Side:みほ


夏休みも終わって、今日からいよいよ2学期。
来年の大会まで戦車道の大会は無い(他のスポーツと違って、戦車道は色々とお金がかかるから秋季の新人戦は無いんだよ。)から、来年
に向けて更なるレベルアップをしないとだね!

その為にも、先ずは夏祭りの射的で手に入れたティーガーⅡを、大会で使えるレベルにまで改造しないとだよ。
攻撃力と防御力に於いては圧倒的な強さを誇るティーガーⅡだけど、其の2つを台無しにしちゃう位に足回りが弱いから、其処を何とかしない
限り、大会での運用は難しいと思うからね。



「だとしても、取り敢えず予備の戦車が確保出来たって事を考えれば悪くねぇんじゃねぇかな?
 此れで明光大の所有戦車は11台だろ?たった1台とは言え、予備の戦車が確保できた訳なんだからさ?……性能の方は、専門家に任せ
 ときゃ何とかなんだろ?
 てか、椿姫の所の整備班なら、大抵の事は如何にかしてくれるだろうからな!」

「何の根拠もないけど、確かにその可能性は否定できないよ青子さん。」

実際に、椿姫さんの処には大会中にもお世話になったからね――あそこの整備班の腕なら、いろいろ問題の多いティーガーⅡもレギュレー
ションの範囲内でのギリギリの魔改造が出来るかも知れないよ。

ちょっと反則かも知れないけど、レギュレーションに違反しない範囲での改造は合法だから、その範囲内で、出来る限りの事をしないとだね。



「いっその事、不○遊星とジェ○ル・ス○リエッティとグラン○・フ○ーリアン呼んでくるか?」

「頼もしいけど、出来れば止めて……とんでもない超兵器が誕生しちゃうかもしれないからね。」

さて、椿姫さんの所の整備班がどんな改造をしてくれるのか楽しみだよ。
ティーガーⅡが、真に『キングタイガー』の名に恥じない性能を引き出す事に成るかも知れないからね?そうなれば明光大にとって、この上な
い戦力の底上げになるのは間違い無いから♪










ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer26
『最強魔改造戦車誕生です!!』









さて、ティーガーⅡの整備は椿姫さんの所に任せるとして、私達は戦車道の訓練を確りしないとね!――来年に向けて、もっともっと全員がレ
ベルアップしないと、大会を勝ち残る事は出来ないと思うから。



「そうね。
 今年の大会でベスト4に入ったとは言っても、それだけに来年からは他校からも目を付けられるだろうから、私達がレベルアップしないと、勝
 ち抜く事は出来ないでしょうからね……兎に角、練習を重ねるしかないわ。」

「その通りですよ近坂部長。」

万年1回戦負けの弱小校がベスト4になったって言うだけで、世間から注目されちゃうからね……だからこそ、絶対に中途半端な試合だけは
したくない――全力を出さないと満足できないし、相手に対しても失礼だから。

そう言う訳で、本日は走行訓練と砲撃訓練を行い、最後に『バトルロイヤル形式』での模擬戦を行います。
どんな形でアレ、最後まで生き残って居た車輛の勝ちになるバトルロイヤルですが、特殊ルールとして、5分以上戦闘行為を行わなかった車
輌は強制的に撃破扱いになりますのでその心算で居て下さい。



「はい、隊長質問。
 その特殊ルールを踏まえて、戦闘には参加してれば1輌も撃破しない状態でも、生き残ればOKって事ですか?」

「はい、そうなります。
 更にルールはバトルロイヤルなので、一時的に他の車輌と手を組む事も、逆に同盟を結んだ相手を行き成り襲う事もルール上は全然OKで
 すから、その辺も踏まえて各車輌は行動する必要があります。
 ……勿論、徒党を組んでたった1輌を狙うのもアリです――来たら、真正面から相手になりますから♪

「「「「「「「「「「!!!(ヤバイ、目がマジだ!!)」」」」」」」」」

「……みほ、幾らバトルロイヤルとは言え、同じ戦車道チームの仲間を怖がらせてどうするのよ……」



え?怖がらせてないよナオミさん。
ただ、私を集中攻撃するなら受けて立つって言う意思を示しただけだよ?――それに、私が幾ら凄んだ所で怖い筈がないよ。凄味って言うな
らお姉ちゃんの方が遥かに凄いからね?
ユース代表に選ばれるだけあって、お姉ちゃんはメディアへの露出が多いんだけど、何処かの週刊誌が『西住まほ選手の眼光の鋭さは、明
王の如し』って書いてたから、お姉ちゃんには敵わないって。



「……そう思ってるなら、一度戦闘モードに入った己の顔を鏡で見てみる事をお勧めするわみほ。
 ハッキリ言って、戦闘モードに入った貴女は『明王』でも生温いくらいよ――其れこそ、閻魔大王と称しても罰が当たらないんじゃないかと思
 うレベルだからね?
 味方なら間違いなく頼もしいけど、敵に回したらこの上なく恐ろしい――正直言って、貴女が敵に回ったら、私は速攻で敵前逃亡したい。」

「え、其処までなの?」

「其処までなのよ、みほさん……」

「まぁ、強くてスゲーから、アタシ的には全く持って問題ねーけどな♪」



……な~~んとなく、納得いかない部分があるけど、此れは私が評価されてるって言う事で良いんだよね?そう思わないと色々とアレだし。
でも、評価されてるなら、その評価に値する事をしないと評判倒れになっちゃうよね、ナオミさん?



「私……若しかして火に油注いだ?」

「油どころか、ガソリンじゃないかしら此れ……」



何か言ってるみたいだけど、全く持って気にしません!!
其れじゃあ始めましょうか……最後に『バトルロイヤル』が待ってる本日の練習をね!!



「はい、アタシ等以外のチームへの死刑宣告来た此れ。」

「鬼か悪魔か、或は其れすら超越した軍神か……凄すぎるわみほさんは。」

「取り敢えず、他のチームには『精々撃破されないように祈れ』としか言いようがないわね……貴女、本気で敵に回したくないわよみほ。」



……其処までかなぁ?そうでもないと思うんだけど、ナオミさんが此処まで言うって言う事は、そうなのかも知れないね――だからと言って手
加減とかをする心算は全く無いんだけれど♪

さぁ、精々私達のパンター・ブルーの首を掻っ切って見せてよ……其れ位の実力がなかったら、来年の全国大会では通用しないだろうから。

さて行きましょうか?練習開始!!!Panzer Vor!!



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走行訓練と砲撃訓練は、全く持って問題なく終わって、最後のバトルロイヤルも終了。

結果だけを言うのならば、此のバトルロイヤルの勝者は私達だったんだけど、勝者が誰って言う事よりも、皆の動きが物凄く良くなっていた事
に驚いたかな。

特に1年生。
2年生の乗る車輌はティーガーⅠとパンターだから兎も角として、私達以外の1年生は、全車輌がパンターよりも性能で劣るにも関わらず、可
也喰らい付いて来るとは予想外。

夏休みの合同合宿で強化されたとは言え、徹底的に私を狙って来た布陣には結構苦戦したからね……一歩間違ったら、即刻撃破されてた
かも知れないからね――私の予想以上に、明光大の底力は増しているみたいだよ。



「あの合宿の後も、自主練はしてたし、部活の日以外もチームで集まってミーティングとかしてたから、その効果も大きいかもだよ隊長?
 って言うか、あの地獄のような合宿を生きぬいた身としては、来年こそはやっぱり優勝したい訳で、その為の努力はマッタク持って惜しまな
 い心算よ。」

「そうそう、アレだけやって来年優勝できませんでしたなんて事に成ったら、何の為にあの合宿を生き抜いたんだって事に成るもんね。」



成程、皆そうだったんだ。
私達パンターブルーのメンバーも、合宿後に部活の日以外でも何度か集まってミーティングやら、時には西住本家で自主練習なんかをしてた
からね。時には、お母さんに直接指導もして貰ったし。

でも、そう言う事なら合宿の成果と併せて、基礎能力に関しては間違いなくずっと戦車道を続けて来た人達と同レベルに引き上げられてる筈
だから、此れからは練習内容を、模擬戦形式と基礎練習の比率を此れまでの4:6から8:2にしても良いかも知れないなぁ?
あと、月に2回くらいの割合で他校との練習試合もやって行った方が良いかも。実戦に勝る経験は無いからね――そう言う訳で部長、練習試
合の予定と相手の選択はお願いします。



「任された。そう言うのの調整とかは、部長である私の役目だからね。――で、その練習試合の相手に黒森峰を選んでもいいのよね?」

「はい、問題ありません。寧ろ願ったりですから。」

勿論、黒森峰以外の色んな学校と練習試合をしたいですけれどね?色々な所と練習試合をすれば、多種多様な戦術に触れる事が出来るか
ら、どんな場面においても対応が出来るようになるし♪

さて、それじゃあ今日の訓練は此処まで――お疲れ様でした!



「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「お疲れ様でした!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」



明日もまた頑張りましょう!
あ、そう言えば椿姫さん、ティーガーⅡの改造はドレ位で終わりそうですか?改造が終わったら、問題がないか確かめた上で試運転をしたい
んですが……



「ん~~~……親父が最優先で仕事をするって言ってたから、どんなに長くても3日後には改造出来てるんじゃないかなぁ?
 『ティーガーⅡだと?コイツは遣り甲斐があるじゃねぇか?整備士魂燃えて来たぜおんどりゃぁぁぁぁぁぁぁ!』って、絶叫してたから。」

「あ、椿姫さんの『おんどりゃぁぁぁぁぁぁ』ってお父さん譲りだったんですね。」

でも、3日で一部から『攻撃力と防御力以外は、ポルシェティーガー並みの欠陥兵器』と言われてるティーガーⅡを実戦で使えるレベルにまで
改造できるって言うのは凄いかな?……お母さんが知ったら、西住流のお抱え整備士として雇おうとするかもだよ。
それじゃあ、3日後の放課後に伺ってもいいかな椿姫さん?



「3日後ね?OK、親父に言っとくわ『3日後に隊長が見に来る』ってね。
 きっと気合い入れて、ティーガーⅡを最強クラスの戦車に仕立ててくれる筈よ?実を言うと、親父って隊長のファンになっちゃってるから、隊
 長の為なら、120%の力でやってくれると思うわ――他のスタッフ総動員して。」

「それは……否が応にも期待が高まりますね。」

攻撃力と防御力に於いては、他の追随を許さないティーガーⅡが如何生まれ変わるのか、期待させて貰いますね♪







――そんなこんなで、あっという間に3日が経ちました。



今日も今日とて、何時もと変わらぬ日常に、何時もと変わらぬ授業風景(青子さんは爆睡睡眠学習)、お昼はパンターブルーの皆と一緒に摂
って(菊代さんが作ってくれたボコのキャラ弁は見事でした)、放課後は紅白戦とフィジカルトレーニング。
うん、良い感じにレベルが上がってるね?此れなら、来年の大会で優勝するのは決して夢じゃないよ。
加えて、今日はティーガーⅡの改造が出来上がる日でもあるから、其れが加われば車輌面でも強化されるしね?


そんな訳で、部活終了後、私達パンターブルーのクルーは、椿姫さんの案内で『東雲整備工房』にやって来ました。



「ただいま~~!親父~、西住隊長連れて来たよ~~!!」

「お~~、帰ったか椿姫!そんでもって初めましてだな、西住隊長!!
 いやぁ、今年の大会は燃えさせて貰ったぜぇ?テメェの娘が出場してるってのもあるが、アンタの指揮は戦車道には明るくない俺から見ても
 見事なもんだったからな?
 準決勝だって、あの倒木がなければ勝ってたのは明光大だったぜ?……不肖の娘に苦労するだろうが、これからも宜しくしてやってくれ。」

「あ、此方こそ初めまして。
 此方こそ、宜しくお願いしますですよ?椿姫さんは、私達の戦車道チームにとっては無くてはならない存在です――突撃も、奇襲も、椿姫さ
 んが居ないと、今一締まりませんからね♪」

「そうか?其れなら良かったぜ!……でだな、西住隊長、良ければサイン貰えねぇかな?端っこに『源次郎さんへ』って入れて貰って。」

「……親父、何してんのよ……」



あはは……まぁ、サイン位は別に良いから気にしないで椿姫さん。折角だから、私だけじゃなくて、パンターブルーのクルー全員のサインを入
れておきますね?
サラサラサラッと……ハイどうぞ。



「コイツは、一生モンの宝が出来たぜ!将来的にプレミアがついたっておかしくねぇってなモンだ!!」

「其処までの値打ちがあるかどうかは分かりませんけれどね……さて、ソロソロ本題に入りましょうか?ティーガーⅡはどうなりましたか?」

「ティーガーⅡ……中々やり甲斐のある機体だったが、レギュレーションギリギリで改造させて貰った。」



目の色が変わったね?……基本的には、如何改造したのか聞かせて貰ってもいいでしょうか?その改造で使えるかどうかを判断する必要
がありますから。



「一番大きく改造したのは回転砲塔だな。装甲厚をヘンツェル砲塔タイプの180mmから、ポルシェタイプの110mmに変更したぜ。
 ティーガーⅡは傾斜装甲を採用してるから、110mmの装甲でも実質的には160~180mmクラスの防御力を有する事に成るから、其処を
 変えてみた。
 其れから、他の装甲厚もティーガーⅠ、一部はパンターGクラスにまで低下させある。
 大胆に装甲削ったから防御面ではオリジナルのティーガーⅡには及ばないが、その分車体が軽くなって機動力は増したぜ?
 エンジンの方も、レギュレーションに違反しないギリギリの範囲で出力を上げたし、履帯の方もレギュレーションで許可されてる素材を使って
 可能な限りの強化を施したから、滅多な事じゃ切れる事はねぇ筈だ――コイツは、東雲整備工房の最高傑作よ!!」



其れはまた、可成り大胆な改造をしたモノですね?
敢えて装甲厚を削って車重を減らし、エンジンと履帯をギリギリまで改造して、ティーガーⅡの一番の弱点である機動力を改善しちゃった訳だ
から……此れは、間違いなく大会レギュレーションを満たしてる戦車の中では最強になると思います。

それと、改造もさることながら、このカラーリングも気に入りました!
金属質な半光沢の漆黒でカラーリングされたティーガーⅡ……正に『キングタイガー』の名に恥じない、見事な佇まいです!此の威圧感は、
相手によっては、見ただけで戦意を大幅に削ぐ事が出来るかも知れませんからね。

来週には、群馬の『伊勢崎市立第一中学校』との練習試合が組まれてたから、その練習試合で早速この機体を使ってみようかな?実際に
使ってみて分かる事もあるだろうからね。



「其れは良いけど、どのチームがコイツに乗りかえんだ?
 ティーガー以上の砲弾を使うとなると、装填士の負担がハンパねぇから、今の状況だと2年のティーガーⅠ2輌のうちどっちかが、此れに乗
 るしか選択肢がねぇんだけど……」

「……青子さんなら、ティーガーⅡの砲弾をどれくらいで装填できますか?」

「アタシか?……自主練は、パンターの砲弾+20kgの模擬弾使ってやってるから、ティーガーⅡの超長砲身88mmの砲弾でもパンターの時
 と同じレベルで装填する自信はあるぜ?」



なら、今度の練習試合は私達がこの車輌に乗る事にしましょう。
駆動系が改善されているのならば、パンターには及ばなくとも、Ⅳ号F2並の機動力は有している筈なので、装填能力が落ちないのであれば
此れまでと同じように戦う事が出来る筈ですし、ナオミさんの砲撃技術があればティーガーⅡの超長砲身88mmも生かせますから。
操縦面ではつぼみさんに負担をかけてしまいますけれど……やってくれますか?



「大丈夫よみほさん!パンターと比べればちょっと足が遅いけれど、此れ位なら明日の放課後の練習で手足の如く動かせるようになるわ!」

「其れは頼もしいね♪」

なら、この子の初陣となる今度の練習試合は、絶対に勝たないとだね!!



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『伊勢崎市立第一中学校、全車輌行動不能――よって勝者、明光大付属中学校!』



で、その練習試合……何と言うか圧倒的に勝っちゃいました。
思った以上に、改造ティーガーⅡの性能が凄すぎたって感じ……其れこそ、対戦相手から『魔改造した違反戦車』って言うクレームを付けら
れてもおかしくない位の性能だったからね。
機動力でこそパンターには劣るけど、此れだけの攻撃力と防御力を持った戦車が40km以上で動けるって言うのは其れだけでも脅威だよ。
加えて、機動力確保の為に犠牲になった防御力も、考えてみればティーガーⅠと同レベルなんだから大した弱体化じゃなかったから、結果
として、明光大は最強の戦車を手に入れたって言っても過言じゃない。

今日の練習試合も、魔改造ティーガーⅡが殆どの場面を持って行ったからね……正に恐るべき性能だったよ。

でも、その性能のせいで、この戦車もまたパンターブルーと同様に、私達の専用車輌になっちゃったんだよね……近坂部長曰く『この魔改造
戦車はアンタ達じゃないと使えない』って言う事だったんだけど、まぁ、其れは確かにそうかもね。

クセの強いティーガーⅡの操縦は簡単じゃないし、ティーガーⅠの砲弾を楽にこなせるくらいじゃないとティーガーⅡの装填士は務まらないか
ら、それらを総合すると、確かに私達のチーム以外にはティーガーⅡを使う事は出来ないかもしれないよ。

そう言う事なら、試合によって隊長車をパンターかティーガーⅡで変えるのが上策だね。
機動力が必要な場合にはパンター、攻撃力が欲しい時にはティーガーⅡっていう具合に――ある意味では、戦術の幅が広がったかもだよ。
アイスブルーのパンターと、漆黒のティーガーⅡ……どちらも、私の大切な『相棒』である事は間違い無いから、これからも宜しくね♪



「操縦技術をもっともっと磨かないとよね。」

「更なる筋力アップ……ティーガーⅡの砲弾も、最速0.25秒で装填できるようにならねぇとだな。」



この日の練習試合を境に、つぼみさんの操縦技術は更に向上し、青子さんの装填速度は日に日に早くなっていった――パンター搭乗時の装
填速度は、ぶっちゃけ人の反応速度の限界突破してるっぽかったからね。
でも、その成果もあって、2学期以降の練習試合に於いて、明光大は黒森峰以外には負けないって言う凄い成績を残した――黒森峰との対
戦成績も、1勝1敗1引き分け(時間切れで残存車輌同数)だった訳だから、いい成績だったと思う。



そして、其れからも練習を重ねながらあっと言う間に時が経って、私達は2年生に進級する時がやって来たのだった――














 To Be Continued… 




キャラクター補足



東雲源三郎
『東雲椿姫』の父親で、『東雲整備工房』を取り仕切る、江戸っ子気質のオヤッさん。
職人気質の頑固さはあるモノの、自分が気に入った相手に対してはトコトン厚情で、実際にみほの事を気に入った事で明光大の戦車の整備
は、持てる技術の全てを注ぎ込んで行っている。
みほ達が夏祭りで手に入れたティーガーⅡに、レギュレーションギリギリの魔改造を施し、名実ともに最強兵器へと昇華させた。



魔改造ティーガーⅡ詳細スペック
装甲:全面110 防盾100mm 側面&後面80mm 全面上部100mm 全面上部側面80mm 全面下部100mm 全面下部側面80mm
搭乗員:最大5名
最高速度:路上40km
航続距離:路上190km
搭載咆:88mm KwK43 L/71
・東雲整備工房で、レギュレーションギリギリの魔改造が施されたティーガーⅡ。
 防御力ではオリジナルのティーガーⅡに劣るモノの、機動力では圧倒的に勝る、正に鋼鉄の虎の王と言うに相応しい戦車。
 しかし其れだけに、完璧に扱うのが難しく、アイスブルーのパンター同様に隊長専用車となっている。
 だが、この戦車の加入で、明光大の戦術の幅が広がったのは間違いない。