Side遊奈


「此れで終わりよデイビッド!
 The splendid VENUSで、The Big SATURNに攻撃!『ホーリー・フェザー・シャワー』!!」


――カァァァァァァァァ!!


「馬鹿な!Meが、光の力を手にしたMeが負けるなど……うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
デイビッド:LP300→0


白に捕らわれたデイビッドは、マックが見事に撃沈!…同じアメリカアカデミア出身でも、実力の差は月と鼈ってところだね~~?
取り敢えずランク的にはエドが一番で、マックが僅差の二番……三番以降はず~~~~~~っと下なのは間違いねーわ此れ…其れで良いのかUSA!

ま、取り敢えずデイビッドも今のデュエルで目が覚めただろうから大丈夫でしょ?

「お疲れマック!見事なデュエルだったぜ♪」

「ホンマ見せてもろたで、アメリカアカデミアの本当の実力言う物をな。」

「ありがとう、ゆーな、はやて♪
 貴女達の前で無様で情けないデュエルを曝す事は出来ないワ……取り敢えずデイビッドを解放出来た事を良しとすべきネ。」


だね~~…ま、此れで白の戦力も大部削れたからね――けど、白の最強デュエリストは、まだ残ったまま……いい加減何とかしねーと。
明日香……アンタも白の呪縛から解放しないとだよね…















遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX102
『Black Flare Wave Impulse』












で、明日香の様子はどんな感じよ吹雪さん?


「あんな感じだねぇ……嘗ての明日香からは想像できないデュエルだよ……」


確かに、今までの明日香からは想像できないかな?
明日香のデュエルは、サポートカードを駆使してモンスターのステータスや効果を底上げにするデュエルだった筈――今の明日香には其れが無い。

圧倒的な『力』のみで相手をねじ伏せるデュエル――今の明日香のデュエルからは一切の『魂』を感じないんだけど…


「其れは間違って無いと思うで?…明日香ちゃんはホンマに『ヤル気』やけど、それは自分の意志やない……
 光の結社によって精神操作がされてるのかも知れへん……詳しい事は調べようがないけどな~~~」


精神操作……確かに其れなら他者を操るのだって難しくねーわ―――分子レベルで検査したところで詳細は分からないと思うんだけどさ。
だけど、この明日香の相手をするのは結構つらいと思うんだよね~~~…まぁ、私とはやて、十代に準ならハードレベルでもクリア出来ると思うけどさ。


「氷の女王で、インヴェルズ・モースに攻撃!『コールド・ブリザード』!」

「たわばぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そこそこ強いプロ:LP100→0


何て事を考えてるうちに明日香余裕の勝利。白い明日香……ホワイト明日香って言うとなんかのキャラみたいだねこりゃ。
ん~~~~……確かに強いけど、やっぱし今の明日香の強さは『上辺だけの強さ』ってのは否めねーわ。


――ダンッ!!


「うお!?なんや突然!吹雪さん、吃驚させんといて!?」

「スマナイ……だけど、僕はもう我慢できない!
 明日香、僕とデュエルしろ!これ以上、兄として妹に醜態を曝させていられるか!」


おぉっと、吹雪兄ちゃんが立った!!ま、普通に考えりゃ私等が明日香を倒して正気に戻すよりも、此処はお兄ちゃんの出番っしょ!
頼むぜ吹雪さん!


「おぉ!吹雪さんがやるのか?
 よし!やっちまえ吹雪さん!最強のデュエルで明日香の目を覚ましてやってくれ!」

「言われるまでもないよ十代君……道を踏み外した妹を助けてやるのもまた兄の役目だからね。
 光の結社に身を置く事で、清濁併せ持った強さを手にしてくれるかと期待もしたが――今の君は操られているだけだ明日香!」

「……兄さん?……いいわ、相手になってあげる……私が操られているだけかどうかその身で知ると良いわ!」


うぇ~~い……白いくせに今の明日香は真っ黒ですよはやてさん?
此れは如何したモンでしょう?万が一吹雪さんが負けた場合にはブレイカーかまして力尽くで正気に戻した方が良くねーですかね?


「せやなぁ…なのはちゃんにフェイトちゃん、アインスも加えてのフィフスブレイカーといこか?」

「遊奈ちゃん、はやてちゃん、僕の妹を殺さないでもらえるかな!?」

「「大丈夫、非殺傷だから!」」

「非殺傷?……其れなら大丈夫かな?」


納得しちゃったよこの人は!?……吹雪さんの感覚も一種独特だよねぇ……ま、面白みのあるイケメンてのも良いけどさ。
さてと、お兄ちゃんの愛の鞭は妹に届くかにゃ~~?








――――――








Side:吹雪


さぁ、始めようか明日香!手加減なしの本気のデュエルを!
……そう言えば、君と本気のデュエルをするのは子供の頃以来だね――アレからどれだけ強くなったか見せて貰おうかな?


「アレから?……何時まで私を下に見てる心算なの兄さん――私は既に兄さんを超えた。
 もう子供の頃の私じゃない……このデュエルで其れを証明するわ……兄さんを完膚なきまでに叩き潰す事で…!!」

「明日香……如何やら今の君はデュエリストとしての魂を、本当に失ってしまっているようだね…」

ならこのデュエルで取り戻させて見せよう、君の本当の魂を!行くぞ明日香!!!


「「デュエル!!!」」


吹雪:LP4000
明日香:LP4000



「先攻は貰うよ明日香!僕のターン!」

よし、悪くない手札だ……僕は『アックス・ドラゴニュート』を攻撃表示で召喚!


アックス・ドラゴニュート:ATK2000


そして魔法カード『黒竜の施し』を発動。
手札の闇属性ドラゴン族モンスターを捨て、デッキからカードを2枚ドローする。
僕は手札の『伝説の黒曜石』を捨てて2枚ドロー!そして『伝説の黒曜石』の効果発動!
このカードが墓地に送られたとき、デッキから『真紅眼の黒竜』1体を選択して手札に加える!此れで僕の手札には真紅眼がきた。

「先攻ターンは攻撃できない…カードを2枚セットしてターンエンド。」

「私のターン!手札から魔法カード『氷壁の導き』を発動。
 このターン通常召喚を行わない代わりに、手札の水属性モンスターを特殊召喚する。…現れなさい『青氷の白夜龍』!!!」

『ギシャァァァ!!!』
青氷の白夜龍:ATK3000


1ターン目で攻撃力3000の最上級ドラゴン!
成程、今の明日香が使ってるのは、昔明日香が考えた3つのデッキ『サイバーガール』『機械天使』『氷の氷壁』の内の1つ、氷のデッキと言う訳だね?
その氷デッキの最強モンスターを行き成り召喚して来るとは、白に染められても明日香の腕は健在と言う事かな?


「さぁどうかしら?其れを知るのは兄さん自身でしょう?
 今の私を止める事は、例え兄さんでも不可能よ!青氷の白夜龍で、アックス・ドラゴニュートに攻撃!『氷結のブリザード・ストリーム』!!」


――ビュオォォォォォォォ!!


「ぐわぁぁぁあ!!」
吹雪:LP4000→3000


中々に激しい攻撃だが……甘いぞ明日香!甘すぎる!!
そんな単調な攻撃で僕から先手を取った心算か?君が僕のモンスターを超えて来る事などはお見通しさ!

「トラップ発動『闇竜の絆』
 僕のフィールドの闇属性ドラゴン族モンスターが破壊された時、デッキからレベル4以下の闇属性ドラゴンを特殊召喚する!
 アックス・ドラゴニュートの魂は、新たな世代を担う黒竜に受け継がれる!来い『黒龍の雛』!」
黒竜の雛:ATK800


「黒竜の雛…!成程、アックスは囮だったのね……カードを1枚セットしてターンエンド。」


僕のターン!
僕は黒竜の雛の効果を発動!このカードを墓地に送る事で、手札の『真紅眼の黒竜』を特殊召喚する!
黒き竜の幼子は、時を経て最強の闇竜へと進化する!出でよ『真紅眼の黒竜』!!


『グガァァァアァァァァァアァ!!!!』
真紅眼の黒竜:ATK2400



「更に装備魔法『魔霊水晶・紅』を真紅眼の黒竜に装備!装備モンスターの攻撃力は600ポイントアップする!」
真紅眼の黒竜:ATK2400→3000


「攻撃力が同じに…」


おっと、まだまだこれからさ。
僕は魔霊水晶・紅を装備した真紅眼の黒竜をリリース!
黒き竜よ、紅き宝玉の力を受け、今こそその真の力を解放せよ!現れろ……『真紅眼の漆黒竜』!!


『グオォォォ……ガァァァァァァァァァァァ!!!』
真紅眼の漆黒竜:ATK2800



真紅眼の漆黒竜の攻撃力は2800……そのままなら青氷の白夜龍の攻撃力には僅かに200ポイントだけ届かない。
だが、真紅眼の漆黒竜は、僕の墓地のドラゴン1体に付き、攻撃力を200ポイントアップする効果がある!
僕の墓地のドラゴンは4体!よって攻撃力は800ポイントアップする!


『グガァァァァァァァァァァ!!!』
真紅眼の漆黒竜:ATK2800→3600



「行くぞ明日香!真紅眼の漆黒竜で、青氷の白夜龍に攻撃!氷の壁を黒き炎で溶解しろ…焼き尽くせ『ダーク・テラ・フレア』!!!」

「甘いわよ兄さん…トラップ発動『氷壁のバリア-ブリザードフォース』
 私の場の水属性モンスターが攻撃対象になった時に発動!その攻撃を無効にし、相手フィールド上のモンスターを全て破壊する!」


水属性用のミラーフォースと言うところか……確かに強力な効果だが、敢えて言おう、甘すぎる!
トラップ発動『レッドアイズ・グラスパー』
僕のフィールド上に『レッドアイズ』と名の付くモンスターが存在する時、相手のカード効果の発動と効果を無効にして破壊する!
これで、君が狙ったブリザードフォースの効果は無効になって破壊される!!


――バリィィン!!


「!!そんな……」

「その程度のタクティクスで僕に勝つ心算か明日香!冗談も程々にしろ……漆黒竜!!」

『グガァァァァ……カァァァァァァァァァァ!!!!』


――キィィィン……ゴォォォォォォォォ!!!!


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
明日香:LP4000→3400


今の君からは、子供の頃のがむしゃらに僕に追いつこうと言う、あの直向きさと向上心、何よりもデュエルに対する真摯な姿勢が感じられないぞ!


此れが、こんな物が君の望んだデュエリストの姿だと言うなら、兄の勤めとして、デュエリストの先輩として…明日香、僕は君を叩きのめす!!
















 To Be Continued… 






*登場カード補足




黒竜の施し
通常魔法
手札から闇属性のドラゴン族モンスター1体を捨てて発動する。デッキからカードを2枚ドローする。



氷壁の導き
通常魔法
このカードを発動するターン、自分はモンスターを通常召喚できない。
手札から水属性のモンスター1体を選択して特殊召喚する。



闇竜の絆
通常罠
自分フィールド上の闇属性のドラゴン族モンスターが破壊された時に発動できる。
デッキからレベル4以下の闇属性のドラゴン族モンスター1体を選択して自分フィールド上に特殊召喚する。



氷結のバリア-ブリザードフォース
通常罠
自分フィールド上の水属性モンスターが攻撃対象になった場合に発動できる。
その攻撃を無効にし、相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。



レッドアイズ・グラスパー
カウンター罠
自分フィールド上に「レッドアイズ」と名の付くモンスターが表側表示で存在する場合に発動できる。
相手の魔法、罠、モンスター効果の発動と効果を無効にして破壊する。