| Side：はやて 僅か２ターン目で『神』を呼んだ裕奈――手加減抜きで神ありのデュエルやったら当然の展開やろな。 事実上、裕奈のターンが来るたびに攻撃力を１０００ポイントアップし、尚且つ相手モンスターの召喚制限を持ったオシリスは脅威や。 夕子さんのレッド・デーモンも粉砕したし、流れは誰が如何見ても裕奈にあるように見えるけど――デュエルはそんな簡単なモノやない。 幾ら強力な神であっても、無敵言う訳やないし、オシリスには誤魔化しようのない弱点が存在するからな。 「やるわね裕奈…まさか２ターン目で神を召喚して来るとは思わなかったわ。 しかも、私エースたるレッド・デーモンを一撃のもとに葬り去るなんて――如何やら貴女は私が思っている以上の成長をしてくれているみたいね。」 「ま、切磋琢磨する仲間が沢山いるもんで……おかげで私のデュエルタクティクスは前とは比べ物にならないほど上がったけどね！」 やけど裕奈はヤル気充分やから、宣言通りこのデュエルに勝ってまうかも知れへんね。 其れは兎も角、神を相手に夕子さんは此処からどう巻き返すんやろか？ 最強の親子対決は、どんな結果が出ようとも、最高のデュエルを私達に見せてくれるはずや！ せやけど… 「裕奈頑張れ～～！夕子さんに今の裕奈の強さを刻み込んだれ～～～！！」 「オウよ！言われるまでもねぇって！！私がお母さんを倒すさまを其処で見てな、私の嫁！」 「おぉ～～～っと、せやったら楽しみにしてるで、私の旦那♪」 カッコいいところ見せてや？期待してるで裕奈♪ 遊戯王×ﾘﾘｶﾙなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 ＧＸ101 『真名解放、その名は遊奈』 裕奈：LP２８００ 天竜神 オシリス：ATK３３００ ジャンク・ライブラリアン：ATK２４００ 夕子：LP３０００ Side：裕奈 ２ターン目でのオシリス降臨……並のデュエリストなら此れだけで制圧できるんだけど、相手が一流だと神ですら絶対じゃなくなるのよね。 特に今のデュエル相手は、私のお母さんだから私のデュエルの癖とかも知り尽くしてる筈……お母さんのデュエルのDVDを買っとくべきだったわ。 「私のターン！ 手札から魔法カード『死者蘇生』を発動！この効果で墓地の『天魔龍 レッド・デーモン』を特殊召喚するわ！」 『バオォォォォ！！！』 天魔龍 レッド・デーモン：ATK３０００ やっぱり魂のエースはそう簡単に砕く事は出来ないか――だけど、私だって簡単にはやられねーぜ！！！ 「お母さんがモンスターを呼び出した事で、オシリスの第１の口が開く！…喰らえ『召雷弾』！」 ――バチィ！！ 『グオォォォ…』 天魔龍 レッド・デーモン：ATK３０００→１０００ オシリスの雷は相手モンスターの攻撃力を２０００ポイント奪いさり、この効果で攻撃力が０になったモンスターは破壊される…普通に怖い効果だよね。 だけど、此れでレッド・デーモンの攻撃力は僅かに１０００ポイント！オシリスどころか本屋ちゃんにも敵わないぜ！ 「攻撃力を２０００ポイントも…恐ろしい効果ね、大抵のレベル４以下のモンスターはフィールドに出る事すら許されない訳か…」 「そう言う事。ま、相手に対する拘束力は、数あるモンスターの中でもトップクラスだと思うよ？」 大概のモンスターは無力と化す訳だしね。 「だけど、オシリスの雷も所詮はモンスター効果……其処に弱点がある！ 私はチューナーモンスター『リフレクト・リゾネーター』を召喚！」 リフレクト・リゾネーター：DEF１３００ チューナー？…だけど神は其れの存在を許さない！召雷弾！！ ――バチィ！ ！？召雷弾が…弾かれた？ 「オシリスの召雷弾は確かに強力だけど、モンスター効果である事に変わりないと言ったでしょう？ リフレクト・リゾネーターは、相手モンスターの効果を一切受け付けない！其れは例え神の効果であっても例外ではないわ。」 「完全モンスター効果耐性…！！」 如何に神でも相手のモンスター効果を超えて己の効果を押し通す事は出来ねーからね……其処を突かれたか～～。 つーか、此処でチューナーって……まさかお母さん、貴女はレッド・デーモンを進化させるおつもりなのでございましょうか！？ 「勿論♪貴女が神を見せてくれたんですもの、私も私の最強モンスターを見せてあげるわ。 レベル８の天魔龍 レッド・デーモンに、レベル２のリフレクト・リゾネーターをチューニング！ 絶対支配者の魂が、今此処に昇華する。その魂で天地万物を焼き尽くせ！シンクロ召喚……掃滅せよ『天魔龍王 クリムゾン・ノヴァ』！！」 『バァァァァオォォォォォォォォォォ！！！！！』 天魔龍王 クリムゾン・ノヴァ：ATK４０００ 天魔龍王 クリムゾン・ノヴァ！？ だけど、新たなモンスターが現れた事で、オシリスの雷の裁きが発動する！召雷弾！！！ ――バリィィ！！ 天魔龍王 クリムゾン・ノヴァ：ATK４０００→２０００ 今度は召雷弾が効いたけど……だけどお母さんは全然焦ってない。 てか当然だよね、態々やられるためにレッド・デーモンを進化させたわけじゃないだろうし。 「手札より魔法カード『聖水の弊害』、此れでクリムゾン・ノヴァの攻守力を元々の数値に戻すわ。」 天魔龍王 クリムゾン・ノヴァ：ATK２０００→４０００ やっぱし攻撃力を復活させるカードを！！ つ～か此れは結構ヤバイかも……レモンの進化って事は、単純に考えれば何らかの『破壊効果』は持ってる筈――下手したら丸裸にされちゃうって！ 「クリムゾン・ノヴァの効果発動～～！ 1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊し、このカードの攻撃力を次の私のターンまで１５００アップする。 オシリスはモンスター効果の対象にならないから、ジャンク・ライブラリアンに消えて貰うとしようかしら？滅ぼせ『ヘルズ・ジャッジメント』！！」 ――ドガァァァァァァァン！！！ 天竜神 オシリス：ATK３３００→３０００ どわぁぁぁぁあ！！！ゴメン本屋ちゃん…大丈夫！？ 『は、はい！デュエルで墓地送りになっても私が消える訳じゃありませんから……でも熱かったです。』 「……モンスターの戦闘とか効果では精霊もダメージ受けるんだよね普通に……何かマジでスマンデス。」 『き、気にしないでください裕奈さん！それよりも…来ますよ？』 だね…… 「此れでクリムゾン・ノヴァの攻撃力は１５００アップ！そしてクリムゾン・ノヴァは相手のカード効果では破壊されないモンスターよ！」 天魔龍王 クリムゾン・ノヴァ：ATK４０００→５５００ その攻撃力で効果破壊できないって、幾ら何でも反則じゃね？ 元々の攻撃力が４０００も有って、しかも強化能力まで備えてるんじゃ突破難易度S＋つっても過言じゃないと思うんですけど……だけど、燃えて来た！ 良いじゃん、其れがお母さんの全力って事でしょ？ この攻撃が通っても、私のライフは３００ポイント残るからね？ ライフが１ポイントでも残っていればデュエルは終わらない……遠慮は要らないよお母さん！ 「その意気や良し！ バトル、天魔龍王 クリムゾン・ノヴァで、天竜神 オシリスに攻撃！『アブソリュート・デストロイ・フォース』！！」 『バァァァオォォォォォォ！！！』 ――ガシャァァァァン！！！ 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」 裕奈：LP２８００→３００ オシリス……だけどオシリスの魂は、新たなモンスターへと受け継がれる！ トラップ発動『シンクロ・ソウルチャージ』！ 私のシンクロモンスターが戦闘で破壊された時、そのシンクロモンスターと同レベルになるように、デッキか墓地からモンスターを特殊召喚する！ 「オシリスのレベルは１０！よってレベル合計が１０になるようにモンスターを特殊召喚する！ デッキから現れろ、『ハイロール・シンクロン』『救世竜 セイヴァー・ドラゴン』！ そして墓地より蘇れ、『クイック・シンクロン』『チューニング・サポーター』！！」 ハイロール・シンクロン：ATK１０００ 救世竜 セイヴァー・ドラゴン：ATK０ クイック・シンクロン：ATK７００ チューニング・サポーター：ATK１００ 「神を倒してもモンスターはゼロにはできなかったか。 だけど、クリムゾン・ノヴァの更なる効果！相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターのレベル×３００のライフを回復する。 オシリスのレベルは１０、よって３０００ポイントのライフを回復するわ！」 夕子：LP３０００→６０００ 更にライフゲインまでですか、そうですか…ガチつえぇ！！ 「カードを１枚セットしてターンエンド。」 ライフ的にも、このターンで倒さないと私には後がない………な～んてね！ 既にお母さんを倒すための準備は８割方整ってるぜ！私のターン！ 「私のフィールド上にチューナーが存在する時、手札の『マグナム・ウォリアー』は特殊召喚できる！」 マグナム・ウォリアー：ATK０ 「お母さんに対抗するには、やっぱし私のエースを呼ぶっきゃないよね！ レベル５のマグナム・ウォリアーに、レベル３のハイロール・シンクロンをチューニング！ 『クァァァァァァァ！！！』 天星龍 スターダスト：ATK２５００ 「スターダスト…何て綺麗なドラゴン……此れが裕奈のエース…！」 「うん！先ずはハイロール・シンクロンの効果で２枚ドローするね。」 へへ～～～！でもって此れだけじゃないぜ！ 続いてレベル８のスターダストとレベル１のチューニング・サポーターに、レベル１のセイヴァー・ドラゴンをチューニング！ 「！！スターダストに更なるチューニング！？ 私が、レッド・デーモンを進化させたように、貴女もスターダストを進化させるというの！？」 「言うまでもねぇでしょ？神をも凌駕する、私のデッキの最強モンスターを見せてやるぜ！ 救世の星が集うとき、其の星は新たな奇跡を導く。光射す道となれ！！シンクロ召喚、光来せよ『救星龍 セイヴァー･スター』！！」 『クゥゥアァァァァァ！！！』 救星龍 セイヴァー・スター：ATK３８００ チューサポの効果で更に１枚ドロー！ そして、私はこのターン、まだモンスターを通常召喚してない！出番だぜ『スピード・ウォリアー』！！ スピード・ウォリアー：ATK９００ 「レベル２のスピード・ウォリアーに、レベル５のクイック・シンクロンをチューニング！ 集いし意志と信念が、真実の扉を開け放つ。光射す道となれ！シンクロ召喚、暴け『ヴァルキリー・ジャーナリスト』！」 頼むぜ、朝倉！ 『はいよ！任せときな！』 ヴァルキリー・ジャーナリスト：ATK２７００ でもって、魔法カード『命削りの宝札』！ 次の私のターンのに手札をすべて失う代わりに、デッキからカードを５枚ドローする！ 此れで私の手札は９枚！……お母さんを倒す準備は此れで完全に完了したぜ！ 「何ですって？」 「墓地にオシリスが存在し、フィールドにセイヴァー・スターと朝倉が存在する時、天下無双の力が目を覚ます！ 先ずは朝倉の効果！アタシの手札を任意の枚数相手に公開する事で、私のモンスターは公開した枚数×４００ポイント攻撃力がアップする！ 私は９枚の手札全てを公開し、セイヴァー・スターと朝倉の攻撃力を３６００ポイントアップする！」 救星龍 セイヴァー・スター：ATK３８００→７４００ ヴァルキリー・ジャーナリスト：ATK２７００→６３００ 更にセイヴァー・スターの効果発動！ １ターンに１度、相手モンスター１体の効果を無効にし、その後自分の墓地のモンスター１体を除外してその効果を得る！ 此れでクリムゾン・ノヴァの効果を無効にし、墓地のオシリスの効果がセイヴァー・スターに宿る！『エフェクト・ユニゾン』！！ 「な！！！」 天魔龍王 クリムゾン・ノヴァ：ATK５５００→４０００ 「形成大逆転だぜ！！」 救世龍 セイヴァー・スター：ATK７４００→１６４００ 行くよお母さん！ 救星龍 セイヴァー・スターで、天魔龍王 クリムゾン・ノヴァに攻撃！貫け『アサルト・シューティング・バスター』！！！ ――キィィン……ドシャァァ！！！ 「そうはさせないわ！トラップ発動『聖なるバリア－ミラーフォース』！此れで貴女のモンスターは全滅よ裕奈！」 「なぬいぃぃ！！ミラーフォースだとぉぉぉぉぉ！？」 黙れ馬鹿！つ～かどっから湧いた脳足りん！（誤字にあらず） この裕奈ちゃんが、そう易々とミラフォを喰らうかつ～の！セイヴァー・スターの効果発動！ 相手がカード効果を発動した時、このカードをリリースする事でその効果の発動を無効にし、相手フィールドのカードを全て破壊する！ 効果破壊耐性のあるクリムゾン・ノヴァも、効果が無効にされてる今は破壊されてもらうよ！全てを無に帰せ『スターダスト・フィール』！！ ――バガァァァァァン！！！！ 「まさか……！！」 「此れで終わりだよお母さん！ ヴァルキリー・ジャーナリストで、お母さんにダイレクトアタック！『スクープバースト』！！」 『此れで決まりさね！』 ――バァァァァン！！ 「く…きゃあぁぁぁあ！！！」 夕子：LP６０００→０ いぃよっしゃ～～～！！私の～～～～～～～勝ちだ！！！ 「やったな裕奈～～！夕子さんに勝つなんて大したモンや！！流石は私の旦那！」 「嫁の前で負けられるかっての！……って、ちょっと待てはやて、アンタ何しようとしてんのよ！？」 「何って勝利の祝福の接吻に決まってるやん♪なんや、照れる事ないやろ～～♪」 公衆の面前で……ちったぁ考えろアホンダラ！！プライベートなら兎も角TPOを考えなさいっての！ 曲がりなりにも、前世の年齢はアンタの方が１０歳も上でしょうが！！！てか、私に突っ込ませるなっての！突っ込みは私の仕事じゃねぇからね！？ 「った～～～…小粋な冗談やのに、何も殴る事ないやん？」 「わりぃ、アンタの冗談は冗談に聞こえねぇ……関西人テイストが加わってるから余計にね。」 「うふふ、裕奈とはやてちゃんは仲が良いようで何よりだわ♪」 お母さん！……えっと、ガチでブッ飛ばしちゃったけど大丈夫？ 「えぇ、此れ位はね。 其れに、裕奈の成長をこの身で感じられたんですもの……貴女の成長を文字通り全身で感じる事が出来た――強くなったわね裕奈。」 「まぁ、そりゃあ最高の仲間達と一緒だからね……日々切磋琢磨してりゃ強くもなるよ。」 「成程……なら、もう貴女の名を縛っておく必要はなさそうね？」 ……はい？名を縛るって如何言う事？ 「裕奈、貴女の本当の名前はね裕奈の『ゆう』の字を『遊』と書いた『遊奈』なの。 だけど、貴女が生まれる前に姓名判断師に此れを見せたら『名前が強すぎる』って言われたのよ。 そして『どうしてもこの字を使いたいのならば、娘が１人前になるまでは表向きには別の字を当てておいた方が良いだろう』ってね…。 何時か真名を解放する心算だったけど、今日のデュエルで貴女ならこの名を解放しても問題はなさそうだわ。」 そんな事が有ったんだ…って事は、私は今日から『明石遊奈』になるって事だね？ 「その通り！ そして真名を解放した事で、貴女のデュエルの能力も今までよりも更に強くなる筈……その名と共に更なる高みを目指しなさい。」 「！！……はい……！…ありがとうございました！」 「貴女がプロに来た暁には、今日のリベンジをさせてもらうわ……その時を楽しみにしているわよ遊奈！ はやてちゃんも、何時の日か私とデュエルしましょうね？」 うん……必ずもう一度お母さんの前に立つよ！最強のデュエリストになって！ 「はい！必ず夕子さんに挑みます！！」 お母さんとのデュエルには何とか勝ったけど、今回の勝ちは神を使ったからこそ。 今度デュエルする時には、神を使わずとも勝たなきゃ……明石裕奈改め『明石遊奈』、今まで以上に驀進するぜ！！！  Ｔｏ Ｂｅ Ｃｏｎｔｉｎｕｅｄ…  ＊登場カード補足 天魔龍王 クリムゾン・ノヴァ レベル１０ 闇属性 ドラゴン族・シンクロ/効果 チューナー＋「天魔龍 レッド・デーモン」 このカードは相手のカード効果によっては破壊されない。 １ターンに１度、相手フィールド上に表側表示で存在するカード１枚を選択して破壊できる。 この効果を使用した場合、次の自分のターンのスタンバイフェイズまで、このカードの攻撃力は１５００ポイントアップする。 このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、破壊したモンスターのレベル×３００ポイントのライフを回復する。 ATK４０００ DEF３０００ リフレクト・リゾネーター レベル２ 水属性 悪魔族・チューナー このカードは相手のモンスター効果を受けない。 ATK２００ DEF１３００ シンクロ・ソウルチャージ 通常罠 自分フィールド上のシンクロモンスターが戦闘で破壊された場合に発動できる。 破壊されたシンクロモンスターのレベルと同じレベルになるように、デッキか墓地からモンスターを特殊召喚する。 |