温泉旅行にISEXVSのクラブ戦、釣りにゲーセン荒らしなど中々に濃い日常を過ごしていたゴールデンウィークも遂に最終日。
その最終日に一夏達はと言うと――


「見えてきたぜサブカルワールド!!」

「此れは、予想していた以上に大きいですね?」


羽田空港から『ラビットカンパニー』のプライベートジェットを飛ばして大阪にある漫画やアニメやゲームをメインにしたテーマパーク『サブカルチャーワールド大阪』、通称『サブカルワールド』へとやって来た――『GW最後の日はこのメンバーで思いっきり遊びたい』と言った鈴の要望もあり、GW最終日はUSJにやって来たのである。
本日サブカルワールドにやって来たのは一夏とヴィシュヌと円夏、鈴と乱と箒、そして……


「『折角のGWなんだから一日くらい一緒に過ごそうぜ』と言われて一緒に来てみれば、まさかサブカルワールドとはな……まぁ、テーマパークなど十年前に天羽組長から『偶には姉弟で楽しんで来なさい』とディズニーのチケットを貰って以来だ。」


千冬である。
一夏と円夏から『折角のGWなんだから一緒に出掛けよう』と何度も言われて最終的に折れる形でGW最終日にサブカルワールドへとやって来たのだが其の顔には笑みが浮かんでおり、一夏と円夏と共に休日を過ごせる事に嬉しさを感じているようだった。

そして一行は入場ゲートを抜けて中に入ったのだが――


「入場早々ミャクミャク様ですか?」

「イキナリ万博仕様のガンダムがお出迎えってか!」


ゲートを抜けた先には大阪万博終了と共にお役御免となったマスコットキャラクターの『ミャクミャク』の立体像と、『万博仕様の1/1スケールガンダム』がお出迎えしてくれた。
ミャクミャクが何とも言えない奇妙な魅力があるので一部では絶大な人気を獲得しているのだが、世界的に大人気のガンダムはその比ではなく、リアルサイズのガンダムの前には多くの人だかりが出来ていた。


「これを実際に目にすると、中国にあるフリーダムが如何に出来が悪いかが良く分かるわ。」

「そんなに中国のフリーダムは悪いのか鈴?」

「悪いなんてもんじゃないわよ一夏!
 アレはぶっちゃけ旧MGモデルをそのままリアルサイズにしたとしか思えないわよ!顔は横長でイケメンじゃないし、胴長だし、翼も展開しないし……下手したら種ファンが暴動起こすわよ!?」

「そこまでかぁ……アレをベースにしたフルメカニクスのフリーダム買わなくて良かったぜ。」


それを見た鈴は中国本土にあるリアルサイズのフリーダムガンダムに大層不満があったようだが、其れは其れとしてGW最終日はサブカルワールドでの一日が幕を開けたのであった。









夏と銀河と無限の成層圏 Episode17
『GW最終日~Genießen Sie den Vergnügungspark~』










サブカルワールドに入場した一夏達はまずミャクミャク様とガンダムの前で記念撮影を行ってからアトラクションに繰り出し、ジェットコースターをはじめとしたテーマパーク定番のアトラクションを楽しんだ後に、施設内にあるゲームセンターへと足を運んでいた。
最近のゲーム事情により、このゲームセンターもアミューズメントゲームがメインとなっているが、筐体型のビデオゲームもそこそこの数が設置されているのでレトロゲームファンも楽しめるようになっているのだ。


「行くぞ兄さん!私の『ベジータ一族デッキ』に勝てるかな?」

「ベジータ王、超4ベジータ、破壊王子ベジータ、ベジータブルーに超3トランクスか……だが甘い!コイツが俺の悟空一族デッキだ!!」

「こ、これは……身勝手悟空、ビースト悟飯、超4バーダック、超3ラディッツ、そしてサポートにギネだとぉ!?」


一夏と円夏は筐体型カードゲームの『ドラゴンボールスーパーダイバーズ』でガチンコ勝負を行っており、アミューズメントゲームでは鈴と乱と箒がクレーンゲームで景品を取りまくり、ダンスゲームではヴィシュヌがエキスパートステージを全ステージノーミスクリアの偉業を達成し、千冬はと言うと……


「パンチングマシン……大分久しぶりだが腕が鈍ってないかを確かめるにはちょうどいい。」


パンチングマシンに挑戦し、最高難易度と言われる『隕石破壊』に挑んでいた。
『隕石破壊』に必要なパンチ力は合計で700㎏であり、挑戦回数は三回なので一発当たり233㎏超の破壊力が必要となる……そして世界的にも名が知られている千冬がパンチングマシンに挑むとなればその周辺に人だかりが出来るのは当然と言えるだろう。


「こ、こりゃ見物だ!」

「ブリュンヒルデともなると一体ドレ位のパンチ力を秘めているんだ?」


ギャラリーが注目する中、千冬はグローブを装着すると右肩を軽く回した後に、右拳を軽く振り抜いてパンチングマシンのミットを一閃!――次の瞬間凄まじい音がしてミットは倒れ、画面には『999㎏』が表示され、隕石は一撃で粉砕されていた。


「ふむ、大分手加減したつもりなのだがまさかカンストとは……とは言え、現役時代だったら今のでもマシンを壊していたであろう事を考えると私も大分衰えたか?」

「「「「「「「「「(これで衰えたとかブリュンヒルデマジパネェ!!)」」」」」」」」」


圧倒的すぎる結果にギャラリーは戦慄していた。

其の後一行はエアホッケーでこれまたギャラリーが驚愕モノの熱戦を演じた後に、体感型アトラクションである『バイオハザード・ノーエスケープ』にやって来ていた。
このアトラクションはボックス型の部屋に3Dポリゴンのバイオハザードの世界観が投影され、プレイヤーの移動に合わせてベルトコンベアの床が動き、階段や坂に差し掛かるとステージ其の物が傾くと言う臨場感満載のステージを進みながらゾンビをはじめとしたエネミーを倒して行くと言うアトラクションで、部屋に入る前に武器を選択し、いざアトラクションスタートだ。
因みに選択した武器は一夏とヴィシュヌと箒が『火薬付きボウガン』、円夏が『二丁サブマシンガン』、鈴が『グレネードランチャー』で、乱が『Devil May Cry』からの出張武器である『カリーナ=アン』、そして千冬が『Final Fight』からの出張武器である『鉄パイプ』だった。


「千冬姉が鉄パイプ装備したらハガー市長以上に暴れまわる件について。」

「否定する材料が皆無です。」

「姉さんならばゾンビにもパイルドライバーをかましそうだ。」

「千冬さんならば武器を使わずともアイアンクローでゾンビの頭を粉砕して終わりだと思う。」

「寧ろこの世に千冬さんに倒せない相手って居る訳?」

「モンハンの古龍種でも余裕で倒すでしょこの人なら。」

「非常に失礼な事を言われている気がしなくもないが、少なくとも殴って倒れる相手にならば負ける気はしない……と言いたいところだが、天羽組の小林は私の本気の拳を喰らっても平気で立っているだろうな。
 奴の頑丈さは最早ゴジラ並みと言っても過言では無かろうよ……」

「まぁ、小林のアニキは天羽組最強だからなぁ。」


そんなこんなでアトラクションがスタートした訳だが、武器のチョイスもあって一夏達はほぼ無傷でステージを進んで行った――火薬付きボウガンは連射力ではマシンガンに劣るモノの一発の威力ではマシンガンを上回っているので総合的な火力は高く、二丁サブマシンガンはサブマシンガンの威力の低さを二丁にする事で補い、グレネードランチャーはグレネード弾、火炎弾、氷結弾、硫酸弾、対BOWガス弾の使い分けが強力で、カリーナ=アンは貫通性の高く高威力のライフル弾、マイクロミサイルを多数発射する『ヒステリック』が強烈無比で、千冬の鉄パイプは……


「ゾンビなど所詮は此の程度か……」


向かって来たゾンビの頭を鉄パイプで叩き潰して速攻KOの山を築いていた――ナイフと違い、鉄パイプならばゾンビの何処を殴っても大きく損壊させる事が可能なので実は優秀な武器なのだが、千冬は的確にヘッドクラッシュを食らわせていたのだ。


「銃の腕はポンコツなのに何故に火薬付きボウガンは面白いように敵にヒットするんだ兄さんは?」

「我ながら謎だ。
 おっと、攻撃オブジェクト発見!吹っ飛べや此の生ゴミ共がぁ!!!」


一夏達は順調にフィールドを進んで行き、今の所回復アイテムである『グリーンハーブ』は誰一人として使用していなかった。
そしてボス前の部屋にて現れたのは二体の『バンダースナッチ』と三体のリッカーだ……バンダースナッチは伸びる右腕の攻撃が厄介であり、リッカーは素早い動きと舌での攻撃が厄介な難敵なのだが――


「燃えろ~~!!」

「ハハハハハ!そのまま棒立ちで死ぬが良い!!」

「ゾンビよりは歯応えがあると思ったが、生物兵器も所詮は此の程度か、つまらんな。」


バンダースナッチの一体を一夏が火薬付きボウガンの超連射で撃滅し、リッカーの一体は円夏が二丁サブマシンガンのクロス撃ちでハメ殺しに、もう一体のバンダースナッチは腕が伸びるより早く間合いに入り込んで渾身の鉄パイプフルスイングで頭をホームランしてターンエンド。
残ったバンダースナッチとリッカーは、ヴィシュヌと箒による火薬付きボウガンの乱れ撃ちと、鈴の硫酸弾連射、乱のヒステリック集中撃ちによって呆気なく撃破されてしまっていた。

そして残すはボスのみ。
このアトラクションのボスは獲得点数によって決まるシステムとなっており、各得点数が100000点未満の場合は『ハンター十体』、100000点以上で『G4』、200000以上で『タイラント』、300000以上で『スーパータイラント』、400000点以上で『アレクシア』、500000万点以上で『追跡者』となっており、その上は1000000点以上を達成した者のみが挑める領域となっていた。

一夏達は見事に1000000点以上を達成し、その隠しボスがお目見えとなったのだが――


「成程、コイツは強敵だ。」

「バイオハザードの強ボスと思ったが、まさかDMCからコイツが来るとはな……ナイトメア!!」


其処に現れたのはバイオハザードのボスキャラではなく、初代Devil May Cryの強ボスとして知られるナイトメアだった。
通常はゲル状の身体で一切の攻撃を受け付けず、紋章を発動して身体を拘束して初めてダメージが与える事が可能になる敵であり、タイマンならば苦戦必至なのだが、味方が複数いれば其の限りではないだろう。


「千冬姉は常に紋章を攻撃してナイトメアの拘束が解かれないようにしてくれ!
 他のメンバーは攻撃の為に露出したナイトメアのコアに全ての火力をぶっ放せぇ!!」

「任せろ!」

「悪夢が……逆に悪夢を見せてやろう!」

「全ての火力で焼き尽くします!」


千冬が常に紋章を攻撃してナイトメアの拘束が解けないようにすると露出したコアに攻撃しながら本体からの攻撃は回避していく――中で一夏はナイトメアの背中に乗り、ヴィシュヌがナイトメアの後方に移動すると背中のコアと後部のコアに対して体術による攻撃を加える!
コアへのダメージは銃火器よりも近接戦闘の方がダメージが高く、一夏もヴィシュヌもコアを殴る殴る、蹴る蹴る、時々チャージした踵落としを喰らわせてコアの防御力を低下させて行く。(原作DMCではチャージ踵落としでコアのダメージ経験能力をリセット出来た。)
その効果は抜群で、ナイトメアのHPはあっと言う間にゼロになったのだが、其処から外装を吹っ飛ばした状態の『ファイナルコア』が現れ全方位攻撃を行って来た。
しかしこの全方位攻撃は実は『非常に攻撃範囲の広いビームを回転して放っている状態』なので、回転方向に逃げながら遠距離攻撃を行えばノーダメージでやり過ごす事が可能であり、一夏達もその方法で一方的にダメージを与え……


「終わりだ悪夢の成れの果てが!」

『wsdrfghklzxv@@@:::~~~~~!!!!』


最後は千冬が鉄パイプを投擲してファイナルコアを貫いてターンエンド……ナイトメアは謎の断末魔を残して消滅したのであった。
此れにてアトラクションは終わったが、一夏達は『本日の最高得点更新』としてパーク内全ての飲食店で使用出来る『スウィーツ何でも一品無料券』を手に入れたのだった。








――――――








バイオハザード(と言って良いのか多少疑問ではあるが)のアトラクションを楽しんだ後はランチタイムとなり、一夏達は『バーベキューレストラン』を選択して野外で炭火焼きのバーベキューを楽しんだ――其の際に千冬が豪快にビールを飲み干したのは当然と言えば当然だろう。

そして午後の部はコスプレイベントに参加したり、スーパーマリオのステージを模した迷路に挑戦したり、F-ZEROを模したカートレースに参加して一夏と千冬がデッドヒートを演じたり、ウマ娘なレースアトラクションで箒がまさかの大穴を当てて大量の賞品をゲットしていた。

バイオハザードのアトラクションで手に入れたスウィーツ無料券は、アトラクションを回る途中にクレープ屋で消費し、一夏が『キャラメルバナナ』、ヴィシュヌが『カスタードストロベリー』、円夏が『チョコバナナ』、箒が『抹茶クリーム小倉』、鈴が『ホイップブルーベリー』、乱が『キャラメルダブルベリー』、千冬は『キャラメルアーモンドチョコ』を注文していた。

そうしてテーマパークを楽しみ時は夕刻。
明日からはIS学園での生活が再開されるので、これが本日最後のアトラクションになる訳だが、其れに選んだのは夕刻のアトラクションの定番である『観覧車』だ。
サブカルワールドの観覧車は現在は国内最大となる直径200mなので頂点での眺めは正に絶景と言えるだろう。
ゴンドラは六人乗りなので、先ずは円夏と千冬、鈴と乱、箒が乗り込み、次のゴンドラに一夏とヴィシュヌが乗り込んだ……千冬達は一夏とヴィシュヌを二人きりにしてやろうと気を使ったのだ。


「楽しい時間ってのはあっと言う間だな……GW最終日、思い切り頼む事が出来たぜ――ヴィシュヌも楽しめたか?」

「はい、とても楽しめました。
 タイには此処まで大きなテーマパークは存在していないので尚更です……其れに、大好きな人と一緒ならばどんな場所でも楽しむ事が出来るでしょう?」

「……違いないな。
 また来ようぜ。今度は二人きりで。」

「ふふ、其れも良いですね。」


観覧車を乗り終えた一夏達はパーク内ショップで土産物等を買うと、サブカルワールドを後にして大阪駅に。
そこで夕食となる駅弁を買うと新幹線に乗り込んで東京に向かってレッツゴー!
因みに、此の時買った駅弁は一夏が『浪花の押し寿司弁当(バッテラ、タイの押し寿司、ヒラメの押し寿司のセット)』、ヴィシュヌが『道頓堀の唐揚げ弁当』、千冬と円夏が『食い倒れのカニ飯弁当』、鈴と乱が『大阪粉モノ弁当(焼きそば、お好み焼き、たこ焼きのセット)』、箒が『大阪串カツ弁当』だった。

そして東京駅に到着と同時に一夏が事前に手配していた『ラピッドカンパニー』の自社ワゴンバスに乗り込んでモノレールの駅まで爆走し、モノレールに乗ってIS学園へと帰還したのであった。








――――――









同じ頃、東京羽田空港国際線ロビーにて……


「日本よ、私はやって来た!!
 待っていてください教官、兄上、姉上!クククク……ハハハハハ……ハァ~ッハッハッハッハ!!」


ドイツからの国際線にてやって来た眼帯銀髪の少女がどこかで聞いた事があるようなないようなセリフを声高々に言い放った後に、どこぞの赤毛のストーカーもビックリの高笑いを発して周囲の客やスタッフをドン引きさせていたのだった。

そしてこの少女がIS学園に新たな旋風を巻き起こす……のかどうかは運命或いは世界、そして篠ノ之束のみぞ知ると言ったところだろう。








 To Be Continued