Side:弟


僕たちルウィー教会からの大会参加者は今現在ある試合を見ている。
ロム様に似た雰囲気のよう…げふん、少女――ユーヤ・B・榊と僕にさえあっさりやられた人が所属していたLDSの沢渡シンゴって奴の試合をね。
どちらもペンデュラム召喚という召喚法を使っていて注目を集めている。
まぁ、僕たちからしたら見慣れてるのだけれどもね。
あの少女がペンデュラム召喚を使う事は事前に知っていたけど、もう一人の方も使うなんてね。


「ねぇ…兄者はどう思う?」

「そうだな…両者とも中々素晴らしいデュエルを魅せてくれる。
 特に榊という少女の方は絶望的な状況に陥れられてなお、心折れずに笑顔のままで巻き返しているのがね。
 難を挙げるなら、やはり巨乳とはあまりにも程遠い所か。」

「そうだね、僕も兄者に同感だ。」


彼女のあの幼い体つきは頂けないよね。
しかも、同じような体つきでもロム様と違い…成長に期待できないだろうからね。
僕たち兄弟としてはそこがあまりにも残念だ。


「いや、それこそどうでもいいだろ…巨乳好きの変態兄弟。
 なぁ、2人とも黙って見てくれないか?ロム様もお怒りの様だし。」

「そうです、2人とも立場にあるまじき愚かな発言は慎んでください。
 とくに弟さん、あなたが観客を巻き込んで騒ぎを起こす原因となった事を忘れないでください…ぷんぷん。」

「む、色々と異議申し立てたいところですが…」

「ここは素直に謝りましょう…無礼な真似をして申し訳ありません。」


ロム様がお怒りとなっては僕たちとしてはそれを素直に受け入れるのみだね。
それに、僕たちのせいで会場に一騒動が起きてしまったからね。
教会の名を汚すような真似は慎んでおくとしようか。


「だけど、ブラン…こんなところで絶対に負けるな。
 もし無様に負けたようじゃ、お前に人生を奪われた俺の立場はどうなる?
 何より、この先の未来がお前にかかってくるはずだしな。」


だけど、同じ教会の仲間の『ファントム』と呼ばれるフードの少年はあのロム様にどこか似た雰囲気の少女に何を思い馳せている事やら。
僕たちが教会に入った時から既にいたのだけど、彼女との間に何があったのか気になるところだね。

それよりも今はこの試合を見届けさせてもらうとしようかな。
試合中の2人がともに楽しんでいるようで僕たちも心躍らせれるからね。










超次元ゲイム ARC-V 第27話
『決着、エンタメデュエル!』










ブラン:LP3500
ハードシェル・クラブ:DEF2100 ORU2


沢渡:LP3500
法眼の魔術師:ATK2000
賤竜の魔術師:Pスケール2
時読みの魔術師:Pスケール8



Side:ブラン


「…やるじゃねぇか。」


前のターンで沢渡のコンボの生命線であるオッドアイズをデッキへ飛ばす事に成功したのだけど…勝負はここからね。
カードの差ではターンの始まっていない今の時点でも向こうの方に分がある。
ハードシェル・クラブは頼もしい盾役なのだけど、無事に持つかわからない。
だからこそ、何があるかわからないこの緊張感にこそわくわくするんだ。
そして、観客のみんなもより楽しませなくちゃね。


「さて、オッドアイズには舞台裏に退場していただいたのだけれど…まだまだ魅せてくれるわよね?」

「当然だろ、何たって俺はネオ・ニュー沢渡だぜ?
 残念ながらオッドアイズは体調不良で舞台裏に戻ってしまったが、まだまだお楽しみはこれからだ!」

「「「エースが退場してもなお前向きなネオ・ニュー沢渡、最高!」」」


眩暈風によるデッキバウンスを体調不良とは言い得て妙ね。
思わぬ妨害さえもアドリブで面白おかしく表現したりと…エンタメデュエリストとして中々じゃない。


「それじゃ行かせてもらうぜ!俺のターン、ドロー!
 俺は手札から『奇術の魔術師』を召喚!」
奇術の魔術師:ATK1800


実はこのデュエルで沢渡が下級モンスターの通常召喚をするのは初めてなのよね。
さて、どこぞの怪盗っぽい雰囲気のこのモンスターは何をしてくれるのかしら?


「そして、奇術の魔術師の効果発動!
 このカードが召喚に成功した時、デッキから『オッドアイズ』カード1枚を手札に加えるぜ!」


そしてこの効果は召喚時に『オッドアイズ』カードを手札に加えるというシンプルで強力な効果みたいね。
単純に前のターンで戻したキャスト・ドラゴンを手札に戻すのかもしれないし、他にオッドアイズがあるのかもしれない。
それなら、ここは止めましょうか。


「体調不良で舞台裏に戻ったオッドアイズを戻すのは感心しないわよ。
 この瞬間、奇術の魔術師を対象に罠カード『ブレイクスルー・スキル』を発動!」

「げっ、その罠は!」

「よくご存じわよね、2枚のペンデュラムカードの代わりにあなたから頂いたこのカード…大事に使わせていただいているわ。
 この効果でこのターン、奇術の魔術師の効果を無効にする!」

奇術の魔術師:ATK1800(効果無効)


「あはは、ブランお姉ちゃんのあのカード…元々沢渡のだったんだね。」

「その代わりに貴重なペンデュラムカードを手放したとなるとあまり褒められる事じゃないんだがな。
 まぁ、それで手に入れたカードをブランが大事にしているのなら俺からは何も言えんわな。」

「LDSとの三番勝負でも大いに世話になっていたことはこの男、権現坂も覚えている。」


まぁ、元々沢渡のカードだとわかったら微妙な反応になるわよね。
何より、オレのデッキと合わなかったとはいえ貴重なペンデュラムカード2枚を手放した事が問題みたいだけど。
それは兎も角、サーチ効果は無効にさせていただいたわ。


「ちくしょう、元々俺のカードだったってのに…まぁ、そうくるとは思っていたぜ。」

「つまり、これは予想済みだったという事ね。」

「そういうこった。俺は賤竜の魔術師のペンデュラム効果を発動し、星読みの魔術師を手札に加えるぜ。」


前のターンに引き続き、エクストラのペンデュラムカードを回収してきたわね。
一体何をしてくるというのかしら?


「そして、魔法カード『マジカル・キャスト・チェンジ』を発動!
 手札の慧眼と星読みの2体の魔術師ペンデュラムを相手に見せてデッキに戻す!
 そしてシャッフル後、デッキから3枚ドローするぜ!」


成程、エクストラから加えたペンデュラム2枚を手札交換してきたみたいね。
オレのザリガニカブトと強欲なウツボのコンボみたいな事をしてくるのね。
さて、何かいいカードは引けたかしら?
来るなら来なさい…!


「行くぜ!まずはセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚!
 まずはレベル5『針盤の魔術師』!そして舞台に舞い戻れ、双色の眼の竜よ!レベル7『魔術師竜オッドアイズ・キャスト・ドラゴン』!!」

『ハァァッ!』
針盤の魔術師:ATK1400

『ガァァァァァァァ!!』
魔術師竜オッドアイズ・キャスト・ドラゴン:ATK2400



『おぉーっと!沢渡選手、このドローで前のターンでデッキに戻ってしまったオッドアイズを見事引き当てていた!』


このドローでオッドアイズを素で引いてくるとはね。
ペンデュラム召喚じゃ真価を発揮できないけど。
そしてまたしても見慣れないモンスターが1体でてきたわね…どんな効果があるのかしら?


「手札からペンデュラム召喚した針盤の魔術師の効果を発動!
 このターンの間、俺の場の『魔術師』ペンデュラムの全ての攻撃力は700アップするぜ!」

魔術師竜オッドアイズ・キャスト・ドラゴン:ATK2400→3100
法眼の魔術師:ATK2000→2700
奇術の魔術師:ATK1800→2500
針盤の魔術師:ATK1400→2100



ペンデュラム召喚した際に全体強化…!
ここで3体がハードシェル・クラブの守備力を超えてきたわね。


「うち3体がハードシェル・クラブを破壊できるようになったわけね。」

「ちっちっち、まだまだこんなもんじゃないぜ?
 さらに針盤の魔術師がいる時、俺の場の魔術師ペンデュラムはさらに攻撃力が300アップし、貫通効果も得る!」

魔術師竜オッドアイズ・キャスト・ドラゴン:ATK3100→3400(貫通効果付与)
法眼の魔術師:ATK2700→3000(貫通効果付与)
奇術の魔術師:ATK2500→2800(貫通効果付与)
針盤の魔術師:ATK2100→2400(貫通効果付与)



「実質全体攻撃力1000アップ…!?」

「しかも全員貫通効果もちって…!」

「このままじゃブランのライフが削られてしまうわ!」

「しかも、ハードシェル・クラブの破壊耐性も基本的に2回まで…追い詰められましたね。」


マジかよ…流石に実質全体1000アップに全員貫通持ちのこの状況は厳しいわね。
貫通効果と4連攻撃で一気にオレのライフを削る算段と言うわけね。
成程、確実に追い詰められているわね…だからこそ心躍る。
いいわよ、受けて立つ!


「そして、時読みの魔術師のペンデュラム効果だが…覚えているよな?」

「ええ。自分のペンデュラムモンスターが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで罠カードを発動できない…だったわよね?」

「ご名答、そしてオレの場のモンスターは全て魔術師のペンデュラムモンスター。
 つまりお前は攻撃時に使用する罠を一切使えないってことだ。」


中途半端にしか使えなかったオレより、そのポテンシャルを引き出せてる沢渡の手に渡って本当に幸せ者ね。
まぁ、関連カードはレオ・コーポレーション製だろうけど。


「元々持ってたブランお姉ちゃんよりその特性を引き出してるじゃん!痺れすぎてやべぇぜ!」

「正にここが正念場のようだ。」

「追い詰められただろうが、最後まで諦めず熱血だ…ブラン!」


客観的に今の状況を見てみるとかなり拙いわね。
時読みの魔術師のペンデュラム効果で、こちらが迎撃の罠を使えない。
このままじゃハードシェル・クラブも耐えきれず、ここでゲームオーバーね。
でも、このピンチな状況はオレとしても盛り上げ甲斐があるというものよ。


「さて、今度こそ決めさせてもらうぜ!バトルだ!まずは法眼の魔術師で攻撃!」


――ドガッ!


「あうっ…ハードシェル・クラブが破壊される場合、素材1つを身代わりにできる!」
ブラン:LP3500→2500
ハードシェル・クラブ:DEF2100 ORU2→1



「続いて、奇術の魔術師で攻撃!」


攻撃されてる間にアクションカードは取っておきたいのだけど…攻撃を受けてる最中じゃ高い所のアクションカードは厳しいわね。
ハードシェル・クラブもダメージを受けてて身動きがとれないのよね。
ならば、奇術の魔術師の攻撃の衝撃でアクションカードを…!


――ボォォォッ!


「くあっ…ハードシェル・クラブは素材をもう1つ使い、フィールドに残る!」
ブラン:LP2500→1700
ハードシェル・クラブ:DEF2100 ORU1→0



ああっ…こっちにアクションカードを引き寄せるはずが無情にも沢渡の方に…!


――ぱすっ。


「…!」


当然、沢渡がこの好機を見逃すはずがなくアクションカードを取っていったか。
アクションカード次第だけど、正に絶体絶命ね。
このターン中はもう取る事が出来ないから。


「おっと、悪いな…アクションカードは頂いたぜ。
 次は針盤の魔術師でハードシェル・クラブを攻撃!
 ハードシェル・クラブにはもうオーバーレイ・ユニットはないから破壊するぜ!」

「ああぁっ…!」
ブラン:LP1700→1400


「あの少女の守りの要のハードシェル・クラブがやられたようだね。」

「次の攻撃も魔術師ペンデュラム…時読みのペンデュラム効果でブランは攻撃時に罠を発動できない。」

「そして、アクションカードも取れなかったとなると…崖っぷちのようだ。」


そして素材がないハードシェル・クラブはこの攻撃には耐えられずに撃沈。
次が本当の正念場だ…!


「さてと、これでフィニッシュと行こうか!
 魔術師竜オッドアイズ・キャスト・ドラゴンで攻撃!終わりだぁぁぁ!!

「ああっ!この攻撃が通ったら、ブランは…!」


とりあえず…!


「まだまだこんな楽しい時を終わらせるつもりはないよ!
 この瞬間、リバースカード発動!速攻魔法『水神の宝冠』!!」

「「「「おおっ!?」」」」

「そうか、速攻魔法なら…!」

「んなっ…罠じゃなかったのか!


誰もこの伏せカードが罠とは言ってないわ。
伏せてあったカードが相手の戦闘時に発動するような罠だったらアウトだったわね。
でも、伏せてあったのは…速攻魔法というわけだ。


「このカードは自分ターンと相手ターンで効果が異なるカード。
 相手ターンでは直接攻撃宣言時に墓地の水属性エクシーズを蘇らせ、このカードを素材にする効果がある!
 よっと…この効果で甦らせるのは『ハードシェル・クラブ』!また一仕事お願いするわ!」

『フゥゥ…!』
ハードシェル・クラブ:ATK2100 ORU0→1



「「「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」」」

「おっ、ここでハードシェル・クラブを素材付きで蘇生してきたか!
 あのエクシーズが役に立っているようで、あげた僕としては光栄だよ。」

「そうだな、いい粘りを見せてるな。」

「あの時、私たち3人に挑んできたときよりもいい顔つきになってきてるね。」


『おぉぉぉっと!ここで榊選手、素材付きでハードシェル・クラブを蘇らせてきました!
 これはまだまだ一波乱が期待できそうです!』



よし、観客の興奮もいい感じになって来たわね。
だけど、このターンで俺ができるのはここまで。
後は…沢渡がどうでるかにかかっているわけだが。
ま、何があろうとその結果を受け止める気概は見せなきゃね。


「流石に粘るな…だが、貫通効果で大ダメージは免れないぜ!
 オッドアイズ・キャスト・ドラゴンでハードシェル・クラブを攻撃だ!」


――ビュオォォォォォ!!


うわぁぁぁぁぁっぁぁ!!くっ!」
ブラン:LP1400→100
ハードシェル・クラブ:DEF2100 ORU1→0


「だけど、ハードシェル・クラブは素材1つを身代わりに場に残る。
 さてと、ここからどうするのかしら?」

「ちっ、凌がれたか…命拾いしたようだな。
 まぁ、そう来てくれなきゃ歯ごたえがないけどな…ふはは、俺も楽しくて仕方ねぇ。
 フィールド・ライフ共に俺が圧倒的有利な中でどこまで足掻き、盛り上げられるか魅せてもらうぜ。
 俺はカードを1枚伏せてターンエンド!
 この瞬間、針盤の魔術師の第一の効果が終了し、攻撃力が700ずつダウンするぜ。」

魔術師竜オッドアイズ・キャスト・ドラゴン:ATK3400→2700
法眼の魔術師:ATK3000→2300
奇術の魔術師:ATK2800→2100
針盤の魔術師:ATK2400→1700



『榊選手、崖っ縁に追い詰められた中で沢渡選手の猛攻を見事しのぎ切りました!』

「おお、ガチの戦いだ。」

「沢渡優勢だけど、いい勝負じゃない。」

「ブランもこのデュエルでまた進化してる気がする。」

「そして、ちゃっかりした所もあるとはいえ沢渡も中々やる…」


そして、大量展開からの猛攻をしのぎ切った事で観客が盛り上がってる。
だからこそ、オレもそれに応えなくちゃ。


「わたしを見守っていてくれたから、この猛攻を耐えられたわ!みんな、ありがと!」

「って、ふざけんな!お前が客席盛り上げてるんじゃねぇよ!アクションカードも取れなかったくせに!」

「だって、これがオレのデュエルスタイルだもの!」


本当ならあのアクションカードも取るつもりだったのだけれどもね。
攻撃の誘導に失敗してああなっちゃったけど…アクシデントはショーにつきものだから仕方ないね。
それをいかに乗り越えるかが腕の見せどころじゃない。

さてと、沢渡が全体バフからの総攻撃を見せたところで…今度はオレの番だ。
もっとも残ったライフは100だし、ここで決めるしかないわよね。
手札に残ったこのカードだけじゃあまりに厳しいけど…とりあえず考えるのは後にね。
会場も熱気に包まれた事だし、何事も前向きでいけばなんとかなる。
よし、まずはターンを始めない事にはね。


――パチッ!


レディースアーンドジェントルメン!
 さて!皆様、何が起こるかわからない奇想天外なショーを改めてお送りいたします!
 では…わたしのターンです、ドロー!!」


実際は色々と分が悪いけど、言ってしまった以上は引き下がるわけにはいかないわ。
引いたカードは…よし。
この土壇場でデッキが応えてくれてる…だから、オレも全力を尽くさないとね。


「まずは、スケール4の『甲殻奏者ロブスター・ハープ』をペンデュラムゾーンにセッティングします!」
甲殻奏者ロブスター・ハープ:Pスケール4


「え、ペンデュラムゾーンのは1枚だけ…?」

「ペンデュラム召喚しないの?」

「恐らく、あのペンデュラムカードに何かあるんだろ?
 見た事ないカードだけど。」


そもそも、ペンデュラム召喚だけが取り柄じゃないのは沢渡やオレのプレイからも理解できたはず。
モンスターと魔法の特徴が合わさっているのもペンデュラムカードの魅力。
今からそれを使って盛り上げる…最終的にどう転ぶかは自分でもわからないけど。


「おっと、ペンデュラムカード1枚じゃペンデュラム召喚はできないぜ?」

「当然承知です、ペンデュラムカードはペンデュラム召喚するためだけのカードではありませんから。
 奏でよ、美しき旋律!ロブスター・ハープのペンデュラム効果を発動!
 このカード自身を破壊する事で、手札からレベル3の水属性モンスター1体を特殊召喚します!
 美しき旋律が導き、手札から『ウォーター・ペインター』を特殊召喚!」
ウォーター・ペインター:ATK900


これでエクストラデッキに高レベルモンスターを送り、手札からモンスターを特殊召喚させてもらったわけだ。


「ペンデュラムカードを自ら破壊して呼び出したのはレベル3のモンスター1体…?」

「別に普通に召喚してもよかったんじゃない?」

「いや、あのモンスターは…?」


確かに、通常召喚でも効果は使えるのだけれどもね。
ただ、後に繋ぐことを考えると召喚権を使ってしまうのは少し具合が悪いだけ。


「今わたしがやった事に疑問を覚える人もいるかもしれませんが、その理由は後でわかるかもしれませんよ。
 ウォーター・ペインターと水属性のハードシェル・クラブをリリースし効果発動!
 これにより、デッキから2枚ドローします!
 何が来てくれるのかはわかりませんが、きっと素晴らしい光景が描かれるはずです…行きます、ドロー!

「オーバーレイ・ユニットを使い切ったエクシーズをコストにしただと…!」

「それだけじゃないぞ、あのエクシーズのもう1つの効果の発動条件が満たされた。


そして、引いたカードは……来た!


「ほう?その顔…どうやら何か引き当てたみたいだな?来いよ、迎え撃ってやるぜ!」

「慌てないで、お楽しみの前に水属性の効果のコストで墓地へ送られたハードシェル・クラブの効果を発動!
 デッキから水属性・レベル3以下の魚族モンスター『プランク・ロブスター』を手札に加えるわ。」


さて、準備ができたところで…ここら辺でクライマックスの幕開けと行こうか。


「さあ、お楽しみはここからだ!
 ここでチューナーモンスター『霊媒の魔術師』を召喚!」
霊媒の魔術師:ATK500


「ここでチューナーモンスターを召喚!?」

「でもシンクロ召喚はもう1体フィールドにモンスターがいないとできないよね?」

「一体…何をしようと言うんだ?


まぁ、初見の人は困惑するわよね。
でも、ここから凄い事ができるんだ…いよいよ、オレの5連戦の成果を見せる時!


「霊媒の魔術師が召喚に成功した時に効果を発動!
 このカードをシンクロ素材とする場合、なんとエクストラデッキから水族の表側表示のペンデュラムモンスター1体もシンクロ素材にできます!」

「何!?」

フィールドではなく、エクストラのペンデュラムを素材にシンクロ召喚!?

「そんなのってアリ!?」

「来るわ、ブランの新しい切り札!…あたしは知ってるけど。


そうだ、なんたってペンデュラムのその先というくらいならこれくらいやらないとね。


「へぇ、中々凄いことしてくるみたいだね。」

「こんな大技もあるのですね、わくわく。」


ルウィー教会の参加者も注目してるのね。
だったら、その期待に応えなきゃ。


「行きます!わたしはエクストラデッキのレベル7ペンデュラムモンスターのロブスター・ハープにレベル3の霊媒の魔術師をチューニング!
 交信の魔術よ、閃光と共に甲殻の鎧に今宿らん!シンクロ召喚!出でよ、レベル10!魔術纏いし『甲殻魔将ルーンシェル・P・(ペンデュラム)ロブスター』!!」

『ヌゥゥゥゥン…ウォォォォォォォ!!』
甲殻魔将ルーンシェル・P・ロブスター:ATK3000


――ゴォォォォォォン!!


「ぐぅぅっ…なんだ?召喚しただけでこの衝撃!?」

「実は自分でもなぜこんな事が起きるのかはわかりません。
 でも、これがわたしが皆さんにお披露目するペンデュラムのその先…『ペンデュラムシンクロ』です!」

『ペンデュラムの性質を利用し、ここで榊選手がエクストラデッキのペンデュラムを素材にしてのシンクロ召喚を決めました!
 これで両選手ともに切り札となるモンスターを従えて対峙致しました!』



沢渡にペンデュラムカードを渡したであろう赤馬零児は、これを見てどう反応するかしらね?
間違いなくこの試合を見てるだろうけど、少しはあなたに近づけたと自負しているわ。









――――――








Side:零児


「ふむ…今、ユーヤ・B・榊はアレをなんと言った?

「はい、ペンデュラムのその先…『ペンデュラムシンクロ』と。」


どうやら彼女は何か思い違いをしているようだ。
ペンデュラムモンスターの性質を利用している事は間違いないが、あれはペンデュラム召喚のその先ではない。
何より肝心のペンデュラム召喚を利用したものではないからな…別の方向性の何かと言わざるを得ない。


「中島、あれは『ペンデュラムシンクロ』などではない。
 強いて名づけるなら…『エクストラシンクロ』とでも呼ぶべきか。
 どうやら、彼女は我々が考えていたものとは違う道を歩んでいるらしい。」


どうも、彼女と私とではペンデュラムに対する意識が違うらしい。
彼女がこのデュエルでシンクロ・エクシーズの2つの召喚法を引っさげてきているが、ペンデュラム関連の準備の一環としているようにも見えた。
どうやら、ペンデュラム召喚でモンスターを並べてその2つの召喚に繋げるプレイングを好んでいないようだ。
無論…実際はした事もあるだろうが、あまり意識はしていない事は伺える。

もっとも、これはこれで結構。
あまり汎用的なものとはいえないが、華やかさと実用性は十二分にある。
ペンデュラム召喚そのものではなく、エクストラデッキへ送られるというペンデュラムモンスターの特徴的な性質に目を付けていて面白い。
それを踏まえて、沢渡シンゴとのデュエルの行く末を見届けるとしよう。








――――――








Side:ブラン



「ペンデュラムモンスターの性質を利用したシンクロ召喚とは凄い事やってくれるじゃねぇか。
 だが、一つ物申しておくぜ…これがペンデュラムのその先ってなんだオイ!
 そもそもこれ、ペンデュラム召喚そのものは関係ないだろ!

「そう言われればそうだよね。」

「むぅ…ペンデュラム召喚はしていなくても、ペンデュラムのエクストラデッキに行く性質はきっちり利用しているわ。」


ペンデュラム召喚自体は関係ないと言われるとちょっと弱いわね。
でも、ペンデュラムの性質は利用してるからペンデュラムのその先とは言えると思うわ。
ペンデュラム召喚を期待していた人には肩すかしかもしれないけどね。


「ここで、先ほど手札に持ってきたスケール7の『プランク・ロブスター』をセッティング!」
プランク・ロブスター:Pスケール7


「プランク・ロブスターのペンデュラム効果を発動します!
 これによりレベル5以上の水族モンスターのルーンシェルの攻撃力を500アップします!」
甲殻魔将ルーンシェル・P・ロブスター:ATK3000→3500


「さらに、墓地の『ブレイクスルー・スキル』を除外してもう1つの効果を発動!
 これにより、魔術師を全体強化する針盤の魔術師の効果を無効にさせていただきます!」

「ここでブレイクスルー・スキルのもう1つの効果だと…?」
魔術師竜オッドアイズ・キャスト・ドラゴン:ATK2700→2400
法眼の魔術師:ATK2300→2000
奇跡の魔術師:ATK2100→1800
針盤の魔術師:ATK1700→1400



これで準備は整った…名残惜しいけどここで決めておかないとね。


「名残惜しいですが、そろそろフィナーレの時が近づいてまいりました!
 ルーンシェル・P・ロブスターはエクストラのペンデュラムを素材にシンクロ召喚したターンは相手の効果を受けません。
 そして、シンクロ召喚したこのカードは1度のバトルフェイズに3回までモンスターを攻撃できるのです!」

「何だと!?エクストラデッキから直接素材にして出す事に意味があったのか!」

『そして、ルーンシェルの超絶効果と攻守増減のサポートで今度は榊選手が決めに行くようです!
 沢渡選手、この猛攻を耐え凌げるか!』



とはいったものの、沢渡の持つアクションカードは恐らくは防御系。
しかも、針盤の魔術師は眩暈風の効果で戻してくるはずだから、上手くいく保証はないのよね。
つまり、ここからは駆け引きの勝負となるわけだ。
アクションカードを探すのも考慮してルーンシェルに乗っておく。


「勝負だ、沢渡!」

「いいぜ…望むところだ、来な!」



そして、沢渡もエースのオッドアイズに乗って併走状態になった。
ルーンシェルに怖気づくことなく勝負に乗ってくれて嬉しいわ。
さて、行くよ!


「バトル!ルーンシェルの一回目の攻撃!まずは針盤の魔術師を攻撃!」

「おっと、こいつはやらせねぇよ。
 永続罠『魔術の眩暈風』の効果で針盤の魔術師を手札に戻すぜ!」

「そうくるでしょうね、それなら攻撃対象を奇術の魔術師に変更!『シャイニー・シュラーク』!!」


――ドガァァァァ!!


「ぐはっ…!」
沢渡:LP3500→1800


やっぱり、針盤は戻してきたわね…次のターンで一気に決めるために。
ちなみに沢渡が乗っているオッドアイズは敢えて攻撃していない。
こういうのは外堀から攻撃してこそ盛り上がるというものよ。


「だが、奇術の魔術師が戦闘で破壊された事で効果が発動し、オレのライフは500回復する。」
沢渡:LP1800→2300


実質、ダメージを減らされたみたいね。
でも、ルーンシェルの攻撃はあと2回残っているわ。


「続いて、法眼の魔術師にルーンシェルの2回目の攻撃!」


――ドガシャァァァァ!!


「ぐえぇえっ…!」
沢渡:LP2300→800


この攻撃は通った…問題は次。
沢渡はアクションカードも1枚の伏せカードもまだ使っていない。
沢渡だからと言って、次の攻撃で何もないとは考えにくいわね。
それなら、アクションカードを取りにいかないと拙そうね。
そしていよいよ切り札への攻撃!


「これで決めるよ!今度はオッドアイズ・キャスト・ドラゴンに3回目の攻撃!『連撃のシャイニー・シュラーク』!!」

「そうはいかねぇぜ?ここでアクションマジック『カレイド・ガード』をオッドアイズを対象に発動!
 これでこのターンに1度だけ対象のモンスターの戦闘で発生する戦闘ダメージは0になり、同様に1度だけ戦闘破壊もされない!
 ルーンシェルの耐性もこういう効果には無意味のようだからな。」

『おっと、沢渡選手…前のターンで拾ったアクションカードで戦闘破壊とダメージの両方を回避してきた!』

「そうね…それなら!」


そして、ルーンシェル自身にかからなければ、問題なく使える事は見抜かれていたわね。
だけど、前の方にアクションカードが見えてきた。
微妙に沢渡の方が近いけど、ルーンシェルの攻撃が防御態勢に入ったオッドアイズに炸裂する前に一か八か!


『ここにきて、榊選手の猛攻を沢渡選手が防ごうとする中でアクションカードが見えてきたぞ!
 果たしてこのカードが勝負の行方を左右するというのか!』


「なんかすげぇ興奮してきたぞ!」

「もう、どっちが勝ってもいいな!」

「むしろ、二人とも勝たせたい!」

「そうだ、二人ともがんばれ!!」


ここにきて観客の興奮も最高潮に差し掛かって来た!
ここでオレが押し切るか、それとも沢渡が守りきりオレにトドメを刺すか…!
なお、当然のように沢渡もこのアクションカードに気付いている。
ちょっと距離が微妙だけど、そろそろ動かなきゃね!


「であぁぁぁぁあ!!」

「取らせてたまるかよぉぉぉぉぉ!!」


跳んだのは同時…!
くっ、オレは恐らくあのアクションカードに素手ではぎりぎり届かない…!
でも、最後まであきらめてたまるか!だから…!


――バサッ!


「んなっ!?」

『おお!ここで榊選手、いつの間にか手に持った小さい旗を操りアクションカードの位置を微妙にずらした!
 沢渡選手、惜しくもアクションカードをつかみ取れませんでした!』



せめて小さい旗を使って相手の動きに注意しながら巧くずらす!
取る前には攻撃は終わってるだろうけど、位置がずれた事で見えたのは…!
トラップ!?…待てよ、この絵のは確か…?


――ズドォォォォン!!


ここで攻撃が炸裂したけど、ダメージもなくオッドアイズの破壊も失敗したわね。
そして、お互いにモンスターから降りた格好になったけど…!


「まさか、アクションカードをずらされるとは思いもしなかったが…攻撃は届かなかったわけだ。
 さあ、最後に盛り上げるのはこのネオ・ニュー…」


この口ぶりからして、少なくともアクションカードがトラップである事を知ったみたい。
だけど、あのカードの一瞬見えたイラスト…よし。


――ぺらっ。


「それはどうかな?」

「え…?」

「「「「「「「見得きっといてそれ!?」」」」」」」

「って、何っ!アクショントラップを取っただと!?
 ははっ!残念だったな、そのカードは『イリュージョン・ファイアワークス』
 この効果でお前はモンスター1体を破壊しなければならず、ルーンシェルには退場してもらうぜ!」

「…ルーンシェルを破壊する。」


――ヒュゥゥゥゥゥン…バァァァァン!!


『おっと!榊選手、アクショントラップを引いてしまった事で自らルーンシェルを花火に変えてしまったぁぁぁ!』

「あらら…まぁ勝負と言うのはこんなものだね。」

「でも、きれい。」

「待って!あれを見て…!」


甲殻神騎オッドシェル・P・ロブスター:ATK2500


「すごい…花火の中から今度はオッドシェルがでてきた…!」

「ブランお姉ちゃん、すっげぇ痺れるぜ…!」

「んなっ、マジかよ!」

『おぉーっと、あの花火の中から突如として榊選手のエースモンスターが姿を現しました!
 何をしたのかはまだわかりませんが、凄まじいエンタメを魅せてくれてる事は確かです!』



決まった、上手くいったわね。
ここで、何をしたのかと言うと…


「アクショントラップさえも上手く利用してこそ、一流のエンタメデュエリスト…そうは思わないかしら?
 シンクロ召喚したルーンシェルがフィールドから墓地へ送られた場合、エクストラデッキから表側表示の『ロブスター』ペンデュラム1体を特殊召喚できる。
 ガリデス・ギルマンでオッドシェルをエクストラに仕込んでいたのがここに来て活きてきたわ!」

「そんな効果まであったのか…アクショントラップを利用するとはやってくれるじゃねぇか!
 ってか…お前、いくらなんでもやる事派手すぎだ!


派手でいいのよ。
だけど、最高の盛り上がりの中でお互いのエースが再び揃い踏みね。
やっぱり、最後はお互いにエースで決めてこそ燃えるわよね。
もうアクションカードは取ったから、このターンは拾えない。
後は沢渡の1枚の伏せカード…そして、オレの手札1枚がどう絡むかで勝負が決まる!


『ここにきて、改めてお互いのエースモンスターが再び対峙!
 攻撃力では沢渡選手のエースがやや不利ですが、両雄激突の行く末はいかに!』


「となると、ここで決着を付けるわけだろ?
 いいぜ、お前にはもう後がないだろうしな。」

「ここで決めないとね!だから、この一撃に全てを込める!」


沢渡の口ぶりから迎撃が来るとわかっていても、ここは賭けに出る。
文字通り、どちらに勝利の女神がほほ笑んだとしても勝負を決める一騎打ちとなるだろう。
だけど、不思議と落ち着いていられる…よし、行くぜ!


「バトルだ!オッドシェル・P・ロブスターでオッドアイズ・キャスト・ドラゴンに攻撃!」

「はっ!俺の効果を受けないというルーンシェル以外のモンスターが攻撃するこの時を待っていたんだぜ!
 俺の場に魔術師ペンデュラムがいる事で永続罠『振り子の魔術結界』を発動!」

「永続罠…!?」

「沢渡もまだやってくれるようだぜ…!」


やはり迎撃の罠を仕掛けていたか。
ルーンシェルではなくオッドシェルになった事で発動してきたみたいね。


「このカードが存在する限り、お前のモンスターの攻撃力は全て500ダウンするぜ!
 つまり、お前のオッドシェルはこれで返り討ちだ!」

「ブラン!!」


確かにこのままなら返り討ちね。
でも、そうはいかないわ。
何より、オレの手札の最後1枚は…正にこの状況のためにあるようなカードなのだから。


「ここで手札から速攻魔法『ウェーブ・ツイスター』を発動!」

「!?」


――シュバァァァァァ!!


『沢渡選手が結界を張ってオッドシェルを返り討ちにしようとする最中、榊選手の放った激流の竜巻が結界を吹きとばしてしまいました!
 そして、残った水しぶきが外灯の光に照らされ、美しい街を彩っております!』


「すごい…」

「綺麗…」


先に実況のニコに解説されたわけだけど、沢渡の永続罠を吹き飛ばしたのよ。


「このカードは水族モンスターが存在する場合のみに発動でき、フィールドの魔法・罠カード1枚をデッキに戻すカード。
 これで、あなたの魔術結界は吹き飛ばさせてもらったわ。」

「最後の最後でまた派手な事しやがって…くぅぅ!」


だから悔しがるところが違う気がするけど…まぁいいか。


「これで攻守の変動はなし!最後はエースで決めるよ!『螺旋のシュトロム・シュラーク』!!」


――バッシャァァァン!!


「ぐああっ!しかも、これは…!」
沢渡:LP800→700


さて、噛ませが板についてきてしまった感があるオッドシェルだけど…効果はみんな覚えてるわよね?


「さて、ここでオッドシェル・P・ロブスターのモンスター効果を発動!
 このカードが戦闘破壊したモンスターをデッキに戻し、相手に1000ダメージを与える!これでトドメだ!」


――ザッバァァァァァァアン!!


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
沢渡:LP700→0


『決まったあぁぁぁぁぁ!!本日最後の試合の勝者は…ユーヤ・B・榊選手です!!』

「「「「「「やったー!!」」」」」」

「2人ともお見事です。」

「いいエンタメデュエルを見させていただきました。」

「「「「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」」」」


よし、最後はきっちり決められたぜ。
この観客の盛り上がりや声援、そしてプレイしててワクワクする一進一退のデュエル。
この感覚、本当に最高だ。
それに、オッドシェルがフィニッシャーだったのも久しぶりな気がするわね。


「う…うぅ…」

「いいデュエルができたわ…ありがと。」

「ふんっ、お前には言いたくなかったが…ま、楽しかったぜ。」


そう、それならとてもよかった。
正直最後まで自分でもヒヤヒヤしたけど、エンタメデュエルらしいいいデュエルができて本当に楽しかった。
沢渡がオレを全力で潰す中でもエンタメしてくれたからこそ盛り上げられたと思う。
そう考えると、沢渡にペンデュラムカードを渡してライバル心を燃やさせた甲斐があったわね。
それじゃ、最後にアレと行きますか。


「本日は沢渡シンゴとこのわたし、ユーヤ・B・榊によるエンタメデュエルショーをご覧いただき…誠にありがとうございました!」


敢えて沢渡の名を先に言う事で謙虚さを表せたらいいわね。
そして、沢渡にアイコンタクトで合図し…お互いに観客に向かって礼をする。
エンターテイナーだからこそ、最後の一礼も大切よ。


――パチパチパチパチ!!


「またお前に挑ませてもらうぜ、次は負けないからな。」

「ええ、楽しみにしているわ。」


こうして無事に舞網チャンピオンシップの一日目は盛況の中で幕を閉じた。
この調子で2回戦目も頑張らなきゃね。
そして明日は柚子、権現坂、里久の順に一気に身内が試合を行われるわね。
先陣を切ったオレは無事に勝ち進めたけど、3人ともがんばって。














 続く 






登場カード補足






甲殻奏者ロブスター・ハープ
ペンデュラム・効果モンスター
星7/水属性/水族/攻 800/守2600
Pスケール「4:4」
「甲殻奏者ロブスター・ハープ」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを破壊し、手札からレベル3の水属性モンスター1体を特殊召喚する。
『モンスター効果』
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの「甲殻」モンスターは1ターンに1度だけ効果では破壊されない。



針盤の魔術師
ペンデュラム・効果モンスター
星5/地属性/魔法使い族/攻1400/守1600
Pスケール「6:6」
(1):もう片方のPゾーンに魔術師モンスターが存在する場合、自分フィールドの「魔術師」Pモンスター1体をリリースして発動できる。
デッキからリリースしたモンスターよりレベルが1つ高い「魔術師」Pモンスター1体を手札に加える。
『モンスター効果』
(1):「針盤の魔術師」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):このカードが手札からのP召喚に成功した場合に発動する。
このターン、自分フィールドの「魔術師」Pモンスターの攻撃力は700アップする。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの「魔術師」Pモンスターは攻撃力が300アップし、守備表示モンスターに攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。



奇術の魔術師
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守1000
Pスケール「8:8」
(1):もう片方のPゾーンに「魔術師」カードが存在しない場合、自分はP召喚できない。
この効果は無効化されない。
『モンスター効果』
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「オッドアイズ」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが戦闘で破壊された場合に発動する。
自分は500LP回復する。



マジカル・キャスト・チェンジ
通常魔法
「マジカル・キャスト・チェンジ」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):手札の「魔術師」Pモンスター2体を相手に見せ、デッキに戻してシャッフルする。
その後、自分はデッキから3枚ドローする。



振り子の魔術結界
永続罠
「振り子の魔術結界」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
自分フィールドに「魔術師」Pモンスターが存在する場合、自分メインフェイズまたは相手モンスターの攻撃宣言時にこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、相手フィールドのモンスターの攻撃力は500ダウンする。
(2):自分メインフェイズに自分のPゾーンの「魔術師」カード2枚を対象としてこの効果を発動できる。
このカードと対象のカードを破壊する。
その後、自分はデッキから2枚ドローする。



水神の宝冠
速攻魔法
「水神の宝冠」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):発動ターンによって以下の効果を発動できる。
●自分ターン:自分フィールドの水属性のXモンスター1体を対象として発動できる。
自分の墓地の水属性モンスター1体を選び、対象のモンスターの下に重ねてX素材とする。
●相手ターン:相手モンスターの直接攻撃宣言時に自分の墓地の水属性・ランク3以下のXモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、このカードを下に重ねてX素材とする。



ウェーブ・ツイスター
速攻魔法
(1):自分フィールドに水族モンスターが存在する場合、フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主のデッキに戻す。



カレイド・ガード
アクション魔法
(1):自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターンに1度だけ、そのモンスターは戦闘では破壊されず、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは1度だけ0になる。



イリュージョン・ファイアワークス
アクション罠
(1):自分フィールドのモンスター1体を選んで破壊する。