Side:みほ


包囲網は瓦解しちゃったか……なら、此の場所にこれ以上留まってる理由はないから、一旦退いて市街地戦に持ち込むのが上策って所だね?
市街地戦は私の十八番だから、市街地戦に持ち込めば、負ける事だけはないからね。
そんな訳で、一時撤退~~!



「な!敵に背を見せるのでありますか西住隊長!!」

「西さん、此れは最後に勝つための戦略的撤退ってやつだよ。
 確かに敵に背を見せるのはよくないかもだけど、最終的な勝利を見据えるなら、一時の撤退は戦術の一つとして考えておかないと駄目なんだ
 よ――退くべきところで下手に攻めても、勝つ事なんて出来ないからね。」

「勝利の為の撤退……成程、考えてみる価値はありそうです。」



考えた方が良いと思うな。
戦いってのは、何時でも押せ押せで行けるモノじゃないから、場合によっては出ては退き、退いては出るって言う戦い方も必要なんだよ――そ
う言う戦い方は、相手をイラつかせて冷静な判断を失わせるからね。
其れじゃあ、そう言う事なんで此処はお暇させて貰いますねダージリンさん。



「な!決闘を受けておきながら逃げますのみほさん?」

「逃げるんじゃなくて戦略的撤退です。
 其れに、ここでの決着は無理みたいなので、私の十八番である市街地の方で待ってますよダージリンさん……と言う訳で、アディオース!!」



――ボウン!!



此処で、伝家の宝刀煙幕攻撃!
此れで、ダージリンさん達の視界を潰す事が出来たから、余裕で市街地に入る事が出来るかな?――余裕で入れるかどうかは、梓ちゃんとミカ
さん次第だけど、あの2人ならプラウダの部隊を押さえつける事が出来るだろうから、心配ないよね。

ふふ、市街地戦に入ってからが本番だから覚悟してくださいねダージリンさん、カチューシャさん……私の市街地戦は、一切の戦車道のマニュア
ルが通じない世界ですから♪










ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer141
『全力全壊!究極、至極、生命力です!』










No Side


ゴルフパークでの包囲網は知波単の無謀な突撃によって瓦解してしまったが、みほはすぐに戦術を組み直して、聖グロ・プラウダ連合を、己が最
も得意とする市街地戦に誘導する事にした。

その下準備として煙幕で視界を奪った上でゴルフパークからの離脱を試みたのだが……


「敵に背を見せるだなんて出来ないであります!
 果敢に戦って散って行った先輩達の為にも、この福田、撤退など出来ないであります!!」


絹代以外で唯一生き残った知波単の福田が、この場からの撤退を頑として了承しなかったのだ……今年知波単に入学し、徹底的に知波単魂を
叩き込まれた故に、撤退は有り得なかったのだろう。


「煩いわね!此れは命令なの!命令は守る為にあるのよ!!」

「そうだよ。
 其れに不利な状況で遣り合う事も無いじゃん?態勢整えてからやり返せば良いんじゃない?」

「攻め込まれた時は根性で耐えて、チャンスが来たら反撃!!此れ、スポーツの基本だよ!!」

「しかし!!」

「くどいぞ福田!
 此れは西住大隊長殿の命令だ!今は、知波単の隊長である私ですら、西住大隊長の部下に過ぎんのだ!お前の我儘が通ると思うな!!」


カモチームのそど子とレオポンチームのナカジマ、アヒルチームの典子が言っても聞かない福田に対し、彼女の上官である絹代が一喝!
――絹代も、一度は『撤退と言うのは……』と考えたが、みほの話を聞いて己の考えを改めていたのだ。
そして、この絹代に一喝されてしまっては福田とて従うしかない……旧日本軍をモチーフにしている知波単学園は、基本的に上級生が絶対の存
在であり、下級生は其れに逆らう事が出来ないのだから。

そんな学校で、何故2年生の絹代が隊長を務めているのかと言うと、誰が相手でも試合開始と同時に突撃を敢行していた前隊長の無能ぶりに
絹代が業を煮やし、同じ志を持った者達とクーデターを起こし、内戦とも言える戦車戦で前隊長を打ち負かして追放したからだったりするのだ。
みほ、エリカ、小梅、そしてアンツィオのカルパッチョの陰に隠れて目立たない存在だったが、絹代は中学時代エリカと全国大会準決勝で戦った
実力者であり、その実力を買われて知波単にスカウトされたのである。

其れは兎も角、絹代に一喝された福田は、渋々と撤退を始め、此れで大洗連合は本格的にゴルフパークからの撤退が出来る訳だ。
当然、ただ撤退する訳ではい。


「エリカさん、ナカジマさん……やっちゃってください。

「了解よみほ。」

「任せて西住隊長♪」


みほの命令を受けたエリカとナカジマは、道路脇の樹木に向かって戦車砲を発射し、道路を樹木で塞いで塞いで通れなくしてしまう――ダージリ
ンの乗るチャーチルならば乗り越える事が出来るだろうが、マチルダで積み重なった樹木を乗り越えるのは難しいので、大洗連合を追撃するに
は、此の樹木を戦車砲で吹き飛ばす必要があるのだ。
追手の追撃を遅らせるだけでなく、残弾をも消費させる戦術は、流石はみほと言った所だろう。
みほは、西住流も修めているので真っ向勝負でも滅法強いのだが、その真髄は奇策・裏技上等の『アウトサイド戦術』であり、一部の戦車道評
論家は、『中学、高校、大学を通じて、搦め手を使わせたら西住みほの右に出る者は居ない』と評価しているくらいなのだ。

序に言っておくと、樹木を倒す前に、一本目の樹木が倒れる地点のちょっと前にデフォルメされたみほが黄色いヘルメットを被って頭を下げてい
る『工事中に付き迂回願います』の看板を設置すると言う芸の細かさも見せていた。

因みにこの看板を見たダージリンは、『みほさん、おやりになりますわね。』と呟いてたが、手にしたティーカップの取っ手には罅が入ってので、内
心は結構キレていたのかも知れなかった。
此処にエリカが、火にガソリンをぶっ掛ける行為となる挑発を行ったらどうなっていたのか……ダージリンファンを敵には回したくないので考えな
いようにしておこう。








――――――








一方で、聖グロ部隊の救援に駆けつけようとしていたプラウダの部隊はゴルフパークに向かう途中で完全に足止めを喰らう形になっていた。
原因は言うまでもなく大洗連合の別動隊の隊長であるミカと、大洗連合副隊長の梓だ。
ミカは自己流にアレンジした島田流の戦い方で、梓はみほ譲りの搦め手上等な戦術で、基本戦力では上回るプラウダの部隊を天手古舞させて
いたのだ。
こんな言い方をしたらアレだが、裏西住流の一番弟子と、亜流の島田流は思いのほか相性が良かった様だ。


「ふふ、思った以上にやるね澤さん?
 流石はみほさんが見出しただけの事は有ると言った所かな……偉大なる者は、偉大なる者を知る――みほさんは、直感的に君の中の才能を
 感じたのかもしれないね。」

「かも知れません……西住隊長と出会わなかったら、今の私はいませんでしたから。
 でも、ミカさんも凄いと思いますよ?圧倒的に劣る戦力で、こうしてプラウダの部隊と戦えてる訳ですから。」

「ふふ、西住流が『力』の戦車道なら、島田流は『技』の戦車道と言えるから、格上相手であっても互角以上に立ち回るのは難しい事じゃないの
 さ……まぁ、私の島田流は亜流だから、妹ならもっと巧くやるだろうけれどね。」


交わされる会話からも、相性の良さが窺えるが、実はこの時ミカは、梓の持つ力に驚かされていた――自分と一緒に戦う中で、梓はミカの戦車
道を吸収し、其れを自分の中で、これまでに得たみほの戦い方と融合して昇華させていったのだから。
元より、みほの感覚によって成り立っていた明光大の戦車道の戦術を、独自の理論でもってマニュアル化してしまった梓にとって、ミカの戦車道
を吸収するなど造作もなかったのだろう。

みほの狙い通り、梓はミカから色々と吸収して成長しているのだが……此処で足止めを喰らったカチューシャが黙っている筈がない!!
あるかどうかも怪しい堪忍袋の緒はブチ切れ寸前なのだから。


「ムッキー!!道を開けないさいよ!!!先に進めないじゃない!!
 って言うか、継続のアンタ!盗んだ戦車返しなさいよ!!それは、私達プラウダの戦車よ!!!」


と言うか、とっくにブチ切れていたようだ。
其れも、足止めを喰らわされた事よりも、継続がプラウダから鹵獲した戦車を『フィンランド仕様』にして堂々と使用して居る事に対してだ。(戦車
の鹵獲はルール上認められているので、継続がした事はマッタク問題は無いのだが……)


「盗んだとは人聞きが悪いね?
 壊れた戦車が落ちていたから、拝借させて貰っただけさ……あのまま朽ちさせてしまうのは勿体なかったからね。」

「ミカさん、そう言うモノを見つけたら拝借するより前に警察に届け出るべきだと思います。」

「警察への通報、其れに意味があるとは思えない。」

「其れを怠って、持ち主不明の物品を勝手に持って行った場合、普通に盗難ですからね?勝手に人の物を持って行っては、だめゼッタイ!!」

「だめゼッタイ……薬物撲滅運動のポスターを思い出すね。」

「違いますからね?」

「其れは残念。」


そして始まるミカと梓のコントのような会話。
決して狙ってやってる訳では無く、自由奔放で掴み所のない性格のミカと、真面目で確りとした性格の梓が会話をすると、自然とこうなってしまう
らしいのだ。
が、其れを見せられたカチューシャは一気に怒りのボルテージが上がっていく。当然だ、見てる側からしたら完全に馬鹿にされているとしか思え
ない光景なのだから。


「貴女達、カチューシャを馬鹿にしてるの!?
 良い度胸じゃない!!しゅくせーしてやるから、覚悟なさい!!」


そして怒り爆発!然る後に攻撃開始!!
ダージリンから『逸見エリカの挑発には注意』と言われていたカチューシャは、エリカからの挑発には何が有っても我慢する様に心掛けていたの
だが、自校の戦車を鹵獲しまくっている継続の隊長と相対し、更には(ミカと梓にその気はなかったのだが)予想していなかった相手からの挑発
を受けて、甲子園男児の髪の毛ほどしかない怒りの導火線に火が点き、一気に爆発してしまったらしかった。


「地吹雪のカチューシャが怒ったら、此方も只では済まないから、そろそろここから離脱しよう梓さん。
 恐らくだけれど、みほさんならばダージリンを『文字通り』煙に撒いて、市街地へと入っただろうから、此処での此れ以上の足止めは意味がない
 からね。」

「そうですね……なら、私達も市街地へ向かいましょうミカさん。
 市街地戦は、西住隊長の、そして隊長の教えを受けた私の最も得意とするフィールドですから、其処でなら私達が負ける事は有りません!」

「頼もしいね?流石はみほさんの一番弟子……否、其れは元々君が持っていたモノなのかな?
 だが、軍神の力が最大限に発揮される市街地戦に参加しない事には何の意味もない……寧ろ、参加しなかったら私は戦車乗りとして一生後
 悔する事になるかも知れないから、その提案を受け入れよう。」


しかし、その怒りの攻撃に馬鹿正直に付き合う事は無いのだ。少なくとも足止めをしていたミカと梓にとっては。
ミカは嘗て戦った好敵手として、そして梓は一番弟子として、みほならば此れ位の時間を稼げばダージリン達を撒いて市街地に入っているだろう
と予測し、此れ以上の足止めは無意味と判断してその場を速攻で離脱する。


「んな!逃がすもんですか!!追うわよノンナ、クラーラ!!」

「了解ですカチューシャ。」

「Я понимаю, товарищ Катюша.(了解しました、カチューシャ。)」

「日本語で喋りなさいよクラーラ!!」

「Я буду хорошо относиться.(善処します。)」


となれば、当然カチューシャ達も其れを追う事になるのだが、梓達を追うと言う事は、自らみほのフィールドとも言える市街地に足を踏み入れると
言う事に他ならず、無意識の内にカチューシャは軍神の庭に誘導されているのだ。
しかも、大洗の市街地ともなれば、大洗女子学園の面々からしたら庭みたいな物なので、フィールドアドバンテージも大洗連合にある――ゴルフ
パークでの決着は免れたとは言え、聖グロ・プラウダ連合からしたら、結果としてより悪い状況を選ばされたと言えるだろう。
フィールドアドバンテージの無い場所で、みほを相手に市街地戦を行う事になったのだから。








――――――








ミカと梓が市街地へ向かったころ、ダージリンの部隊は漸く市街地へ入ろうとしていた。
煙幕による視界遮断はある程度の対策をしていたので、煙幕が完全に晴れる前に進軍する事が出来たのだが、エリカとナカジマによって倒され
た樹木の撤去に手間取って、市街地への到着が遅れていたのだ……如何に戦車砲をもってしても、積み重ねられた樹木を粉砕するのは容易
な事ではなかったのだ。


「みほさんが得意とする市街地戦……何が起きるか分かりませんから、最大限に警戒しても、警戒のし過ぎと言う事は無いわね。」

「確かに、警戒は必要かと思いますダージリン様。
 私のデータでは、西住みほさんが市街地戦を仕掛けて来た場合の、我が軍の勝率は一気に8%にまで下がってしまいますので。」

「勝率一割未満とは……流石はみほさんと、言うべきなのかしらね。」


みほを相手に市街地戦を行うのは圧倒的に不利と分かっていながらも、ダージリンの顔には笑みが浮かんでいた。
試合である以上、勝ちたいと言う思いは当然あるが、それ以上にダージリンの心の中では、知波単と継続とチームを組んだ大洗が、みほが何を
して来るのか楽しみで仕方なかった。
練習試合の時は、素人の集団であったにもかかわらず己と引き分けた大洗ならば、全国制覇を成し遂げた今は、素人集団の集まりではなく、一
流校と言っても過言ではないと、ダージリンは本気でそう思っていたのだ。

だから、どんな戦術を見せるのかと期待してた所で、其れは突如目の前に現れた。


「随分遅かったわねダージリン……怖気付いて逃げたのかと思ったわ。」

「現れましたわね逸見エリカさん……」


ダージリン達の行く手に現れたのは、エリカの駆る漆黒のティーガーⅡ。
大洗最強の攻防力を誇る戦車だが、其れが只現れただけでなく、車長であるエリカが完全に戦車の外に出て、回転砲塔に背を預けて腕を組ん
だ状態で現れたのだ。
しかも、その瞳に宿るのはあからさまな挑発の光……そして、獲物を食い殺さんとする、獰猛な肉食獣の光――逸見エリカと言う戦車女子が秘
めている、凶暴な『獣』の光がダージリンの瞳を貫く。


「!!……おやりになりますわね?」


其れにダージリンは、一瞬たじろぐも、決して屈せずにエリカを睨み返す――エリカが敵と見なしたら、相手が誰であろうと咬み殺す『狂犬』なら、
ダージリンは、常に理性的に動く事の出来る『狩人』なのだ……故に、何方も退く事は無いのだ。


「悪いけどダージリン、市街地戦になった以上、アンタ等に勝利はないわ……何たって、市街地戦はみほの十八番である上に、あのまほさんで
 さえ、市街地戦ではみほには勝てなかった。
 まほさんに1度も勝った事がないアンタが、みほに勝てると思ってる訳?
 だとしたらお笑いねダージリン……アンタはみほに勝つ事は絶対に出来ないわよ――例え、プラウダと手を組んだとしてもね。
 って言うか、アンタは姉さんの域にはまだ達してないんでしょ?なら、みほに勝つ事は出来ないわ。姉さんのレベルに達して初めて、みほと互
 角に戦う事が出来る訳だからね。
 ……姉さんに聖グロを任されたんだから、もっと頑張りなさいよ田尻。」

「ダージリンですわ!!」


だがしかし、逸見エリカと言う少女の武器は、圧倒的な凶暴性だけではなく、相手の神経を逆撫でする事の巧さにある――其れこそ、相手の神
経を逆撫でさせたら右に出る者は居なんじゃないかと言う位に、エリカの挑発は強烈なのだ。
感心してしまう位に、相手の神経を逆撫でするワードが次から次へと現れ、行きつく島もなく、相手の堪忍袋の緒を粉砕!玉砕!!大喝采!!
して、冷静な思考を奪い去ってしまうのだから恐ろしい。


「アラアラ、少し落ち着きなさいよ?Slow down baby?
 って言っても無理よね……スッカリ怒ってるみたいだからねダージリン?」

「怒ってはいませんわ。」

「いや、怒ってるじゃんよ?額に青筋浮いてるわよ?」

「気のせいですわ。」

「気のせいねぇ?……まぁ、そう言う事にしておいてあげるわ。
 其れよりもダージリン、私、貴女に言いたい事が有ったのを忘れていたわ……この場で言っちゃってもいいかしら?」

「構いませんわ。」

「なら言わせて貰うわダージリン……アンタ、弱いでしょ?」


此処でもエリカはダージリンを会話で誘導し、最後の最後で、シンプルながらも破壊力抜群の核爆弾を投下!!――どこぞの『蟲野郎』に対して
某王様が放ったセリフのオマージュではあるが、此のドストレートな物言いはダージリンには突き刺さった。
ダージリンと言う戦車乗りは、中学時代から聖グロに所属し、中学を首席で卒業し、高校では1年生ながら隊長補佐を任されたエリートである。
にも拘らず、エリカに面と向かって『弱い』と言われた内心穏やかではない――と言うか、今のエリカの発言は、此れまでのダージリンが歩んで
来た道を全否定する者に他ならないのだから。


「エリカさん、その発言、許せませんわ。」

「はっ!事実を言って何が悪いのか教えて欲しいわね?」


其れに対して怒るダージリンを尻目に、エリカは煽る。煽る、煽れば、煽る時と言わんばかりに、ダージリンを煽りまくって、ダージリンから冷静な
判断力を奪っていく。
冷静な判断力が奪われたダージリンは、エリカでも撃破出来る相手だが、エリカは敢えて撃破はせずに、みほの待つ市街地へとダージリン達を
誘導して行ったのだ――執拗な挑発は、此れへの布石だったのだ。

此れにて、聖グロ・プラウダ連合は、己の意思とは関係なしに、みほのフィールドに駆り出されてしまったのだ――隻腕の軍神の力は恐るべきモ
ノであると言っても過言ではないだろう。








――――――








Side:みほ


如何やら、作戦は成功して、聖グロとプラウダの連合軍を市街地に集める事が出来たよ……市街地戦に持ち込めば、私が負ける事はないから
ね……最悪でも引き分けには持って行けるよ。
だけど、私はお姉ちゃんやエリカさん以上に、『負けたくない』と言う気持ちが強いから、勝たせて貰いますよダージリンさん――そして、今一度そ
の身に刻み込んでもらいます……隻腕の軍神の戦車道を!!

隻腕の軍神、西住みほ……本気で行きます――なので、覚悟しておいて下さい、ダージリンさん、カチューシャさん!!



――轟!!



「おぉ、軍神招来来たーー!」

「しかも今度憑依したのはお市の方っぽい!!此れは勝てるっしょ!!」



……其れは分からないけど、私の力が強くなったのは事実だから、其の力をもってして勝たせて貰うよダージリンさん、カチューシャさん!
そして、見せてあげるよ、西住みほの戦車道を!!

故に、此処からは私のターンです……覚悟しておいてください――隻腕の軍神の戦車道は、まだまだこんな物じゃありませんからね!!











 To Be Continued… 





キャラクター補足