Side:ネプテューヌ


…ブランってペンデュラム召喚という召喚法を使うのは知ってたけど、シンクロやエクシーズまで使えるんだね。
特にシンクロはベールのと比べても引けを取らない気がする。
とはいっても、すごいっていうベクトルが互いに違うのだけどね。
紫吹を飼い犬同然にした赤馬零児って人も3つの召喚法を巧みに操っているなぁと。
そして、融合召喚を教えたほぼモン使いの権現坂や今眠っているロムを始めとしてこの次元には優秀な人材がそろってるよね。

って、それよりも問題は…月子と同じ顔ながらハートランドのデュエリストというモアの事なんだよね。
どうも、融合次元出身のわたしたちを倒そうとしてここにやって来たみたいなんだよね。
戦場に出してもらえない事の意趣返しとして己の実力を示すためという身勝手な目的のためにとか。

で、その子は柚子って子から仲間がわたしたちの故郷で何をしているのかをわたしたちに聞けってね。
それでさ、デュエルについての知識が碌になかったわたしたちを笑いながら襲撃したのが本当かって。
だからあの時の辛い記憶を思い出しながら話す。


「本当だよ。」

「奴らは突如として俺たちの故郷に現れ、デュエルに対する知識を碌に持たない無防備な俺たちを笑いながら襲撃した。」

「彼らは…家族や、ネプギアを……大事な人を次々と手にかけたんだ。
 まるでハンティングゲームを楽しんでいるかのように…!

「成程な…」


ハートランドやアヴニールの奴らに襲われた時のことを伝えると、モアは動揺はしつつも理解はできているような感じだった。
だけど、次の瞬間…その子は信じがたい事を口にした。


「直接融合次元へ赴いた事のないオレがこんな事を口にするのも変な話かもしれない。
 だが、お前たちの方にこそ我々を敵に回すような事をした心当たりはなかったのか?

は?

「ははっ、おかしいな…君が何を言っているのかわからないよ。
 大体、デュエルが衰退していた様な所が襲撃されて滅亡に追い込まれる理由が分からないよ。


だって、エクシーズの奴らは突如としてわたしたちの故郷を襲ったんだよ?
わたしたちが何をしたっていうのさ?


「本当にデュエルが衰退していて危険性がなければ大挙して襲撃する理由もなく、穏便に済ませただろう。」

「でも、実際には…」

本当に危険がないなら…な。

「は?」

「何だと?」



まるで大挙して襲撃しなくちゃならなかった理由があるような言い回しだね。
でも、どうしてなのかさっぱり身に覚えがない。
プラネテューヌとか平和そのものだったのに。


「オレ自身は見たわけではないので話半分に聞いてくれ。
 お前たちの住んでいる融合次元には世界を脅かすような危険な奴がいるらしい。

「危険な奴?何それ?」

「オレも詳しくはわからんが、当のお前たちも知らないようだな。
 ただ、融合次元を襲撃した理由がそいつにある事は間違いないと見ていい。
 本格的な襲撃の前に先行して数名出向いた仲間が1人を除き、行方不明になったという事を聞き耳した事があるからな。
 貴様の妹とやらも既にその敵の手の中に落ちていたのかもしれんな…気が付かないだけで。

「な、なんだってー!」


そこまで危機感を覚えるほどの奴が故郷にいたなんて…!
そいつにネプギアが…?
でも、にわかには信じ難い事だよ。


「ま…またまたぁ〜?襲来するまでデュエルは衰退してたんだよ?
 それにわたしたちの次元に問題があったかのような事を言われるのは虫唾が走るね。」

「エクシーズの奴らに太刀打ちどころか行方不明にまで追い込む事ができる奴など…」

いるかもしれんぞ?今デュエルしているブランという奴がが言っていただろ、バトルロイヤルに紛れ込んで乱入した化物を目撃したと。」

「その化物が何の関係が…?」

「いや、待て…気に食わない話だがその化物が撃退された話をして憎き『星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)』が苦々しい顔しつつも感謝していたのが気になる。」

「そいつが真の敵とやらの関係者かもしれないわけだ…いずれにしろ、気を付ける事だな。
 そいつらはお前たちにとっても討伐すべき存在になるだろうからな。
 オレたちにとっても、世界をあるべき姿に正すためには邪魔者となる存在だ。

「!?」


真の元凶が…エクシーズの奴らの探している敵と同じ…?
しかもブランが自ら口にしていた化物がそいつの手先って可能性があるわけか。


「それで、その敵は…?」

「…残念だが其れらしき奴を倒した報告は耳には届いていない。
 もしかしたら、別の次元に逃げたのかもしれない。
 もしかしたらアヴニールやハートランドも既に奴の手に墜ちたかもしれないな。
 オレたちが気付かない内にな。」

「そんな…!」

「信じるか信じないかどうかはお前たちの勝手だが、賢明な判断をする事だな。
 一応オレはデュエリストではない者を襲ったと聞かされた故に、融合の残党狩りなんて真似はもうしない。
 敵の手にかかったかどうか判断する余裕がないとすればにしかたない側面もあるが、流石にデュエリストでない者を襲撃するのはちょっとな。



いずれにしても真に私たちの次元を滅茶苦茶にした元凶は…絶対に許せないよ!










超次元ゲイム ARC-V 第59話
『異次元の大王』









ブラン:LP2900
甲殻魔将ルーンシェル・P・ロブスター:ATK3000
ザリガンマン:ATK1800

零児:LP1000



Side:ブラン


あのメガネのライフを1000…契約書のリスク圏内まで追い込んだのはいい。
だけど、DDDの人事権で2枚のペンデュラムカードがあいつの手に渡った。
という事はペンデュラム召喚が来るのは間違いなさそうだけど…?


「今度は私が魅せる番だ、ドロー。
 私は『DD魔導賢者ケプラー』を召喚!」

DD魔導賢者ケプラー:ATK0


「何…?」

「ケプラーをそのまま召喚だと!?」


ケプラーをスケールとして使わずにそのまま召喚した…?
一体、何を狙っている?


「ペンデュラムモンスターで攻撃力0のケプラーを通常召喚して何を考えてる?と言いたげな顔だな。
 だが、召喚する事でも発動する能力がある…ケプラーのモンスター効果を発動。
 この効果でデッキから『契約書』1枚…ここは『地獄門の契約書』を手札に加えさせてもらおう。」


成程、契約書をサーチ可能なモンスターという事か。
地獄門の契約書と言えば『DD』モンスターを1体サーチできる永続魔法。
攻撃力0のモンスターを召喚したのも頷ける。


「そして、永続魔法『地獄門の契約書』を発動。
 1ターンに1度、デッキから『DD』モンスター1体を手札に加える事ができる。
 この効果で私が手札に加えるのはレベル7の『DDミミック』…!」


ミミックって所謂宝箱に擬態しているアレの事か?


「ここで墓地のレベル1の『DDラミア』のモンスター効果を再び発動。
 地獄門の契約書を墓地へ送り、墓地から自己再生する。」
DDラミア:DEF1900


「これでレベル1のモンスターが2体…!」

「しかも、片方はチューナーという事はシンクロ召喚も可能…?」


そして、ここでDDラミアを蘇生させてきたか。
レベル1のチューナーという事はレベル2のシンクロかランク1のエクシーズのどちらを狙っているのか?


「私はレベル1のケプラーにレベル1のラミアをチューニング!
 悲しみを糧とする王の一族よ、その手腕で英雄の文化を築き上げよ!シンクロ召喚!君臨せよ、レベル2『DDD文化王ヴィクター』!!」

『フフフフフ…!』
DDD文化王ヴィクター:DEF1800



出てきたのはレベル2のシンクロモンスターだった。
これで何をしてくるのかはさておき、ザリガンマンの効果を使うかどうかはここからの出方次第だ。


「効果を使用したDDラミアがフィールドから離れた場合、除外される。」

「あれ、でも前のターンにも効果を使って墓地へ送られた気がするんだけど?」

「いや、エクシーズ素材にした後で素材として墓地へ送られた場合はそうじゃないんだ。
 実はエクシーズ素材はカード扱いじゃなくなってるからな。

「そういう事だ。」


確かそういう事だったはずだけど、あっていたか。
エクシーズ素材がカードとして扱われなくなっている事でフィールドのカードを破壊する効果で破壊されない事と同じだ。
どうしてオレが知っている?知識としてもっていただけよ。


「そして、文化王ヴィクターのモンスター効果発動!
 このカードがシンクロ召喚に成功した時、墓地のレベル5以上のDD1体を守備表示で効果を無効にして特殊召喚する。
 甦えるがいい『DDD疾風王アレクサンダー』!!」

『フゥッ…!!』
DDD疾風王アレクサンダー:DEF2000



DD1体の蘇生効果だったか。
シンクロ召喚時に発動される効果じゃ、このタイミング破壊してもあまり意味がないわね。
そして、甦らせたのは蘇生効果持ちのアレクサンダー。
効果は使用可能な形で蘇生されるのが厄介だ。


「その後、特殊召喚したモンスターのレベル×100のライフを回復する。
 アレクサンダーはレベル7、よって700のライフを得る。」
零児:LP1000→1700


「折角、残り1000まで削ったライフを…」

「流石にライフ回復の手段は持っているというわけね。」


そしてちゃっかり回復までしてきたって訳か。
流石に契約書のリスクを考えると、ライフ回復の手段は持っていて当然の話か。


「そして私はスケール6の『DD魔導賢者トーマス』とスケール10の『DD魔導賢者ニュートン』でペンデュラムスケールをセッティング!」
DD魔導賢者トーマス:Pスケール6
DD魔導賢者ニュートン:Pスケール10



「これでレベル2から9のモンスターが同時に召喚可能…!」

「来るぞ、赤馬零児のペンデュラム召喚!


あいつのエクストラデッキの表側表示のDDは確かレベル1のケプラーだけだ。
だけど、アレクサンダーがいる中でさらに展開されたら墓地のモンスターが蘇生されてしまう。
ザリガンマンの効果は…ここだっ!


「待った!ペンデュラムスケールを置いたこの瞬間、手札の水属性1体を捨ててザリガンマンのモンスター効果を発動!
 この効果で特殊召喚されているアレクサンダー1体を対象に破壊し、600ダメージを与える!喰らえ『スカーレット・バレット』!!」

「成程、先にアレクサンダーを破壊しておくことで…!」

「残念だが、ここで永続罠を発動させてもらうとしよう…『冥王の契約書』
 悪魔族モンスターのアレクサンダーを対象とし、このターンそのモンスターを対象に取るモンスター効果を無効にする。」

「ちっ、躱されたか…!」


くっ、前のデュエルの時にコーカサスカニカブトの効果を無効にしてきた契約書で無効にしてきやがったか。
そう簡単に破壊させてはくれないだろうと踏んではいたけど…!

つまり、ペンデュラムからの展開が止められないってわけか…!


「我が魂を揺らす大いなる力よ!この身に宿りて闇を引き裂く新たな力となれ!
 ペンデュラム召喚!出現せよ、レベル7『DDミミック』!」
DDミミック:DEF2600


ここで展開してきたのは手札のミミックか。
止めようにもザリガンマンの効果はもう使ってしまったから止められない。


「そして、私の場に『DD』が召喚・特殊召喚された事でアレクサンダーのモンスター効果を発動。
 墓地からレベル4以下の『DD』1体を蘇らせる。
 この効果により甦らせるのはレベル3のチューナーモンスター『DDナイト・ハウリング』!」
DDナイト・ハウリング:DEF600


そしてここで甦らせたのはレベル3のチューナーだった。
これは拙いな…レベル7が2体いる上にチューナーまでいるって事は…!


「私はレベル2の文化王ヴィクターにレベル3のナイト・ハウリングをチューニング!
 闇を切り裂く咆哮よ!猛き暴風を纏いて、新たな王の産声をあげよ!シンクロ召喚!降誕せよ、レベル5『DDD威風王ダレイオス』!!」

『ヌオォォォォォ!!』
DDD威風王ダレイオス:ATK2200



「ペンデュラムから続々と展開をして連続シンクロ召喚を決めただと…?」

「しかも、ダレイオス以外の2体は両方レベル7のモンスター…と来れば!?


ダレイオスも厄介そうだけど、問題はレベル7モンスター2体で何を出すかだ。
流石にこのまま放っておくわけないだろうからな。


「遂に来るか、ペンデュラム召喚からのエクシーズ召喚が…!」

「私はレベル7のDDミミックと疾風王アレクサンダーでオーバーレイ!
 傲慢と金欲にまみれし異界の王よ、次元の壁を突き破りこの世界に君臨せよ!エクシーズ召喚!出でよ、ランク7『DDD異界大王デデデ』!!」

『ゾイ!!』
DDD異界大王デデデ:ATK3200 ORU2



「攻撃力3200、流石にランク7だけあって強力……は?


ペンデュラム召喚からエクシーズ召喚に繋いできた…のはいいけどさ。
出てきたのは悪魔の鎧を纏い、巨大なハンマーを携えたペンギンのようなずんぐりとした身体のどこかで見た事あるようなモンスター。
おい、ちょっと待て…こいつ、どう考えてもアレじゃねぇかよ!!


やめろー!こんなのデュエルモンスターズじゃない!
 俺の信じるデュエルモンスターズは…ん?」

「うわぁ…どう考えてもアウトォォォォォ!!
 いくらなんでも、これはちょっといけてないんじゃない?」

「どこかで見た事あるようなモンスターばかり使ってるお前が言える立場じゃないだろ、ネプテューヌ。
 だけどとうとう開き直ったか、赤馬零児!色々な意味でそのモンスターは駄目だろ!?

「はて、何のことやら?」


『あ〜何も聞こえんよ』とばかりにまるで知らぬ存ぜぬの様な態度で腹立つな!
…って、相手のペースに飲まれてる場合じゃねぇよ!?


「では、デュエルに戻って構わんな?
 ミミックを『DD』のエクシーズ素材とした事で効果により1枚ドロー。
 そして、デデデのモンスター効果を発動!
 このカードがエクシーズ召喚に成功した時、相手の表側モンスター1体をこのカードのオーバーレイユニットにする!
 ルーンシェルを吸い込め!『キング・バキューム』!!」

「何っ!?」


――シュゥゥゥゥゥゥ…!!


『グオォォォォ…』


DDD異界大王デデデ:ATK3200 ORU2→3


ルーンシェルが吸収された!?

「モンスターを除去した上に自らのオーバーレイユニットとするなんて…恐ろしい子!?」


ルーンシェルはもう無敵状態じゃなくなってるのを付かれた形だ。
シンクロ召喚された情報が消える上に、ラミアと同じ理由でこれではどっちにしろ死に際の効果が発動できない…!
…もっとも、ルーンシェルが遺されようが碌なモンスターがエクストラにいないのでザリガンマンやられるよりはましだと思うしかないか。


「さらに、ダレイオスのモンスター効果を発動!
 自分フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を手札に戻し、このターン、このカードの攻撃力を800アップする!
 私はこの効果で冥王の契約書を手札に戻し、ダレイオスの攻撃力を3000にする!」

『ヌオォォォ…!!』
DDD威風王ダレイオス:ATK2200→3000



更に契約書を手札に戻しつつこのターン限りとはいえダレイオスを攻撃力を3000の大台にしてきたわけか。
これで攻撃力3000超が2体に…!


「ここで、トーマスのペンデュラム効果を発動し、エクストラデッキのケプラーを手札に戻す。
 さらの、トーマスを対象にデデデのもう1つの効果を発動。
 1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、対象の自分のカードを破壊して私は1枚ドローする。」
DDD異界大王デデデ:ATK3200 ORU3→2


さらには自分のカードを破壊して1枚ドローしてきた…よく回るものだよ。
さて、そろそろ攻撃してくるだろうか…?


「バトルだ、まずは異界大王デデデでザリガンマンを攻撃!『スーパーデデデジャンプ』!!」


『デデッ…ドンッ!!』


――ズドォォォォォォォォォン!!



「がぁぁぁっ!!」
ブラン:LP2900→1500


――ドサッ…!


くっ…とんだふざけた技名ながら、巨体でのジャンピングプレスは流石に効く。
その衝撃で大分後方まで吹き飛ばされちまうとは…!


「だけど、ここでザリガンマンのもう1つの効果を発動!
 このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター2体を手札に加える事ができる!
 この効果で墓地から手札に加えるのは『甲殻奏者ロブスター・ハープ』と『ウォーター・ペインター』!」

「お…ザリガンマンこそはやられたけど、リカバリーはできてるね。」

「だが、零児にはまだ攻撃力3000のダレイオスが攻撃可能で残っている。
 伏せカードがない今……いや、確か墓地には…?」

「さて、どう動く?」


さて、これでオレのフィールドはがら空き。


「そして、ダレイオスでダイレクトアタック!」

「この瞬間!墓地から『ウェーブ・ガードナー』を除外し、デッキから水族・魚族1体を墓地へ送り効果発動!
 この効果により、その直接攻撃を無効だ!」

「ふむ…よかろう。」


これで、発動条件を満たした墓地からウェーブ・ガードナーの効果を使用して墓地肥やししつつ攻撃を無効にさせてもらったわけだ。


「よし、防いだぞ!」

「ハードシェル・クラブの素材になった後で墓地へ送られていたカードか。」

「もっとも、攻撃を止めたとはいえ、あいつがそれを読めていないはずがないだろう。
 攻撃をしない選択肢もあったわけだが、使わせておくのも悪くはないな。」


攻撃を無効にされても表情に変化がない事からもわかっていなかった可能性はないはず。
一体、何を考えてやがる?


「で、まだ君は全てを出し切っていないはずだ。」

「は?」



ペンデュラム召喚のその先は既に見せたつもりだが、これ以上何を求めている?
いや、もしかしなくても暗にアレを見せろとでも?
正直、気は進まないけどな…片方はネプテューヌの落し物、もう片方はバトルロイヤルで暴走した後に確認できた曰くつきだしなぁ。


「ちなみに私はこれでもまだ全力ではないぞ?」

「…だろうな。」


…この発言からもいわゆる舐めプに近い事をしていた事が伺える。
道理で攻撃を躊躇せず、ウェーブ・ガードナーを使わせたわけかよ。


「私はカードを3枚伏せてターンエンド。
 この時、ダレイオスの攻撃力は元に戻る。」
DDD威風王ダレイオス:ATK3000→2200


「私に全力を出させたければ、出し惜しみせず死力をもって立ち向かうがいい…!
 柊柚子を取り戻したければ…な。」

「ざけんなよ…柚子を出汁に使いやがって。


よりにもよって、柚子の名を煽りに使ってるのがふざけてやがる。
それに、その上から目線が気に食わねぇんだよ。
まるで負ける要素がないと言わんばかりの態度がな!

いや、このままストレスがマッハになって暴走しないように気を付けないと…!


「そういや、柚子はアヴニールだかそういう所に捕らわれているって話だったな?」

ならば、私を倒してみろ…!

「何?」

「柊柚子さえ無事なら他のカードに封印された仲間の事は…どうでもいいと?」

「は…っ!?」


――ドクッ…!


ここで脳裏に山越シェフ達がカードに封印された光景がちらついた。
やめろ…知り合ってから大して時間が経ってないのに酷く胸が苦しい。

それどころか、このアクションフィールドと同じ外観の街が荒らされ、逃げ惑う人々がカードに封印されてしまっている光景が…!
どういう事だこれは…こんな光景記憶にないはずなのに…!?
そして苦しい…駄目だ、意識が…!


「ううっ…ぐわぁぁぁぁぁぁ!!

「ど、どうした!?」

落ち着け、ブラン!このままだとあいつの思うつぼだぞ!それにまた暴走したいのか!」

「ううっ…はっ!?


ファントムの呼び声により『はっ!?』と我に帰る。
危なかった…もう少し時間が経っていたら言いようのないこの感情に体が支配されるところだった。
最近は感情の機敏ですぐに暴走してしまう…人一倍気を付けなくちゃならないってのに。
よし、とりあえず落ち着いていこう。


「…だ、大丈夫か、ブラン。」

「…大丈夫だ、問題ない。」

「いや、それ駄目なパターンじゃない?」

「…心配だなぁ。」


そりゃ、暴走を直に見てきたファントムらが心配する気持ちもわかる。
だけど、とりあえず今できるオレの死力をぶつけるしかなさそうだって事はわかる。
よし、里久とのデュエルを思い出せ…よし!


「とりあえずデュエルを続けるぜ…オレのターン、ドロー!
 まずはこいつだ…墓地の『ゾエア・シュリンプ』のモンスター効果発動!
 オレの墓地のレベル3以下の水族1体『ザリガン』を除外し、攻撃表示で自己再生する!」
ゾエア・シュリンプ:ATK100


攻撃力はわずか100のモンスターだけど、自己再生できるのが大きい。
リリースに使用してもよし、その他さまざまな用途に利用できる。


「そして、自分フィールドに水属性が存在する事で墓地の『ガントレット・カメノテ』を除外し、手札の水属性1体を捨てて効果発動!
 この効果でデッキから『甲殻』のモンスター『甲殻水影ドロブスター』を手札に加え、これをペンデュラムスケールにセッティング!」
甲殻水影ドロブスター:Pスケール3


「スケール3…あれ?もう片方のスケールは4だからこのままじゃペンデュラム召喚はできなくない?」

「確かにな…だが、これでいい。」

「ドロブスターのペンデュラム効果を発動!
 もう片方に『ロブスター・クワガタ』が存在するため、このカードを破壊し1枚ドローできる!『ストリーム・ドロー』!!」


そして、破壊されたペンデュラムモンスターはエクストラデッキへ置かれる。
どうも、アレを使わざるを得ない状況に追い込まれたようだからレベル5が必要になるしな。


「続いて、スケール4の『甲殻奏者ロブスター・ハープ』をセッティング!」
甲殻奏者ロブスター・ハープ:Pスケール4


「そしてロブスター・ハープのペンデュラム効果で自らを破壊し、手札の『ウォーター・ペインター』を特殊召喚!」
ウォーター・ペインター:DEF1400


そして、エクストラを肥やしつつドローブーストだ!


「ウォーター・ペインターの効果で自身とゾエアをリリースし2枚ドロー!
 ここで墓地の『ペレット・シュリンプ』を除外して効果発動!
 この効果で墓地から水族の通常モンスター『カニカブト』を手札に戻す。
 さらにカニカブトを捨てて魔法カード『シーフード・カーニバル』を発動し、デッキから2枚ドロー!」

一体何回ドローしているんだ…?

「それだけ本気って事だな。」


ああ、本気の戦術を見せるためにもドローによる手札確保は重要になってくるからな。


「そして、ここから奇跡のカーニバル開幕だ!
 その前に、ネプテューヌ…悪い、先に謝っておく。

「ん?あっ…成程ね、別にいいよ。」

「何のことだ?」


いや、そこは察しろよ紫吹。
だが、その前に色々と準備が必要なんだよな。


「まずはここで『コロソマ・ソルジャー』を通常召喚!」
コロソマ・ソルジャー:ATK1300


「コロソマ・ソルジャーが召喚した時、手札から水族か魚族1体を墓地へ送って効果発動し1枚ドロー!
 そして水属性のコストで手札から墓地へ送られたチューナーモンスター『ライン・ペンシル』は自己再生できる!」
ライン・ペンシル:DEF900


「ここでチューナーとチューナー以外のモンスターを揃えてきたか。」

「ってことは、またしてもシンクロ召喚…!」

「オレはレベル3のコロソマ・ソルジャーに同じくレベル3のライン・ペンシルをチューニング!
 シンクロ召喚!現れろ、レベル6!命を操る水の槍術師『ガリデス・ギルマン』!!」

『デアッ!!』
ガリデス・ギルマン:ATK1600



「ガリデス・ギルマンか…成程。」

「ん、攻撃力は低いけど…?あ、そっか。」


ここでガリデス・ギルマンを作っておく。
この効果を利用して色々動けるけど、ここは。


「デッキから水族か魚族1体を墓地へ送り、ガリデス・ギルマンのモンスター効果を発動!
 このターン、攻撃力を墓地へ送ったモンスターのレベル×100アップする。
 墓地へ送ったのは『甲殻剣豪スピニー・ブレード』…よって800アップ!」
ガリデス・ギルマン:ATK1600→2400


「これでダレイオスの攻撃力は上回った…」

「だからといってこのままだとデデデには勝てないし、攻撃力が元に戻れば返り討ちでライフが尽きる。」

「むしろここからだよね。」


ま、攻撃力2400のモンスターを出す事が目的じゃない。
ここで除去効果を持つジェット・トッピーを墓地へ送ったところで、セットされていると思われる冥王の契約書の効果で防がれるのが関の山。
だから、ここはドローできるスピニー・ブレードを墓地へ送らせてもらう。


「スピニー・ブレードが水属性のコストで墓地へ送られた場合、デッキから1枚ドロー!」


そして、ドローしたカードは…来た!
ネプテューヌには悪いけど、躊躇せずに行かせてもらう!


「そして、スケール8の『融解の魔術師』とセッティング済みのスケール4の『ロブスター・クワガタ』でペンデュラムスケールをセッティング!」
融解の魔術師:Pスケール8


「これでレベル5から7のモンスターが同時に召喚可能!
 揺れろ、魂のペンデュラム!天界に架かれ、流星のビヴロスト!ペンデュラム召喚!来て、オレのモンスターたち!
 エクストラデッキからレベル5の『甲殻水影ドロブスター』!そしてレベル7の『甲殻奏者ロブスター・ハープ』!」
甲殻水影ドロブスター:ATK1800 forEX
甲殻奏者ロブスター・ハープ:DEF2600 forEX



まずはペンデュラム召喚でエクストラデッキへ送った2体を呼び出しておく。
これでアレを呼び出す準備は整った!


「これで準備はできた!魔法カード『電光融合』を発動!
 この効果で手札・フィールドのモンスターを素材に雷族の融合モンスター1体を融合召喚する!」

雷族ってことはやっぱり!?

「ああ!オレはフィールドのレベル5のドロブスターとレベル6のガリデス・ギルマンを融合!
 水面を舞う忍びよ!水の槍術士よ!電光と一つとなりて、立ちはだかる敵に抗う牙とならん!
 融合召喚!括目せよ、混沌を断ち切る紫電の一閃!レベル7GH(ゲイムハート)カオス・リベリオン・F・(フュージョン)シデン』!!」

『グオォォォォォォッ!!』
GHカオス・リベリオン・F・シデン:ATK2500



実はガリデス・ギルマンのもう1つの効果を使う事でカニメデスを出す事も出来た。
だけど、手札にはもうモンスターがいないから攻撃力アップ効果を使用できない。
だから、ここで呼び出すならネプテューヌのエースのこいつしかいないわけだ。


「やはりか…!」

「ペンデュラム召喚からの融合召喚を会得していたか!」

エクシーズシンクロに続いて融合まで使うとは…」

カオス・リベリオンキター!あ、後で返してね。」

「デュエルが終わったらな。」


ついでにシンクロモンスターを素材にしての融合召喚でもある。
うん、このデュエル終わったら返すから今は使わせて。

一方、このカオス・リベリオンを見たあのメガネはというと?


「よし。」


何がよしだ…つくづく計算通りって訳かよ。
兎に角、カオス・リベリオンを引きずり出させたかったわけかよ。
恐らく通用しないだろうが、カオス・リベリオンの効果だ!後、その前に。


「電光融合の追加効果により、表側表示の魔法・罠1枚…ペンデュラムゾーンのニュートンを破壊しておく!」

「…いいだろう。」

「ここでカオス・リベリオンのモンスター効果を発動!
 1ターンに1度、相手フィールドの全ての表側表示モンスターの攻撃力をターンの終わりまで半分にする!『プラズマ・エクスブレイド』!!」

「この瞬間、デデデの最後の効果を発動。
 エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターの効果が発動した時、このカードのオーバーレイユニットを1つ使う事でその発動を無効にする!」
DDD異界大王デデデ:ATK3200 ORU2→1


「そう簡単にはやらせてくれないようだな。」

「ああっ…無効にされちゃった。」


デデデの奴、見た目はふざけている癖に効果が粒ぞろいで鬱陶しい。
小賢しい所もらしいといえばらしいけどな!


「どうした、これで終わりか?
 ペンデュラム融合こそは見せてもらったが、こんなものなのか?
 私に懺悔させたいのだろう?這いつくばらせたいのだろう?
 さあ見せたまえ?君の力はこんなものではないはずだ。


一々何かあるたびに煽ってきて腹立つ。
一方、フィールドには水族レベル7のペンデュラムモンスターと雷族レベル7の融合モンスター。
そして、ペンデュラムゾーンには融解の魔術師…流石にこれを出すのは億劫だ。
だけど、柚子を助ける手掛かりをつかむためにも…やるしかない!


「いや…這いつくばらせるとかアンタにそんな事をさせたところでただの八つ当たりだ。
 オレはどんなことをしても柚子を助けたい…そして、オレは負けない。
 その手段が、カオス・リベリオンのように借り物の力であっても!

「今はいい…が、落とし物を借り物とするのはいただけんな。」

「わたしとしちゃ悪い事に使わなければいいけどさ。」

「わかってる、でも今は2人ともごめん。


やっぱり怒ってたか…人のカードを勝手に使ってごめん。
だけど、今は目を瞑ってほしい。


「オレは融解の魔術師のペンデュラム効果を発動!
 1ターンに1度、自分フィールドに融合モンスターが存在する場合にフィールドのモンスターで融合召喚を行える!」

「ペンデュラム効果を使った更なる融合だと?」

「そして、融合モンスターを融合素材に融合召喚するというのか!?」

「フフフ…」


そして、オレが女神というわけのわからない存在に覚醒し暴走していた時に生み出されたこいつで行かせてもらう!


「オレはフィールドのロブスター・ハープとカオス・リベリオンを融合!
 荒海の奏者よ!反逆の電光と一つとなりて、黒き侵略者たちを殲滅せよ!」


――ビリビリバリィィィィ!!


「うわぁぁぁぁっ!?」

「っ…!?」


「…召喚時だけでこの衝撃とは!」

「ふえっ!?」

「融合召喚!いでよ、レベル8!怒りの電光纏いし『覇王雷竜オッドシェル・リベリオン・ロブスター』!!」

『グオォォォォォォォォォォォ!!』
覇王雷竜オッドシェル・リベリオン・ロブスター:ATK3000


「ぐあっ…やっぱ、これを出すと逆に自分が押しつぶされそうだ…!

「ううっ…どうも、ボクは眠っていたようですね。
 ですが、この状況は一体…?」

「起きたか、ロム殿!」

「このモンスターの出現で起きたって感じだな。
 実はブランが現在進行形で相当やばいモンスターを呼び出したところだ。

「…案の定、身の丈に合わない力に振り回されているようですね。
 やはり、彼女には後で女神としての在り方と力をものにしていただかねばなりませんね。」

「ああ…だけど、このデュエルに干渉するのは野暮というものだ。
 今は最後まで見守るしかない。」

「そのようですね。」


ここで、気を失っていたロムが意識を取り戻したみたい。
このモンスターの召喚の衝撃で起き上がったって聞くとわけがわからない。

力に振り回されてしまっているのは事実だけど、流石に目の前で指摘されると悔しい。
でも、今はなりふり構っていられないんだ。
悪いけど、ここは見守ってほしい。

一方でオレのオッドシェル・リベリオンを見たメガネの方は…!?


フハハハハ!!これだ…私が見たかったものは!

「!?」


余りにも悪そうで興奮したようにニヤリと笑うその姿にオレの背筋が凍った。
その姿に得体のしれない恐怖感を感じ怯みつつも、デュエルを続ける。


「っ…オレはオッドシェル・リベリオン・ロブスターのモンスター効果を発動!
 融合モンスターを使用して融合召喚に成功した時、相手フィールドのランク7以下のエクシーズモンスターを全て破壊し除外する!」

「デデデの効果は1ターンに1度ではない!
 オーバーレイ・ユニットを1つ使い……ふむ、効果が無効にされているか。」
DDD異界大王デデデ:ATK3200 ORU1→0(効果無効)


「ちなみにオッドシェル・リベリオンがモンスターゾーンに存在する限り、ランク4以上のエクシーズモンスターの効果は全て無効になる!」

「エクシーズ殺しに特化したモンスターというわけか…!」

「消え失せやがれ、デデデ!『レボルト・ディスチャージ』!!」

「ぐっ…!」


――バリバリドゴォォォォォォ!!


「効果による攻撃の余波がこっちにまで…!」

「だが、デデデを倒したぞ!」

「ならばここでダレイオスをリリースし、罠発動『DDDの人事異動』
 この効果で除外されたデデデを特殊召喚する。」
DDD異界大王デデデ:ATK3200


「ああっ、せっかく倒したデデデがまた…!」

「流石にレオ・コーポレーション社長だけあって、そう簡単にやらせてくれるほど甘くはありませんね。」


ちっ、倒したと思ったらまた復活しやがったか…!
こんなふざけたモンスターが再び立ちはだかるなんて、本当に腹立つなぁ…!


「だが、オッドシェル・リベリオンはデデデを破壊した事で一連の効果で2回攻撃の権利を得る!
 そして、魔法カード『ミスディレクションの翅』を発動!
 この効果でこのターンオッドシェル・リベリオンの攻撃力は500アップし、相手の魔法・罠の効果を受けない!」
覇王雷竜オッドシェル・リベリオン・ロブスター:ATK3000→3500(相手魔法・罠耐性付与&2回攻撃可能)


「よし、これでデデデの攻撃力を上回ったぞ!」

「しかも、魔法・罠の効果を受けなくなっている!これなら…」

「もっとも、そう上手くいくとは思えませんがね。」


これでオッドシェル・リベリオンに魔法・罠への耐性を付けられた。
1枚はアレとして、もう1枚の伏せカードが何であろうと、行かせてもらう!


「バトルだ!オッドシェル・リベリオンでデデデに攻撃!いっけぇぇぇ!『雷光のクリティカル・シュラーク』!!」

「この瞬間、罠カード『DDDの仮契約』を発動!
 この効果でデッキからレベル7の『DDD異眼王オッドアイズ・アーサー・ドラゴン』を墓地へ送り、墓地へ送ったモンスターと同じレベルで同名以外の『DD』1体を手札に戻す。
 この効果で私は墓地の『DDミミック』を手札に加える。」

「ここでDDミミックを手札に…まさか!?


こいつは、手札誘発か!?
拙い、この耐性はモンスター効果には対応できていない…!


「そしてダメージステップ開始時に手札から『DDミミック』のモンスター効果を発動!
 自分の『DDD』が相手モンスターに攻撃されたダメージステップ開始時にこのカードを手札から墓地へ送る事でその戦闘を行う相手モンスターの攻撃力を2000ダウンする!」

そんな…!

「オッドシェル・リベリオンに喰らいつけ、DDミミック!」


――ガブリッ!


『グ…オォォォォォォォォ…!!』
覇王雷竜オッドシェル・リベリオン・ロブスター:ATK3500→1500



「ああっ、オッドシェル!?


そんな、このままじゃオレのライフが尽きて敗北…?
それじゃ…柚子を助ける手掛かりが……!
まだ何か…駄目だ、勝てない……!
こんなクソメガネに2度も泣きを見る事になるのか…ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!


「さあ、デデデよ!オッドシェル・リベリオンを返り討ちにしろ!」

「っ…ダメージ計算時に墓地の『ミスディレクションの翅』を除外し効果発動!
 墓地へ送られたターンのみ発動でき、このターン自分のエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターの戦闘で発生する戦闘ダメージはお前も受ける!
 せめて、オレたちを戦場の駒として捉えているような奴に負けて堪るかよぉぉぉぉぉぉぉ!!

「ふむ…」

「これでお互いに1700のダメージを受けるって事は…」


――ズドォォォォォォォォォォォォ!!


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ブラン:LP1500→0


「最後の最後で足掻きを見せてくれたか…」
零児:LP1700→0


「引き分け…?」

「ん?あいつを相手に…引き分けに持ち込めただけでも大したものじゃないか?」

「格上相手ですからね…とはいえ、そう思うのも結構ですが……」

「彼女を試すようなデュエルをしてくる相手に逆に引き分けにしか持ち込めなかった…それが現実だ。」

「ぐ…あっ……」



くっ、そう…!
明らかに舐めプをしてきたのにもかかわらず、引き分けに持ち込むので精一杯だった!
負けはしなかったけど、オレたちを無断で戦地に送り込んだ糞野郎に…勝てなかった。
ネプテューヌの…借り物の力を使ったのにもかかわらず…!


「やはり君は未熟…そんな事では柊柚子を助ける事はできない。」

「ちく…しょう……!」

「だが、最後の最後で引き分けに持ち込む泥臭さは評価に値する。
 何より君には見込みがある…無論、バトルロイヤルを生き残った諸君にもな。
 ペンデュラムに適用できている君たちの力は現在のLDSトップチームをもしのぐ。」


本当にペンデュラムに適応できているかはさておきとして…少なくともロムたちの力はそれを凌いでいるようにも感じる。
だが、オレたちは…悔しい事にまだまだらしい…!


「だから私は君たちをランサーズに任命し、共に次元を超えて行く事を決心をしたのだ。

「次元を超える?」

「それは乱入者である権現坂昇にネプテューヌも例外ではない。」

「なんと…?」

「あっ、そうっすか。」


次元を超えるにしても…今のオレじゃ、いずれカードに封印されてしまうのが関の山。
このままじゃ駄目だ。


「今のままじゃ話にならない…!
 もっと、強くならないと……次元を超えて戦うための…女神として恥じないほどの……!」


その上で…オレは柚子を助ける!絶対に!
そのためにランサーズとやらに入るかは別として。










 続く 






登場カード補足






ペレット・シュリンプ
効果モンスター
星2/水属性/水族/攻 0/守 600
「ペレット・シュリンプ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の水族・攻撃力800以下の通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。



DDD異界大王デデデ
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/風属性/悪魔族/攻3200/守3000
レベル7「DD」モンスター×2
(1):このカードがX召喚に成功した時、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、自分はデッキから1枚ドローする。
(3):エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にする。



DDD文化王ヴィクター
シンクロ・効果モンスター
星2/光属性/悪魔族/攻 400/守1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
「DDD文化王ヴィクター」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚に成功した時、自分の墓地のレベル5以上の「DD」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
その後、自分はこの効果で特殊召喚したモンスターのレベル×100LP回復する。



DDミミック
効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻1800/守2600
(1):自分フィールドの「DDD」モンスターが相手モンスターに攻撃されたダメージステップ開始時にこのカードを手札から捨てて発動できる。
このターン、戦闘を行うその相手モンスターの攻撃力は2000ダウンする。
(2):フィールドのこのカードを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。
●このX召喚に成功した場合に発動する。
自分はデッキから1枚ドローする。



ミスディレクションの翅
通常魔法
(1):エクストラデッキから特殊召喚された自分のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が500アップし。
相手の魔法・罠カードの効果を受けない。
(2):このカードが墓地へ送られたターン、自分のエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に墓地のこのカードを除外して発動できる。
その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは相手も受ける。



DDDの人事異動
通常罠
(1):自分フィールドの「DD」モンスター1体をリリースして発動できる。
除外されている自分の「DD」モンスター1体を選んで特殊召喚する。



DDDの仮契約
通常罠
「DDDの仮契約」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):デッキから「DD」モンスター1体を墓地へ送る。
その後、自分の墓地から墓地へ送ったモンスターと同じレベルで同名モンスター以外の「DD」モンスター1体を手札に加える。