Side:なのは
局内で爆発……それも、ヴァンデインが収監されてた独房でって、間違いなくヴァンデインが脱獄をしようとしたと見て間違いないよねルナ?
「十中八九そうだろうが、だとしたら拙いな……管理局の並の魔導師では奴には対抗できんぞ?
フェイトや将が出ればその限りではないかもしれんが、生憎と彼女達は今日は別件で出払って居る筈だからな……或は、其れを狙ったのかも知れん。
何れにしても、此のままだと奴の脱獄を許す事になる――とも限らないか。」
「え?如何言う事?」
「いや、確かにフェイトや将は出払ってるが、美由希は局に居た筈だろう?
とすれば、この事態に誰よりも早く対応して居る筈だろうし、美由希ならばヴァンデインともやり合える……少なくとも勝てなくとも負ける事はないさ。」
姉さんが?……確かに姉さんなら、相手がエクリプスドライバーであっても、類稀な剣士の腕で渡り合えるだろうけど、やっぱり不死を相手にするのは分
が悪すぎるよ。勝てなくてとも負けないとは言えね。
「それでも、急ごうルナ――ヴァンデインを野放しにしたら、間違いなく大変な事になる。」
「そうだな……そうなる前に叩き潰すか。
――だが、如何やらその前に準備運動をしないとならないらしいな。」
「みたいだね……」
私達の進行方向から現れたのは無数の野良感染者……ヴァンデインの手駒って言うところだろうけど、よくも此れだけの数を集めたモノだと感心するよ。
だけど、頭数だけの雑兵じゃ私達の足止めにもならないよ?
貴方達に恨みはないけど、此処は押し通らせて貰うよ――手加減なしの全力全壊でね。
魔法戦記リリカルなのは~月の祝福と白夜の聖王~ Force40
『Das intensive offnende Spiel』
Side:美由希
「せやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
――ガキィィィィィン!……ピシ……
「おやおや……レプリカとは言え、このディバイダーに罅を入れるとは、貴女のデバイスは相当に高性能な様だね、エース・オブ・エース殿?」
マリーが精魂込めて作り上げ、更にドクター・スカリエッティがAECコーティングを施したこの一振りは、相手がエクリプスドライバーであっても斬り捨てるし
ディバイダーと斬り合っても斬り負ける事は無いわヴァンデイン。
加えて、貴女は中々出来るようだけどルナと比べたら動きがまるで止まって見える……その程度じゃ私に勝つ事なんて出来ないわよ?
「其れは手厳しい事で……だが、敢えて言おう『私を止められると思っているとは身の程知らず』だとね。
確かに貴女の技量は素晴らしい物だし、その刀型のデバイスもまた超一級品の代物だと言えるだろうけど、絶対的な力の前では塵芥に等しい物だ。」
「言ってくれるじゃない?……だったら見せてくれるかしら、貴方の本気と言う物を?」
「其れがお望みならば、応えるのはやぶさかではないよ。
だが、君には娘が居た筈だったから命を取らないようにだけはしてあげようじゃないか?親を喪った子供の悲しみは計り知れない物があるからねぇ?
私にも娘が居るから、子供にその様な思いはさせたくない。」
重犯罪に手を染めておいて良く言うわ、此の偽善者……正直言って虫唾が走るわ。
貴方が何者で、エクリプスを使って何を目論んでるのかは知らないけど、人を喰った様なその態度と張り付けたような薄ら笑いは、本気で癪に障るわね。
――ガゴ、ドゴ!ズババア!!
「ふむ、鞘当から鞘打ち、そして逆手抜刀からの連斬とは見事。私が一般人だったら、今ので身体を両断されていただろうね。」
「この程度で驚いてもらったら困るわ……寧ろ此処からが本番よ!!」
貴方は気付いてないだろうけど、今の私は『残心』を発動した状態だから、貴方を切りつけた場所にはガードされたとしても不可視の『傷』が刻まれてる。
今、こうして超速の剣戟を行ってる最中にも、ディバイダーには数えきれないほどの傷が刻み込まれてる事になるのよ?……そろそろ良い感じね。
「……滅びの風よ……」
――キン!………バガァァァァァァァァァァァァァァン!!
そして、その傷を『残心解放』で炸裂させれば、ディバイダーと言えども砕く事は難しくないわ。
「おやおや、ディバイダーが砕けてしまうとは……一体どんな手品を使ったのかな?」
「言うと思う?種明かしをしたら、一気に手品はシラケる……そう言うモノでしょう?」
「其れは確かに。」
だけど、武器を失った貴方に、この一撃を防ぐ術はないわ。
見せてあげる、御神流の奥義の一つたる防御も回避も不可能な神技を!此れは滅多に使わないんだから、拝める事を光栄に思いなさいヴァンデイン!
「御神流奥義之壱!一瞬九斬……九頭龍閃!!」
――轟!!!
斬撃の基本となる9箇所を同時に攻撃する奥義を、これまた御神流奥義の『神速』を発動して放ったんだから、ギリギリ点をずらす事すら許さないわよ?
9撃全てが的確に入った手応えがあったし、幾らヴァンデインでも此れを喰らえば只では済まない筈……
――ズキィィィィィィ!!!
尤も、その代償として足の爆弾が破裂しかけたみたいだけどね……流石に此の足で神速と九頭龍閃の同時使用は無理があったわ……だけど此れで…
「いやはや素晴らしい一撃だ。危うく細切れにされると思ったよ。」
「!!!」
略無傷って、嘘でしょう!?
ドクター・スカリエッティの見立てなら、AECコーティングが施された暮桜での九頭龍閃はエクリプスドライバーですら戦闘不能に出来るって言う事なのに!
「其れは、一般的なエクリプスドライバーが相手の場合に過ぎないよ。
生憎と私は『原初の種』の力を得ているので、一般的なエクリプスドライバーとはそもそもの格が違うと言う事だよ。」
つまりはチートキャラって所ね?
だけど、ルナやなのはと比べれば、貴方の力からは脅威を感じない……寧ろ此処で終わるのが、貴方にはお似合いだわ!!
――ガキィィィン!!
「此れはまた強烈な……ならば、少しばかり本気を出すとしよう……私に付いて来られるかい?」
――バシュン!!!
高速移動……そんな事は関係ない!!貴方の気配は常に掴んでいるわヴァンデイン!!
其れに、如何に早く動いたとしても御神流の『神速』なら其れに付いて行く事は難しくない……私を、甘く見るなぁ!!!
――バシュゥゥゥゥゥゥゥ!!
あぐ……此れは、膝の爆弾が爆発した!?……もう少し持ってくれればいいのに…!!!!
「おやおや、限界を超えた動きで足が崩壊しましたか?無理はいけないね無理は。」
確かに無理はいけないわね……だけど、足の爆弾が破裂した程度で勝った気にならない方が良いわよ?
足が死んだ以上、此れまでの様な高速戦闘は出来ないけれど、其れを補って有り余る技が私にはあるのよ……その余裕を消してあげるわ!!
消えろ……牙突・零式!!
――ドゴォォォォォォォォォッォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!
「よもや、零距離射程で上半身のバネのみで繰り出す突きを隠し持って居るとは驚いたけれど、私を仕留めるには少しばかり足りなかったね?
まぁ、君が万全の状態だったならば、この一撃で吹き飛ばされてたかもしれないけれど、生憎と手負いの虎の技を喰らう程私はお人好しじゃない。」
そんな……牙突・零式に対してカウンターの貫手を放って私の肩を貫くなんて……!!
「さてと、此れで貴女は戦闘不能なのは間違いない。
両足が死んで、更に利き腕の肩を貫かれたとなれば戦闘の続行は不可能でしょう?……愛する娘が居るならば尚の子事、無理は出来ないからね?」
「!!!」
コイツ……ヴィヴィオの存在をちらつかせて……本気で外道だわ。
だけど、私一人だったら無理をしてでも追うところだけど、そんな無茶をしたら最悪の場合は私は死ぬかもしれない。
だったら其れは出来ないわ……ヴィヴィオを1人にするなんて事が出来る筈がないモノ………其れを考えると、此処がギリギリのラインかも知れないわ。
「……マッタク、貴方のやり方には呆れて物が言えないけど、だからと言って無理をして私が死んだらヴィヴィオが悲しむから此処が落としどころね。
だけどヴァンデイン、貴方は後悔する事になるわよ?『此処でやられておけばよかった』ってね。」
「ふむ?」
私はもう動けないから、貴方は此処から脱出するだろうけど、脱出したところで白夜の聖王と月の祝福、夜天の冥王と祝福の風は貴方を絶対に逃しはし
ない……寧ろ彼女達こそが、貴方に終焉を送る使者となる――其れを努々忘れない事ね……!!
「肝に銘じておきましょう。……ですがこの場はお暇させて頂きますよエース・オブ・エース?
貴女ほどの使い手と戦えた事は、掛け値なしに光栄だったと思いますね……では、何れまた会いましょう。その機会があればね。」
――シュゥゥゥン
転移したか……だけど私と貴方がもう一度邂逅する事は絶対に無いわよ?
だって、貴方の命運は決まってるんだから………ルナが貴方の存在を完全に消し去るだろうからね。
だけど、其れよりも前に――
「何処からともなく現れた野良感染者を如何にかしないといけないわね。」
私の目の前に現れたのは野良感染者の集団――数にしたら30は下らない…此の足で此れだけの数を相手にするのは正直キツイけど、やるしかない!
足の負傷故に、100%じゃないけど、御神流の剣を味わって貰おうかしらね――
「ソニックシューター!!」
――ドゴォォォォン!!!
「!!!」
今の魔力弾は、まさかヴィヴィオ!?
なんで、如何してヴィヴィオが此処にいるの!!?
「無限書庫に用があって来たんだけど、手続きが済んだ直後に爆発があって、其れでもってお母さんが出撃したって聞いて来てみたら案の定だったよ。
マッタク、無理しちゃダメだよお母さん?その足、相当無理したんでしょ?」
「返す言葉もございません。」
「だから、此処からは私も手伝うよお母さん。
私はマダマダ未熟だけど、お母さんの足手まといになるほど弱くはない心算だから、全力でやれば何とかなるでしょ?」
ヴィヴィオ……其れもそうだね?ならお願いするわ。
お母さんは、碌に動く事が出来ないから動き回る相手をお願いするわ……近付いてきた敵は、問答無用で私が斬り捨てるから。
「了解です!!」
「それじゃあ、全力全壊で行こうか!!」
ヴァンデインの方はなのは達に任せるしかなくなったけど、この野良感染者は私達が仕留める。
御神流の正統後継者と現代に蘇った聖王――次元世界最強の親子の力って言う物を知るが良いわ。――私とヴィヴィオのタッグに隙は無いからね!!
――――――
Side:ヴェイロン
ったく、管理局にカチコミ入れようと思った矢先にやらかしてくれやがったぜあのドカスが……まぁ、逆に手間が省けたとも言えるがな。
「おやおや……誰と思えば、私に心臓を抉り出された負け犬君じゃないか?
何か用かな?若しかして、私が管理局から脱出した事をお祝いに来てくれたのかな?」
「相変わらずムカつく奴だなテメェは……そんな事がある筈ねぇだろ、このチンカス野郎が。
テメェがフッケバインを手駒にしたのは分かってるぜ?……尤も、このクソチビのおかげで俺は操られずに済んだし、スコールも操られなかったがな。」
「リアクトプラグと、0.5次感染者か……此れは此れは予想外だったよ。
それで、君達は一体何をする心算で此処に現れたのかな?――まさかとは思うけど、私を倒しに来た等と言う事は言うまいね?」
そのまさかだクソ野郎が。
生憎と、俺は負けっぱなしってのが嫌いな性分でな……テメェをぶち殺さねぇと満足出来ねぇんだよ、このクソカス野郎が!!
「私としても、お前の事は気に入らないから、斬り捨てさせてもらうよハーディス・ヴァンデイン?」
「出来るかな、君達に?」
出来るかどうかじゃねぇ、やるかやらねぇかだ。
其れと、俺達を舐めるなよ?……やるぞクソチビ!!!コイツをぶち殺す!!!
「うん……リアクト・エンゲージ。」
――轟!!!
リアクト・オン……モード『黒剣士』――お祈りは済んだかクソが……テメェは今此処でぶち殺す!
「ククク……やってみるが良い。」
「クソカスが、精々余裕ぶっこいてろ。」
「その余裕を切り刻んで絶望を与えるのもまた最高の快感ではあるけどな。」
何にしても、テメェは此処で終わりだぜクソ眉毛………ぶち殺してやるよ、細胞の一欠片も残さずにな!――大人しく死にやがれドカス野郎が!!
――――――
Side:カート
コイツは……この感じは、ヴァンデインのとっつぁんがやらかしたみてぇだな……まぁ、大人しく捕まってるとは思わなかったけどな。
だが、コイツは逆に好都合だぜ……行くぞ、マリーヤ、ロロ、クイン!!!
《行くってどこにだよ?意味不明な事言ってんじゃねぇ。》
《って言うかアホか?今更どこに行くんだ?》
決まってんだろ?……この戦いに介入すんだよ、ヴァンデインのとっつぁんの『敵』としてな。
俺達じゃとっつぁんに勝つ事は出来ねぇだろうが、幾らかの妨害とかは出来るから、俺達は裏方として動くべきだけどな。
けどまぁ、そろそろ年貢の納め時だろとっつぁん?
アンタは支配者にはなれねぇよ……ホワイトナイツリベリオン最強のリインフォース・ルナが居る限りは、絶対にな。
To Be Continued… 
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