No Side


「ブラン様は本当に大丈夫でしょうか。」

「俺たち無力な大人は帰りを信じて待つしかできないからな。
 それに、フィナンシェさんはブランの力量を図った上で送り届けたはずだ、だから大丈夫なはずだ。」

「そうですね、修造さん。」


ブランがロムらと共にグリーンランドにあるルウィー教会本部へ旅立った後日、フィナンシェと遊勝塾の面々が遊勝塾の前の河原に佇んでいた。
柚子やブランの身を案じているようだ。
親としてはいざとても心配になるもの。
とはいえ、一度送り届けてしまった以上は無事を信じて静かに待つのみだ。


「うん、きっとわたしたちの思いは届いていると思います。」

「だといいですね…ワタシの思いも。」

「ニコ・スマイリー…」


そして、もう1人…実況でおなじみのニコ・スマイリーの姿もここにあった。
その表情はどこか悲しげであった。
無理もない、自らがプロデュースしたブランが自分の手の届かない遠い場所へ行ってしまったのだから。
しかもランサーズには入らないとはいえ、辛く険しい争いの獣道へと。


「ユーヤ・B・榊君は…」

「失礼ながら、あの子はもうユーヤ・B・榊ではありません…ただのブランです。」

「そうでしたか…ブラン君はワタシの夢や希望でした。
 彼女を一流のデュエリストに育て上げ、ゆくゆくは世界の頂点に立つ姿を見たかったものです。
 そんな彼女が人知れず辛い戦いの道を歩むことになってしまうとは、悲しいものです。
 ですが、一人前になってここに戻ってきてくれることを…信じています。」

「ブランお姉ちゃんなら大丈夫だ、約束したからな。」

「きっと柚子お姉ちゃんを連れ戻してくれる。」

「そして、里久も…!


そして、子供たちは純粋に信じていた。
ブランが柚子を助け出し、願わくば敵と化した里久を連れ戻してくる事を。
…彼らはねねがステラと化して敵になった事も知らないのだが。


「いずれにしたってみんなで戻ってきて、また痺れさせてくれるさ。」

「過酷な道のりではあるがブランならやってくれるさ…!
 その日が来るまで、俺たちも各々のやるべきことをやるのみだ!燃えろ、熱血だ!」


同刻、凍土の地に立つ厳粛な教会…ルウィー教会本部。
−25度以下の低温で過酷な環境に存在している。
ここに女神としての強さを身に着けるべく降り立ったブランの前に何が待ち構えているのか?


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」


そして、この厳粛な雰囲気にそぐわない断末魔が木霊していた。










超次元ゲイム ARC-V 第62話
『立ちはだかるエンタメイト』









Side:ブラン


教会持ちの飛行機に長い事揺られて辿り着いた場所は…本当に永久凍土のある北極気候のグリーンランドだったわ。
そんな厳しすぎる寒さの環境にある厳粛な教会…それがルウィー教会本部。
ロムやファントムは…このような所で育ったわけだ。

こんな環境で修行してきたんだからそりゃ強くて然りだ。
元々の才能もあったのだろうけど、彼らも相当努力してきたはずだ。

なお、オレ…いや、わたしは一週間で色々詰めこまれるようだ。
基礎能力向上はもちろん、自らの内に秘めた力の使い方も厳しい環境で自ずと身に着けてもらう算段のようだ。

某ミスタービデオゲームのようなアスレチックコースを乗り越えながらな!
完全に殺しに来ている勢いで叩き込まれている…死に物狂いでついていけてはいるが、振り落とされればそこまでだ。
ロム曰く、自分たちはペースはゆったりなもののこの地獄を乗り越えてきたらしいとのこと。
だったらわたしもこの程度乗り越えられないようじゃ話にならないわけというわけだ。
もっとも、自分の体が思った以上にタフだという事を実感できたからある程度の無茶はできるけど。

お蔭で自分が何者なのか、これから何を成すべきなのかを少しは実感できたような気がする。
柚子を助けるついでにそれを果たしたいところだ。


「ところでブランお姉ちゃん…血だらけですが、大丈夫ですか?女神の身とはいえそこまで無理はなさらずに。」

「心配ありがとう…でも、こんなにボロボロになっても案外大丈夫なものね。」

「いや、常人なら死んでてもおかしくないぞ?マジで。」

「ファントム殿の言う通りだぞ、ブラン…俺も人の事は言えんが少し休め。」


そう、無茶な修行のせいか身体中がボロボロで血まみれになっているこの始末☆。
普通なら死んでても可笑しくないほどの重傷を負っている。
だけど、普通に動けるから性質が悪い…女神の体ってすごいわ本当。
しいて言えば服も血に塗れて重い上に気持ち悪いのが辛いけど。

そして、成果といえばいわゆる変身もある程度はコントロールできるようになってきた。
だけど、人相手に使ったら拙いよこの力は…逆に言えばロボットとか人外が相手なら大丈夫ね。
この力で無意識に敵とはいえ人を殺しかけたというのだから恐ろしい。
これだけでもここで何度も死にかけた甲斐があったものだよ本当に。

着替えも兼ねてここは一先ず休憩としておこう。
無理できるとはいえ、し過ぎはよくないからね。

ちなみにこの間に権現坂や他の教会員達とも何度かデュエルを行った。
ペンデュラムカードを使用禁止とか、三大召喚使用禁止などの制限をその時々で付けてね。
その中でアクションデュエルもさせてもらったけど、権現坂があんな方法でアクションカードを取得するなんてね。
不動のデュエルと一般的なアクションデュエルを融合させたデュエルスタイルとなっていたわけだ。
そして、実は負け越しているなんて言えない…最初の内だけどね。
次第に勝率は上がって成長は実感できている。

後はファントムとロムか。
2人とも格上だったけど、今回で差をどこまで詰められたか…ね。



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さて、着替えなおして現在水兵みたいな格好となっている。
戦地に赴くのはこの格好となりそうだ…流石にマーチング姿はシュールだからね。

そして、少し休憩したところで…!


「そろそろ修行の成果を俺に見せてもらおうかな。」

「ファントム…いや、榊遊矢……遂にこの時が来てしまったようね。」


いよいよ本物の遊矢にこれまでの成果を見せる時が来たようね。
わたしとしては、自身が暴走していたとはいえ横槍で美味しい所を持ってかれたままなのは気に喰わないのよね。
もう一人のユーヤとしても、一度デュエルで決着を白黒つけたいと思っていたわ。

だけど、その前に…アレを要求してくるだろうね。


「ああ…まずは女神の姿になってみろ。」

「…OK。」


――ピカァァァァァッ!!


そして、わたしの姿が女神ホワイトハートのものになった。
シンクロ次元でもないのにホワイトってどういう事なんだと言われてもそこまでは知らない。
服装や髪色なんかもだいぶ変化しているようで制御で来てから一度鏡を見た時は驚いたものだ。
幼い体型は変わってないけどな。


「こんな感じでどうだ?こっちの姿もだいぶ慣れてきたぜ。」

「OK…女神化は制御できるようになったと。


そう…死に物狂いで自らに眠る力を引き出し、それから制御にこぎつけたんだ。
この姿に変わるのを自分の意志で制御できず、力に振り回されて暴走したんじゃたまったもんじゃないしな。


「もういいか?」

「ちょっと待ってくれ、どうせならその姿のままデュエルしてくれないだろうか。」

「そうですね、その姿を維持したままデュエルできるかも確かめるいい機会ですから。」

「む、仕方ないな。」


この姿を維持するの疲れるんだがな。
だけど、この姿を維持したままのデュエルを見極めたいのだろう。
変に暴走しないかどうかをね。
この世界の命運を左右する力を持ってしまったわたしが暴走したのでは話にならないからか。
なら、諦めて乗らないといけないってわけだ。


「それで、デュエルの形式はどうする?」

「どちらでも。」

「OK…なら、今回は通常のデュエル形式にしよう。」

「わかった、早くやろうぜ。」


流石に通常のデュエル形式か。
そりゃそうか、流石にこの身体じゃアクションカード取り放題だもんな。
空も飛べて、しかも速いとか自分で言うのもなんだがインチキもいいところだからな。
通常のデュエル形式ならその辺で不公平が生じる事はないから純粋にわたしの実力を図れるわけだしね。
そもそも、向こうの世界でアクションデュエルができるわけじゃなさそうだから。


「ただし、これはいわばテストも兼ねている…全力全壊を持ってかかっていただこうかな。」

「全開の字が違う気がするけど、ああ。」


負けたらどうなるかはわからない。
再度修行させられるのか、あるいは処分されてしまうのか。
どう転ぶかはわたしにはわからないけど、楽しむくらいの気概で行かないとね。
何より相手はエンタメデュエリストのはずだしね。


「「デュエル!」」


ブラン:LP4000
ファントム:LP4000



「先攻はもらうよ、俺はモンスターを裏側守備表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド。」

「わたしのターン、ドロー。
 まずは手札から『ブレード・シュリンプ』を召喚!」
ブレード・シュリンプ:ATK1600


まずは扱いやすい下級アタッカーで様子見といくわ。


「バトル、ブレード・シュリンプで裏守備モンスターに攻撃!」

「おっと、そんな攻撃力で俺の裏守備モンスターに突っ込んでいいのかな?」
EMラクダウン:DEF1800


エンタメイトとは懐かしい…わたしも使った事あったカード群だ。
裏側守備表示モンスターの正体は守備力1800。
200程度の差ならどうにでもなるし、本命はそこじゃない。


「このカードがモンスターと戦闘を行うダメージ計算時にブレード・シュリンプの効果を発動。
 デッキからレベル3以下の水族を墓地へ送り、そのダメージ計算時のみこのカードの攻撃力を400アップ!」
ブレード・シュリンプ:ATK1600→2000


「ラクダウンを切り裂け!」


――ズバッ!


「…だけど、ラクダウンを戦闘で破壊したモンスターの攻撃力は800ダウンするよ。」

「地味に厄介な効果を持っているわね。
 しかもペンデュラムゆえにエクストラデッキへ行くと。」
ブレード・シュリンプ:ATK2000→1200→800


「ああ、そういう事だよ。」


ペンデュラムゆえに何度も復活するというのが非常に厄介なもの。
ペンデュラムを愛用している自分が言っても空しいだけだけど。
だけど、ブレード・シュリンプが優れているのは戦闘能力だけじゃない。
モンスターを墓地へ送る事こそ真骨頂だ。


「バトルは終了、メインフェイズ2に入り墓地のガントレット・カメノテを除外し効果を発動!
 手札の水属性1体を捨て、デッキから『甲殻』モンスター…『甲殻神騎オッドシェル・P・(ペンデュラム)ロブスター』を手札に加える。
 そして、水属性のコストで墓地へ送られた『エビカブト』の効果を発動し…」

「おっと、ただで特殊召喚させるつもりはないよ。
 この瞬間、手札から『増殖するG』を捨てて効果発動!
 このターン、お前が特殊召喚を行うたびに俺はデッキから1枚ドローする。」

「っ…Gだなんて似つかわしくないモンスターを。」

Gというのはどこにでもいるものだろう?デュエルという舞台だってそうさ。」

「ぐうの音も出ないわね。」

「これでブランお姉ちゃんの特殊召喚が牽制されましたね。」


増殖するG…あんなカードまで使ってくるなんて。
これで特殊召喚をするたびに相手に塩を送る事になるけど、もう止められないか。


「発動してしまったエビカブトの効果でデッキから『カニカブト』を特殊召喚。」
カニカブト:DEF900


「特殊召喚した事で増Gの効果で1枚ドロー。
 これでレベル3のモンスターが2体だけど、どうする?」

「仕方ない…今手札に加えたスケール4の『甲殻神騎オッドシェル・P・(ペンデュラム)ロブスター』をペンデュラムゾーンにセッティング!」
甲殻神騎オッドシェル・P・ロブスター:Pスケール4


オッドシェルは添えるもの。
さて、ドローさせる事にはなるけど、オッドシェルをエクストラに送って次のターンに向けての準備はしておきたい。
何より、攻撃力の下がったブレード・シュリンプを放置するのは忍びないから…!


「…わたしはレベル3のカニカブトとブレード・シュリンプでオーバーレイ!
 強かな心を強固な鎧に秘め、ここに見参!エクシーズ召喚!ランク3『ハードシェル・クラブ』!!」

『フッ…!!』
ハードシェル・クラブ:DEF2100 ORU2



相手にドローを許す事になってもここはハードシェルを呼び出しておく。


「ま、そう来るわな…Gの効果で1枚ドロー。」

「だけど、ここでオッドシェルのペンデュラム効果を発動。
 水族がエクストラデッキから特殊召喚された事で自身を破壊し、デッキから水属性・攻撃力1500以下のペンデュラム1体を手札に加える。
 この効果で手札に加えるのは『ブライン・ロブスター』だ。」


いつも通りの展開だけど、ここまではいつもと同じ。
成果を見せられるのはもう少し後になりそうだ。


「そして、カードを1枚伏せてターンエンド。」

「待った、ターン終了前に速攻魔法『イリュージョン・バルーン』を発動。
 このカードは自分のモンスターが破壊されたターンにのみ発動できる。
 その効果でデッキの上からカードを5枚めくり、その中から『EM(エンタメイト)』1体を特殊召喚できる!」

「運が絡むけど、5枚…結構な確率でリクルートできるわけか。」


運に見放されれば特殊召喚できないけど、相手はエンタメイトで固めてきてるはずだからそんな事はないはず。


「まぁ、そうなんだけどさ…こういうのからワンチャン狙うのも一興だろう?」

「そういえばアンタ、本分はエンタメデュエリストだっけ?」

「そういうこと!まず1枚目…残念、罠カード『ペンデュラム・リボーン』。
 2枚目!魔法カード『EM(エンタメイト)キャスト・チェンジ』…あ、これも違うね。
 3枚目は…お!『EM(エンタメイト)サーベルタイガー』!よし、これは特殊召喚できます!
 4枚目は『EM(エンタメイト)パレードラゴン』!エンタメイトだけど、儀式モンスターだから特殊召喚はできない。」


さりげなく儀式モンスターの存在を確認。
あれ、微妙に見覚えがある…あ、そうか。
そして少なくとも、大外れはなくなったわけか。


「最後は5枚目…お、これは面白い采配!EM(エンタメイト)トランプ・ソード』
 俺が選ぶのは、5枚目のトランプ・ソードだ!」
EMトランプ・ソード:ATK1400


選んだのは5枚目のトランプの剣を持った小人のようなモンスター。
こいつの効果は…?


「トランプ・ソードのモンスター効果発動!
 このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから『融合』を手札に加えるよ。
 とはいってもルール上『融合』として扱う『置換融合』だけどさ。」


なんと融合を手札に加える効果のモンスターだった。
というか、融合?何を呼び出すつもりだろう?
わたしも1体だけ手元に残っているけど、他の融合がいないから出せないも同然なんだよね。


「そういうわけで俺のターンだな、ドロー!
 ここでトランプ・ソードをリリースし、レベル5のEM(エンタメイト)オッドアイズ・ワイバーン』をアドバンス召喚!」
EMオッドアイズ・ワイバーン:ATK2000


ここで呼び出したのはエンタメイトとオッドアイズを兼ね揃えたモンスターか。
これで一体何をしてくるというのかしら?


「オッドアイズ・ワイバーンがアドバンス召喚に成功した時、エクストラデッキの表側表示のレベル4以下の『EM』1体を特殊召喚できるんだ。
 この効果で呼び出すのはEM(エンタメイト)ラクダウン』!」
EMラクダウン:DEF1800


「ペンデュラム召喚なしにラクダウンを再び呼び戻してきたか。
 だけど、それではハードシェル・クラブの守備力にも届かないわ。」


問題は呼び出したモンスターで何をするのかだ。
置換融合を手札に握っているという事は…!


「そこでさっき手札に加えたこれを使うのさ。
 手札から魔法カード『置換融合』を発動し、フィールドのオッドアイズ・ワイバーンとラクダウンを融合!
 竜の眼に宿れ、灼熱の地を生き抜く野性の力!融合召喚!現れ出でよ、野獣の眼輝けし『獰猛竜ビーストアイズ・ドラゴン』!!」

『ガァァァァァァァァ!!』
獰猛竜ビーストアイズ・ドラゴン:ATK3000



本当に融合召喚してきたか…!
翼竜の姿から一転して、ティラノサウルス体型の獣のパーツを宿した竜が現れた。
それにしても攻撃力3000…何かありそうだ。


「融合モンスター…カオス・リベリオンをネプテューヌに返した今、わたしには扱えない召喚法のモンスター…!」

「俺も融合召喚を習得したばかりでね…その初陣に女神は不足なしだ!
 バトルだ、ビーストアイズでハードシェルに攻撃!」

「だけど、ハードシェルには素材を使う事による破壊耐性が…」

「野性の力を解放したビーストアイズの前には無駄だ!
 ビーストアイズが相手モンスターを攻撃するダメージステップの間、攻撃対象モンスターの効果は無効化される!」

「なっ…!」
ハードシェル・クラブ:DEF2100 ORU2(効果無効)


ビーストアイズの効果は攻撃対象モンスターの効果を無効にするというもの。
ポケ〇ンでいう『かたやぶり』の効果の前じゃハードシェルの耐性も意味をなさない…!


「さらに、ビーストアイズは貫通効果を持っている!
 ハードシェルの装甲ごと突き破れ!『野性のストライク・ビースト』!!」


――ドゴォォォォォォォォ!!



「ぐはっ…!」
ブラン:LP4000→3100


ハードシェルが成すすべなくやられた…!
そして、ダメージの量の割に重い一撃…!
流石にわたしの前に立ちふさがる壁というだけの事はあるわね。


「そして、レベル8以上のドラゴン族モンスターが相手モンスターを戦闘で破壊したこの瞬間!速攻魔法『ドラゴンズ・ロアー』を発動!
 そのドラゴン族モンスターはこのターン攻撃力が300アップし、もう1度だけ攻撃できる!」

『ガァァァァァァァァ!!』
獰猛竜ビーストアイズ・ドラゴン:ATK3000→ATK3300(連続攻撃付与)



「これが通ってしまえばその時点でブランお姉ちゃんの負けですが…」


さらに、連続攻撃が襲い掛かる。
これをまともに通してしまえばその時点でお陀仏だ。


「行け、ビーストアイズ!ブランにダイレクトアタック!さあ、どうする!」

「流石にそれは通さない!罠発動『クラスティ・バリア』
 その直接攻撃を無効にし、デッキから『甲殻』モンスター1体…『甲殻戦車オマール・チャリオット』を手札に加える。」


だから、この攻撃は防がないとね。
その上で必要なカードをサーチさせてもらったわ。


「流石にそう簡単にはやらせてはもらえないね…それでこそだ。
 バトルを終了し、墓地のトランプ・ソードを除外し墓地の置換融合を手札に戻しておく。
 そして、カードを1枚伏せてターンエンドだ。」


ここで再び融合魔法が手札に加わったわけか。
つまり、再び融合召喚が来る可能性があるわけね。

だけど、こっちもそろそろ新たに手にした力を見せたいところだ。


「それじゃ、そろそろ成果を見せておこうかな…わたしのターン、ドロー!」


よし、ここでああつらえのカードが来た!


「相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる!
 現れよ、レベル5『甲殻戦車オマール・チャリオット』!!」

『ヴェェェェェェ!』
甲殻戦車オマール・チャリオット:DEF1800



「そして、このオマール・チャリオットをリリースし『甲殻水影ドロブスター』をアドバンス召喚!」

『フッ…!』
甲殻水影ドロブスター:ATK1800



「アドバンス召喚したにしては攻撃力1800か。」

「いや、お楽しみはこれからだ。」


手札からの特殊召喚からアドバンス召喚に繋げる。
だけど、これらはあくまで繋ぎ…本命はここから。


「アドバンス召喚に成功したドロブスターの効果と共に、墓地へ送られたオマール・チャリオットの効果も発動!
 オマール・チャリオットがリリースされた場合、デッキから『シュリンプ』モンスターか『甲殻』モンスター1体を墓地へ送る事ができる。
 この効果で墓地へ送るのは『甲殻神将オッドシェル・R・(リチューアル)ロブスター』!」

「リチューアル・ロブスター?成程ね。」

「更に、ドロブスターの効果でデッキから『甲殻槍士ロブスター・ランス』をエクストラデッキに加え、シャッフル!
 その後、デッキから1枚ドロー!」


この墓地送りで何をするのかはわかったようね。
だけど、まだ準備は終わっていない。


「ここで、ライフを800払って、魔法カード『湧水』を発動!
 この効果で除外された『ガントレット・カメノテ』を帰還させる!」
ブラン:LP3100→2300
ガントレット・カメノテ:DEF1000



この2体のレベルの合計は7。
残念ながらレベル7のシンクロモンスターは未所持だけど、これで準備はできた!


「そして、これだ!儀式魔法『シェルアーマー・アドベント』を発動!
 この効果でレベル2のガントレット・カメノテとレベル5のドロブスターをリリース!
 これにより、今回は墓地からレベル7の『甲殻神将オッドシェル・R・(リチューアル)ロブスター』を降臨させる!」

「リチューアル…オッドシェルを進化させたってわけか。」


そういう事…今しがたこの地で掴み取った成果を見せる時!


「二色の殻持つ者よ、降臨の儀式により新たなる姿に生まれ変わらん!儀式召喚!降臨せよ、レベル7『甲殻神将オッドシェル・R・(リチューアル)ロブスター』!!」

『ウオォォォォォォォォォォ!!』
甲殻神将オッドシェル・R・ロブスター:ATK2800



装飾が増え、翼の生えたオッドシェルの新たな姿。
攻撃力も地味に上昇しているんだよね。


「これがリチューアル・ロブスターか…!
 攻撃力そのものはビーストアイズよりは下の様だけど…その力を魅せてもらおうかな!」

「言われるまでもないわ!オッドシェル・R・(リチューアル)ロブスターのモンスター効果を発動!
 エクストラデッキの表側表示の水族Pモンスター1体をデッキに戻し、相手フィールドのモンスター1体をデッキに戻す!」

「戦闘を介さずにデッキバウンスだって!?」


まずは第一の効果…効果ダメージこそはなくなったけど、デッキバウンス効果が戦闘を介す必要がなくなったってわけだ。


「この効果でドロブスターをデッキに戻し、ビーストアイズを対象とする!
 エクストラデッキへぶっ飛べ!『スマッシュ・シュトローム』!!」


――バッシャァァァァ!!


「ビーストアイズ!…やってくれるね。」


よし、一先ずビーストアイズを戻す事には成功だ。
だけど、これはまだ氷山の一角のはず。
そう簡単にやらせてもらえるとは思えないが…やるか。


「さて、ここからが勝負どころね。
 墓地の『ガントレット・カメノテ』を除外し、手札の水属性1枚を捨てて効果発動!
 デッキから先ほどデッキに戻した『甲殻水影ドロブスター』を手札に加える。
 さらに、水属性の効果で墓地へ送られた『甲殻剣豪スピニー・ブレード』の効果も発動し、1枚ドローする。」

「サーチとドローのバーゲンセールだな。」


先ほどのデッキへ戻すコストを応用してドロブスターを再び握らせてもらったわ。
それと、ペンデュラムってそうでもしないと中々機能しにくいから仕方ないじゃない。


「それで、今度はどうする?」

「そりゃね…わたしはスケール3の『甲殻水影ドロブスター』とスケール8の『ブライン・ロブスター』でペンデュラムスケールをセッティング!!」
甲殻水影ドロブスター:Pスケール3
ブライン・ロブスター:Pスケール8



「いよいよ、来るか。」

「お待たせ、これでレベル4から7のモンスターが同時に召喚可能!
 揺れろ、魂のペンデュラム!天界の架かれ、流星のビヴロスト!ペンデュラム召喚!来て、わたしのモンスターたち!
 エクストラデッキからレベル5『甲殻槍士ロブスター・ランス』!そして、レベル7の『甲殻神騎オッドシェル・P・(ペンデュラム)ロブスター』!!」

『ヌンッ』
甲殻槍士ロブスター・ランス:ATK2000 forEX

『ウオォォォォォオォオ!!』
甲殻神騎オッドシェル・P・ロブスター:ATK2500 forEX



「早くも新旧形態が揃い踏み…だな。」


そうなるな…早速、リチューアルとペンデュラムの2体が揃い踏みだ!
とりあえず、伏せの1枚が気がかりだけどここは攻めさせてもらうよ。


「それじゃ、バトル!まずはペンデュラムの方のオッドシェルで攻撃!」

「だけど、そう簡単に乗り越えさせないよ!
 この直接攻撃宣言時に永続罠発動『EMピンチヘルパー』
 1ターンに1度だけ直接攻撃を無効にし、デッキから『EM』1体を特殊召喚できる!」

「流石にそう簡単にはやらせてくれないわね。」


永続罠での直接攻撃無効とモンスターの展開を同時にできるカードか。
放置しておけば非情に厄介になるはず。


「この効果で神騎の方のオッドシェルの攻撃を無効にし、デッキからレベル6のEM(エンタメイト)カレイド・スコーピオン』を特殊召喚!」
EMカレイド・スコーピオン:DEF2300


あのモンスターは見た事あるぞ。
オッドアイズ・オマールが覚醒した時に一緒に変化したカードだったはず。
確かあのカードの効果は…今は関係ないけどあれはペンデュラムだから次のターンに襲い掛かってきそうだ。
儀式の方のオッドアイズは残念ながら戦闘破壊したモンスターをデッキバウンスする芸当はできないけど…!


「む…なら、オッドシェル・R・ロブスターでカレイド・スコーピオンに攻撃!『螺旋のスクリュー・フラッド』!!」


――バッシャァァァァァ!!


「破壊されたカレイド・スコーピオンはエクストラデッキへ送られる。」

「だけど、これで空いた…ロブスター・ランスでダイレクトアタック!」


――ザシュッ!!


「ぐはっ…やってくれるね。」
ファントム:LP4000→2000


手札誘発は使わないか、あるいはなかったか。
いずれにしても攻撃は通って残りライフを半分にできた。
けど、破壊したカレイド・スコーピオンをエクストラに送ってしまった。
カレイド・スコーピオンは単体なら大したことはないけど、他の攻撃力の高いモンスターと合わせると拙い事になったはず。

なら、次のターンに少しでも備えるためにもここは…!


「バトルをここで終了…そして、ドロブスターのペンデュラム効果を発動!
 このカードを破壊し、1枚ドロー!」


ここでドローしたカードは…よし、これで手札を増やせる。
ここにきて更なるドローできるのは非常にありがたい。


「さらに、魔法カード『貪欲な壺』を発動!
 墓地から『ブレード・シュリンプ』『エビカブト』『カニカブト』『ハードシェル・クラブ』『甲殻剣豪スピニー・ブレード』をデッキに戻しシャッフル。
 その後、2枚ドローする!ふふっ…」


これは…ここにきて誂え向きなカードが来たわね。
もっとも、相手からしてみれば気分悪くなるだろう戦法だろうけど…出し惜しみをするつもりはない。


「…?」

「わたしはカードを1枚伏せて、ターンエンド。」

「何か厭らしい事を考えていそうだが…俺のターン、ドロー!」


流石に見抜かれるか…もう少し、ポーカーフェイスを保てるようにしておかないとね。
さて、ここからどう動く…?


「そちらに先に使われちゃったけど、こっちもやらせてもらおうかな。
 手札を1枚捨て、魔法カード『オッドアイ・コール』を発動!
 デッキから同名カード以外の『オッドアイズ』モンスター2体を手札に加えるよ。
 この効果で加えるのは『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』と『EMオッドアイズ・ユニコーン』だ!」


遂にファントムもペンデュラム召喚を狙ってきているようね。
だけど、向こうに行った場合に立ちはだかる脅威に立ち向かえることを示すためにもここは…!


「そして、スケール2のEM(エンタメイト)ハイドランジニアス』とスケール8のEM(エンタメイト)オッドアイズ・ユニコーン』でペンデュラムスケールをセッティング!」
EMハイドランジニアス:Pスケール2
EMオッドアイズ・ユニコーン:Pスケール8



「これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!」

「来た!ここからがわたしの腕の見せ所だ!」


ペンデュラム召喚をする今こそ、わたしの新たな一手を切る時!


「なっ、一体…?」

「ペンデュラム召喚を行おうするこの瞬間、手札からこいつの効果を発動!
 墓地から『甲殻』モンスター1体を除外する事で、相手ターンにこのカードのアドバンス召喚を行う事ができる!」

「モンスター効果を使って相手ターンでアドバンス召喚を!?」


そう、相手ターンにアドバンス召喚を行えるカードを握っていたんだ。
ちなみに、コストで除外するのは墓地のオマール・チャリオット。


「この効果により、わたしはロブスター・ランスと神騎の方のオッドシェルをリリースし、アドバンス召喚!
 星に導かれし甲殻の帝よ、この戦乱を鎮めるために力を奮え!レベル8『甲殻星帝オマール・アンプルール』!!」

『フフフフフ…!!』
甲殻星帝オマール・アンプルール:ATK2800



「まさか、ただ場に出したわけじゃないだろう?」

「当然でしょ、エクストラデッキから水属性モンスター3体を墓地へ送ってオマール・アンプルールのモンスター効果を発動!」


当然、ただ場に出すためだけにアドバンス召喚したわけではない。
強烈なモンスター効果を食らわせるためだ。
コストとしてエクストラデッキから『ガリデス・ギルマン』『クルヴ・シューター』『ハードシェル・クラブ』の3体を墓地へ送らせてもらった。


「自らのエクストラデッキからコストとしてカードを墓地へ…?」

「これにより、クルヴ・シューターとハードシェルの効果の発動が確定。
 さらに、この効果でファントム…お前のエクストラデッキからカードをランダムで3枚まで墓地へ送ってもらう!」

「エクストラデッキ破壊だって!?そんな無茶苦茶な…!」


そう、エクストラデッキから3枚も削る強力な効果だ。
エクシーズ次元などのエクストラデッキを使った戦術を得意とする異世界勢力を相手にするにはうってつけだろう?
しかも、その効果範囲はエクストラに表側表示で存在するペンデュラムモンスターとて例外ではない。


「異世界勢力の奴らを相手するのにはエクストラデッキを削るのが早いと思うからな。
 しかも、エクストラのペンデュラムを墓地へ送れる可能性があるからペンデュラム使いにも効果的。
 そういうわけで3枚墓地へ送ってもらうぞ『ドミネーション・シュトローム』!!」


畜生でもなんでも結構…なんとしても柚子を助け出してこの世界に帰還するためにも。
それに、相手の思惑を見て動く駆け引きこそデュエルの醍醐味だと思うんだ。
さて、相手のエクストラデッキから何が送られたか…!


「っ、墓地へ送られたカードは…あ。」

「成程ね…」


ランダムで墓地へ送られたカードは『EM(エンタメイト)ラクダウン』と『EM(エンタメイト)カレイド・スコーピオン』に『餓毒竜スターヴアイズ・ドラゴン』だった。
最後のは融合モンスターみたいだけど、流石に1種類だけじゃなかったのか。
だけど、ペンデュラムを2枚も墓地へ遅れたのは大きいはず。

続いて、確定していた方の効果だ!


「…そして、水属性のコストとなって墓地へ送られた『ハードシェル・クラブ』と『クルヴ・シューター』の効果を順に発動!
 まずは逆順処理によりクルヴ・シューターの効果で相手の魔法・罠カード1枚を破壊する!
 この効果で破壊するのは…ペンデュラムゾーンのオッドアイズ・ユニコーンだ!『プラズマ・シュート』!!」


――ドォォォォォン!!


「あはははは、やってくれるね…!
 オッドアイズ・ユニコーンはエクストラデッキに送られるが…!」

「基本的にペンデュラム召喚は無理だろ?オッドアイズ・ユニコーンのレベルが1だというのが見えていたからな。」


片方のスケールを破壊するのに成功!
オッドアイズ・ユニコーンのレベルは見た所1…つまりペンデュラム召喚で呼び出す事は無理に近い。
スケール0のペンデュラムの存在なんて恐らくないだろうから再利用は難しいわけよ。


「そして、ハードシェル・クラブの効果で『ロブスター・シャーク』を手札に加えておく。」


しかも、ハードシェル・クラブの効果によるサーチで手札も増強。
相手のエクストラも削ってからの魔法・罠除去とサーチ。
自らのエクストラも削るとはいえアド回収が半端ない。
コストで水属性を墓地へ送れるというのがとても大きい。


「さて、これで大分追い詰めたように思えるけど…どうするの?」

「ここまでやられると逆にこっちが試されている感があるけど、まだ手は十分ある。
 フィールドの『EM(エンタメイト)』カードが破壊された事でハイドランジニアスのペンデュラム効果を発動!
 このカードを破壊し、デッキからレベル3以下の『EM』のペンデュラムモンスター1体を手札に加える。
 この効果で手札に加えるのはスケール4の『EM(エンタメイト)トランプ・ウィッチ』!」

「トランプ・ウィッチ…?」

「あのカードは、確かネプテューヌ殿に使わせた…!」


ここでなんと、スケール2のカードを破壊してスケール4のカードを手札に加えてきた。
だけど、これでも彼の手札は既に2枚。
2枚ともスケール4のペンデュラムカードで、このままじゃペンデュラム召喚はできないはずだけど…?


「このままじゃペンデュラム召喚できない…と言いたげな顔をしているな?
 確かにそうだ、このままの手札じゃペンデュラム召喚を行う事はできない。
 だが、まだ可能性はある!」

「可能性…そうなると墓地発動か?」

「ああ…ここで墓地の『置換融合』を除外し、墓地の融合モンスターのスターヴアイズを対象に効果発動!」

「っ…ランダムなのが裏目に出たか。」


ここで融合モンスターを墓地へ送った事で、オッドアイ・コールの時に墓地へ送られた置換融合のもう1つの効果を使用できるようにさせてしまったわけか。


「こんな事もあるものさ…対象の融合モンスターをエクストラデッキに戻し、その後俺はデッキから1枚ドローできる!
 この逆境の中で引き当ててこそ…真のエンタメだとは思わないか?」

「そりゃね。」


わたしも時折、逆境の中ここでこそというタイミングで突破口を引き当てる事が多々あった。
そうだ、もう駄目かと思われた時に引いたカードで逆転する…そこが一番の盛り上げどころじゃない。
成程、ここで引き当てようというのね。


「だから、俺はこのドローに賭ける!
 お楽しみはこれからだ!置換融合の効果でスターヴアイズを戻し、ドロー!」


――ピカァァァァ!


うおっ、まぶしっ!?
じゃなくて、胸にかけたペンデュラムが光った?
そういえば、ファントムもまた胸にペンデュラムを付けていたんだった。
それが今光り輝いたって事は…間違いなく引き当てたはず。


「俺はスケール4のEM(エンタメイト)トランプ・ウィッチ』とスケール8の『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』でペンデュラムスケールをセッティング!」
EMトランプ・ウィッチ:Pスケール4
オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン:Pスケール8


やっぱりスケール8のペンデュラムを引き当ててきたな。
遂にペンデュラム召喚が来るか…!


「一度は妨害されたけど、今度こそペンデュラム召喚させてもらうよ。
 これでレベル5から7のモンスターが同時に召喚可能!
 揺れろ、運命の振り子!迫り来る時を刻み、未来と過去を行き交え!ペンデュラム召喚!
 エクストラデッキからはレベル5のEM(エンタメイト)オッドアイズ・ワイバーン』とレベル6のEM(エンタメイト)ハイドランジニアス』
 そして、手札から出でよ!レベル7『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!!」

『グルル…!』
EMオッドアイズ・ワイバーン:ATK2000 forEX

EMハイドランジニアス:DEF1800 forEX

『ガァァァァァァァァ!!』
オッドアイズ・ファントム・ドラゴン:ATK2500



これによりエクストラから2体、手札から1体をペンデュラム召喚してきた。
このままではわたしの2体のモンスターの突破はできないけど…!


「とはいっても、このままじゃその2体には敵わないね。
 だから、力を合わせる!トランプ・ウィッチのペンデュラム効果を発動!
 この効果でフィールドのモンスターを素材にし、融合召喚を行う!」

ペンデュラム融合…!」


狙いはペンデュラムのその先…ペンデュラム融合の様だ。
しかしながら、本当にペンデュラム融合のバーゲンセールだと思うんだ。
恐らく、融合次元のネプテューヌを保護していた事が関係してくるだろうけど。
ここで呼び出してくるのは恐らく…!


「この効果で俺はフィールドからオッドアイズ・ワイバーンとハイドランジニアスを融合!
 一輪の美しき花よ!異色の眼持つ飛竜を花弁の奥に包み込み、新たな脅威を生み出さん!
 融合召喚!現れろ、レベル8!飢えた眼輝けし『餓毒竜スターヴアイズ・ドラゴン』!!」

『ギシャァァァァァァァア!!』
餓毒竜スターヴアイズ・ドラゴン:ATK2800



「ふふ…ここまでは見事だけど、ここからは餓毒竜が立ちはだからせてもらうよ。」

「ははっ、そう来なくちゃ。」


なんだかねっとりとした口上と共に姿を見せたのは、食虫植物を思い出させるフォルムの見るからに禍々しいドラゴン。
そう、先ほどエクストラに戻していたあいつだ。
さて、ここからはこいつ等を相手にどう立ち向かうかが問題か。
いずれにしろ面白くなってきた、受けて立つ!











 続く 






登場カード補足






甲殻神将オッドシェル・R・(リチューアル)ロブスター
儀式・効果モンスター
星7/水属性/水族/攻2800/守2000
「シェルアーマー・アドベント」により降臨。
「甲殻神将オッドシェル・R・ロブスター」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、自分のエクストラデッキから表側表示の水族Pモンスター1体をデッキに戻し、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主のデッキに戻す。
(2):儀式召喚したこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の儀式魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に戻す。



甲殻星帝オマール・アンプルール
効果モンスター
星8/水属性/水族/攻2800/守2100
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、自分のエクストラデッキから水属性モンスター3体を墓地へ送って発動できる。
相手のエクストラデッキからカードをランダムに3枚選んで墓地へ送る。
(2):このカードが手札にある場合、相手メインフェイズに自分の墓地の「甲殻」モンスター1体を除外して発動できる。
このカードをアドバンス召喚する。
(3):このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから水属性モンスター1体を墓地へ送る。



甲殻戦車オマール・チャリオット
効果モンスター
星5/水属性/水族/攻1600/守1800
「甲殻戦車オマール・チャリオット」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードがリリースされた場合に発動できる。
デッキから「シュリンプ」モンスターまたは「甲殻」モンスター1体を墓地へ送る。



獰猛竜ビーストアイズ・ドラゴン
融合・効果モンスター
星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
ドラゴン族・闇属性モンスター+獣族モンスター
(1):このカードが相手モンスターを攻撃するダメージステップの間、そのモンスターの効果は無効化される。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。



EM(エンタメイト)オッドアイズ・ワイバーン
ペンデュラム・効果モンスター
星5/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守 800
Pスケール「5:5」
「EMオッドアイズ・ワイバーン」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを発動したターンの自分メインフェイズに自分フィールドのモンスター1体を墓地へ送って発動できる。
墓地へ送ったモンスターよりレベルが1つ高い「オッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
『モンスター効果』
「EMオッドアイズ・ワイバーン」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札からの召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
自分のエクストラデッキから表側表示のレベル4以下の「EM」Pモンスター1体を特殊召喚する。



EM(エンタメイト)ハイドランジニアス
ペンデュラム・効果モンスター
星6/闇属性/植物族/攻1000/守1800
Pスケール「2:2」
「EMハイドランジニアス」のP効果はデュエル中1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「EM」カードが効果によって破壊された場合に発動できる。
このカードを破壊し、デッキからレベル3以下の「EM」Pモンスター1体を手札に加える。
『モンスター効果』
「EMハイドランジニアス」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが融合召喚の素材となってフィールドから離れた場合、自分の墓地の「EM」モンスター2体を対象として発動できる。
そのカード2枚をデッキに加えてシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。



EM(エンタメイト)トランプ・ソード
効果モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻1400/守 800
「EMトランプ・ソード」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「融合」1枚を手札に加える。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「融合」1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。



シェルアーマー・アドベント
儀式魔法
「甲殻」儀式モンスターの降臨に必要。
「シェルアーマー・アドベント」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドの水属性モンスターをリリースし、自分の手札・墓地から「甲殻」儀式モンスター1体を儀式召喚する。



湧水
通常魔法
「湧水」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):800LPを払い、除外されている自分のレベル3以下の水族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。



ドラゴンズ・ロアー
速攻魔法
(1):自分のドラゴン族・レベル8以上のモンスターが戦闘でモンスターを破壊した時、
そのドラゴン族・レベル8以上のモンスター1体を対象として発動できる。
このターンそのモンスターの攻撃力は300アップし、もう1度だけ続けて攻撃できる。
このカードを発動するターン、自分は対象のモンスター及びその同名モンスターでしか攻撃できない。



クラスティ・バリア
通常罠
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃を無効にし、デッキから「甲殻」モンスター1体を手札に加える。