Side:ブラン
柚子がエクシーズ召喚を見事決め、対エクシーズを想定した見事な戦術で勝利したのだけど…問題は次。
権現坂の出番なのだけど、対戦相手がよりにもよってルウィー教会所属のロム。
彼女は前年度のジュニア選手権では対戦相手がまるで相手にならないほどの圧倒的実力差で優勝している。
その時は儀式召喚を中心とした戦術を用いて、相手を圧倒していた…彼女と対戦した相手が皆絶望感に苛まれる程に。
年齢的には未だジュニアのはずの彼女なのだけど、特別にジュニアユースとして参加できたのも明らかにジュニアの枠で収めては拙いとの判断からだろう。
そして、権現坂は初戦からそんな相手とデュエルする事になる。
やってみない事にはわからない…でも、間違いなく烈悟や現状のオレ以上に格上だろうし厳しいと言わざるを得ないわ。
『間もなく、権現坂道場の権現坂昇とルウィー教会所属のロムの試合を行います!
お二方は準備をお願いします!』
「俺の試合か。」
「相手は恐らくオレより強いはず…気を付けて。」
「案ずるな、ブラン…誰が相手だろうと不動のデュエルを貫くまで。
それに俺には親父から頂いた新しいタスキで気合十分!では、行ってくる。」
そう言って権現坂は席を外して決戦の場へと向かった。
確か、大事な試合の前には師から新しいタスキが贈られるのよね。
それで、いつもとタスキの色が違うわけね。
それは兎も角、正にジュニアのカリスマ対不動のデュエルの一戦…遂に始まってしまうのね。
権現坂の進化した不動のデュエルがどこまで彼女に通用するのか…注目ね。
だけど、まさかこんな事になるなんて…!
超次元ゲイム ARC-V 第29話
『幼女の威圧』
『お待たせしました!本日の第2試合!
まずは権現坂道場の跡取りにして不動のデュエル継承者…権現坂昇!』
「男はいい!早くロムたんを!」
「むさい男はひっこめー!」
これはひどい。
相手のロムが幼い外見で主に変態紳士から人気を集めるのはわかるけど…相手のネガキャンは駄目だろう。
とはいえ、権現坂はこの程度で物怖じするわけないからそこは心配してないけどね。
少なくとも、オレ達がついている。
『対するは前年度のジュニア選手権を圧倒的実力で制し、幼くも可憐な容姿で一部から既に大人気!
今大会ではどんな活躍を見せてくれるのか!ルウィー教会所属のロム!』
「「「「「「「…ょぅι゛ょ……ょぅι゛ょ……!!」」」」」」」
「ロムたん…はぁはぁ…」
「やっぱり幼女こそ至高なり…!」
「ふぇぇ…どきどき。」
「自重しろよ!このロリコンどもめ!!」
だからゾンビのようなうめき声やめい…特にこのような公共の場ではな。
そして色々と自重しろ、このロリコン観客どもめ。
当の本人も困惑してるだろ。
何より、オレの試合の時とは大違いなのが理解に苦しむわね。
会場の熱気は既にロム一色…もっとも、権現坂がこれくらいで滅入るわけがないけど。
「この男、権現坂…昨年度のジュニア選手権を制した貴女殿に手合せ願おう。」
「こちらこそ、よろしくお願いします…わくわく。」
そして、お互いに一礼しつつ構えて準備ができたみたいね。
『今回のフィールドは…これだ!
アクションフィールドオン!フィールド魔法『雪華の平原』発動!!』
すると、一瞬で辺り一面が氷雪の銀世界に包まれる。
確かロムが所属するルウィー教会は雪国にあるらしいわね。
一方の権現坂も極寒の中で修業した事があるのよね。
そうなると、このデュエルにはうってつけの場所のようね。
『戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!』
「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞデュエルの最強進化系。」
「「「「「「「アクショォォォォォォン!!」」」」」」」
「「デュエル!!」」
権現坂:LP4000
ロム:LP4000
いよいよ始まったわね、先攻は権現坂みたい。
「先攻はいただくぞ、俺のターン!
手札からモンスターを裏側守備表示で召喚し、ターンエンド。」
最初はモンスターを裏側守備表示で召喚し、様子見でターンを終えたようね。
次はロムの番…よく見ておかないと。
「ボクのターン、ドロー。
ここは…手札からモンスターを裏側守備表示で召喚、カードを1枚伏せてターン終了します。」
「あれ、これで終わり…?」
「う〜ん、まずはゴンちゃんの力量を確かめるつもりだと思う。」
まずは様子見と言ったところか、モンスターと魔法・罠を1枚ずつセットして終えたわね。
どうも権現坂の力量を見るつもりらしいのだけど、それなら不動のデュエルがどこまで通用するのか、親友として見せてもらうわ。
「ふむ…貴女殿も動かぬか。
ならば、こちらから行かせてもらおう…俺のターン、ドロー!」
――ビュゥゥゥゥン!!
「俺は手札から『超重武者カゲボウ−C』を召喚!」
超重武者カゲボウ−C:ATK500
「カゲボウ−Cの効果発動!このカードをリリースし、手札から『超重武者』1体を特殊召喚できる!
天下無双の鬼武者、いざ出陣!レベル7『超重武者タダカ−2』を守備表示で特殊召喚!」
『ヌォォォォォォッ!!』
超重武者タダカ−2:DEF3200
早速出て来たわね、権現坂の不動のデュエルの要の1体が。
これを前に彼女はどう出るのかしら?
「一気に最上級…それも守備表示。」
「タダカ−2を含め、超重武者の多くは守備表示の状態で守備力の数値を使用して攻撃できる効果を持っている。
そして、裏側守備表示の『超重武者装留イワトオシ』を反転召喚!」
超重武者装留イワトオシ:ATK1200
やっぱり権現坂のセットモンスターはイワトオシだったのね。
しかもイワトオシにはサーチだけでなく装備効果もある。
「さらにイワトオシをタダカ−2に装備!これによりタダカ−2は貫通効果を得る!」
超重武者タダカ−2:DEF3200(貫通効果付与)
これで相手モンスターが守備表示でも貫通ダメージを与えられる。
もっとも、そう簡単に通してくれるだろうか?
「先ほども言ったようにタダカ−2は守備表示の状態で守備力の数値を使い攻撃できる!
バトル!タダカ−2で貴女殿の裏守備モンスターを攻撃!『豪槍・蜻蛉切』!!」
「でも、させない…この瞬間、罠カード『零海氷壁』を発動。
まず、その攻撃を無効にします。」
「む…防がれたか。」
やはり躱されたみたいね。
大ダメージのチャンスでも攻撃が通らなければ意味はない。
しかも、対象を取らない効果ゆえにカゲボウ−Cの効果は使用できない以上…防がれてしまうわね。
だけど、この時オレは油断していたわ…本当は衝撃はここからだった。
「そして、昨日の試合でのブランお姉ちゃんの言葉を借りるのであれば…お楽しみはこれからでしょうか。
さらに、デッキからペンデュラムモンスターの『零海精シャンデル』をエクストラデッキに表側表示で加えます。」
「何っ…!」
「ペンデュラム!?」
『ななななんとっ!ロム選手、ここでまさかのペンデュラムモンスターだ!
彼女の拠点は海外にあるはずで…いつ、どこで手に入れたのかが気になりますが…これは期待がかかります!』
おいおい、冗談だろ…!
他のLDSの選手が使う分にはもう驚かないけど、彼女の拠点はニコの言った通り海外にあるはず…!
縁があるとは考えにくいのに、ペンデュラムカードを使用している…いったい、何がどうなっているの?
「ブランやLDSの関係者じゃないのにペンデュラムを…?」
「まさか、辺境の異国を拠点としているデュエリストまでペンデュラムを使うとは…。
だが、ブラン…今起きている現実から目を背けるな。
このデュエル、見届けるんだ。」
「…ええ。」
エクストラにペンデュラムを入れてきたという事は間違いなくアレも来るはず。
肝心のアレがね。
「まさかペンデュラムとはな…ターンエンド。」
「ボクのターン、ドロー。
まずは裏守備モンスター『零海精ウルサン』を反転召喚!」
零海精ウルサン:ATK600
「ウルサンがリバースした時、デッキから『零海』のペンデュラム1体を手札に加えられます。
この効果で『零海精エトワル』を手札に加え、召喚!」
零海精エトワル:ATK1400
やはりというかペンデュラム主体なのは間違いなさそうね。
「エトワルが召喚した時、デッキから儀式魔法『零海の召喚陣』を手札に加えます。」
「儀式魔法…!」
儀式魔法という事は儀式召喚のギミックも健在という事ね。
そもそもサーチが多いのも厄介だけど。
そろそろアレは来るかしら…?
「そろそろ行きます。ボクはスケール2の『零海精グレイス』とスケール6の『零海精エトワル』でペンデュラムスケールをセッティング!」
零海精グレイス:Pスケール2
零海精エトワル:Pスケール6
ここでペンデュラムスケールが作られたわね。
そして、どうしてだか赤馬零児や沢渡の時とは違って上空に振り子が浮かんでいた。
まさか、これはオレのペンデュラムの様に自然発生したもの…!?
「これでレベル3から5のモンスターが同時に召喚可能です。
夜空を切り裂く十字の星よ、光の雪となりて現世に降り注げ!ペンデュラム召喚!来て、ボクのモンスターたち。
手札とエクストラデッキから1体ずつ出でよ『零海精シャンデル』!!」
零海精シャンデル:ATK1800(×2、うち1体forEX)
「やっぱり幼女は最高だぜ!!」
「ペンデュラム召喚まで使えるとか…はぁ、はぁ……」
『ロム選手、見事ペンデュラム召喚を決めてきました!
榊選手と沢渡選手に続き、ペンデュラム召喚の使用者は本大会3人目となります!』
そして、ペンデュラム召喚で出してきたのは…下級2体のようね。
先ほどサーチした儀式魔法といい、本命はこの先にある…!
「だが、それではタダカ−2は突破できんぞ。」
「なので、本命はここからです。
ここでグレイスのペンデュラム効果!
もう片方に『零海』カードがあるため、自身を破壊して水属性の儀式モンスター1体を墓地へ送ります。」
「儀式モンスターを墓地へ…?」
「はい。この効果で墓地へ送るのは『零海氷魔アイシクル・オクトパス』です。」
さらにペンデュラム効果を使って儀式モンスターを墓地へ送ったわね。
変態兄弟の弟の方が墓地からの儀式召喚を決めてきたけど…やっぱり、彼女も…!
「では、参ります。ボクは手札から儀式魔法『零海の召喚陣』を発動!
この効果でフィールドのレベル3のウルサンとレベル4のシャンデル…2体のペンデュラムをリリース。
これにより、手札または墓地からレベル7の『零海』の儀式モンスターの儀式召喚を行います。」
「墓地から儀式召喚だと…!」
「儀式召喚がここまで進化していたとは…!」
墓地のモンスターを儀式召喚できるという事は、すなわち手札消費をカバーしやすいという事。
最初に準備し儀式魔法さえあれば、いつでも儀式モンスターが儀式召喚扱いで出てくるという事よ。
当然、リリースを確保しやすいペンデュラムとの相性は抜群という事にもなるわ。
肝心なのは出てくる儀式モンスターなのだけど…。
「海に封じられし凍てつく魔物よ、召喚の儀式にて現界せよ!儀式召喚!降臨せよ、レベル7『零海氷魔アイシクル・オクトパス』!!」
『グオォォォォォォォ!!』
零海氷魔アイシクル・オクトパス:ATK2600
儀式召喚により呼び出されたのは腕などが氷で覆われたでかいタコのようなモンスター。
女の子が使うのにはおぞましい感じがあるのだけど。
オレも人の事言えない?ほっといて。
「それでもまだ、タダカ−2の守備力には届かんぞ?」
「このままではそうですね…アイシクル・オクトパスの効果を発動します。
1ターンに1度、デッキから『零海』のペンデュラム1体をエクストラデッキに送り、相手モンスター1体の表示形式を変更できます。
守備表示で力を発揮するというのなら攻撃表示にすればいいだけです。」
「だが、墓地には対象をとるカード効果を無効にするカゲボウ−Cが…発動できないだと?」
「アイシクル・オクトパスの発する冷気の前には、墓地で発動するあなたのモンスター効果は発動できません。
零海精エトワルをエクストラデッキに送り、超重武者タダカ−2を攻撃表示に…『アイシクル・バインド』!!」
――ガシィッ!!カチカチカチ…!!
『グッ…!』
超重武者タダカ−2:DEF3200→ATK800
超重武者は守備表示で動ける分、攻撃表示にされると一気にもろくなる。
そして、墓地のモンスター効果を発動させない以上…カゲボウ−Cとイワトオシのもう1つの効果は封じられてしまう事にもなる。
信条のためにフルモンスターの権現坂には厳しい効果と言わざるを得ない。
「バトル…アイシクル・オクトパスでタダカ−2を攻撃!凍てつけ『コキュートス・フラッド』!!』
――バァァァッァァッ!!ピキィィン!!
「ぐおおっ…!!」
権現坂:LP4000→2200
攻撃表示にされたタダカ−2は呆気なく氷の洪水に飲まれてしまった。
このまま権現坂が何もできなければ2体のダイレクトで終わってしまうのだけど。
「だが、これ以上はやらせはせん!
俺の墓地の魔法・罠カードがない状態で戦闘ダメージを受けた時、手札から『超重武者ココロガマ−A』を特殊召喚できる!」
超重武者ココロガマ−A:DEF2100
ここは手札誘発での防御カードできっちり守ったわ。
あの2体では守備力を超えられないし、超えられてもこのターンは戦闘・効果耐性がある。
「墓地の魔法・罠カードがあると発動できない手札誘発で防いできましたか。
つまり魔法・罠に頼らないフルモンスター…アクションカードを取らないのも納得です。
これが不動のデュエルの所以と言うわけですね。」
「実際には信念が前提だが、概ね認識で結構。
そもそもデュエルとは己のデッキを信じ戦うもの。
何が出るかわからないアクションカードに望みをかけるのは百害あって一利なしという教えが前提だ。」
「成程…アクションカードは1ターンにどちらか一人しか取れず、アクショントラップのように損をするものもありますからね。
その心構え、嫌いではありません。」
ロムは権現坂がフルモンである事をいち早く見破ったか。
そして彼女からその戦術が認められたようね。
そういえば、アクショントラップの出現率が高くなったような気がする。
「ですが、あなたの掲げる不動のデュエル…それが命取りになるでしょう。」
「何だと…?」
「いずれ思い知る事になります。
エンドフェイズに墓地から『零海の召喚陣』をデッキに戻し効果発動。
自分フィールドの零海精エトワルを破壊し、1枚ドローします。
ボクはこれでターン終了です。」
さりげなく、自分の低攻撃力のモンスターを処理しつつドローと無駄がないわね。
だけど、不穏にも権現坂の戦術が命取りになるかもしれないと言ったわね。
少なくとも、アイシクル・オクトパスで墓地に関してはそうなってしまっている。
もっとも、これだけでは済みそうにない。
「だが…例えそうなるとしても、俺はその心構えを貫くのみ!俺のターン、ドロー!」
――ビュゥゥゥゥン!!
だからといって、権現坂は己の信条を変えるわけにはいかない。
権現坂道場の跡取りなのだから。
「俺は手札からレベル2のチューナーモンスター『超重武者ミコ−4』を召喚!」
超重武者ミコ−4:ATK200
「いよいよ来たな、権現坂のチューナーが。」
「烈悟が弟子にしたという彼がペンデュラムを使うあの子にどこまで食らいつけるか…見せてもらいますわ。」
ここでチューナーモンスター…勝負に出るようね、権現坂。
「ミコ−4が召喚に成功した時、墓地から超重武者1体を効果を無効にして特殊召喚できる!
再び戦場に舞い戻れ『超重武者タダカ−2』!!」
『ヌオォォォォ!!』
超重武者タダカ−2:DEF3200(効果無効)
ここで甦らせたのはレベル7のタダカ−2。
つまり、ココロガマ−Aと合わせるとレベル5、レベル9、レベル12のいずれかのシンクロモンスターを呼び出せる事になる。
この選択肢で権現坂が狙うのは…?
「行くぞ!俺はレベル7のタダカ−2にレベル2のミコ−4をチューニング!
動かざること連山の如し…大岩に宿りし魂、今こそ氷雪にそびえ立つ砦となれ!シンクロ召喚!いでよ、レベル9『超重魔獣キュウ−B』!!」
『ハアッ…キュウビィッ!!』
超重魔獣キュウ−B:DEF2500
『ここで権現坂選手が見事シンクロ召喚を決めてきました!
これにより、反撃の狼煙をあげられるのか!』
「シンクロ召喚を決めてきたな!」
「ですが、タダカ−2より守備力が低いですわね。」
「ああ、その事なら見てればわかるさ。」
呼び出したのはタダカ−2より守備力の低いモンスター。
もっとも、タダカ−2の効果が無効になっていた以上は残してもただの壁か足手まといにしかなりえないけど。
初めて見るモンスターだけど、これでどうするのかしら?
「キュウ−Bの効果!自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、このカードの守備力は相手フィールドに特殊召喚されたモンスターの数×900アップする!
貴女殿の特殊召喚されたモンスターは2体…よって1800アップする!」
超重魔獣キュウ−B:DEF2500→4300
「守備力を大幅に上げてきましたか。
しかも、先ほどのタダカ−2のような効果持っているとみていいのですよね?」
「そうだ、キュウ−Bも守備力の数値を使い攻撃できる。」
守備力を4000台と大幅にアップさせてきたわね。
それに子のモンスターもタダカ−2らと同様に守備表示で攻撃する効果も当然のように持っている。
だけど、これだけではまだ厳しい所ね。
それに、ココロガマ−Aを残したのも何か理由があってのことだと思うのだけど。
「さらにココロガマ−Aを手札に戻す事で『超重武者装留ブラスト・ザンバー』を手札から特殊召喚できる!」
超重武者装留ブラスト・ザンバー:DEF0
成程、これでココロガマ−Aをあえて残しておいたわけね。
代わりに特殊召喚された装留、確かこのモンスターは…!
「ちなみにキュウ−Bはルール上、超重武者として扱われる。
そして、このブラスト・ザンバーを装備カード扱いとして超重武者扱いのキュウ−Bに装備!
これによりキュウ−Bが相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える効果を得る!」
「つまりこの攻撃が通れば…」
「実質、キュウ−Bの守備力4300分のダメージが彼女に通って…」
「この一撃で権現坂の勝ちだ!」
ペンデュラムで戦線が維持されてしまうなら、一撃の下に相手のライフを根こそぎ消し飛ばせばいい。
例え、防がれたとしても手札に戻したココロガマ−Aで再び防ぐ事もできるわけね。
しかも、彼女には伏せカードはない。
だけど、そう簡単に彼女を突破できるとは…どうも思えないのよね。
なにせ彼女の表情は…全く崩れていないのだから。
「バトル!超重魔獣キュウ−Bでアイシクル・オクトパスに攻撃!」
『この攻撃が通れば、戦闘ダメージと効果ダメージを合わせて権現坂選手の勝利となります!』
そして、権現坂が攻撃を仕掛けにかかった。
その瞬間、彼女は…!
――シュッ…!
「消えた…!?」
「速い…!」
恐らくアクションカードを取りにいった…?
「ふふっ…」
「!?」
そして、権現坂の背後に姿を現した…そして、その手札にはアクションカードが握られていた。
彼女、里久と同じかそれ以上に速い…!
最初の試合の弟といい、ルウィー教会の選手の身体能力半端ないぞ…?
「アクションカードは頂きました。
でも、ここはエクストラデッキから零海精シャンデルとエトワルを1体ずつ墓地へ送りそれぞれの効果を発動です。」
なんて思っていたら、エクストラデッキからペンデュラムモンスターの効果だと?
――ズバァァッァァ!!
ロム:LP4000
超重魔獣キュウ−B:DEF4300→3400
「…一切のダメージを受けていないだと?」
「先ほど墓地へ送った2体のペンデュラムの効果です。
シャンデルの効果で戦闘ダメージを、エトワルの効果で効果ダメージを0にしました。」
「そんな…!」
『儀式モンスターこそ破壊されてしまいましたが、ダメージはきっちり防ぎました!』
「ロム様にかかればこの程度、造作もない。」
「一撃に賭けたのは見事…だけど、その程度では決してロム様に及ばないよ。
胸は…これからに期待ですがね。」
エクストラデッキから直にモンスターを送っての防御効果だと…!
エクストラデッキから直に発動する効果があるのはオッドアイズ・オマールぐらいしか知らなかったぞ…?
つまり、先ほどアクションカードを取ったのは…あくまでパフォーマンスという事かよ。
「ふふ…ここからどうします?」
「この男、権現坂の渾身の一撃を防がれたか。
ならば、次の貴女殿の攻勢に備えるのみ…ターンエンドだ。」
もっとも、勝負に出たこの攻撃をあっさり凌がれたのは権現坂にとってあまりに厳しい。
相手はペンデュラムゆえに放っておけば盤面的に手を付けられなくなるのは火を見るより明らか。
しかも、不動のデュエルが命取りになると彼女は言った…冷や汗がぬぐえない。
「…残念です。」
すると、彼女の表情が一転して無感情で冷たいものへと変わる。
どう考えてもこれは拙い…!
「己の信念を貫くその姿勢は立派…でも、結果が伴わなければ無意味。
他人は当然の事、自分の身を守る事すら叶いません。
改めて、あなたは思い知ります…その不動のデュエルが実戦に置いては命取りになる事を!!」
「何っ!!?」
「ボクのターン、ドロー。これであなたの不動のデュエルは終わりです…シャンデルをリリースし、アドバンス召喚!
夜空を切り裂く十字の光よ、白鳥となりて天地を凍てつかせよ!レベル5『零海聖鳥シグナス』!!」
『キュオォォォォォ…!』
零海聖鳥シグナス:ATK2000
超重魔獣キュウ−B:DEF3400→2500
ここで現れたのは氷細工でできたような白鳥のモンスター。
しかも、そのモンスターが発する冷気は既に辺り一面を凍てつかせてしまっている…?
「このカードが『零海』をリリースしてアドバンス召喚に成功したターン、あなたは一切のモンスター効果を発動できなくなります。」
「効果モンスターの効果の発動を封じる…だと?
させん!手札から『超重武者クノ−1』を捨て…効果を発動できんだと…!?」
その効果は相手のモンスター効果を一切封じるという凶悪無比なものであった。
しかも、クノ−1の効果を発動できないという事は…召喚を許した時点でもう手遅れ…!
「残念ながら、これは召喚した時点で適用してしまうルール効果…もう手遅れです。」
「ぐ…ぬっ……!」
「これでもうモンスター効果で守る事はできません。
では…信念に反してでも、アクションカードに賭けてみますか?」
『ここで、権現坂選手の生命線とも言えるモンスター効果の発動が無情にも一切封じられてしまった!』
フルモンスターを使用する権現坂にとってモンスター効果を封じられる事はあまりに致命的。
かといって、その場しのぎでアクションカードを取る事は…権現坂道場の不動のデュエルの後継者の権現坂には許されない行為だ。
何より、今更そんな事をした所で焼け石に水…しかも大半のモンスターが機能停止してしまう。
「権現坂君の不動のデュエルでは、この状況に陥ってはどうしようも…」
「そんな…!」
一応、特殊召喚されたモンスターが増える程、守備力の上がるキュウ−Bは健在。
でも、間違いなく突破される。
「ぐ…だが、どんな厳しい状況に追い込まれようとも……今ここで不動のデュエルの教えを破っては示しがつかん!」
「この状況に追い込まれてなお、そんな戯言を…。
ボクはスケール6の『零海精グレイス』でペンデュラムスケールをセッティング。」
零海精グレイス:Pスケール6
この絶望的状況でも権現坂は不動のデュエルを貫くみたい。
潔いとも取れるけど…権現坂、あなたは本当にそれでいいの?
そして、ここで再び彼女のペンデュラムスケールが揃った。
「これで再び、レベル3から5のモンスターが同時に召喚可能です。
夜空を切り裂く十字の星よ、光の雪となりて現世に降り注げ!ペンデュラム召喚!来て、ボクのモンスターたち。
エクストラデッキから『零海精ウルサン』!『零海精エトワル』!『零海精グレイス』!そして『零海精シャンデル』!!」
零海精ウルサン:ATK600 forEX
零海精エトワル:ATK1400 forEX
零海精グレイス:ATK1500 forEX
零海精シャンデル:ATK1800 forEX
超重魔獣キュウ−B:DEF2500→6100
エクストラデッキから一気に4体ものモンスターがペンデュラム召喚で呼び出される。
これにより、キュウ−Bの守備力は6100まで上昇したのだけれど…これで止まるわけがない。
「そして儀式魔法『零海の召喚陣』を発動。
フィールドのレベル3のエトワルとレベル4のグレイスをリリース!
海に封じられし凍てつく魔物よ、召喚の儀式にて現界せよ!儀式召喚!墓地より再び降臨せよ、レベル7『零海氷魔アイシクル・オクトパス』!!」
『グオォォォォ!!』
零海氷魔アイシクル・オクトパス:ATK2600
超重魔獣キュウ−B:DEF6100→5200
「ああっ、あの馬鹿でかいタコがまた…!」
「これじゃ、キュウ−Bの守備力がいくら高くなっても意味をなさないわ!」
「権現坂…!」
表示形式変更効果を持つアイシクル・オクトパスが来てしまった。
こうなっては、いくらキュウ−Bの守備力が高くなっても意味がない。
不動のデュエルが機能停止している今…本当にアクションカードを取らなきゃ、どうしようもないじゃない。
「アイシクル・オクトパスの効果発動。
デッキから2体目のシグナスをエクストラデッキに送り、キュウ−Bを攻撃表示に…『アイシクル・バインド』!」
『グゥゥ…!』
超重魔獣キュウ−B:DEF5200→ATK1900
キュウ−Bも攻撃表示になってしまっては下級アタッカークラスの攻撃力しかない。
「シグナスのもう1つの効果…水属性のウルサンをリリースする事でこのターン攻撃力を1000アップします。」
零海聖鳥シグナス:ATK2000→3000
超重魔獣キュウ−B:ATK1900(DEF5200→4300)
さらにダメ押しとばかりにシグナスの攻撃力を上げてきた。
「バトル。まずはオクトパスでキュウ−Bを攻撃…『コキュートス・フラッド』!!」
――バァァァァッァアッ!!
「ぐおおっ…!」
権現坂:LP2200→1500
「ここまで追い詰められてアクションカードを取りに動くことはありませんか。
この絶体絶命の状況でもなお不動のデュエルを貫くその信念、実に感動的ですね。
でも、もし命がけの戦場ではどうでしょう?そんなもの無意味に等しい。」
でもこの場で戦場…?いったい、何を言っているの?
だけど、確かに混沌渦巻く戦場に置いて…信念に縛られる事は時に命取りってことはわからなくもない。
あの子がオレに言った事といい…胸騒ぎが拭えない。
キュウ−Bが破壊された今…もうアクションカードを取ってももう手遅れ。
このフィールドにはこの状況をどうにかできるアクションカードはないのだから。
「ぐ…最早ここまでか。
無様な姿を見せてしまい、すまぬ……親父殿、烈悟殿…そしてブラン…!」
「初っ端から優勝候補…しかも天敵と当たったのが運のつき…!」
「潔く散るのは結構…ですが無様ですわね、彼。」
「ゴンちゃん…!」
「ちく、しょう…!」
オレはただ腕を握りしめて見る事しかできなかった。
「これで終わりです…零海聖鳥シグナスでダイレクトアタック。
夜空に輝く北斗十字、その冷たき力にて敵を滅ぼさん…『ノーザンクロス』!!」
――シュオォォォォォォ!!
「ぐおぉぉぉぉぉぉ!!無念…」
権現坂:LP1500→0
『決まったあぁぁぁ!!権現坂選手の不動のデュエルを圧倒し、ペンデュラム召喚と儀式召喚のコンビネーションによる戦略を魅せたロム選手の圧勝です!』
「何が不動のデュエルだ!ボロクソにやられてんじゃねぇか!」
「そんな事よりロム様最高だぜ!負けた木偶の坊は出ていけ!」
「や、やめて…」
無情にも権現坂が不動のデュエルを機能停止に追い込まれての完敗。
これがルウィー教会のトップの実力…いや、まだ本気を出しているとは思えない。
だけど、いずれぶつかる相手だ…この格上の強敵にどう立ち向かえばいいの?
そして、権現坂に対しての無慈悲な罵声は長く続いた。
止めようと声をかけようにも、弱弱しい声しか出せなかった。
「権現坂…ひぐっ……」
その罵声を止められないオレは涙を流すしかなかった。
そして、権現坂が観客席に戻る事はなかった。
――――――
Side:権現坂
これが昨年度のジュニア選手権のチャンピオンの実力…!
俺が背負った不動のデュエル…その弱点を容赦なく彼女に付かれここで敗れ去る事になるとは。
暗国寺ゲンに引導を渡せないままに…!
親父殿、烈悟殿、そしてブランや他のみんなには無様な姿を見せてしまった…すまん!
観客から罵声が浴びれられるのも…受け止めるしかない。
そして、悔しいが彼女の言う事は最もだ。
俺は今日にいたるまで権現坂道場の不動のデュエルの教えに従いデュエルをしてきた。
だが、それは見方を変えれば己を縛る枷に他ならないのが現実だ。
もしもここ舞網市が戦場になってしまった場合、手段を選ばぬ輩に対抗できるかと言えば現状は否としか言えん。
それでは守るべきものを守るどころか、自分の身すら守れないと言われるのも当然か。
教えに固執し、肝心な時に足枷となっては話にならないという事だろう。
「この男、権現坂…ここまで容赦なく打ちのめされるとは。
俺もまだまだ甘かったという事か…己の世界に囚われているようではな。
現状に警鐘を鳴らした貴女…いや、ロム殿には感謝する。」
「実にストイックですね…そのように捉えてくれて感謝します。
現状に危機感を煽らなければならない立場上、誰が相手でも厳しくせざるを得ませんから。」
今のデュエル、彼女ほどの腕があればあのような事をせずとも俺を圧倒できたはず。
そう考えると、この現状に警鐘を鳴らした彼女には寧ろ感謝せねばなるまい。
その事を伝えると彼女は淡々と感謝の意を述べつつも立ち去って行った。
そして、今の俺の不動のデュエルに致命的な欠点があるのは薄々気付いていた…いや、気付かないふりをしていただけかもしれん。
それはシンクロの要素を導入したところでなお変わらん。
これからはその問題と本格的に向き合わなければならない…いよいよもってその時が来てしまった事を思い知らされたわけだ。
だが、これは俺の一存だけで決めてはならない問題…親父殿と腹を割って話す必要があるようだ。
当然、権現坂道場からの破門や勘当などの処分も覚悟せねばなるまい…!
なにせ、教えを破りかねないけしからん事だからな。
「後、いい加減ボクの対戦相手に対する罵声はやめてください…いらいら。」
「「「「「「「サーセン…」」」」」」」
ロム殿が完全に去る前に観客席からの罵声を止めてくれたようだ。
だが、覚悟を決めた今…もう今までの俺のままではいられなくなる。
まずは親父殿と話を付けにいかねばならん。
――――――
Side:暗国寺
ククク…権現坂がここまで完膚なきまでに打ちのめされるとは俺も想定外だったぜ。
だが所詮、不動のデュエルも大したことなかったというわけだな。
そして奴に向けられるこの罵声…実にいい気味だぜ。
俺自身が手を下せなかったのは残念だがな。
そんな事より俺を再起不能にするまでコケにしてくれた、ユーヤ・B・榊をどう陥れるかだ。
どんな手段を用いようと、奴には俺が受けた以上の屈辱と絶望を味あわせなければ俺の気が収まらない。
奴の無様な姿をいかに観客共に知らしめられるかと思うとゾクゾクするぜ。
そして今の俺には薄気味の悪い謎の女から渡されたこのカードがある。
首を洗って待っているがいい、ユーヤ・B・榊…クハハハハハ!!
続く
登場カード補足
零海氷魔アイシクル・オクトパス
儀式・効果モンスター
星7/水属性/水族/攻2600/守1900
「零海の召喚陣」により降臨。
このカードは儀式召喚でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手の墓地で発動するモンスターの効果は発動できない
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
デッキから「零海」Pモンスター1体をエクストラデッキに表側表示で加え、対象のモンスターの表示形式を変更する。
零海聖鳥シグナス
ペンデュラム・効果モンスター
星5/水属性/鳥獣族/攻2000/守1400
Pスケール「4:4」
「零海聖鳥シグナス」の(1)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手エンドフェイズに発動できる。
このカードを破壊し、デッキから「零海」Pモンスター1体を手札に加える。
(2):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
このカードを破壊し、そのバトルフェイズを終了する。
『モンスター効果』
自分は「零海聖鳥シグナス」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
このカードは融合・S・X召喚の素材にできない。
(1):「零海」モンスターをリリースしてこのカードがアドバンス召喚に成功したターン、相手はモンスター効果を発動できない。
(2):1ターンに1度、自分フィールドの水属性モンスター1体をリリースして発動できる。
このターンこのカードの攻撃力は1000アップする。
(3):エクストラデッキの表側表示のこのカードと「零海」Pモンスター1体を墓地へ送り、フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
零海精グレイス
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1500/守1600
Pスケール「2:2」
「零海精グレイス」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方のPゾーンに「零海」カードが存在する場合に発動できる。
このカードを破壊し、デッキから水属性の儀式モンスター1体を墓地へ送る。
『モンスター効果』
このカードは融合・S・X召喚の素材にできない。
「零海精グレイス」の(1)(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・P召喚に成功した場合に発動できる。
デッキからレベル3の「零海」Pモンスター1体をエクストラデッキに表側表示で加える。
(2):自分フィールドの「零海」モンスター1体を対象とするモンスター効果が発動した時、エクストラデッキの表側表示のこのカードを墓地へ送って発動できる。
その発動を無効にする。
零海精シャンデル
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1800/守 800
Pスケール「2:2」
「零海精シャンデル」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方のPゾーンに「零海」カードが存在する場合に発動できる。
このカードを破壊し、デッキから儀式魔法カード1枚を手札に加える。
『モンスター効果』
このカードは融合・S・X召喚の素材にできない。
「零海精シャンデル」の(1)(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動できる。
デッキから「零海」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):エクストラデッキの表側表示のこのカードを墓地へ送って発動できる。
このターン自分が受ける戦闘ダメージを1度だけ0にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
零海精エトワル
ペンデュラム・効果モンスター
星3/水属性/水族/攻1400/守 700
Pスケール「6:6」
「零海精エトワル」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方のPゾーンに「零海」カードが存在する場合に発動できる。
このカードを破壊し、デッキから「零海」Pモンスター1体をエクストラデッキに表側表示で加える。
『モンスター効果』
このカードは融合・S・X召喚の素材にできない。
「零海精エトワル」の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「零海の召喚陣」1枚を手札に加える。
(2):エクストラデッキの表側表示のこのカードを墓地へ送って発動できる。
このターン自分が受ける効果ダメージを1度だけ0にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
零海精ウルサン
ペンデュラム・効果モンスター
星3/水属性/水族/攻 600/守1900
Pスケール「6:6」
「零海精ウルサン」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方のPゾーンに「零海」カードが存在する場合に発動できる。
このカードを破壊し、自分の墓地の「零海」モンスター1体を選んで手札に加える。
『モンスター効果』
このカードは融合・S・X召喚の素材にできない。
「零海精ウルサン」の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリバースした場合に発動できる。
デッキから「零海」Pモンスター1体を手札に加える。
(2):エクストラデッキの表側表示のこのカードを墓地へ送って発動できる。
このターン、自分フィールドの「零海」モンスターの攻撃力は500アップする。
超重武者装留ブラスト・ザンバー
効果モンスター
星3/風属性/機械族/攻1000/守 0
(1):自分メインフェイズに自分フィールドの「超重武者」モンスター1体を対象として発動できる。
自分の手札・フィールドからこのモンスターを装備カード扱いとして装備する。
(2):自分フィールドの「超重武者」モンスター1体を持ち主の手札に戻して発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(3):自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、このカードの効果でこのカードを装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
零海の召喚陣
儀式魔法
「零海」儀式モンスターの降臨に必要。
「零海の召喚陣」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベルと同じになるように、自分の手札・フィールドのPモンスターをリリースし、自分の手札・墓地から「零海」儀式モンスター1体を儀式召喚する。
(2):自分エンドフェイズに墓地のこのカードをデッキに戻し、自分フィールドの「零海」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、デッキをシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。
零海氷壁
通常罠
「零海氷壁」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
そのモンスターの攻撃を無効にする。
その後、デッキから「零海」Pモンスター1体をエクストラデッキに表側表示で加える。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「零海」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、自分はデッキから1枚ドローする。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。