Side:ブラン
権現坂の敗北から数分…オレ達の周りの空気は重かった。
そして権現坂は観客席に帰ってこなかった。
「何なんだよ、あのロムって奴…!」
「上から目線で…権現坂の不動のデュエルを徹底的に潰して、痺れられないぜ…!」
「そんな子がブランお姉ちゃんの十八番のペンデュラム召喚まで使ったなんて…!」
3人とも権現坂の動きが徹底的に潰されて敗北に追い込まれたのに納得いかないようね。
それに何故か彼女がペンデュラム召喚を使えた事もまた。
でも、嘆いていたって現実は変わらない。
権現坂は自らが背負う不動のデュエルを潰され敗れ去った。
「ひぐっ…やめなさい、3人とも。
悔しいけど、それも大会の厳しさなのよ。
それにあの子は仮にもルウィー教会のトップのはず。
これも何かの危機感を煽るためにやった可能性が高いと見ているわ。
そこで権現坂でなく、オレたちにも警鐘を鳴らしたのだと受け止めるしかないわ。」
「ブラン…!」
それにデュエル前と後で権現坂の目つきが変わったようにも見えた…何か決意したように。
観客席にも戻らないという事はこのデュエルで何か覚悟する事になったのかもしれないわね。
何より、彼女に対して逆に礼を言ったように聞こえたのだから。
この件で自分を追い詰めすぎないか…心配ね。
自分のデュエルもまた…見直さなければならないかもしれないわ。
その上で彼女とぶつかった時は権現坂の敵討ちを兼ねて挑ませてもらうわ。
「もうみんな、辛気臭い顔はやめてよ…次は僕の試合なんだからさ。」
『え〜、気を取り直しまして本日の第3試合!
遊勝塾所属の黒龍院里久とLDS所属の紫吹雲雀の試合を始めます!』
そして、いよいよこの時が来てしまったわね。
エクシーズ使いで実力を隠している里久とLDSを襲撃した融合使い…紫吹雲雀との試合が。
「気を付けて…相手はLDSの精鋭を何人も倒した奴よ!」
「それにエクシーズに対して妙に敵対心みたいなものを持っているみたいよ!」
「大丈夫、大丈夫!僕のデュエルでどんよりしたさっきの試合の空気を変えるから!
そして、昨日のブランと沢渡みたいにお客さんを楽しませてあげるから!」
むしろ逆に心配になって来たわ…悪い方向に空気が変わらないかと。
紫吹雲雀…あいつは目の前でLDSを待ち伏せして襲った。
それに…あの強力な融合モンスターは…本物の衝撃でオレたちをぶっ飛ばした。
いずれにしてもこのデュエル…ただで済みそうにないわ。
超次元ゲイム ARC-V 第30話
『未来都市プラネテューヌ』
Side:雲雀
先ほどまでの試合で色々と思う事はあるが、ついに出番が来たようだ。
相手は目の前にいる遊勝塾の黒龍院里久…赤馬零児が本物のエクシーズ使いと指し示した奴だ。
今日最初の試合に出ていた月子に似た柊柚子にエクシーズ召喚を教えたという張本人だというのは知っている。
見た目はただのガキだが、決して油断できん奴なのは間違いない。
そして、ユーヤ・B・榊、名前を忘れたがネオなんとか、そしてロムの3人が使ったペンデュラム召喚。
それを行うためのペンデュラムカード…俺のために作った2枚を用意したそうだが受け取りは拒否させてもらった。
大量召喚と持久力が持ち味らしいがそんなもの俺には不要だ。
それに急に渡されても困る…どう考えてもテスターにする気満々だっただろうが、俺にそんな余裕はない。
何より俺が信用に値するのは逆境を跳ね除ける融合召喚…それだけだ。
だが、それ以前に奴が本当に本物のエクシーズ使いかどうか見極める必要がある。
その上で…一気に蹴散らしていくのではなく、奴の全力を引き出した上で勝たねばなるまい。
エクシーズの奴らと…その背後にいる赤馬零王を倒し、月子を救い出すための一歩とするためにも!
『今回のフィールド魔法は…これだ!』
「っ…!?」
「おや…?」
何っ…どういうことだ!?
空間に表示されたそのフィールド魔法の名は…俺の故郷と同じだと?
そして目の前にいる相手も…反応した?
『え〜、これはデュエルの未来を担う2人にピッタリの舞台です!
改めてアクションフィールドオン!フィールド魔法『未来都市プラネテューヌ』発動!!』
「プラネテューヌ…」
「おぉ、すげぇ…!」
「まるで未来に来たって感じだぜ…!」
そして空間が変わると…滅ぼされたはずの俺の故郷の街並みがそこにあった。
シンボルの塔…プラネタワーが存在している事からも間違いない!
例え仮想空間であろうと、ここを戦場に選ぶとは…!
間違いなくあの眼鏡――赤馬零児の仕業だろうな…ふざけた真似を。
『どうやら気に入ってもらえたようだな。』
「あの糞眼鏡が…!」
やはり確信犯か…!
「ねぇねぇ、何ピリピリしてるの?動揺してるみたいだけど大丈夫?」
「それより自分の心配をすることだな。
貴様が本物のエクシーズ使いなら、決して容赦はせん!」
「お〜、怖い怖い。」
言葉とは裏腹に余裕綽々と言った表情のようだな。
だが、その余裕もいつまで持つかな?
「さ〜て!今度は僕のエンタメデュエルの始まりだよ!
ブランや柚子の時みたいに応援よろしくね!」
「おう!どんよりした会場の空気を変えるんだ!熱血だ!」
「ブラン様の友達を応援しないわけにはいきませんね!」
「「「いけいけ!里久!!」」」
「「「「「「わぁぁぁぁぁ!!」」」」」」
ちっ、外面の良さでここまでの支持を集めているか。
そして愛想が無いと自覚している俺はほぼアウェーという事らしい。
だが、その化けの皮…今に剥がしてやる。
「それじゃ〜行くよ!戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が…」
「……」
「…ねぇ、君ってばノリ悪いよ?言葉のキャッチボールしようよ!」
「くだらん御託はいい、さっさとデュエルを始めろ。」
ひょっとして俺にあの意味の分からん口上を言えと?
馬鹿馬鹿しい、俺はお遊戯をしに来たのではないぞ。
「あ〜、駄目だこりゃ…それじゃ!みんなとやろうか、最初から!
せーのっ、戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」
「「「モンスターと共に地を飛び宙を舞い…」」」
「「「「「「「フィールド内を駆け巡る!!」」」」」」」
「見よ、これぞデュエルの最強進化系…」
『アクショォォォォォォォン!!』
「「デュエル!!」」
里久:LP4000
雲雀:LP4000
長い前置きも終わり、デュエルがようやく開始したか。
どうやら俺が後攻の様だな…まぁいい。
「先攻はいただくね…僕のターン。
それじゃ、まずは紙でできたコミカルでキュートな魔法使いさんのご登場です!
僕は手札から『クラフトイ・マジシャン』を召喚!」
クラフトイ・マジシャン:ATK1800
「なんだあれww」
「でも面白い!それにかわいいかも!」
なんだ、あのわけのわからんモンスターは?
まるでその辺のガキの図画工作だな。
「反応は中々上々だね?
さて、僕は永続魔法『クラフトイ工作机』を発動!
効果は後のお楽しみ、そしてカードを1枚伏せてターンエンド。
次は君の番だね、どんなショーを見せてくれるのかな?楽しみ。」
ショーか…デュエルをそういうものに捉えた事は一度もなかった。
俺のいた所では…デュエルは廃れたものだったからだ。
「俺の故郷ではデュエルをそんな風に捉えた事はなかったな。
むしろ、衰退して時代に取り残されたアナログゲームの1つに過ぎなかったはずだった。」
「は?」
当時は女神の方針からかビデオゲームの勢いがすさまじかったからな。
カードゲームの方もデュエルモンスターズではなく、もっと低年齢層にもわかりやすくバランスの取れたものが主流だった。
もっとも、俺はどちらかといえばスポーツとかアウトドアの方を嗜んでいたが。
いずれにしろ、俺の故郷はデュエル云々なしに皆が楽しんでいた…あの日が来るまではな。
――――――
Side:ブラン
里久のターンを終えたのだけど、融合使いが急に自分語りし始めた?
それにしてもデュエルが衰退していたなんて光景想像できないわ。
ルウィー教会のような一見やってなさそうなところでさえデュエルには力を入れているはずなのに。
「デュエリストは殆どいなかったが、誰しもが笑顔で各々の日常を楽しんでいた。
あの忌々しい日がくるまではな…!」
それよりも彼の空気の読まなさに里久が困惑してるわね。
アクションデュエルの口上も突っぱねる始末だし。
「あの日、突如として襲撃してきた敵により俺たちの街は…荒れ果てた戦場と化した…!」
「は?」
「こいつはこの場で何を言っているんだ?」
強い口調からそうとう辛い目に遭ったのだろう事は想像できるけど…?
この場で言う事じゃないだろ。
「そうだ、あの時も戦場って…!
あたしやねねたちの前に突然現れてそんな事言ったわ。
そして、どうしてかわからないけど彼は出合い頭にねねを異様に敵視していたわ。
そういえばシュテルなんとかって口にしてたような…?」
「なっ!?どういうこと、それ?」
そこでどうしてねねが出てくるの…?
いや、LDSだけどさ…全く関係なさそうな名で呼ばれたなんて普通じゃないわ。
本当に…何がどうなっているの?
「ごめん、あたしにも何が何だか…」
「そうだよね…」
とはいっても、柚子としてもどういうことかわからないみたい。
一方でルウィー教会の面々を見やると、全員が一言も話さずこの試合を見ているように見えた。
しかも、いつになく真剣な表情で。
「そういや、紫吹さんの故郷ってどこなんだ?」
「俺も聞いたことないな…。
あれ、長い付き合いのはず…だよな?」
そして、あの3人組は記憶が改竄されているのか何か不自然な言い回しなのが気になるわ。
それより、デュエルの動向だけど。
「空気呼んでよ、もう…エンタメデュエルが台無しじゃん。
僕が繰り出したんだから、君は返してくれないとショーに…」
「俺のターン、ドロー。」
「…聞いてないね。」
まぁ、エンタメデュエルは強制するものでもないけどね。
そして里久の話を無視してターンを続行。
デュエルってコミュニケーションが大事なのよね?
会話の一方通行感があって動向が不安になって来たわ。
「未知の召喚法を手に襲い掛かる敵に俺たちは慌てふためき、衰退したはずのデュエルモンスターズを手に立ち向かわざるを得なかった。
だが!戦力差が激しく、その場しのぎの防衛体制を整えるので精一杯だった。」
「君の方が御託並べてどうすんのさ?やる気あるの?」
「俺は『
S・R−ゲイル・スパロウ:ATK1900
言葉のドッジボールが続く中、融合使いこと紫吹がモンスターを繰り出してきたわね。
「バトルだ、ゲイル・スパロウでクラフトイ・マジシャンに攻撃!」
『キィィィ!!』
――グシャッ!
「ああっ、お人形さんがつぶれちゃった…え〜ん!」
そういえばクラフトイの下級って攻撃されるとひしゃげるのよね。
でも、その辺の女の子を泣かせてしまったけど…。
「あ、そうそう…クラフトイの下級は攻撃されるとひしゃげちゃうんだよね。
ダメージステップ開始時に効果破壊という形で。
で、この瞬間クラフトイ工作机と破壊されたクラフトイ・マジシャンの効果を発動するよ。
工作机の効果でデッキからクラフトイのモンスター1体を手札に加え、マジシャンの効果でクラフトイの魔法カードをセットするんだ。
工作机の効果で加えるのは『クラフトイ・ラット』でマジシャンの効果でセットするのは『クラフトイ工作キット』だよ。」
ひしゃげちゃう性質を利用し、その材料を再利用するのかアドバンテージを回収できるというわけだ。
永続魔法をどうにかしないとどんどんアドバンテージ差が広がってしまうわ。
しかもダメージステップに破壊されたため…攻撃は中断される。
「ダメージが通ることなく攻撃が中断されたという事か。」
「そういう事、こんな風に君の攻撃に対応しておかないとね。」
「ふん、それくらいやってもらわねば倒しがいがない。
俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」
『最初のターンはお互いに下級モンスターで牽制し合っている形といったところ。
果たしてこの後はどのような展開になるのでしょうか!?』
お互いに序盤は様子見と言ったところね。
でも、嵐の前の静けさと言ったところかしら…間違いなく荒れるわね。
――――――
Side:零児
フィールド魔法はこちらで用意させていただいたが、効果は覿面の様だ。
これで彼の闘志に火をつけられたわけだ。
それに彼と故郷に関しての興味深い話を聞くことができた。
だが、最初のターンは様子見か派手には動かないか。
それでいて、序盤は黒龍院が主導権を握っているようだな。
もっとも、紫吹の本領はこの先だろう。
「社長のご厚意通りにペンデュラムを受け取ってさえいれば…!」
「いや、彼は人海戦術より一騎当千寄りのデュエルスタイルだと既にわかっている。
好き好んで受け取らないであろう事は最初から想定済みだ。
むしろ、言われるがままに受け取っていればそれはそれである意味失望していた。
何より直前に受け取ったところでデッキの調整が困難なのはわかりきっているからな。」
「成程…そうでしたか。」
そもそも紫吹を試すためのカマかけに過ぎん。
彼のデッキでは現状のペンデュラムに対応するのは難しいからな。
私とて沢渡ほどペンデュラムを使いこなせていない以上、使い手やデッキによって恩恵が違う。
実力者とてペンデュラムが役立つかは別問題という事だ。
もっとも、前年度での活躍から実力面で注目していたとはいえルウィー教会のロムまでペンデュラムを使ったのには流石に想定外と言わざるを得ないが。
LDS関係やユーヤ・B・榊以外にペンデュラムを使える者がいたとは興味深い。
閑話休題。
次は黒龍院のターンか…彼の実力や正体も見定めさせてもらうとしよう。
――――――
Side:里久
相手がぐちぐちと御託を並べてるようだけど、僕からしたら知ったこっちゃない。
もっともあいつがここの次元の人じゃないのは確実…僕もだけどさ。
とりあえず…エンタメデュエルをしつつ、こういう奴はじっくり時間をかけて潰しておかないとね。
「さてと、どんどん盛り上げていくよ!僕のターン、ドロー!
僕は手札からさっき手札に加えた『クラフトイ・ラット』を召喚!」
クラフトイ・ラット:ATK600
「あっ、紙でできたネズミさんだ!」
「かわいい!」
ま、結構重要な役割があるんだけどね。
「可愛いだけじゃないよ、ラットが召喚した時、墓地のクラフトイ1体を効果を無効にして特殊召喚できる!
小さいけど結構重要な役割を果たしてくれるんだ!
材料をせっせと集め…あら不思議!みるみるうちに『クラフトイ・マジシャン』が復活したよ!」
クラフトイ・マジシャン:DEF200(効果無効)
「あっ、さっきのお人形さんだ!」
「ひしゃげちゃっても元通りに直せる、これもクラフトイの魅力さ。
そしてセット状態の永続魔法『クラフトイ工作キット』をラットに対して発動するよ!
これによりラットがさらにデコレーションされ…レベルが2つ上がるんだ!」
クラフトイ・ラット:Lv2→4
「あはっ、ネズミさんが可愛くデコレーションされた!」
「工作キットの演出ってあんなだったっけ…ま、いいか。」
「…っ!」
いつもはズタズタにしちゃうんだけど、今回はソリッドビジョンが空気読んでくれるみたい。
そしてレベルを上げて揃えた事で相手の表情が変わったね…より苛立った感じにね。
流石にこの程度は察するに決まってるか。
それじゃ、もっと盛り上げていくよ!
――ピッ!
「Ladies and Gentlemen!」
『おっと、これは榊選手の決め台詞ではありませんか!
同じ塾所属ということで彼ならではのエンタメデュエルに期待がかかります!』
「もう、里久ったら…」
恥ずかしいのか、ブランが照れてていつもより可愛い気がするな。
ま、沢渡も言ってたんだし僕が言っちゃいけない道理はないよね!
「ここでレベル4のモンスターが2体揃ったわけだけど、この僕が本家本元のエクシーズ召喚を披露しちゃうよ!」
「よっ、待ってました!」
「大丈夫かしら…?」
出すのはいつものアレだけど大丈夫だって、多分!
「LDSのエクシーズが偽物だと言いたいのかしらね?」
で、LDSの栗音が怒っているようだけど無視しよう。
それじゃ、いこうか!
「いくよ!僕はレベル4となったクラフトイ・ラットとマジシャンの2体をオーバーレイ!
童心を重ね合わせ、悪魔の狂気を目覚めさせよ!エクシーズ召喚!現れ出ちゃえ、全てを引き裂く狂気のケダモノ!ランク4『クラフトイ・マッド・ベアー』!!」
『ゲヒャヒャヒャ!!』
クラフトイ・マッド・ベアー:ATK2000 ORU2
「今度は熊のハリボテかよ!」
「すっげぇ、キモイデザインだな!」
「でもおもしろーい!」
「これが意外と受けてるのが意外ね…理解に苦しむわ。」
「諦めろ、ブラン…子供ってのは好奇心旺盛なものだ。」
心外だなぁ、いいデザインだと思うのに。
で、相手の方はより僕を射殺すような目で見てるね…おー、怖っ。
「さて、マッド・ベアーの効果発動!
1ターンに1度、このカード以外の自分のカード1枚を破壊する事でターンの終わりまで攻撃力を1000アップするんだ。
クラフトイ工作キットを破壊し攻撃力を3000にするよ!」
――むしゃむしゃ!
クラフトイ・マッド・ベアー:ATK2000→3000
『ここで、自分のカードを破壊する事で攻撃力をアップしてきました!』
「色々なものを取り込んでいくんだね、面白い!」
「……」
関心もあればなんか変なものを見る目で見てる人もいるね。
まぁ、この辺になると仕方ないかな。
「そして、クラフトイ工作キットが場から墓地へ行った時もデッキから『クラフトイ』1体を手札に加えられる。
この効果で手札に加えるのは『クラフトイ・クレイン』。
バトルだよ、僕はマッド・ベアーでゲイル・スパロウを攻撃!『マッド・ベアクロー』!」
――ザシャッ!
「っ…!」
雲雀:LP4000→2900
「まずは1100ダメージだ!」
「しかもそれだけじゃないぜ!」
「よくわかってるね、戦闘でモンスターを破壊したダメージ計算後にクラフトイ・マッド・ベアーの効果発動するよ!
オーバーレイ・ユニットを1つ使い、攻撃力800アップの装備カードとして破壊したモンスターを装備するんだ!
君のゲイル・スパロウは頂いちゃうよ!『マッドネス・カスタマイズ』!!」
――ズタ、ガシァン!
『ギャーッハハハ!!』
クラフトイ・マッド・ベアー:ATK3000→3800 ORU2→1
「わお…相手のモンスター食っちゃった。」
「だって、熊だから仕方ないもん。」
「ふん、ズタズタにして取り込むとは悪趣味な奴め…」
クラフトイ・マッド・ベアーには戦闘で破壊したモンスターを装備できる。
墓地を経由させずに装備するからその手の効果を発動させない事も強みなんだよね。
で、相手は相変わらずこっち睨んでるね。
動く気配がないようだけど、そろそろ本気の一端くらいは出してくれないかな?
『一方の紫吹選手は黒龍院選手の攻勢に苛立ちを見せているようですが、あまり動じていない様子。
現状はそれほど動いておりませんが、ここからの反撃が楽しみです!』
「その通りだよ。
容赦しないとか言ってたんだから…そろそろ本気出してくれなきゃね。
それとも防戦一方で自分から仕掛けられなかったりとか?」
「そうだな、初めは圧倒的な敵に対して俺たちは逃げるのがやっとだった。
当たり前だ、そもそも当時俺達の殆どはデュエルというものが忘却の彼方にあったのだからな。
果敢にも立ち向かう者も中にはいたが、1人、1人と成すすべなく倒れ俺達は仲間を失っていった。」
はぁ…また自分語りだよ。
もう、うんざりしてきたんだけど?
「また始まったよ。」
「何言ってんのこいつ?」
そりゃ、ここの人たちにいっても何の事だか想像もつかないだろうね。
「だから場が白けるような発言はやめようよ、君。
とりあえず、僕はこれでターンエンド。」
「俺のターン、ドロー。
そんな絶望的な戦場の中で俺達は自然と学んだ…生き残るには勝つしかないと。」
「はぁ…?人の話聞いてた?」
「絶対に勝つという鉄の意志を持ち、手段を問わず奴らを叩き潰してこそ地獄のような世界を生き抜いていけるのだと!!」
聞いてないし。
いや待てよ…相手の目つきがより鋭くなった。
そうか、そろそろ仕掛けてきそうだね。
「そして貴様らに仲間を奪われようと…必ず奪い返す!
俺は手札から『
このカードを含む融合素材モンスターを手札から墓地へ送り、『S・R』1体を融合召喚する!」
「成程ね、モンスター効果で融合してくるのか。」
「俺はワール・スパロウ自身とブロウ・スパロウを融合!
混ざり合え、強風と旋風!天より来たれ、叛逆の翼!融合召喚!いでよ、補給の要『
『キィィィィィィ!!』
S・R−サプライ・ラーク:ATK1700
「あの時のモンスターじゃないみたいだけど、融合してきたわね。」
「だけど、攻撃力1700しかないわ…でも、あたしが言ったらダメよね。」
そりゃそうさ、柚子の切り札だって攻撃力そのものは1000しかないんだし。
なんて言ってる場合じゃないね…間違いなく何かある。
「さて、その攻撃力1700しかない融合でどうやって君の仲間を僕から奪い返すというのかな?」
「余裕こいてられるのも今の内だ。」
「まずはスカイ・レイダーズの凄さを思い知る事ね。」
で、あの3人組は何か言っているようだけど…僕としてもアレに何かあるのはわかってるけどね。
「気を付けて、里久!彼を刺激しすぎたら危険よ!」
「大丈夫だって、大丈夫。」
そんな事は百も承知だよ、ブラン。
だけど、彼の本気を見た上で勝たなきゃね。
…二度と僕たちに刃向う気を起こさせないためにもね。
「サプライ・ラークの効果を発動!
1ターンに1度、デッキから『S・R』1枚を墓地へ送る。
これにより墓地へ送るのは『
「へぇ、墓地肥やしか…自らの仲間を墓地へ送るってある意味残酷だよね?」
「俺達が味わった地獄のような戦場そのものだからな。
だが、地獄から飛翔し…爪を突き立てる!
ここで墓地から『
貴様のエクストラデッキから特殊召喚されたクラフトイ・マッド・ベアーの効果を無効にさせてもらう!」
――ズドッ!
『グオォォォォ!?』
クラフトイ・マッド・ベアー:ATK2800→2000(効果無効)
成程、まずは僕のマッド・ベアーの効果を無効にしてきた…!
効果が無効になった事で装備カード扱いにしていたゲイル・スパロウは墓地へ送られたわけか。
「へぇ…味な真似してくれるじゃん。」
「言ったはずだ、仲間は必ず奪い返すと!
そして、墓地からゲイル・スパロウとガスト・スパロウを除外しそれぞれの効果発動!
このターンゲイル・スパロウの効果でサプライ・ラークの攻撃力は700アップし、ガスト・スパロウの効果でサプライ・ラークの攻撃時にダメステ終了時まで貴様は一切のカード効果を発動できん!」
S・R−サプライ・ラーク:ATK1700→2400(攻撃時カード効果封殺付与)
攻撃力で上回り、こちらはダメステ終了までカード効果が使えなくなったわけか。
まぁいいや、そろそろアクションカードを確保しておくか。
相手の攻撃の衝撃を利用して…取るとしようかな。
「バトルだ!サプライ・ラークでマッド・ベアーを攻撃!『フライング・クロー・アタック』!!」
――ズシャァァッ!!
「うわぁぁっ…!」
里久:LP4000→3600
「「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」」」」」」
「熊さんが…!」
「み、見ちゃダメ…!」
「里久…!?」
なっ…たった、400ダメージなのにこの衝撃だって…?
ちっ、根底であいつを過小評価していたところがあった…!
けど、これは認識を改めなくちゃいけないみたいだね。
思った以上に吹き飛ばされちゃったけど…!
――ぱしっ!
アクションカードはちゃっかり取る!
…これは手札に持っておいて損はないね。
『おおーっと、これはなんということでしょう!!
マッド・ベアーが無残に引き裂かれ、400ダメージとは思えない衝撃が黒龍院選手に襲い掛かったぞ!』
それにしてもダメステ終了時まで僕が一切の効果を発動できないとか嫌すぎるね。
だって、これじゃマッド・ベアーの更なる効果が発動できないからね…!
「うっ…やってくれるね。」
「ふん…俺はモンスター1体を裏側守備で召喚、カードを1枚伏せてターンエンド。
ここでガスト・スパロウとゲイル・スパロウの効果は終了する。」
S・R−サプライ・ラーク:ATK2400→1700
だけど、僕だってまだまだこんなものじゃないさ。
とりあえず、さっきの礼はきちんと返さないとね。
「それじゃそろそろ僕も…少し本気出しちゃおうかな?」
もっとも、この次元じゃ…これはあまり見せたくなかったんだけどね。
でも使わずに勝てるとは思えないんだよね、こいつには。
――――――
Side:ブラン
あの紫吹が出した融合モンスターによる攻撃…そして爪痕。
あれはリアルソリッドビジョンのものじゃない…まぎれもない本物の衝撃じゃないのよ。
その攻撃で里久が…!
そして、その攻撃で吹き飛ばされた後立ち上がるのだけど…。
その際に見せた里久の表情は今までオレ達に見せた事のないものだった。
一見笑みを浮かべているけど…その中に潜む、獲物を狩るような殺気を隠せていない。
「僕のターン、ドロー!」
『マッド・ベアーを成すすべなく倒された黒龍院選手ですが、その反撃はいかに!?』
「僕の場に『クラフトイ』のカードがある時、手札から『クラフトイ・プードル』を墓地へ送る事で墓地から『クラフトイ・ラット』1枚を手札に加えるよ。
そして今加えた『クラフトイ・ラット』を再び召喚!」
クラフトイ・ラット:ATK600
ここで再びクラフトイ・ラット…という事はまた何か蘇生させるのね。
「あ、またネズミさんだ!」
「で、知ってるだろうけど召喚時の効果を発動するよ。
墓地から『クラフトイ』モンスター1体を効果を無効にし、守備表示で特殊召喚できる。
この効果で甦らせるのは『クラフトイ・マッド・ベアー』だ。」
『グゥゥゥゥ…!!』
クラフトイ・マッド・ベアー:DEF1800(効果無効)
「え、エクシーズのマッド・ベアーを蘇生…?」
「しかも効果は無効になってる…どうする気?」
レベル2か4を出してレベル変更なりでエクシーズに繋げると思いきや、甦らせたのはエクシーズのマッド・ベアー。
エクシーズモンスターはレベルではなくランクを持ってるからエクシーズなどの素材にはできないはずよ。
守備な上に効果も無効になってるし、いったい何を考えてるの?
「ふん、エクシーズモンスターはレベルではなくランクを持っているはずだが?」
「確かにそう思うだろうけど、慌てない慌てない…それじゃ、注目!」
――パンッ!
「さて、これから面白いものを見せるよ!お楽しみは…これからだ!」
『おっと、またしても榊選手の決め台詞!
これはワタシも知らない未知の戦術に期待できそうです!』
「ブラン様の事が好きなのですね…あれ、ブラン様?」
「どうしたんだ、難しい顔をして?」
「え…なんでもないわよ。」
実際はなんでもないわけじゃないけど。
みんなは里久から発せられる殺気のようなものに気付いていないのかしら?
少なくともオレとしてはそれを感じている以上…怖くなってきた。
「僕はマッド・ベアーを対象に『
「「「え!?」」」
ランクを上げる魔法という意味だと思うけど…いったい何をする気!?
「このカードは僕の場のクラフトイのエクシーズ1体を、ランクが1つ高いクラフトイにランクアップさせる!」
「ランクアップ…!」
「僕はクラフトイ・マッド・ベアーでオーバーレイ・ネットワークを再構築!
狂気のケダモノよ!混沌の刃でその身を包み込み、あらゆる敵を血だまりの花で彩れ!
カオスエクシーズ・チェンジ!現れ出ちゃえ、混沌のケダモノ!ランク5『クラフトイ・カオス・ベアー』!!」
『ギヒャヒャヒャヒャ!!』
クラフトイ・カオス・ベアー:ATK2400 ORU1
これがランクアップ…?
エクシーズモンスターを素材にランクが上の新たなエクシーズモンスターが出てきただって…?
そして現れたのは切り刻まれたようなマッド・ベアーにカミソリなどの刃物が全身に生えたような、あまりにおぞましい異様な姿のモンスターだった。
「エクシーズモンスターのランクアップ…あんなもの初めて見ましたわ!」
「うわ〜ん!」
「怖いよ、ママー!」
「何やってんだよ、里久の馬鹿…!」
「どうしてかブランの顔まで怖くなった…!」
ランクアップなんて知らなかったけど、それ以前に仮にもエンタメがモットーの遊勝塾の生徒が子供達を怯えさせてどうするの?
この状況で観客席で見てる事しかできない事に不甲斐なさを感じるばかり。
一方で子供が泣いている姿を見て…紫吹が歯ぎしりをしているようにも思える。
そして、このモンスターを見た瞬間…サプライ・ラークに乗って飛び去って行った。
「っ…へぇ、もしかして怖いの?なんてタマじゃないよね。
でも、逃がさない!クラフトイ・カオス・ベアーの効果発動!
オーバーレイ・ユニットを1つ使い、相手モンスター1体を破壊し、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える!
刃を放ち、サプライ・ラークを葬り去れ!『レイザー・エッジ・ショット』!!」
クラフトイ・カオス・ベアー:ATK2400 ORU1→0
効果は破壊+攻撃力の半分のダメージという強烈なものだった。
だけど、相手がそう簡単にこれを通すとは思えないわ。
「させん!罠カード『
ターン終了時までエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター1体の効果を無効にする!
寄せ来る刃を吹き飛ばし、醜い化け物を沈黙させよ!」
クラフトイ・カオス・ベアー:ATK2400(効果無効)
やっぱり防いでくるわね。
だけど、攻撃まで止められるわけじゃない。
「ま、止めてくるよね…でもハリボテの熊からは逃げられないよ?
ここで罠カード『エクシーズ・リボーン』を発動!
この効果でエクシーズモンスターの『クラフトイ・マッド・ベアー』を蘇生し、このカードをオーバーレイユニットにする!
ハリボテだし、強力なモンスターでも案外蘇るのは簡単なのさ!」
『ゲヒャヒャヒャヒャ!!』
クラフトイ・マッド・ベアー:ATK2000 ORU0→1
今度はほぼ万全な状態でマッド・ベアーが復活。
もう3回も使いまわされている事になるわね。
「そしてマッド・ベアーの効果!クラフトイ・ラットを破壊し、攻撃力をターン終了時まで1000アップ!」
クラフトイ・マッド・ベアー:ATK2000→3000
「いや〜!ネズミさんが〜!」
「えぐすぎて、素直に応援できねぇ…」
「あはははは…アカンこれ。」
そしてかわいらしい工作玩具のネズミをむしゃむしゃと食ってる様は誰が見てもドン引きである。
「でもってクラフトイが効果破壊されたため、クラフトイ工作机の効果で『クラフトイ・プレーン』を手札に加えるよ。
バトルだ!マッド・ベアーでサプライ・ラークを攻撃!『マッド・ベアクロー』!!」
ここでマッド・ベアーが襲い掛かるも、紫吹は高層ビル街にあるアクションカードを既に拾っていたようで…!
「アクションマジック『回避』を発動!これで貴様のマッド・ベアーの攻撃は無効になる!」
「やっぱりアクションカードを拾ってきたね…事前にこれを拾っておいてよかったよ。
僕はアクションマジック『ノーアクション』を発動!これで君のアクション魔法の発動を無効にし破壊するよ!」
「ちっ…この瞬間、カウンター罠『レイダーズ・ストーム』を発動!
俺の場に『
「っ…このタイミングでカウンター罠!?」
チェーンの応酬となるも、紫吹が取った回避の効果がそのまま通りマッド・ベアーの攻撃が無効になる。
だけど、これならエクシーズ・リボーンも無効にできたはず…どういうつもりかしら?
「何を考えてるのかわからないけど、いいや。
それならカオス・ベアーでサプライ・ラークを攻撃!
空中を飛んでるアイツごと蹴散らせ!『カオス・ベアレイザー』!!」
――ズバズバッ!!
「ぐっ…!!」
雲雀:LP2900→2100
――タッ…!
ダメージこそは受けたものの何事もなかったかのように着地。
「よし、これで君の生命線は…」
「だが、サプライ・ラークの鉄の意志はその程度では砕かれない。
墓地へ送られた事でサプライ・ラークの更なる効果を発動する。
デッキから『
「そう澄まし顔されると腹立っちゃうよね、本当にさ!!
クソッ、僕はこれでターンエンド!」
クラフトイ・マッド・ベアー:ATK3000→2000
そして破壊されてもアドバンテージが取り返されて里久は地団駄を踏んでいるわね。
先ほど見せた殺気と言い、いつもは余裕を見せてる里久が珍しく苛立っているのがわかる。
この勝負…どう転ぶのか悪い意味で目を離せないわね。
殺伐とした雰囲気に変貌した事といい、嫌な予感しかしないわ。
――――――
Side:零児
「紫吹雲雀…どうも、期待と裏腹に相手に押されているようにも見えます。」
「一見そう見えるだろうな…だが、実際は違う。」
表情を見ていればわかるが、実際はエクシーズ使いの黒龍院里久の方が紫吹に踊らされているようにも見える。
「と、いいますと?」
「黒龍院はこの世界にはないはずの『RUM』という切り札の1つを切り始めた。
そして今のあの苛立った表情からして彼は次第に余裕がなくなっている。
本来なら我々のいる次元では簡単に見せてはならないはずの一手なのだろう。
それを使わざるを得ない状況に追い込まれたと考えている。
にも関わらず、被害を最小限に食い止められた。」
「成程。」
あくまで推測ではあるがな。
また、紫吹の魔法・罠の扱いや墓地利用…そしてあの素早い身のこなし。
恐らくはレジスタンスとしての実戦で身に着けたであろう。
そして、紫吹の真価は追い詰められた時にこそ発揮するはずだ。
続く
登場カード補足
クラフトイ・カオス・ベアー
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/地属性/悪魔族/攻2400/守2100
レベル5モンスター×3
(1):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、自分はデッキから1枚ドローする。
その後、このカードの攻撃力はターン終了時まで800アップする。
(2):このカードが「クラフトイ」XモンスターをX素材としている場合、以下の効果を得る。
●このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、その攻撃力の半分のダメージを相手に与える。
クラフトイ・プードル
効果モンスター
星2/地属性/獣族/攻1200/守 100
「クラフトイ・プードル」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードが攻撃対象となった場合、そのダメージステップ開始時に発動する。
このカードを破壊する。
(2):自分フィールドに「クラフトイ」カードが存在する場合、このカードを手札から捨てて発動できる。
墓地から「クラフトイ・プードル」以外の「クラフトイ」モンスター1体を選んで手札に加える。
効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1900/守 500
「S・R−ゲイル・スパロウ」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動できる。
デッキから「S・R」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「S・R」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力をターン終了時まで700アップする。
通常魔法
「RUM−クラフト・カオス・フォース」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「クラフトイ」Xモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターよりランクが1つ高い「クラフトイ」Xモンスター1体を対象の自分のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
(2):自分スタンバイフェイズにこのカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの「クラフトイ」カード2枚を対象として発動できる。
対象のカードを破壊し、墓地のこのカードを手札に加える。
レイダーズ・ストーム
カウンター罠
(1):自分フィールドに「S・R」モンスターが存在し、魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
ノーアクション
アクション魔法
(1):アクション魔法カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。