳?
だとしたら究極的に理論てのは理解できねぇっての……ブラホみたいな超強力魔法はデュエル後半までとっておくべき切り札なのに…


「デュエルは先ず流れを己に引き寄せねばならない。
 その為ならば序盤でブラックホールのようなカードを使う事も必要になるのだよ…何よりこれで君に攻撃は通るようになったのだから。
 私は『ジェネティック・ワーウルフ』を召喚!」
ジェネティック・ワーウルフ:ATK2000


「先ずは其のライフを半分頂こう……ジェネティック・ワーウルフでダイレクトアタック!!」


攻撃力2000のダイレクトアタック……決まればライフは半減だけど、甘いぜ博士!
私がダイレクトアタックを受ける時、手札の『ジャンク・ディフェンダー』を特殊召喚できる!


ジャンク・ディフェンダー:DEF1800


更にジャンク・ディフェンダーは1ターンに1度、エンドフェイズまで守備力を300ポイントアップできる!
此れで守備力を2100に!博士のモンスターじゃ太刀打ちできないぜ!!


ジャンク・ディフェンダー:DEF1800→2100


「むぅ…カードを1枚セットしてターンを終了しよう。」


ジャンク・ディフェンダー:DEF2100→1800


そいじゃこっちの番だぜ!私のターン!


「この瞬間に永続トラップ『ドローパラドクス』を発動。
 これにより互いのプレイヤーは自分のドローフェイズにはカードをドロー出来ず、相手のドローフェイズにカードをドローする。
 よって君はドロー出来ずに私がドローする。」


マジかおい……だけど、ドローのタイムラグ如きじゃ怯まないぜ!
私はチューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚し、其の効果で墓地の『チューニング・サポーター』を守備表示で特殊召喚するぜ!


ジャンク・シンクロン:ATK1300
チューニング・サポーター:DEF300



でもって、レベル1のチューニング・サポーターとレベル3のジャンク・ディフェンダーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!
集いし金の閃光が、虚空を引き裂く剣となる。光差す道となれ!シンクロ召喚、煌け『ライトニング・ウォリアー』


『フオォォォォ!!』
ライトニング・ウォリアー:ATK2400



チューサポの効果で1枚ドローし、一気に攻める!ライトニング・ウォリアーで、ジェネティック・ワーウルフに攻撃!『ライトニング・パニッシャー』



――ドゴガァァァン!!!!



「むおわぁぁ!!」

ツバイン:LP4000→3600


更にライトニングの効果発動!
相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手の手札枚数×300のダメージを相手に与える!
博士の手札は4枚!よって1200のダメージを受けて貰うからね!!


「むおぉぉ!!!」
ツバイン;LP3600→2400


先手を取ったのは私の方だったみたいね?此れでターンを終了するぜ!


「私のターン!」

「ドローパラドクスの効果で、私がカードをドローするぜ!」

「其れは分かっている……手札より永続魔法『シュレティンガーの悪戯猫』を発動し『メカ・ハンター』を召喚!」
メカ・ハンター:ATK1850


「そして魔法カード『決闘定数』を発動。
 私のフィールド上のモンスター、永続魔法、永続罠を1枚ずつ除外し、デッキか手札から『大頭龍 ブレーンドラゴン』を特殊召喚する。
 シュレティンガーの悪戯猫、ドローパラドクス、メカ・ハンターの3枚を除外しデッキから『大頭龍 ブレーンドラゴン』を特殊召喚。」

『ガァァァ!!!』
大頭龍 ブレーンドラゴン:ATK2800



返しで最上級モンスターか……理論派デュエルってのも案外馬鹿に出来ないかもだね――其れでもその程度ではまるっきり驚かないぜ?
私の仲間ってば手札0からレベル7以上をポンポン出す奴とか、1ターンでレベル8クラスのドラゴン3体並べるような奴ばっかだからね!


「だが、このモンスターが君を敗北へと導く。大頭龍 ブレーンドラゴンで、ライトニング・ウォリアーに攻撃!」


――ドォォォォォォォォ!!


「うわぁぁ!!!!」
遊奈:LP4000→3600


「私は此れでターンエンドだ。」


……へへへ…たった400のダメージ与えただけでターンエンドですって?
しかもリバースカードもなしに……だったらこのデュエルはこのターンでファイナルだぜ博士!私のターン!!


「このターンで私を倒すなど、そんな事が…!!」

「出来る筈ないって?悪いけど既に勝利の為のピースは、全て私の手札に揃ってるぜ!!」

手札のレベル・スティーラーを墓地に送り、チューナーモンスター『クイック・シンクロン』を特殊召喚!


クイック・シンクロン:DEF1400


「更にクイックロンのレベルを1つ下げて、墓地の『レベル・スティーラー』を特殊召喚!」
レベル・スティーラー:DEF0
クイック・シンクロン:Lv5→4



行くぜ博士!!
レベル1のレベル・スティーラーに、レベル4となったクイック・シンクロンをチューニング!

「集いし星が、新たな力を解き放つ。光射す道となれ!シンクロ召喚、出でよ『ジャンク・ウォリアー』!」

『フオォォォ…テヤァァァ!!!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2300



そしてこの瞬間にトラップ発動、星蝕-レベル・クライム-』
このカードはフィールド上にモンスターがシンクロ召喚された時にそのモンスターを対象にして発動できる。
対象にしたモンスターのレベルを持った『星触トークン』1体を特殊召喚し、対象にしたモンスターのレベルを1にする!


星触トークン:ATK0
ジャンク・ウォリアー:Lv5→1


そして、ジャンク・ウォリアーの効果!
シンクロ召喚に成功した時、自分フィールド上のレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計値分、自分の攻撃力をアップする!
星蝕-レベル・クライム-』の効果でジャンク・ウォリアーのレベルは1になってる…よってレベル1となった自身の攻撃力を吸収!


『ウオォォォォォォ!!!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2300→4600



「攻撃力4600!?」

「まだまだこれだけじゃないぜ!
 手札から装備魔法『シンクロン・ガントレット』を発動し、ジャンク・ウォリアーに装備!
 このカードを装備したシンクロモンスターの攻撃力は1000ポイントアップするぜ!」
ジャンク・ウォリアー:ATK4600→5600


コイツで止めだぜ博士!
ジャンク・ウォリアーで、大頭龍 ブレーンドラゴンに攻撃!『スクラップ・フィスト』!!!!


『ダァァァァアァァ!!!!』


――ドゴォォォォォォォォォン!!!!


「うおわぁぁあ!!!!……わ、私の理論が破れるとは……見事だ明石遊奈君…」
ツバイン;LP2400→0


理論てのは大事な事かもしれないけど、デュエルに置いては理論以上にデュエリストの勘てものが重要なんだぜ博士?
カードの声を聞き、そしてその上で己の考える最高の戦術を相手にぶつけて、そんで勝利するってのがデュエルの醍醐味でしょ?

ドンだけ優れたデッキでも、デュエリストの勘を排除した理詰めのデッキじゃ私には永遠に敵わないぜ?
ま、其れが理解できたら今度は自分の勘を信じて挑んで来なよ……この遊奈ちゃんは逃げも隠れもしないからさ♪


「やったぜ姉御!!やっぱ姉御は強い!俺は最高のデュエリストの舎弟になれた……だけど、何時か超えるからな?」

「うん、超えて見せてよ岬!アンタが私を超える日を楽しみにしてるからね!」

まぁ、そう簡単には超えさせねーけどね。
……時に、博士と三沢は何処に消えたんだ?……まぁ、何処でも良いか~~♪こっちに害をなさなければね。








――――――








Side:はやて


今日も今日とて楽勝やな。
マックと組んでのタッグデュエルも被ダメージ300で勝たせてもらいました~~~……マックのデュエルタクティクスが高い言うのはあるけどな。

ホンマ、タッグ向きやない私のハンドレスに此れだけ合わせる事が出来るなんて驚きやで?


「ハンドレスはタッグには不向きかもしれないけど、其れだけにタッグデュエルの真髄を学べるはずヨ?
 タッグパートナーのタクティクスに合わせる事も重要ですもノ。」


言えてるなぁ……




「そうか!だから俺は目立てなかったんだ!!目立つためなら俺はぁああ!!!!」


って、何処から湧いた三沢君!?
てかなんで制服脱ぎ散らかしての全裸のフルチン!?年頃の女の子が居るんやから自重せいや永遠のエアーマンが!!


「俺は、俺は此れでアカデミアの一番になる!!!」


絶対無理やな。
ん~~~…取り敢えず通報した方が良さそやな。


あ~~、もしもしお巡りさん?
実は、私の目の前で全裸の変態が……はい、アカデミア島の……分かりました、出来るだけ早くお願いします。


「何をしたノ?」

「取り敢えず、救急車を最速でこっちに回してもろうてね。」


何があってそうなったかは知らんけど、御愁傷様や三沢君……せめて墓前に花は供えてあげるから容赦してや~~。



「俺は…勝つ!」



あ~~~~~~…早く救護班が到着して貰いたいもんやで…~~~~~


















 To Be Continued… 






*登場カード補足



大頭龍 ブレーンドラゴン
レベル8    闇属性
ドラゴン族・効果
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する時、自分のドローフェイズ時に デッキからカードを1枚ドローする。
その後、手札からカードを2枚選択し、好きな順番でデッキに戻す。
ATK2800    DEF3000



決闘定数
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター・永続魔法・永続罠を それぞれ1枚ずつゲームから除外して発動する。
デッキ・手札から「大頭龍 ブレーンドラゴン」1体を特殊召喚する。



シンクロン・ガントレット
装備魔法
このカードはシンクロモンスターにのみ装備できる。
装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、1ターンに1度だけカード効果によっては破壊されない。



シュレティンガーの悪戯猫
永続魔法
自分は魔法・罠・効果モンスターの効果でデッキからカードをドローした時、 ドローしたカードをデッキに戻しシャッフルする事ができる。
その後、デッキに戻した枚数分だけデッキからカードをドローする。 このカードの効果でドローした場合、このカードの効果を受けない。



相対性フィールド
フィールド魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力は、自分のライフポイントが減った時の数値分ダウンする。



ドローパラドクス
永続罠
お互いのプレイヤーは自分のドローフェイズ時にドローする事ができない。
お互いのプレイヤーは相手のドローフェイズ時に自分のデッキからカードを1枚ドローする。